宮城県仙台市の痴漢事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事案の概要】
Aさんは、泥酔して乗車した電車内にて、近くに座っていた女性の体を触ってしまいました。
目撃者により通報され、迷惑防止条例違反として連行された警察署での取調べを受けたAさんは、逮捕や勾留・起訴を回避すべく、弁護士に相談することにしました。
(※守秘義務との関係で、一部事実とは異なる点がございます。)
【弁護活動】
Aさんは逮捕こそされていないものの、通報を受けた警察が、既に捜査を開始している段階です。
逮捕・勾留は、起訴・不起訴の判断に向けた捜査のために一時的に身柄を拘束する手続にすぎないため、逮捕・勾留をせずに警察が捜査を行うことも少なくありません。
これを、在宅事件といいます。(一方、逮捕・勾留を行いつつ捜査を進める形式の事件を身柄事件といいます。)
もっとも、在宅事件であっても、警察は身柄拘束を行わないだけであり、取調べ等の捜査やその後の起訴・不起訴の判断については通常通り行われることとなります。
また、最初は在宅事件として取り扱われていた場合でも、捜査の状況によっては突然逮捕され、身柄事件へと切り替わることもありえます。
そして、取調べで話した内容は、全て供述調書として記録され裁判の証拠とされてしまうほか、これを後から覆すことは極めて困難です。
そのため、初動の段階で弁護士に相談し、どのようなことを話すかを方針立てておくかどうかによって、その後の処分が大きく左右されることとなります。
在宅事件であっても、弁護士に早期に相談できなかったがために逮捕・勾留されてしまったり、起訴処分となってしまったりするおそれがあるのです。
本件において、Aさんは泥酔していた影響からか、取調べ当初の段階では罪を認めていませんでした。
もっとも、本件では犯行の目撃者がいたために、Aさんが罪を否認したとしても、いずれは起訴され、正式裁判を受けるおそれがあります。
他方、Aさんはいわゆる初犯であったため、罪の認めに転じたのであれば、正式裁判を回避し、略式裁判での罰金に抑えることが見込める事案でした。
むしろ、客観的な目撃者の証言があるにもかかわらず否認を続けることで、処分が重くなってしまう可能性すら考えられます。
そのため、弁護士としては、罪を認め、被害者との示談を急ぐことで、正式裁判を回避すべきである旨助言しました。
被害者との示談は、処分を軽くする上で極めて有効な手段となります。
被害者が加害者を許すことを意味する宥恕(ゆうじょ)を得た事実や、被害に対する弁償を済ませたといった事実は、処分を軽くするための強い事情となりうるのです。
もっとも、被害者は加害者に対し強い被害感情を抱いていることが通常であるため、本人自ら示談を行うことは極めて困難です。
そうした意味でも、示談交渉のプロフェッショナルである弁護士を客観的な第三者として介入させる必要があります。
無事に示談を奏功させる上では、早期の段階で弁護士に依頼する必要性が非常に高いといえるでしょう。
本件において、仮に否認を続けていれば、裁判で争う必要があるということになり、起訴され正式裁判となってしまう可能性は十分に高かったものと考えられます。
もっとも、結果としては、正式裁判を回避することができ、Aさんは略式裁判での罰金を支払うだけで済むこととなりました。
早期段階からの主張方針に関する助言や、示談の成立等の適切な弁護活動が功を奏し、正式裁判を無事回避することができたといえるでしょう。
【痴漢事件を起こしてしまったら】
以上のことからも分かる通り、刑事事件では、弁護士への早期相談が何よりも大切です。
本件は、事件発生直後からのご相談だったからこそ、主張方針に関する助言や示談を行うことができ、正式裁判を回避することができました。
もし仮に逮捕されてしまった場合にも、早期の相談が大切であることには変わりありません。むしろ、逮捕・勾留・起訴…と、段階を追うごとに不利益が大きくなっていってしまうため、より迅速な対応が求められるとすらいえます。
捜査機関によって供述調書などの証拠の収集が順次進められていくことにより、弁護士に早期に依頼していれば取り得た選択肢が既に失われているという事態も、決して少なくはありません。
宮城県仙台市の痴漢事件でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。
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