暴行罪と少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県須賀川市に住んでいる中学生のAさんは、友人であるVさんと口論になりました。
口論がヒートアップし、AさんはVさん殴ったり蹴ったりしました。
その場は周りの人が止めましたが、Vさんは家に帰った際に両親にそのことを報告し、その後両親が警察に相談しました。
しばらくして、須賀川警察署の警察官がAさんのもとを訪れ、暴行罪の容疑でAさんから事情を聞くことになりました。
(この参考事件はフィクションです。)
暴行罪
刑法第208条が暴行罪の条文で、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」という内容になっています。
この場合の暴行とは、人の身体に対する有形力の行使です。
殴る蹴るといった暴力は典型的な暴行と言えますが、大音量を近くで鳴らすことなどの行為も暴行罪の暴行に含まれます。
この場合の暴行は、相手の身体に接触していなくともよく、相手に向けられていると判断されれば暴行罪の要件を満たします。
そのためおどかすつもりで石を投げ、相手の足元に石が転がっただけだとしても暴行となります。
暴行罪で罪に問われた場合、有罪になれば条文のような刑罰が下されることになりますが、Aさんは中学生であるため、事件は少年事件という扱いになり、少年法に則った処分が下されます。
審判不開始
少年事件では、捜査機関による捜査によって犯罪の嫌疑があるとされれば、事件は家庭裁判所に送致されます。
そこで少年審判が開かれ少年の処分が決定されますが、この少年審判が開かれずに事件が終了することもあり、これを審判不開始と言います。
審判不開始は少年法第19条第1項に「家庭裁判所は、調査の結果、審判に付することができず、又は審判に付するのが相当でないと認めるときは、審判を開始しない旨の決定をしなければならない。」と定められています。
家庭裁判所は保護処分の必要があるか、保護者による指導が可能か操作し、少年審判を開くかどうかを決めます。
この調査によって、非行事実、審判条件がないとなった場合や、少年の反省が見られる、事案が軽微、保護者の指導で更生が可能といった場合に審判不開始となり、処分は下されません。
そのため少年事件を起こしてしまった場合は、少年が反省している、更生の環境がすでに整っていることを家庭裁判所に主張することが大切です。
弁護士がいれば先述の主張を正式な書面で家庭裁判所に提出することができ、審判不開始を目指すことができます。
また、参考事件のような被害者がいる事件では、被害者と示談を締結することも審判不開始の可能性を高めることができ、弁護士がいれば示談交渉をスムーズに進められます。
少年事件を起こしてしまった時は、少年事件にも詳しい法律事務所で相談し、弁護士からアドバイスを受けることをお勧めいたします。
少年事件に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、そして少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所では初回であれば無料でご利用いただける法律相談を実施しています。
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