無免許運転で略式罰金

福島県耶麻郡在住のAさんは、過去に複数回スピード違反を行ったことで、60日の免許停止処分が下されました。
それにもかかわらず、自宅から徒歩10程度の距離にあるコンビニへ行く際、車を運転して行きました。
その途中、他の車と軽く接触する事故を起こし、警察が駆けつけたことで運転したことが発覚してしまいました。
事故の相手方に怪我はありませんでしたが、Aさんは無免許運転の疑いで猪苗代警察署にて取調べを受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は、最終的に略式罰金で終わる可能性が高いと説明しました。
(フィクションです)

【無免許運転について】

車や原付を運転する場合、車両に応じて運転免許を取得しなければなりません。
その運転免許がない状態で運転した場合、道路交通法が定める無免許運転に当たります。
以下では、意外と知られていない無免許運転の詳細について解説します。

道路交通法64条1項は「…公安委員会の運転免許を受けないで(…)、自動車又は言動付自転車を運転してはならない」と定めています。
そして、同法117条の2の2において、上記規定に違反して無免許運転をした場合に3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科すとしています。
ここで注意すべきは、この無免許運転に当たる場合というのが、元から運転免許を取得していないという場合に限られない点です。
先ほどは省略しましたが、同法64条1項には「運転免許の効力が停止されている場合を含む」と明記されています。
つまり、いわゆる免停により一時的に運転できないに過ぎない場合であっても、車を運転すれば無免許運転に当たるということです。
上記事例のAさんも、60日間の免停期間中に運転している以上、無免許運転の罪の成否を争うのは難しいと言えるでしょう。

ちなみに、無免許運転と区別が必要な違反として免許証の不携帯が挙げられます。
こちらは免許証が車内や懐中になかったというものであり、罰則も2万円以下の罰金または科料(1000円以上1万円以下の金銭の納付)という軽微なものです。
加えて、いわゆる青切符による簡易・迅速な処理が可能であることから、赤切符を切られて刑事事件として処理される無免許運転とは大きく異なると言えるでしょう。

【略式罰金による事件の終了】

無免許運転の処分がどうなるかは、実際のところ事案の内容や前科の有無などにより様々です。
ですが、無免許運転の罪のみで捜査され、なおかつ初犯であれば、20万円から30万円程度の罰金刑となることが多いでしょう。

事案の内容からして100万円以下の罰金刑を科すのが相当である場合、略式起訴(略式手続)という特殊な処理をされることがよく見られます。
略式罰金とは、通常こうした特殊な手続により科される罰金刑のことを指します。
略式罰金の最大の特徴は、裁判官が書面に基づき事件の審理を行う点です。
本来であれば、検察官が起訴をした場合は裁判所の法廷で審理が行わなければなりません。
ですが、全ての事件を法廷で審理するとなると、被告人、検察官、裁判官のいずれにとっても負担となります。
そこで、被告人の同意が得られた事件については、より簡単な手続で裁判を行うというわけです。

略式罰金に同意する際に留意すべき点として、捜査機関が作成した証拠に沿って事実認定が行われるということが挙げられます。
ですので、もし事実関係に争いがあるということであれば、敢えて通常の裁判を希望して無罪などを目指すのも選択肢の一つです。
ただ、この希望は一定期間が経過すると受け付けてもらえなくなるので、悩んだらお早めに弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、略式罰金に応じるべきか多角的な視点から検討します。
無免許運転を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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