児童買春と逮捕後の流れ

児童買春と逮捕後の流れ

児童買春と逮捕後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務静岡支部が解説します。

福島県白河市に住むAさん(28歳)は、SNSで知り合った女子高生のVさんにホテルで3万円を渡した上で性交しました。その後、Vさんが補導されたことをきっかけに、Aさんは白川警察署に児童買春の罪で逮捕されてしまいました。Aさんのご両親は、Aさんの身柄を釈放してもらうべく刑事事件に強い弁護士に刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです)

~児童買春の罪~

児童買春の罪は、正式名称、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。

法律4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

ここで児童買春とは、児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。
まず、「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいうとされています。ですから、「対償」はお金に限らず、物品や食事、宿泊場所の提供、債務(借金)の免除などを含むものと解されます。そして、児童買春の罪は、児童の性的搾取を抑止、防止するために設けられた規定ですから、「対償」というためには上の点に加えて、
・性交等をすることに対する反対給付といえること
・供与されたものが社会通念上経済的利益といえること
の2点が認められなければならないとされています。簡単に言えば、性交等に対する対価といえること、と言ってもいいかもしれません。なお、「対償」を供与する約束をして性交等をしただけ(その後、実際に供与したかどうかは問わない)でも、児童買春に問われる可能性がありますから注意が必要です。
次に、「性交等」とは、性交のほか
・性交に類似した性交類似行為(手淫、口淫など)
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること
も含まれます。

~児童買春と逮捕後の流れ~

児童買春で逮捕されてから勾留までの流れは以下のとおりです。

逮捕

警察の留置場に収容

警察官の弁解録取→釈放?

送致(送検)

検察庁での弁解録取→釈放?

検察官の勾留請求

裁判官の勾留質問→釈放?

裁判官の勾留決定

勾留

という流れとなります。

「勾留」とは被疑者または被告人の身体の自由を拘束する裁判及び執行のことをいいます。勾留期間は検察官の請求のあった日から数えて10日間です。例えば、令和2年4月1日に勾留請求があった場合の勾留満了日(勾留が終わる日)は同月10日です。ただし、勾留期間を延長することにつき「やむを得ない事由」があると認められる場合は、最大10日間期間を延長されることがあります。たとえば、上記の事例で6日間の勾留延長決定が出た場合の勾留満了日は4月17日となります。このように、一度勾留されてしまうと、長期間身柄を拘束される可能性があります。もっとも、警察官の弁解録取の後、検察庁での弁解録取の後、あるいは裁判官の勾留質問の後に釈放されることがあります。留置場での生活は肉体的にも精神的にも負担ですからできる限り早期の釈放が望まれます。

逮捕から勾留までの期間に釈放のための弁護活動をできるのは私選弁護人しかいません(国選弁護人は勾留後しか選任されませんし、当番弁護士は接見のみしか行ってくれません)。
また、上記のように警察官・検察官は弁解録取の後で、裁判官は勾留質問の後で、記録(書類)上現れた事実や逮捕された方から聴いた話を基に身柄拘束の理由・必要性を判断しています。しかし、書類には身柄拘束の理由・必要性を判断するための必要な事実が全て記載されているとは限りませんし、逮捕された方も逮捕直後ということもあって気が動転しており、なかなか伝えたいことを伝えきれないというのが実情です。

そこで、警察官、検察官、裁判官が記録などから知りえない事実(事情)を弁護士が主張して妥当な結果に導く必要が出てくるのです。弁護士は逮捕された方からはもちろん、その家族や関係者などからも話をお聴きした上で、「罪証隠滅のおそれ」、「逃亡のおそれ」がないことを主張するための事情を聴取し、それを意見書に反映させ、他の書類と併せて警察官、検察官、裁判官に提出します。
なお、弁護士が意見書などを提出する弁護活動は法的に認められた活動ではありませんが、意見書などを提出することによって捜査機関や裁判官に「弁護士が監視していますよ」ということを知らしめることにもなり、身柄拘束に対し一定の抑止となっていることは間違いありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、児童買春はじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

 

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