7月, 2025年
【事例解説】道の曲がり角で通行人に車で接触するも、介抱も通報もせずに道路交通法違反
ひき逃げの道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県福島市に住んでいる会社員のAさんは、仕事を終えて車を運転していました。
帰り道の途中で曲がり角を曲がった際に、通行人のVさんが出てきて、Aさんの乗る車とVさんは接触してしまいました。
Vさんが悪いと思ったAさんは、Vさんに「気を付けろ」と言ってそのまま走り去りました。
その後Vさんはすぐに交番に行き、「ひき逃げに遭った」とAさんの車のナンバーを警察に教えました。
しばらくして、Aさんの車が特定され、身元も判明しました。
そしてAさんは、福島北警察署に道路交通法違反の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
救護義務違反・報告義務違反

ひき逃げとはメディアなどで使われる表現ですが、これは正式な罪名ではありません。
道路交通法を守らなかった場合、罪名は道路交通法違反になります。
Aさんが違反したのは道路交通法第72条の条文であり、その内容は「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第75条の23第1項及び第3項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。」となっています。
交通事故を起こした場合、車の運転者は警察に対して事故が発生したことを報告する義務と、当該事故の負傷者を救護する義務を負います。
この条文に違反した場合の道路交通法違反は、救護義務違反、そして報告義務違反と言われています。
Aさんは交通事故を起こしましたが、被害者の救護も警察への報告も怠っているため、いわゆるひき逃げの道路交通法違反が適用されます。
この道路交通法違反の刑罰は、救護義務違反が「10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」、報告義務違反が「3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金」になります。
身柄拘束
道路交通法違反で逮捕されてしまうと、最長72時間身柄拘束され、警察署・検察庁で取調べを受けることになります。
取調べの後、検察官が身柄拘束を継続する必要性があると判断した場合、検察官は裁判所に勾留請求します。
勾留とは逮捕期間延長のような手続きで、裁判所が勾留を認めると原則10日間、場合によっては追加でさらに10日間身柄拘束されることになります。
つまり逮捕されると、最長で23日間も身柄拘束を受けることになります。
身柄拘束が長期化してしまうと、事件のことが職場・学校に知られてしまい、学校を退学になったり仕事をクビになってしまったりする可能性があります。
そんな事態を回避するためにも、速やかに弁護士と相談することが重要です。
弁護士であれば、検察官・裁判所に対して意見書を提出する、逮捕・勾留が必要ないとはたらきかけることができます。
そのため早期の釈放を目指すのであれば、弁護士に身柄解放の弁護活動を依頼しましょう。
まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談・逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
どちらの予約も24時間対応可能なため、ひき逃げしてしまった、道路交通法違反の疑いでご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】万引きしたところを店員に見つかり、包丁で脅し現場から逃走した事後強盗事件
事後強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県伊達市に住んでいる大学生のAさんは、近所にあるコンビニを訪れていました。
Aさんはおにぎりやジュースなどをバッグに入れると、会計をせずにそのままコンビニの外に出ました。
しかし、Aさんが万引きしているところを店員が見ており、Aさんを追いかけました。
追いかけてきた店員に気付くと、Aさんは包丁を出して「見逃せば何もしない」と言って、走って逃げました。
その後すぐに店員がAさんのことを警察に通報しました。
しばらくして、Aさんの身元は伊達警察署の捜査によって特定され、事後強盗罪の容疑でAさんは逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

事後強盗
参考事件のAさんは万引きをしています。
通常、万引きに適用される犯罪は、刑法に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」と定められた窃盗罪です。
しかし、今回Aさんに適用されたのは事後強盗罪でした。
Aさんに窃盗罪が適用されなかったのは、万引き後にとった行動に原因があります。
事後強盗罪は刑法第238条に、「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。」と定められています。
つまり窃取した財物の奪還阻止の目的や、逮捕免脱・罪証隠滅を目的に暴行・脅迫を行うと、万引きであっても事後強盗罪が適用されます。
この場合の暴行・脅迫は、被害者などの相手方が反抗を抑圧されるに足りる程度の強度である必要があります(抑圧されない程度であれば恐喝罪が適用されます)。
参考事件の場合、Aさんは包丁を出して脅しています。
凶器を出した上での脅迫は、反抗を抑圧するに足りる強度があると判断されます。
そのため、本来であれば窃盗罪となる万引きでも、その後凶器を出して脅迫し、逃走したAさんには事後強盗罪が適用されることになりました。
事後強盗罪の条文には「強盗として論ずる。」とあるため、事後強盗罪の刑罰は、強盗罪と同じ「5年以上の有期拘禁刑」です。
身体拘束
Aさんのように逮捕されると身体拘束され、警察から最長48時間取調べを受けます。
そして警察が釈放しなければ、事件は検察に送致され、検察でも取調べをします。
検察は取調べをしながら24時間以内に裁判所に勾留請求をするか決定します。
裁判所が勾留請求を受け、勾留が決定されると、10日間身体拘束が継続されます。
この勾留はさらに10日間延長することができるため、逮捕されると最大23日もの間身体拘束されることになります。
この間は連絡を制限され、常時監視された状態で取調べを受けることになります。
当然職場・学校も無断で休むことになるため、退職・退学のリスクが発生します。
そのような事態を回避するためには、弁護士に弁護活動を依頼することがお勧めです。
弁護士がいれば、証拠隠滅・逃亡の危険がないことを示す証拠を集め身体拘束は不要であると主張することができます。
また、弁護士が面会に伺うことで、伝言を預り家族などを通して職場・学校に報告を行うことができます。
身体拘束されてしまった際は、速やかに弁護士に弁護活動を依頼し、身柄解放活動を行うことが重要です。
まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談・逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
どちらの予約も24時間対応可能なため、万引きしてしまった、事後強盗罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】指定薬物であるHHCをネットで購入、警察から職務質問を受けて薬機法違反が発覚
薬機法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県二本松市に住んでいる会社員のAさんは、インターネット上でHHCと言う指定薬物を購入しました。
Aさんはカートリッジ型電子タバコのようなものにHHCを入れ、普段から持ち運んでいました。
ある日、AさんがHHCを吸っているところを警察官が通り過ぎました。
Aさんが足早に立ち去ろうとしたため、警察官はその様子を不審に思い、Aさんを呼び止めて職務質問をすることにしました。
そして警察官から電子タバコのようなもののことを聞かれ、最初は誤魔化しましたが、HHCであることを認めました。
そのままAさんは薬機法違反の容疑で、二本松警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

ヘキサヒドロカンナビノール
Aさんが購入したHHCとは、ヘキサヒドロカンナビノールの略称で、大麻由来の成分を加工して生成されたいわゆる危険ドラッグです。
この危険ドラッグを取り締まっているのが、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、通称薬機法です(医薬品医療機器等法と言われることもあります)。
この法律は「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの」を指定薬物としており、危険ドラッグはこの指定薬物に含まれています。
そして薬機法第76条の4には「指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。」と定められています。
指定薬物は所持しただけでもこの条文に違反したことになるため、HHCを購入し所持したAさんは薬機法違反(医薬品医療機器等法違反)になります。
指定薬物所持による薬機法違反は、「3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」刑罰になります(薬機法違反第84条第1項第28号)。
事情聴取
逮捕されたAさんは、警察署で事情聴取を受けることになります。
事情聴取で受け答えした内容は、供述調書としてまとめられることになります。
この供述調書は後の捜査にも与える影響が大きく、裁判の際は証拠として使われる重大なものです。
そのため、事情聴取では慎重に発言する必要がありますが、ほとんどの人は初めての事情聴取で、いきなり適切な対応をとることができません。
そのため事情聴取でどのように発言すべきかを弁護士と相談し、対策を練っておくことがお勧めです。
薬機法違反で逮捕されてしまった際は、弁護士からアドバイスを受けましょう。
まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
どちらの予約も24時間対応可能なため、指定薬物所持で事件を起こしてしまった、薬機法違反の容疑でご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】物を投げつける暴力事件、投げた物が相手に当たらなくとも暴行罪が成立する理由
暴行罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県郡山市に住んでいる会社員のAさんは、会社の同僚Vさんと一緒にファミレスで企画の会議をしていました。
そこでAさんとVさんは意見の食い違いから口論になりました。
口論からヒートアップしたAさんは、Vさんにメニュー表や椅子を投げるなどしました。
幸い投げた物はVさんに当たりませんでしたが、店員が止めに入って他の客が警察に通報しました。
その後、郡山警察署から警察官が駆け付け、Aさんは暴行罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)
暴行罪

刑法第208条に暴行罪は定められており、その内容は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」となっています。
「傷害するに至らなかった」場合に暴行罪が適用されるため、暴行によって傷害の結果が出たのであれば、同じく刑法に定められた傷害罪が成立します。
この条文での「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使を意味します。
殴ったり蹴ったりは典型的な暴行ですが、他にも大音量で音を鳴らしたり、塩を相手に振りかけたりと言った行為も暴行罪になります。
相手に物を投げたりする行為も暴行ですが、この場合、投げた物が相手に当たっている必要はありません。
暴行は相手の身体に直接加えられていなくとも、相手に向けられていればよいとされています。
例えば包丁を相手の首に突き付けた場合、包丁で刺さなかったとしても、包丁を突き付けた時点で暴行罪は適用されます。
Aさんの場合、Vさんに対してメニュー表や椅子を投げつけました。
この行為によってVさんは怪我をしておらず、投げた物も当たっていませんが、Vさんに向けて物を投げているため暴行罪が成立します。
示談交渉
被害者がいる事件では、示談交渉が弁護活動としてあげられます。
参考事件のような暴行事件の場合、示談の締結ができれば不起訴処分も考えられます。
示談交渉は個人で行うこともできますが、個人で示談交渉をしたためかえって拗れてしまったり、場合によっては示談交渉を断られてしまったりする可能性もあります。
しかし、弁護士がいれば被害者と直接会わずに専門家を通して示談交渉を進めることができます。
また、示談交渉を断られていた場合でも、弁護士がいるならと考え直してもらい、示談交渉を行えるようになるケースもあります。
そのため速やかな示談の締結を目指す場合は、弁護士に相談し、弁護活動を依頼することが重要です。
まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
どちらの予約も24時間対応可能なため、暴力事件を起こしてしまった、暴行罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
