8月, 2024年
【事例解説】友人に暴行を加えたことで少年事件が発生、少年審判とならずに事件を終わらせるためには
暴行罪と少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県須賀川市に住んでいる中学生のAさんは、友人であるVさんと口論になりました。
口論がヒートアップし、AさんはVさん殴ったり蹴ったりしました。
その場は周りの人が止めましたが、Vさんは家に帰った際に両親にそのことを報告し、その後両親が警察に相談しました。
しばらくして、須賀川警察署の警察官がAさんのもとを訪れ、暴行罪の容疑でAさんから事情を聞くことになりました。
(この参考事件はフィクションです。)
暴行罪
刑法第208条が暴行罪の条文で、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」という内容になっています。
この場合の暴行とは、人の身体に対する有形力の行使です。
殴る蹴るといった暴力は典型的な暴行と言えますが、大音量を近くで鳴らすことなどの行為も暴行罪の暴行に含まれます。
この場合の暴行は、相手の身体に接触していなくともよく、相手に向けられていると判断されれば暴行罪の要件を満たします。
そのためおどかすつもりで石を投げ、相手の足元に石が転がっただけだとしても暴行となります。
暴行罪で罪に問われた場合、有罪になれば条文のような刑罰が下されることになりますが、Aさんは中学生であるため、事件は少年事件という扱いになり、少年法に則った処分が下されます。
審判不開始

少年事件では、捜査機関による捜査によって犯罪の嫌疑があるとされれば、事件は家庭裁判所に送致されます。
そこで少年審判が開かれ少年の処分が決定されますが、この少年審判が開かれずに事件が終了することもあり、これを審判不開始と言います。
審判不開始は少年法第19条第1項に「家庭裁判所は、調査の結果、審判に付することができず、又は審判に付するのが相当でないと認めるときは、審判を開始しない旨の決定をしなければならない。」と定められています。
家庭裁判所は保護処分の必要があるか、保護者による指導が可能か操作し、少年審判を開くかどうかを決めます。
この調査によって、非行事実、審判条件がないとなった場合や、少年の反省が見られる、事案が軽微、保護者の指導で更生が可能といった場合に審判不開始となり、処分は下されません。
そのため少年事件を起こしてしまった場合は、少年が反省している、更生の環境がすでに整っていることを家庭裁判所に主張することが大切です。
弁護士がいれば先述の主張を正式な書面で家庭裁判所に提出することができ、審判不開始を目指すことができます。
また、参考事件のような被害者がいる事件では、被害者と示談を締結することも審判不開始の可能性を高めることができ、弁護士がいれば示談交渉をスムーズに進められます。
少年事件を起こしてしまった時は、少年事件にも詳しい法律事務所で相談し、弁護士からアドバイスを受けることをお勧めいたします。
少年事件に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、そして少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所では初回であれば無料でご利用いただける法律相談を実施しています。
また、逮捕された方のもとへ弁護士が直接伺う初回接見サービスなども利用可能で、どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」でご予約を受け付けております。
少年事件を起こしてしまった方、暴行罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】赤信号を無視して交通事件を起こしたケース、危険運転致傷罪と道路交通法違反
危険運転致傷罪とひき逃げについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県白河市に住んでいる会社員のAさんは、車で夜道を走っていました。
そして交差点に差し掛かり信号が赤であることに気付きましたが、この道はAさんが普段通る道で人がほぼ通らない場所であると知っていたため止まりませんでした。
しかし、通行人Vさんが道を渡ろうと角から出てきたため、Aさんは急いでブレーキをかけました。
減速はしましたが、そのままAさんの乗った車はVさんに接触しました。
AさんはすぐにVさんの容体を確認し、事故を起こしてしまったことを警察に通報しました。
Vさんは交通事故によって怪我を負っていました。
その後白河警察署からパトカーが駆け付け、話を聞かれた後、Aさんは危険運転致傷罪の疑いで逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

危険運転致傷罪
危険運転致傷罪は自動車運転処罰法(正式名称「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」)に定められた犯罪です。
自動車運転処罰法第2条に「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。」とあり、これが危険運転致傷罪の条文です。
「次に掲げる行為」は全部で8つあり、「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」や「人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」など様々です。
Aさんの場合は、信号を無視したことでVさんに怪我を負わせました。
自動車運転処罰法第2条第7号には「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」とあるため、Aさんにはこの第7号が該当し、危険運転致傷罪が成立しました。
ひき逃げ
Aさんは事故を起こした後すぐに、Vさんの容体確認と警察への通報をしています。
これは道路交通法第72条に規定のある行為で、運転手とその車の同乗者は、事故を起こしてしまった際に負傷者の救護を行い道路における危険を防止する措置を講じた上で、警察に事故のことを伝えなければなりません。
この義務に違反してしまうことが、いわゆるひき逃げと言われる道路交通法違反です。
交通事件では、危険運転致傷罪と道路交通法違反など、複数の罪に問われてしまう場合もあります。
そのような事件は当然、単体の事件よりも罪が重く、事件の性質も複雑になります。
そのため交通事件を起こしてしまった際はまず弁護士に相談し、どのような弁護活動をしていくべきかを把握することが大切です。
危険運転致傷罪に詳しい法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件と少年事件を主に取り扱う法律事務所です。
初回無料の法律相談や逮捕された方のもとへ直接弁護士が伺う初回接見サービスなどを、当事務所ではご利用いただけます。
どちらのご予約も、フリーダイヤル「0120-631-881」で受け付けておりますので、交通事件の当事者となってしまった、危険運転致傷罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった、このような際には弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご連絡ください。
【事例解説】役所で暴力をふるい公務執行妨害罪、対象となる被害者と贖罪寄付の手続きについて
公務執行妨害罪と贖罪寄付について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件

福島県福島市に住んでいる会社員のAさんは、市役所を訪れていました。
Aさんはやろうと思っていた手続きがありましたが、Aさんではその手続きができませんでした。
そのことに怒ったAさんは窓口で対応していた職員に文句を言いました。
その際の職員の態度も悪いと感じたAさんはヒートアップし、机や椅子を蹴る、殴り掛かるふりをするなどしました。
現場を見ていた別の職員が警察に通報したため、ほどなくして福島警察署の警察官が臨場しました。
そしてAさんは公務執行妨害罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
公務執行妨害罪
公務執行妨害罪は刑法に規定があります。
警察官から逃げようとして公務執行妨害罪で捕まる流れは刑事ドラマなどでよくありますが、公務執行妨害罪は警察官だけを対象にしているものではありません。
公務執行妨害罪を定めた刑法第95条の内容は「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」となっています。
公務員全般が対象になっているため、役所に勤めている職員も公務執行妨害罪の適用範囲です。
この条文における「暴行」は、被害者の身体に対して直接加えられている必要はありません。
物に対して暴行を加えた場合でも、公務員に対して向けられたと判断できるのであれば公務執行妨害罪が成立します。
参考事件の場合は職員に対して直接暴力を振るっていなくとも、机や椅子への暴行は対応する職員に向けられていると判断できるます。
さらに殴り掛かるふりもしているため、Aさんには公務執行妨害罪が成立しました。
贖罪寄付
公務執行妨害罪は被害者がいる事件ではありますが、被害者が公務員であるために示談交渉を持ちかけることが基本的にできません。
そのため減刑を求める際には別の弁護活動をすることになります。
考えられるものとして、示談交渉に比べると効力は少し落ちますが、贖罪寄付というやり方があります。
贖罪寄付とは、公的な組織や団体に寄付をすることで、事件を起こしてしまったことの反省を示すものです。
寄付する金額は事件の内容次第で決まりますが、罪名ですぐに適性金額が分かるわけではないので、効果的な贖罪寄付をするためには専門的な知識が必要です。
加えて贖罪寄付を受け付けている組織、団体は、弁護士を通さなければ寄付できないことがほとんどです。
贖罪寄付をお考えであれば、まずは弁護士に相談し、贖罪寄付のためのサポートを受けましょう。
公務執行妨害罪に詳しい法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所では、初回であれば無料の法律相談、逮捕された方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を受け付けております。
公務執行妨害罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方、弁護士を通して贖罪寄付をお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。
フリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間、365日、ご連絡をお待ちしております。
【事例解説】ナイフを突きつけて脅す強盗事件での逮捕、強盗罪の種類と示談交渉で弁護士を入れるメリット
強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県相馬郡に住んでいる会社員のAさんは、お金に困っていたことで強盗を計画していました。
Aさんはあまり使われない夜道で通行人Vさんを見つけると、相手の口を抑えて包丁を見せながら「サイフを出せ」と脅しました。
そしてVさんがサイフをバッグから出すと、Aさんはサイフを奪いそのまま逃走しました。
Aさんが逃げた後Vさんはすぐに警察に行き、被害届を提出しました。
相馬警察署が捜査を進めたところ、犯人はAさんであることが分かりました。
その後Aさんは強盗罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

強盗罪
Aさんの逮捕容疑になったのは、刑法に定められている強盗罪です。
刑法第236条1項には「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。」と定められ、続く同条第2項には「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定められています。
強盗罪における暴行は人に対して有形力(物理力)を行使することで、脅迫は一般的に人を恐怖、畏怖させるに足りる害悪の告知をすることです。
これらはそれぞれ暴行罪、脅迫罪になる行為と同じになります。
そしてこれらには相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の強度が求められます。
先述のように刑法第236条における強盗罪は2つあり、それぞれ1項強盗、2項強盗と呼ばれます。
1項強盗は物などの財物を奪うことで成立します。
2項強盗は財産上の利益が対象です。
財産上の利益とは財物ではない利益のことで、債権や料金の支払いを免れることが該当します。
例えばタクシーに乗ったにも関わらず、暴力を振るって支払いを免れた場合は、「財産上不法の利益を得」たと言えます。
Aさんの場合まず相手の口を抑えており、この行為は暴行と考えられます。
包丁を見せての脅しですが、凶器を示しての脅迫は相手方の反抗を抑圧するに足りるとされています。
そのためこれらの方法を用いてVさんからサイフという財物を奪ったAさんには刑法第236条第1項の強盗罪が成立します。
示談交渉
強盗事件の弁護活動では、示談交渉が重要になります。
示談を締結することができれば、減刑が期待でき、執行猶予の獲得も目指すことができます。
しかし、参考事件のように全く面識のない通行人が被害者である場合、個人で被害者を調べて示談交渉を持ちかけるのは不可能に近いです。
また、警察が被害者の情報を明かすことは基本的にありません。
ですが弁護士であれば、弁護士限りで連絡を取り合うことを条件に警察から被害者の連絡先を聞くことができます。
また、最初は示談交渉を拒否している場合でも、弁護士が間に入るのであればと示談を進めることが可能になったケースもあります。
そのため示談の締結を目指すのであれば、弁護士に弁護活動を依頼し、示談交渉を進めることが重要です。
強盗罪に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件と少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談および逮捕された方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を受け付けております。
フリーダイヤルは24時間、365日対応可能です。
強盗事件の当事者になってしまった方、強盗罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご相談ください。
【事例解説】中学生に対してわいせつ行為を行い不同意わいせつ罪、年齢によって変わる不同意わいせつ罪の条文
不同意わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県二本松市に住んでいる会社員のAさんは、友人の子どもで中学生であるVさんを自宅に招いていました。
そこでAさんはVさんの尻を触ったり、胸を触ったりしました。
自宅に帰った際に、VさんはAさんにされたことを両親に報告しました。
そのことを聞いたことで両親は、警察にAさんのことを通報しました。
後日、二本松警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、不同意わいせつ罪の容疑でAさんを逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)
不同意わいせつ罪
不同意わいせつ罪は刑法の22章に規定のある性犯罪です。
刑法第176条第1項には「次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。」と定められています。
この「次に掲げる行為又は事由」は、「暴行若しくは脅迫」や「アルコールや薬物の影響に乗じる」などの項目が第1号から第8号まであります。
不同意わいせつ罪はこのような行為を用いて、同意しない相手にわいせつな行為を用いると成立します。
しかし、参考事件のように被害者の年齢が16歳未満である場合、同条第3項が適用されます。
「16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。」と定められたこの条文には、同意不同意についての記載がありません。
これは16歳未満では、性的な判断能力が備わっていないと考えられているからです。
そのため、16歳に達していないVさんに対して、胸や尻を触るなどわいせつな行為をしたAさんには、不同意わいせつ罪が適用されます。

不同意わいせつ罪の弁護活動
不同意わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の拘禁刑」となっています。
刑務所に服役する可能性もある性犯罪であるため、弁護士による弁護活動が重要になります。
実刑を避けるのに効果的なのは、示談を締結することです。
示談交渉によって被害者側から宥恕(謝罪を受け入れて刑事処罰を望まないことを意味する条項)を取り付けることができれば、執行猶予の可能性も高まり、場合によっては不起訴の獲得も考えられます。
しかし、スムーズに示談を締結するには法的な専門知識が不可欠です。
また、性犯罪の場合、被害者に直接連絡を取るとかえって話が進まなくなることもあります。
そのため性犯罪で示談交渉をお考えの際は、法律の専門家である弁護士に相談し、示談交渉を依頼することをお勧めいたします。
示談交渉に強い法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
当事務所は、初回無料の法律相談、逮捕されている方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」にて、24時間予約を受け付けております。
不同意わいせつ事件を起こしてしまった方、不同意わいせつ罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご連絡ください。
