独占禁止法違反

1 概要

⑴ 刑事罰のある独占禁止法違反の類型

① 私的独占

独占禁止法を管轄する公正取引委員会によれば,「排除型私的独占」と「支配型私的独占」とがあります。前者は,事業者が単独又は他の事業者と共同して,不当な低価格販売などの手段を用いて,競争相手を市場から排除したり,新規参入者を妨害して市場を独占しようとする行為です。後者は,事業者が単独又は他の事業者と共同して,株式取得などにより,他の事業者の事業活動に制約を与えて,市場を支配しようとする行為です。

 

② 不当な取引制限

公正取引委員会によれば,「カルテル」と「入札談合」があります。「カルテル」は,事業者又は業界団体の構成事業者が相互に連絡を取り合い,本来,各事業者が自主的に決めるべき商品の価格や販売・生産数量などを共同で取り決める行為です。「入札談合」は,国や地方公共団体などの公共工事や物品の公共調達に関する入札に際し,事前に,受注事業者や受注金額などを決めてしまう行為です。

 

③ 事業者団体による一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為

事業者団体とは,「事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする2以上の事業者の結合体又はその連合体」をいいます。

※不公正な取引方法については刑事罰はありません。

 

⑵ 官製談合防止法違反

官製談合防止法違反8条

職員(※)が,その所属する国等が入札等により行う売買,貸借,請負その他の契約の締結に関し,その職務に反し,事業者その他の者に談合を唆すこと,

事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により,当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときは,5年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処する。

※職員
国若しくは地方公共団体の職員又は特定法人の役員若しくは職員

 

⑶ 罰則

① 独占禁止法

独占禁止法上は,個人に対しては,5年以下の懲役又は500万円以下の罰金となります。

両罰規定として法人等には,5億円以下の罰金等があります。

 

② 官製談合防止法

5年以下の懲役又は250万円以下の罰金となります。

 

③ 刑法

刑法第96条の6
偽計又は威力を用いて,公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者は,3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。

2  公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で,談合した者も,前項と同様とする。

とされています。

1項は競売等妨害罪,2項は談合罪などと呼ばれています。

 

⑷ 具体例

  1. ベアリングカルテル事件
    ベアリングを製造する4社がカルテルを形成したとして,東京地裁は,取締役や担当部門の副部長に対し,執行猶予付きの懲役刑を言い渡しています。
  2. 鋼板カルテル事件
    建材用の鋼板の製造業者がカルテルを形成したとして,東京地裁は,営業担当者らに対して,執行猶予付きの懲役刑を言い渡しています。
  3. 地方公共団体の入札での不正行為事件
    東日本大震災の復旧工事の入札で不正行為を行ったとして,仙台地裁は,地方公共団体の職員や,不正入札に関与した業者の役員らに,官製談合防止法違反があったとして,執行猶予付きの懲役刑を言い渡しています。

 

2 弁護活動の例

1  無罪主張

独占禁止法違反については,市場画定や市場支配力の形成といった要件の立証が困難な場合があります。

無罪を主張していくためには、取り調べに際し、自分が無実である旨をきちんと主張する必要があります。その際に、弁護士のアドバイスの下で取り調べでどういったことを話すのか事前に打ち合わせることが重要です。自分では無実の主張をしたと思っていても、有罪の書類が作成されている恐れがあるからです。

 

2  情状弁護活動

独占禁止法違反や,談合事件では,量刑を分ける事情として,主導的地位かどうか,関与の程度,不正な取引の期間・規模,既に一定の 制裁を受けたか否か,反省の程度といった事情が挙げられます。

これらで被疑者・被告人に有利な事情を積極的に主張・立証することになります。

 

3 身柄解放活動

既に客観証拠が収集され,本人も自白していて,安定した生活があるような場合,積極的に身柄解放活動を行うことになります。

身元引受人の下で監督を受けながら生活をすることを主張し、逃亡や罪証隠滅の可能性がないことを主張していきます。

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