Archive for the ‘刑事事件’ Category

お店の壁を蹴って穴を空ける事件。建造物等損壊罪における「損壊」の定義と不起訴処分を目指す弁護活動

2024-04-20

建造物等損壊罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県白河市に住んでいる会社員のAさんは、食事をするためにラーメン店を訪れていました。
そこでAさんは料理の提供が遅いと店員に文句を言いました。
口論がヒートアップし、怒ったAさんは店舗の壁を蹴って穴を空け、そのまま店を出ていきました。
そして店員は、壁に穴を空けられたと警察に通報しました。
その後、白河警察署の捜査によってAさんの身元が割れ、建造物等損壊罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

建造物等損壊罪

物を壊す行為は器物損壊罪になりますが、建造物を損壊させるケースは器物損壊罪と別の犯罪として刑法に定義されています。
参考事件にある建造物等損壊罪とは、刑法第260条に「他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。」と定められています。
後段部分にある「よって死傷させた」とは、建造物等損壊致傷罪、および建造物等損壊致死罪を指しています。
この条文における「建造物」とは、家屋その他これに類似する建築物のことであり、屋根があり壁・柱により支持され、土地に定着し、少なくともその中に人が出入りできる構造になっているもののことを言います。
また、「艦船」は軍船及び船舶のことで、これも同じく人が中に出入りできる構造になっている必要があります。
これに該当するのは船着場にとまっている漁船や、小型のフェリーなどです。
そして建造物等損壊罪における「損壊」ですが、これは単に破壊するだけを指すものではありません。
この場合の「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為を意味します。
建造物・艦船の効用には景観や威容も含まれており、破壊を伴わずともこれらの効用を原状回復が容易ではないほどに低下させれば、「損壊」したとみなされます。
そのため壁に落書きをする、大量のビラなどを壁に張り付けるなどの行為も「損壊」であり、建造物等損壊が適用されます。
Aさんの場合は、建造物である店舗の壁を破壊して効用を低下させたため、典型的な建造物等損壊罪と言えます。

示談交渉

参考事件のような建造物等損壊事件の場合、被害店舗との示談を締結させることができれば、不起訴処分を獲得できる可能性があります。
こういったケースは被害弁償の金額が、損壊の程度によって変わってきます。
金額の面で被害者と揉めてしまうと、示談交渉は難航し、示談の締結が難しくなってしまいます。
こういった示談交渉を拗れることなく進めたいのであれば、専門的な知識が必要になります。
そのため示談交渉の知識と経験が豊富な、刑事事件について詳しい弁護士によるアドバイスが、事件をスムーズに解決するための鍵になります。

建造物等損壊事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に特化した法律事務所です。
当事務所では初回であれば無料の法律相談の他、逮捕・勾留中の方に弁護士が直接伺う初回直接接見サービスを実施しています。
ご予約は24時間体制で、土・日だけでなく祝日も対応可能です。
ご家族が建造物等損壊罪の容疑で逮捕されてしまった方、建造物等損壊事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

窃盗事件を起こして逮捕、窃盗を行うために他の犯罪に該当したらその刑罰はどうなるのか

2024-04-13

窃盗罪の他、器物損壊罪と建造物侵入罪、そして牽連犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県石川郡に住んでいる会社員のAさんは、無人販売店を訪れていました。
Aさんは店内に取り付けてある料金箱の留め具を壊し、壁から外してそのまま料金箱を持って無人販売店を去りました。
その後事件は警察に通報され、石川警察署の捜査でAさんが事件を起こしたとわかり、身元も判明しました。
そしてAさんは窃盗罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんには建造物侵入罪器物損壊罪の容疑もかけられています。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗罪

料金箱を盗んだAさんは窃盗罪だけでなく、刑法に定められたその他の罪も適用されました。
まず、窃盗罪刑法235条に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃取とは持ち主の意思に反して、財物を自己または第三者に物の占有(物に対する実質的な支配)を移すことを意味しています。
参考事件の場合、仮に盗んだ料金箱に現金が入っていなかったとして窃盗罪になります。
これは料金箱自体が商品代金を入れる目的で設置されているため、店主や店員が占有している物と判断できるからです。
そのためAさんには窃盗罪が適用されました。
そしてAさんには、さらに器物損壊罪建造物侵入罪の容疑もあります。

器物損壊罪と建造物侵入罪

物を損壊させると適用されるのが、器物損壊罪です。
Aさんは料金箱を持ち去る際に、留め具を壊して外しています。
そのため、物を壊したAさんに器物損壊罪が適用されました。
そして次に建造物侵入罪です。
建造物侵入罪は、正当な理由もなく建造物に侵入すると適用されます。
開かれている店舗に入るのであれば「侵入」とは言えないのではないかと考える方もいると思われますが、Aさんの場合、店に入る際に買い物をする意思はありませんでした。
買い物をするつもりで入ってきたのであればそれは「正当な理由」であるといえますが、盗みを目的として店舗に入るのであれば、それは「侵入」していると判断されます。
以上のことからAさんには窃盗罪の他、器物損壊罪建造物侵入罪が成立しました。

牽連犯

Aさんは盗みを目的として無人販売店に侵入し、料金箱の留め具を壊して料金箱を盗んでいます。
このように2つ以上の犯罪行為の間に、一方が他方の手段であるか、他方が一方の結果であるという関係が存在する場合、これを牽連犯と言います(刑法第54条)。
牽連犯は、それぞれの刑罰の中から、最も重い刑を適用します。
参考事件の場合、窃盗罪の他はそれぞれ、器物損壊罪は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」、建造物侵入罪は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」が刑罰となっています。
そのため、Aさんに適用されるのは「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」である窃盗罪の刑罰です。
刑事事件では牽連犯のように、あまり一般的ではない用語が使われることも珍しくありません。
刑事事件を起こしてしまった際は、自身の刑罰がどうなるのか予測を立てるためにも、弁護士のアドバイスをもらうため法律相談を受けてみましょう。

刑事事件の際はご相談ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件(および少年事件)を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所では初回の法律相談を、無料で実施しております。
逮捕(または勾留)されている方には、弁護士が直接留置施設に伺う初回直接接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約も年中無休、24時間体制で対応しておりますので、ご家族が窃盗事件を起こして逮捕されてしまった方、窃盗罪器物損壊罪建造物侵入罪などの容疑がかかっている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご相談ください。

キャンプで使用したサバイバルナイフを持ったまま忘れ、銃刀法違反事件

2024-02-24

銃刀法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県喜多方市に住んでいる大学生のAさんは、友人と一緒にキャンプに出掛けていました。
キャンプから帰って数日後、警察から職務質問を受けることになったAさんは、所持品検査に応じました。
その際、キャンプの時にバッグに入れ、そのまま忘れていた刃渡り7センチメートルほどのサバイバルナイフが見つかりました。
Aさんは警察にキャンプに行っていたことを説明しましたが、銃刀法違反の疑いで喜多方警察署逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

銃刀法違反

銃刀法違反とは「鉄砲刀剣類所持等取締法」に違反したことを意味しており、銃刀法はこの法律の略称です。
銃刀法第22条には、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。」と定められています。
この条文において「業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づいて、継続して行う事務又は事業のことを指します。
携帯」は手に持ったり身体に帯びたりといった状態の他、バッグに入れている状態や車に積んでいる状態も「携帯」していると判断されます。
また、その他の「正当な理由」とは、購入したナイフを自宅に持ち帰ろうとしている、包丁を研ぐために店に持って行こうとしているなどの状況が当てはまります。
Aさんのようにキャンプで使用するために持ち歩くのであれば、それは「正当な理由」があると判断されます。
しかし、キャンプが終わって数日たっているのであれば、もう「正当な理由」はなくなっているので、銃刀法違反となります。
この場合の法定刑は、銃刀法31条の18第2項第2号により「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」となります。

逮捕後の流れ

逮捕されると警察の取調べを受け、釈放されなければ48時間以内に検察官に事件は送致されます。
そして検察官へ送致されると、検察官は24時間以内に裁判官に勾留請求をするかを決定します。
裁判官が勾留を決定すれば10日間身体拘束され、延長されると最大で20日間勾留が継続されます。
つまり逮捕後は最大で23日間、外部との連絡を制限された状態で取調べを連日受ける状態が続きます。
それを避けるには弁護士に弁護活動を依頼し、会社や家庭への影響を主張したり、証拠隠滅や逃亡の危険がないことなどを書面にして提出したりして早期の釈放を求める必要があります。
銃刀法違反で逮捕された場合、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。

刑事事件に詳しい強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件及び少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回であれば無料の法律相談逮捕及び勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
銃刀法違反事件の当事者となってしまった、若しくは銃刀法違反の容疑でご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のへ、お気軽にご相談ください。

ライターを使って自転車に火を付け建造物等以外放火罪、弁護士に依頼するメリットとは

2024-02-03

建造物等以外放火罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県いわき市に住んでいる会社員のAさんは、会社の同僚であるVさんが持つ自転車を発見しました。
Aさんは人目に付かないか確認した後、持ってきたライターを使って自転車に火を付けました。
その後、自転車の持ち主であるVさんが戻ってきた際に火を消し止め、火を付けられたと警察に通報しました。
いわき中央警察署が捜査を進めた結果Aさんが火を付けたことが分かり、Aさんは建造物等以外放火罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

建造物等以外放火罪

刑法の第9章には放火(及び失火)に関する罪が定められています。
建造物等以外放火罪もそこに規定があり、「放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。」と刑法110条第1項に定められており、Aさんにはこの建造物等以外放火罪の条文が適用されています。
条文にある「前2条」とは、刑法第108条第109条を指しています。
刑法108条は人が住居にしている又は人がいる建造物等に放火した者に成立する現住建造物等放火罪を定めており、刑法109条第1項は人か住居に使用せずかつ人のいない建造物等に放火した者に成立する非現住建造物等放火罪を定めています。
つまり、刑法第110条第1項は住居や建造物以外を放火した場合に適用されます。
焼損」とは火が媒介物を離れ、放火された物が独立して燃焼を継続している状態を指し、「公共の危険」とは不特定多数の人々の命や体、財産を脅かす危険を指しています。
公共の危険が発生したかどうかは建造物等以外放火罪の成立に大きく影響します。
仮に参考事件と同じ自転車が放火される事件が発生した場合でも、周りにある物に延焼する危険性がない、周りに物がなく延焼しないといった状況であれば、公共の危険が生じたとは言えないため建造物等以外放火罪は成立しないケースもあります。
その場合、他人の物を損壊したとして器物損壊罪が成立する可能性が考えられます。

示談交渉

建造物等以外放火罪は「1年以上10年以下の懲役」が刑罰であるため、略式罰金で済ませることのできない重い犯罪です。
参考事件のように他人が所有する物に放火するケースの場合、その物を所有する被害者に示談交渉をすることで、減刑を求めることができます。
示談交渉は個人で行うこともできますが、専門的な知識がないと減刑に効果的な示談を進めることはできません。
また、被害者と直接連絡を取るとかえって事態がややこしくなってしまう懸念もあります。
そのため弁護士に弁護活動を依頼し、弁護士を間に入れる形で示談を進めることで、よりスムーズな示談交渉を行うことをお勧めいたします。
示談交渉は処分が決定する前に締結する必要があるため、放火事件の際には速やかに弁護士に相談することが重要です。

放火事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では初回であれば無料でご利用いただける法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けております。
放火事件を起こしてしまった、ご家族が建造物等以外放火罪の疑いで逮捕されてしまった、このような場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご連絡ください。

元交際相手に何度も連絡し、さらに家で待ち伏せしたことによりストーカー規制法違反で逮捕

2023-12-09

ストーカー規制法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県石川郡に住んでいる会社員のAさんは、以前交際していたVさんとよりを戻したいと思っており、度々Aさんに連絡をしていました。
Vさんはそのことを迷惑に思っており、何度言って止めないため警察に相談することにしました。
その後、Aさんはストーカー行為に対する警告を受けました。
しかし、Aさんは次にVさんの自宅付近で待ち伏せをすることにしました。
Aさんが待ち伏せしていることを確認したVさんは、再度警察に連絡しました。
そしてVさんの自宅に相馬警察署の警察官が駆け付け、Aさんはストーカー規制法違反の疑いで現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

ストーカー規制法違反

ストーカー規制法の正式名称は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」です。
この法律を破ってしまうと、参考事件のAさんのようにストーカー規制法違反となります
Aさんの行った、止められても何度も連絡を取る行為は、ストーカー規制法第2条第1項第5号電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、文書を送付し、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。」に該当します。
次に自宅付近で待ち伏せする行為ですが、これは第1号つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。」に該当します。
このことから、Aさんに行為はストーカー規制法違反となる可能性が非常に高いです。
また、Aさんは警察から警告を受けています。
この警告もストーカー規制法に定められた規定であり、ストーカー行為をされたと相談があった場合、警察がストーカー行為を続ける可能性があると判断すれば、警告や禁止命令を出すことができます。
ストーカー規制法第19条の規定により、禁止命令に違反してなおストーカー行為をした者には「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」が科せられます。
参考事件のAさんは警告を受けていますが、禁止命令ではないため、この場合ストーカー規制法第18条の「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が法定刑となります。

ストーカー規制法違反の弁護活動

ストーカー行為をした場合、基本的には警告や禁止命令が出されます(ケース次第で警告や禁止命令なしで即逮捕されることもあります)。
そして禁止命令が出されてもストーカー行為を続けてしまうと、逮捕される可能性が非常に高くなります。
以前までストーカー規制法違反は親告罪でしたが、今現在は非親告罪であるため、被害者が告訴せずとも刑事裁判になる可能性があります。
そのため刑事裁判の回避不起訴処分を求めるのであれば、弁護士の存在は欠かせません。
ストーカー規制法違反の場合、示談を成立させることが最も大事になりますが、事件の性質上、当事者だけでの示談交渉は困難と言えます。
速やかに示談交渉の締結を目指すのであれば、ストーカー規制法に詳しい弁護士に依頼し、アドバイスを求めることが重要です。

ストーカー規制法違反に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所は初回であれば無料でご利用いただける法律相談をフリーダイヤル「0120-631-881」でご予約いただけます。
また、同じフリーダイヤルで逮捕されている方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約も可能です。
どちらも24時間、土日、祝日も電話対応しておりますので、ストーカー規制法違反事件の当事者となった方、またはご家族がストーカー規制法違反の疑いで逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のへ、お気軽にご相談ください。

脅迫罪の疑いで事情聴取、弁護士によるサポートの必要性

2023-09-23

脅迫罪と弁護士の重要性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県いわき市に住んでいる大学生のAさんは、交際していたVさんから突然別れたいと切り出されました。
以降連絡しても返事がない状態になり、腹を立てたAさんは「連絡に返事をしないなら殺しにいくからな」とメールを送信しました。
しばらくすると警察官がAさんの自宅を訪ねて来て、「被害届が出された」とAさんに伝えました。
そしてAさんは脅迫罪の容疑でいわき中央警察署から事情聴取を受けることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

脅迫罪

脅迫罪刑法第222条第1項に「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」と定められています。
脅迫罪における脅迫とは、一般通常人であれば畏怖する、恐怖心を起こす程度の害悪を告知することです。
そのため、脅迫された被害者が実際に恐怖している必要はありません。
害悪の告知は何らかの形で実現可能な範囲である必要もあり、「災いが起こる」など実現させる可能性が低いものは害悪の告知とはなりません。
また、この条文には「害を加える旨を告知」する方法の記載がありません。
そのため口頭による害悪の告知だけでなく、書面挙動によるものでも上記の内容を満たせば脅迫罪に該当します。
参考事件のAさんは、「殺す」という生命に対する害悪の告知をメールで行っていることから、脅迫罪が成立します。

弁護士の重要性

参考事件のような脅迫事件では事情聴取(取調べ)に適切な対応がとれるかどうかが重要です。
事情聴取は事件の概要によって時間は変化し、複数回行われることもあります。
しかし刑事事件に詳しくない方にとっては、事情聴取に対してどのように対応すればよいものか悩んでしまうでしょうから、後から後悔しないためにも、事情聴取を受ける前に弁護士に相談することをお勧めします。
また、被害者に対して示談交渉を行う場合も、弁護士が間に入ることで示談交渉をスムーズに進めることができ、示談締結の可能性が高まります。
そのため脅迫事件を起こしてしまった場合、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めします。

刑事事件専門の弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談のご予約を、24時間体制で受け付けております。
また、逮捕・勾留中の事件の場合は、逮捕・勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約も「0120-631-881」のフリーダイヤルでお持ちしておりますので、脅迫事件を起こしてしまった方、またはご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。

自宅に放火で現住建造物等放火罪、裁判員裁判の対象に

2023-09-02

現住建造物等放火罪と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県東白川郡に住んでいる大学生のAさんは、実家で同居している家族と喧嘩になってしまいました。
怒ったAさんはライターを持ち出すと、火を付けカーテンに引火させました。
すぐに消火器で火は消し止められましたが、Aさんの家族が放火したことを警察に通報しました。
その後、Aさんは棚倉警察署から駆け付けた警察官に、現住建造物等放火罪で逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

現住建造物等放火罪

現住建造物等放火罪刑法第108条に、「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と定められています。
Aさんが放火したのは、放火時点でAさんの他に家族もいるため現に人がいる建造物であるため現住建造物等放火罪となります(仮に放火時点で家族が実家にいなくとも、自分と家族が住んでいる家屋であるため、現に人が住居に使用している建造物として条文の適用範囲になります)。
また、現住建造物等放火罪の法定刑には「死刑又は無期の懲役」が含まれているため、裁判員裁判対象事件となります。

裁判員裁判

裁判員裁判とは、国民の中から無作為に選ばれた一般の方が、裁判員として裁判に参加する制度のことです。
裁判員裁判は一般の方が参加するため、裁判が開かれる前に事件の争点を明確にする手続きがとられます。
これを公判前整理手続といい、裁判官と検察官、そして弁護士もここに参加します。
また、弁護士は不公平な裁判をするおそれのある裁判員が選出されるのを防ぐため、裁判員の選任手続にも立ち合います。
通常の裁判ではこのような手続きは行われないため、裁判員裁判の際は、裁判員裁判の知識と経験も備えた弁護士に依頼することが大切です。

放火事件と裁判員裁判に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
通常の刑事事件はもちろんのこと、裁判員裁判についても知識と経験が豊富な弁護士が在籍しています。
当事務所では初回無料の法律相談や、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービス等をご利用いただけ、どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けております。
現住建造物等放火罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方、または裁判員裁判対象事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。

家出した高校生を家に泊め、未成年者誘拐罪

2023-08-12

未成年者誘拐罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県福島市に住んでいる会社員のAさんは、SNS上で繋がりのあった高校生のVさんが「家を出ていきたい」とコメントしていたことに気付きました。
Aさんは「じゃあ俺の家に来るといい」とVさんに伝え、その後Aさんの自宅に来たVさんを泊めました。
VさんがいなくなったことでVさんの家族は福島北警察署に被害届を出しました。
そして警察の捜査で同市内にいたAさんとVさんが見つかり、Aさんは未成年者誘拐罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

未成年者誘拐罪

未成年者を誘拐した場合、刑法第224条に定められた未成年者誘拐罪が適用されます。
この犯罪における「誘拐」とは、未成年者に対して偽計や誘惑を用い、現在置かれている生活環境から離脱させ、自己もしくは第三者の事実的支配下に置くことです。
ここで言う未成年者とは、18歳未満の者を指します。
参考事件ではVさんの発言を受けて家に泊めているため、一見誘拐しているようには見えないかもしれません。
しかし、AさんがVさんの家出を止めずに「じゃあ俺の家に来るといい」という発言をしたことによって、Vさんが間違った判断をしたと考えることができるので、未成年者誘拐罪が適用される可能性は高いです。
また、Vさんの親の同意がないことも、未成年者誘拐罪成立の要因となります。
刑法第224条の保護法益には親権者の保護監督権も含まれているため、仮に未成年者本人の同意があっても、親の同意がなければ本罪は成立します。

未成年者誘拐罪の弁護

未成年者誘拐罪は被害者が存在する事件であるため、被害者側との示談交渉が重要な弁護活動になります。
示談を締結させることができれば、減刑や不起訴処分が見込めます。
さらに未成年者誘拐罪親告罪刑法第229条)であるため、示談の中で告訴を取り下げてもらうことができれば、必ず不起訴処分となります。
しかし、未成年者が被害者であるため被害者側は処罰感情が強くなりやすく、示談交渉が難航することも十分あり得ます。
そのため未成年者誘拐事件の際には、刑事事件の強い弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めいたします。

未成年者誘拐事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」で予約可能ですので、未成年者誘拐事件の当事者となった方、またはご家族が未成年者誘拐罪で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に、是非、ご相談ください。

受け子が逮捕、特殊詐欺における役割

2023-07-01

特殊詐欺で犯人が担う役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県郡山市に住んでいる大学生のAさんは、SNSから応募して闇バイトの受け子をしていました。
Aさんは指示役の架け子から、職場の同僚を装って被害者宅へ現金を受け取りに行くように指示を受けました。
指示通り被害者宅に行き、被害者から現金を受け取ろうとしましたが、被害者は騙されたふりをしていて、事前に警察官を呼んでいました。
そのままAさんは待ち伏せしていた郡山警察署の警察官に、詐欺罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

特殊詐欺

参考事件のAさんは、特殊詐欺の受け子をしていました。
特殊詐欺とは、被害者と直接対面しない方法(電話など)を使い、親族などを装って被害者を信用させ、銀行口座へ振り込ませるなどの方法で現金を不特定多数から騙し取る犯罪のことです。
基本的に特殊詐欺は、複数の犯人がそれぞれの役割を担って計画を実行します(全ての役割を1人が担うこともあります)。
ここでは参考事件を基本にそれぞれの役割を解説していきます。

まず、会社の上司や銀行員などを装い被害者に電話をかけて、自宅に会社の同僚や警察官などが向かうと言って騙す「架け子」という役割があります。
直接動くことはないので逮捕リスクが低く、参考事例のように指示役が担っているパターンもあります。

次に、信頼できる人物を騙って現金やキャッシュカードを受け取る役割が、Aさんの担った「受け子」です。
直接被害者に会う役割であることから、参考事件のように待ち伏せによって逮捕されるリスクがあるため、SNSなどで募集された一般の方が担うことがほとんどです。

参考事件には登場しませんが、キャッシュカードを騙し取る事件の場合に、口座から現金を引き出す「出し子」という役割も存在します。
出し子は受け子と同じく募集された者が担うことが多く、受け子と兼任することもあります。
現金を引き出す際に、監視カメラに顔が映る可能性が高いことから、こちらも逮捕リスクが高い役割になります。

詐欺罪の弁護対応

特殊詐欺は組織だって行われる犯罪であることから、悪質と判断されやすい犯罪です。
闇バイトの受け子は、犯罪者グループに都合よく利用されただけであっても、実行犯として犯罪の重要な役割を担ったと判断されます。
詐欺罪は「10年以下の懲役」が刑罰であるため、前科のない初犯であっても、実刑が下され刑務所に服役する可能性が高くなります。
実刑を避けるためには執行猶予の獲得が必要であり、そのためには被害者との示談交渉などの弁護活動を、詐欺事件について詳しい弁護士に依頼することが重要です。

詐欺事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」で、初回無料の法律相談や、逮捕・勾留された方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を24時間体制で受け付けております。
特殊詐欺に加担してしまった方、または受け子をしたことでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に、お気軽にご連絡ください。

他人の土地を占拠 不動産侵奪罪の刑事責任は?

2023-05-20

他人の土地を占拠したとして不動産侵奪罪に問われた場合の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件例

Aさんは、福島県伊達市で清掃業を営んでいますが、10年近く前に、仕事で使用する道具などを保管するために借りていた倉庫の家賃を支払えなくなり、それ以降は、自宅近くにある空き地に、仕事道具や、仕事中に出た段ボールや木材などの廃材を勝手に保管しています。
10年の間に、その空き地の持ち主から撤去するように警告を何度か受けているのですが、警告を無視していたところ、Aさんは、不動侵奪罪福島県伊達警察署で取調べを受けることとなりました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

不動産侵奪罪~刑法第235条の2~

不動産侵奪罪は、窃盗罪と同じ刑法第235条に規定された法律です。
窃盗罪は他人の占有を侵害して財物を自己または第三者の占有に移すことを言うため、その所在を動かすことのできない不動産は窃盗罪の客体とはなりません。
そこで不動産の不法占拠に対する処罰の必要性に対応するために不動産侵奪罪が規定されているのです。

「侵奪」とは他人の占有を排除してその不動産を自己または第三者の占有とすることです。ここでの占有とは事実上の占有のみで登記の変更などの法律上の占有は含みません。
今回のケースでは、他人の土地に大量のゴミを投棄したことで、本来の土地の所有者が、その土地を自由に使用することができなくなり、占有を奪ったと解されています。

不動産侵奪罪で起訴されて有罪が確定すれば「10年以下の懲役」が科せられます。
窃盗罪の罰則規定には罰金刑が定められていますが、不動産侵奪罪には罰金刑の定めがないので、起訴された場合は、刑事裁判によって処分が決定します。

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