住居侵入罪、強制わいせつ致傷罪、強盗罪で逮捕

住居侵入罪、強制わいせつ致傷罪、強盗罪で逮捕

【事例】
福島県伊達市在住の男性Aは、過去のトラブルから恨みを抱いたB女に対し、わいせつ行為をしようとその帰宅を狙いB女宅に押し入り、顔面への殴打、ガムテープの顔面への貼付、両手首を縛り上げる等の暴行を行い、反抗ができない状態にした上でわいせつ行為をしました。
この際、B女はケガもしてしまいました。
その後、AはBをそのままにして立ち去る際に財布が落ちていたのを発見しこれを持ち去りました。
一週間後、B女が被害届を提出し、Aは警察官によって住居侵入罪、強制わいせつ致傷罪、強盗罪逮捕されました。
(このストーリーはフィクションです)

~住居侵入罪~

今回のストーリーでは、

①住居侵入罪(刑法130条前段)
②強制わいせつ致傷罪(刑法181条1項、176条)
③強盗罪(236条1項)

が成立する可能性がありますので、順番に解説していきます。
まずは、住居侵入罪から。

刑法130条
正当な理由がないのに人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

Aの行為は、赤く色付けした部分に該当します。
つまり、Aはわいせつ行為をする目的だったので「正当な理由がない」状態で、B女宅という「人の住居」に、B女の意思に反して立ち入っているので「侵入」しているといえます。

したがって住居侵入罪が成立するでしょう。

~強制わいせつ致傷罪~

続いて、強制わいせつ致傷罪について見ていきましょう。

刑法176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
刑法181条1項
第百七十六条、第百七十八条第一項若しくは第百七十九条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

AはB女に対し、顔面への殴打等の「暴行…を用いてわいせつな行為をした」ので、強制わいせつ罪が成立します。

その際、B女がケガをしてしまったので、強制わいせつ致傷罪が成立することになります。
刑罰も無期懲役または3年以上の有期懲役(上限は20年)です。
被害者死亡の場合を含めた規定ではありますが、ケガをさせた場合は、させない場合よりもぐっと重く処罰される可能性があるわけです。

~強盗罪~

最後に、強盗罪について見ていきましょう。

刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

今回のAは、財布を奪う目的で暴行をしたわけではありません。
しかし、わいせつ目的で行った暴行により、すでにB女が反抗できない状態になっています。
この状態を利用する形で財布を持ち去っているので、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」であることに違いはなく、強盗罪が成立すると判断される可能性は十分考えられます。

~逮捕後の手続きの流れ~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

勾留期間が終われば刑事裁判が始まり、保釈が認められない限り身体拘束が続くことになります。

~弁護士にご相談ください~

また、出来るだけ判決を軽くするためには、被害者の方に謝罪・賠償して示談を結ぶことが重要です。
しかし、性犯罪の被害者の方々にとって、加害者本人はもちろん、その家族と示談の話をするのは心理的負担が大きく、応じてくれない可能性が高いです。
しかし弁護士を挟むことにより、示談に応じてくれる可能性を上げることができますし、適切な内容・金額での示談締結の可能性も上げることができます。

さらに、ご本人は厳しい取調べにどう対応したらよいかわからないと思います。
弁護士は逮捕中の被疑者と面会(接見)する権利を有しており、取調べや裁判に向けたアドバイスできますし、家族の方からの伝言を伝えることなどもできます。

ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事事件と少年事件の専門家である弁護士が多く在籍しているため、迅速かつ適切な対応が可能となっています。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。

 

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