あおり運転(妨害運転)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県相馬市に住んでいる会社員のAさんは、行ったことのない場所に車で移動していました。
どこで曲がるか分からずに低速で走っていると、後ろの車の運転手が笑っているのがバックミラーから見え、馬鹿にされていると思いました。
Aさんは急ブレーキを踏んだり、後ろの車が追い越そうとしたときに幅寄せしたりしました。
その後、車の運転手は警察に行き、「あおり運転をされた」と事件を報告しました。
そして相馬警察署の警察官がAさんの自宅に現れ、道路交通法違反の容疑でAさんを逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)
あおり運転
あおり運転による事故が相次いだことで、2020年の6月30日に改正された道路交通法が施行され、あおり運転は妨害運転として処罰されることになりました。
道路交通法第117条の2の2第1項第8号は、「他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者」を妨害運転の道路交通法違反としています。
Aさんがした行為は急ブレーキと幅寄せです。
「次のいずれかに掲げる行為」はイからヌまで10種の類型があり、ロには「第24条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為」、そしてチには「第70条(安全運転の義務)の規定に違反する行為」が定められています。
道路交通法第24条は「車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。」と急ブレーキを禁じています。
道路交通法第70条は「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」と安全運転を義務付けています。
そのためこれらの条文に違反したAさんには妨害運転の道路交通法違反が成立し、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が刑罰として科せられます。
示談交渉
あおり運転は煽られた被害者がいるため、示談交渉をすることができる交通犯罪です。
示談を締結することができれば、減刑だけでなく不起訴処分で事件を終わらせることもできます。
示談交渉は個人で行うこともできますが、直接話し合うとかえって拗れてしまうことも考えられます。
参考事件のような状況の場合、被害者が他人であるため連絡先がわからず、示談交渉をすることができない懸念もあります。
しかし、弁護士であれば警察から被害者の連絡先を聞くことができます。
また、個人での示談は断られても、弁護士限りの連絡であればと示談交渉が行えるようになるケースも多いです。
速やかに示談を締結するためにも、刑事事件に詳しい弁護士に相談し、示談交渉を依頼することをお勧めします。
妨害運転に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所は、初回であれば無料の法律相談の他、逮捕された方のもとへ直接弁護士が伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」にて24時間ご予約を受け付けております。
妨害運転で事件を起こしてしまった方、またはご家族が道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。