12月, 2024年
【事例解説】刃物を突き付けて女性に服を脱ぐよう指示、強要罪の条文と逮捕された場合の流れ
強要罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県耶麻郡に住んでいる大学生のAさんは、カッターナイフを持って外に出ました。
そしてあまり人通りのない道に立って、女性が来るのを待っていました。
女性が通りかかった際に、カッターの刃を出して「服を脱げ」と脅しました。
しかし、同じく通りかかった通行人が現場を目撃し、Aさんに「警察を呼んだ」と声をかけたため、Aさんは逃げだしました。
その後、猪苗代警察署が捜査を続けたことで、Aさんの身元が判明しました。
ほどなくしてAさんは、強要罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

強要罪
強要罪は脅迫罪とともに刑法の脅迫の罪の章に定められています。
刑法第223条が強要罪の条文であり、同条第1項には「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。」と定められています。
「脅迫」は相手方の生命、身体、名誉若しくは財産に対して害を加える旨を告知することを意味します。
「暴行」は相手方が恐怖心を抱き、それにより行動の自由が侵害される程度の有形力(物理力)の行使することを意味します。
この場合の「暴行」は、暴力が直接相手の身体に向けられている必要まではありません。
例えば脅す際に近くにあるものを蹴り飛ばすなどして、飛んだ物が相手に当たらない場合でも、被害者への間接的な「暴行」が認められます。
「権利の行使を妨害した」とは、法律上の権利行使の妨害を意味し、例として告訴権者に告訴を行わないようにすることがあります。
強要罪は義務のないことをさせたり、権利の行使を妨害したりという結果を発生させるために、暴行や脅迫が必要です。
この行為と結果には因果関係がなければいけないため、参考事件で仮に女性が憐みから服を脱ぐ場合は未遂になります。
参考事件はAさんがカッターナイフを出して服を脱ぐよう脅しましたが、女性は服を脱がなかったため強要罪は未遂になります。
しかし、刑法第223条第3項には「前2項の罪の未遂は、罰する。」と定められています。
そのため、Aさんには強要未遂罪が成立します。
逮捕後の流れ
逮捕されてしまうと、身体拘束された状態で警察から事情聴取を受けることになります。
そして警察は事情聴取をしながら、検察に事件を送致するか釈放するかを48時間以内に決めます。
送致が決まると今度は検察が取調べを行い、釈放するか裁判所に勾留請求するかを24時間以内に決めます。
勾留とは逮捕期間の延長のようなもので、勾留されると10日間、追加されるとさらに10日間は身体拘束が続きます。
つまり、逮捕されてしまうと最長で23日間、身体拘束が続いてしまいます。
このような勾留を避けるには、弁護士による弁護活動が必要です。
弁護士がいれば、罪証隠滅や逃亡の危険がないと正式な書面で捜査機関に主張することができます。
また、身体拘束の長期化を防ぐのに効果的な示談交渉も、弁護士がいればよりスムーズに進めることができます。
そのため強要罪などで刑事事件化してしまった場合は、速やかに弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。
強要罪に強い法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件や少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談や逮捕中の方のもとまで直接弁護士が赴く初回接見サービスのご予約を受け付けております。
ご予約は24時間体制で承っており、土、日、祝日も対応可能です。
強要罪で事件を起こしてしまった、またはご家族が強要罪の容疑で逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】信号無視で歩行者にぶつかり過失運転致傷罪、弁護士に示談交渉を依頼するメリット
過失運転致傷罪と示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県会津若松市に住んでいる大学生のAさんは、バイクに乗って大学から帰る途中でした。
横断歩道を渡る際、信号は赤でしたが人がいないと判断したAさんは、そのまま止まらず進もうとしました。
しかし、暗くて気付かなかっただけで歩行者がいたため、Aさんは歩行者と接触してしまいました。
Aさんはすぐに怪我をした歩行者の救護を行い、その後「交通事故を起こした」と警察に連絡しました。
しばらくして会津若松警察署から警察官が現れ、事情を聞いた後Aさんを過失運転致傷罪の容疑で逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

過失運転致傷
過失運転致傷罪は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律に定められています。
この法律の第5条には、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」と定められています。
これが、過失運転致傷罪及び過失運転致死罪の条文です。
犯罪のほとんどは故意犯、つまり意図的に罪を犯す意思を持って実行した者が処罰されることになります。
しかし、過失運転致傷罪のように不注意によって事件を起こした過失犯を処罰するものもあります。
条文にある「自動車の運転上必要な注意」とは、横断歩道の直前で一時停止する、制限速度を守るなどの運転手の義務を意味します。
信号を守ることも自動車を運転する際の義務であるため、それを怠り歩行者に接触して怪我を負わせたAさんには、過失運転致傷罪が成立しました。
また、参考事件のような交通事故で、人が死亡する結果が出てしまった場合は、適用される条文は同じですが、罪名は過失運転致死罪となり、処分も過失運転致傷罪より重いものになります。
示談交渉
過失運転致傷罪となる交通犯罪は被害者が存在するため、弁護活動として示談交渉が考えられます。
示談が締結していれば減刑が望め、交通事故の内容次第では不起訴処分も考えられます。
この示談交渉は個人で行うこともでき、場合によっては保険会社に任せるといったこともできます。
しかし、保険会社による示談は、減刑や不起訴処分を目指して行われるわけではありません。
個人で行う示談交渉も、法的な専門知識がない状態では減刑に効果的な示談を締結することは難しいでしょう。
より減刑や不起訴処分の獲得に効果的な示談を締結するためには、専門家である弁護士の助力は必須と言えます。
過失運転致傷罪などの交通犯罪の際は、弁護士に相談し、示談交渉を依頼することが重要です。
過失運転致傷罪に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通犯罪を含めた刑事事件、少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所では、初回無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとまで弁護士が直接赴く初回接見サービスを実施しています。
ご予約は24時間体制で承っておりますので、交通犯罪を起こしてしまった方、または過失運転致傷罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
フリーダイヤル「0120-631-881」にて、お電話をお待ちしております。
【事例解説】所持していた脱法ハーブが見つかり薬機法違反で逮捕、執行猶予獲得のための弁護活動
薬機法違反と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県田村郡に住んでいる大学生のAさんは、インターネットで脱法ハーブを購入し、使用していました。
Aさんが車を運転していたところ、警察官に止められ職務質問を受けることになりました。
車の中に脱法ハーブを入れていたため、Aさんは職務質問を早く終わらせようとしました。
その様子がおかしいと感じた警察官は所持品検査を行い、袋に入っていた乾燥した植物片を見つけました。
「これは脱法ハーブか」と聞かれ、Aさんは観念して認めました。
そしてAさんは薬機法違反の疑いで、田村警察署に逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)
薬機法違反
脱法ハーブとは危険ドラッグの一種です。
麻薬や覚醒剤とは違いますが、それらと類似した成分が含まれた有害性のある薬物で、薬機法で取り締まられています。
薬機法は略称で、正しくは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。
医薬品等の製造及び販売、指定薬物に対する規制等を定めた法律で、「指定薬物」とは、「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの」です。
危険ドラッグはこの指定薬物に該当するもので、固形から液体状のものまで様々あります。
これらは規制を逃れるため、お香やアロマ、リキッド、芳香剤、さらには合法ハーブと偽造されて販売されていることもあります。
そして脱法ハーブはハーブティーのように乾燥した植物片の集まりのような見た目をしている、幻覚作用がある合成化学物質を添加された薬物です。
薬機法第76条の4には「指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。」と定められています。
この条文に違反すると「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」刑罰となります(薬機法第84条)。
このことから、脱法ハーブを購入して使用していたAさんには、薬機法違反が成立します。

執行猶予
刑の執行を一定期間猶予し、その期間問題を起こさなければ刑の執行を取りやめる執行猶予は、取り付ける条件に「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡し」があります。
薬機法第76条の4に違反した場合の薬機法違反は「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」であるため、執行猶予を取り付けられる可能性があります。
執行猶予の取り付けには、再発防止に努めるなどの事情が必要です。
今後は家族に監督をしてもらう、医療機関で治療を受けるなどして、それらを捜査機関に弁護士を通して主張することが重要です。
また、薬物犯罪は逮捕されることが多い事件ですが、弁護士がいれば身柄解放活動をおこなうことで、早期の釈放を目指すこともできます。
薬物犯罪で執行猶予獲得を目指す場合は弁護士に相談し、弁護活動を依頼することがお勧めです。
薬機法に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物犯罪を含めた刑事事件、少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談、逮捕、勾留されてしまった方のもとまで弁護士が直接赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
フリーダイヤルは24時間対応しておりますので、薬物犯罪を起こしてしまった方、またはご家族が薬機法違反の疑いで逮捕、勾留中の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】自身のアカウントで人を誹謗中傷し侮辱罪が適用、逮捕されずに捜査が進む在宅事件
侮辱罪と在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県東白川郡に住んでいる大学生のAさんは、同じ大学に通っているVさんが嫌いでした。
Aさんはインターネット上で、「気持ちの悪いヤツ」や「あんな奴いない方が世のため」などとVさんのことを名指しで貶すコメントを投稿していました。
そしてある日、Aさんの自宅に警察官が訪ねてきました。
警察官はスマホを出し、Aさんが持っているSNSのアカウントの画面を出して「これはあなたのアカウントですか」と聞かれました。
さらにVさんを貶すコメントを出して「これも投稿しましたか」と言われ、Aさんは「自分のしたことで間違いない」と認めました。
Aさんは侮辱罪の疑いで、後ほど棚倉警察署へ呼び出されることになってしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

侮辱罪
侮辱罪は、刑法の「名誉に対する罪」の章に定められています。
刑法第231条に「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」とあり、これが侮辱罪の条文です。
侮辱罪における「公然と」とは、不特定もしくは多数の人が知り得る状況にあることを指しています。
これは口頭での侮辱に限らず、文章での侮辱も含まれるため、インターネットへコメントを投稿することは、不特定多数の人が閲覧できる状態にすることであり、これは公然と行っていることになります。
条文には「事実を摘示しなくても」とありますが、事実を摘示した場合に適用されるのは名誉棄損罪であり、具体的な事実ではない侮辱を公然と行うことで、侮辱罪は成立します。
そのため自身のSNSアカウントの投稿で、Vさんのことを公然と侮辱したAさんは、侮辱罪となります。
在宅事件
刑事訴訟法199条2項には「裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び第201条の2第1項において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。ただし、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。」と定められているため、刑事事件になっても逮捕の必要性はないと判断されれば逮捕されず、参考事件のAさんもこれにあたります。
このように逮捕されずに捜査が進む事件を、在宅事件と言います。
警察に呼ばれた場合、警察署で取調べを受けることになります。
この取調べ時の発言は供述調書にまとめられ、その後の捜査にも使われる証拠になります。
そのため取調べでは適切な対応が必要になりますが、ほとんどの人は初めてのことで何をしていいかわかりません。
早ければ数日で警察署に呼ばれることもあるため、在宅事件の際は事前に弁護士に相談することをお勧めします。
取調べを受ける際はまず法律事務所に行き、弁護士からアドバイスを受けることが重要です。
まずは弁護士に相談しましょう
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所の法律相談は、初回であれば無料でご利用いただけます。
また、逮捕されてしまった方には、留置施設まで弁護士が直接面会に伺う初回接見サービスをご提供しております。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」から、24時間365日ご予約が可能です。
在宅事件で捜査中の方、またはご家族が侮辱罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご相談ください。
