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【事例解説】模造刀を持ち運んだことで銃刀法違反、銃刀法における「刀剣類」と模造刀の扱い
銃刀法違反と事情聴取について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県郡山市に住んでいる会社員のAさんは、金属製の模造刀を所持しており、自宅に飾っていました。
Aさんの友人が模造刀を見たいと言うため、Aさんは模造刀を友人宅に持って行きました。
その帰り道、Aさんは警察官に止められ職務質問を受けました。
Aさんは模造刀なら平気だと思っていましたが、警察官から「模造刀でも駄目なんだ」と言われました。
そしてAさんは銃刀法違反の疑いで郡山警察署に連行され、事情聴取を受けることになってしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)
鉄砲刀剣類所持等取締法
銃刀法(正式名称:鉄砲刀剣類所持等取締法)は、銃砲、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制を定めています。
この法律において「刀剣類」とは、刃渡り15cm以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り5.5cm以上の剣、あいくち並びに45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフを指しています(銃刀法第2条第1項)。
この条文には模造刀の記載がないため、銃刀法違反にならないと思うかもしれませんが、模造刀は別の条文に規定があります。
銃刀法22条の4がその条文であり、内容は「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)を携帯してはならない」となっています。
「正当な理由」とは、模造刀を購入し持ち帰るまでの間などで、Aさんのように人に見せる目的は該当せず、護身用に持ち歩くことも銃刀法違反です。
また、この場合の「携帯」は身体に帯びるだけでなく、車に入れて持ち運んでいる状態も含まれています。
模造刀を携帯した場合の銃刀法違反には、銃刀法第35条の規定により「20万円以下の罰金」が科せられます。
事情聴取
事情聴取で受け答えした内容は、供述調書として記録されます。
この調書はその後の捜査にも影響する大事な証拠であるため、事情聴取での発言は慎重に行わなければなりません。
事情聴取は1回で終わらないこともあり、再度警察に呼ばれる可能性もあります。
そのため警察からの事情聴取に呼ばれている場合は、まず弁護士に相談しましょう。
事情聴取は刑事事件に詳しくない人にとって初めての経験であるため、対応が分からないことがほとんどです。
しかし事前に弁護士と相談できれ、事情聴取のアドバイスを受けることができ、言うべきことや対応の仕方などが分かります。
また、法律相談すれば今後考えられる処分や、やるべきことも知ることができます。
Aさんのように警察から事情聴取を受ける場合は、刑事事件に詳しい弁護士から法律相談を受けることが重要です。
銃刀法違反に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件(少年事件を含む)を中心に取り扱っています。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料でご利用いただける法律相談のご予約を受け付けています。
同じフリーダイヤルで、逮捕されている方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスもご予約いただけます。
どちらも24時間365日ご予約を受け付けておりますので、銃刀法違反事件を起こしてしまった方、銃刀法違反の疑いでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】逮捕されずに捜査が進む事件、肝試しで廃墟に無許可で入った場合に適用される条文について
建造物侵入罪と在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県東白川郡に住んでいる大学生のAさんは、友人たちを呼んで廃墟を巡る肝試しをしていました。
Aさん達はしばらく廃墟を探索していたところ、パトロールしていた警察官に見つかりました。
Aさん達は肝試しをしていたと話しましたが、許可を得ていたわけではないことも警察官に伝えました。
「後ほど棚倉警察署に来てもらうことになる」と警察官に言われ、その場は解散になりました。
Aさんは逮捕されるのではと不安になり、法律事務所に相談することにしました。
(この参考事件はフィクションです。)
建造物侵入罪
Aさん達は許可なく建物に入っていることから、適用される可能性がある犯罪に刑法の建造物侵入罪が考えられます。
建造物侵入罪は刑法第130条に「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する…建造物…に侵入し…た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と定められています。
「人の住居」に侵入すれば住居侵入罪、「人の看守する」「建造物」に侵入すれば建造物侵入罪です。
Aさんが侵入したのは、人のいない廃墟です。
しかし、「人の看守」はその場に人がいる必要まではないため、その建造物の所有者に無許可であれば建造物侵入罪が成立します。
参考事件の廃墟を看守している人がいるのであれば、その人に許可を得ていないAさん達は建造物侵入罪となります。
また、この廃墟が看守されていなかったとしても、軽犯罪法違反になる可能性があります。
軽犯罪法第1条第1項には「人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者」とあり、これに該当すれば「拘留又は科料」となります。
「拘留又は科料」は、拘留が「刑事施設に1日以上、30日未満収監」、科料が「1000円以上、1万円未満の支払い」を意味します。
在宅事件
Aさんは逮捕されることを不安に思っていますが、刑事事件を起こしたとしても、必ず逮捕されるとは限りません。
逮捕は罪を犯した可能性が高く、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合に認められるものです。
そのためこれらの危険性が低いと判断されれば逮捕はされず、在宅事件として捜査されることになります。
在宅事件の場合、Aさんのように後ほど警察署に呼ばれて取調べを受けることになります。取調べに対して的確な対応をとるためには、法的な知識が必須であるためまずは弁護士に相談しましょう。
また、参考事件が建造物侵入罪である場合、被害者と示談を締結する弁護活動が考えられます。
その際も弁護士によるサポートを受けることで、速やかに示談交渉を進めることができます。
在宅事件の際も、スムーズに事件を終わらせるためには、弁護士に依頼することが重要です。
まずは弁護士にご相談ください
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に扱う法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回であれば無料でご利用いただける法律相談をご予約いただけます。
また、逮捕されてしまった方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスも、同じフリーダイヤルでご予約を受け付けております。
フリーダイヤルは24時間対応可能ですので、建造物侵入罪で刑事事件化してしまった方、またはご家族が建造物侵入罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】放火をした際に適用される罪、放火の罪を3つあげてそれぞれ条文ごとに詳しく解説
放火の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県石川郡に住んでいる大学生のAさんは、やっていたアルバイトをクビになりました。
クビにされたことを怒ったAさんは、夜にアルバイト先の店を訪れ、鍵のかかっていない窓から火のついたタバコを投げ入れました。
ほどなくタバコから火が燃え移り、窓から煙が上がりました。
そして煙が上がっているところを近隣住民が見かけ消防車を呼び、その後火は消し止められました。
石川警察署が捜査を進めたところ、タバコを投げ入れるAさんが監視カメラに写っており、Aさんの身元も特定されました。
Aさんは、非現住建造物等放火罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
非現住建造物等放火罪
「放火及び失火の罪」の章が刑法にはあります。
Aさんの逮捕容疑である非現住建造物等放火罪もこの章にあり、具体的には、刑法第109条第1項に「放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。」と定められています。
ここでいう「住居」とは、人が起臥寝食の場所として使っている、日常生活を営むための建物のことです。
「建造物」とは、屋根があって壁、柱によって支持され、土地に固定されている家屋その他の建築物のことです。
Aさんが火を付けたのはアルバイトをしていた店であり、住居ではない建造物で、放火時はAさんを除き人がいませんでした。
そのためAさんには非現住建造物等放火罪が適用されています。
現住建造物等放火罪
仮にAさんが放火した建物内に人がいた場合は、より重い罪である現住建造物等放火罪が適用されます。
現住建造物等放火罪は刑法第108条には、「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と定められており、その刑罰の重さから裁判員裁判対象事件となります。
この条文には「現に人が住居に使用し」とあるため、人が起臥寝食の場所として使っている住居に放火すれば、放火時に人が中にいなくとも現住建造物等放火罪となります。
建造物等以外放火罪
前述した条文は2つとも建物を対象にしたものですが、それ以外のものへの放火は刑法第110条第1項が適用されます。
内容は「放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。」となっており、放火だけでなく「公共の危険」も適用される条件になります。
公共の危険とは不特定多数の人の生命及び身体、他の建造物及び財産に対する危険のことで、そうなると建造物等以外放火罪が適用されます。
物が放火されても、周りには人も物もなく、延焼の心配がないのであれば公共の危険は生じないと考えられます。
このように、放火と言っても状況によって成立する放火の罪は変わります。
放火によって事件を起こしてしまった場合は、まずは弁護士に相談し、専門的なアドバイスを受けましょう。
放火の罪に詳しい法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所では、初回は無料の法律相談の他、逮捕または勾留された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスを実施しています。
放火事件によって、非現住建造物等放火罪、現住建造物等放火罪、建造物等以外放火罪の疑いで逮捕されてしまった際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご相談ください。
【事例解説】高校生を自宅に泊め未成年者誘拐罪になった事例、「誘拐」と判断される条件とは
未成年者誘拐罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県福島市に住んでいる大学生のAさんは、インターネット上で知り合った高校生のVさんを自宅に招いていました。
夕方になってVさんが「このまま遊んでたい」と言うと、Aさんは「なら家で寝るか」と泊まりを勧め、VさんはAさんの自宅に泊まることにしました。
しかし、Vさんは泊まることを両親に連絡しなかったため、Vさんの両親はVさんのことを心配し、警察に連絡していました。
その後、福島警察署が福島市内の駅で2人を発見し、Aさんは未成年者誘拐罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
未成年者誘拐罪
一般的に「誘拐」は、子供を無理矢理連れ去るイメージがあります。
しかし刑法における「誘拐」の定義はそのイメージとは少し違います。
刑法第224条が未成年者誘拐罪(および未成年者略取罪)を定めている条文であり、その内容は「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。」となっています。
この場合の「未成年者」は18歳未満の者を指しています。
参考事件の場合、Vさんの言葉に応える形でAさんは泊まりを勧めているため、お互いの合意があり一見すると誘拐には見えないかもしれません。
しかし未成年者誘拐罪においては、欺罔・偽計・誘惑・甘言などを用いて未成年者に誤った判断をさせ、現在置かれている生活環境から離脱させて自己もしくは第三者の事実的支配下に置くことが誘拐と定義されています。
さらにこの条文が保護する法益は、被害者の自由と安全だけでなく親権者の保護監督権も含まれています。
そのため被害者と合意の上で泊まったとしても、両親など保護者から同意が得られていないのなら未成年者誘拐罪は適用されます。
また、同条文が未成年者略取罪を定めていますが、「略取」は暴行や脅迫などが用いて未成年者の意思を抑制することとしています。
参考事件ではAさんが「なら家で寝るか」と宿泊を提案していますが、これが誘惑や甘言と判断されます。
それによってVさんは、両親に連絡することなくAさんの自宅に泊まるという誤った判断をしたため、AさんはVさんを誘拐したと判断され、未成年者略取罪が成立しました。
親告罪
未成年者誘拐罪は罰金刑が定められていないため、起訴されてしまえば裁判を受けることになってしまいます。
裁判を避けるには被害者との示談交渉が必要です。
刑法229条は「第224条の罪及び同条の罪を幇助する目的で犯した第227条第1項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ控訴を提起することができない。」と定められています。
つまり、未成年者誘拐罪は親告罪であり、被害者が告訴を取り下げれば検察は起訴することができません。
示談交渉の中で、被害者に告訴を取り下げることを了承していただければ、不起訴で事件を終えることができます。
しかし、未成年者が被害者であるため、基本的に示談交渉はその保護者と行うことになります。
そのため示談交渉は難航しやすく、場合によっては連絡を取ることもできない可能性があります。
未成年者誘拐罪の示談交渉をスムーズに進めるためには、弁護士に相談し、弁護活動を依頼することが重要です。
未成年者誘拐罪での示談交渉はお任せください
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に特化している法律事務所です。
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店員に対しての暴言で脅迫事件に発展、逮捕された場合の流れと勾留が決定される際の条件
脅迫罪と勾留について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県須賀川市に住んでいる大学生のAさんは、ラーメン屋を訪れていました。
そこで頼んだラーメンがAさんの口に合わなかったことから、Aさんは店員に文句を言いました。
その際店員の態度が気に入らなかったことから、「やくざの知り合いがいる、店潰してやるぞ。」と脅しました。
その後店員は、Aさんに脅されたことを警察に相談しました。
そしてAさんは須賀川警察署の捜査によって身元が割れ、脅迫罪の疑いで逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)
脅迫罪
相手を脅すだけでも、刑法が適用される犯罪になります。
脅迫罪は刑法第222条1項に「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」と定められています。
「脅迫」の内容は、一般的に考えて、人を畏怖させる、恐怖させるに足る害悪の告知である必要があります。
しかし、脅迫の結果実際に被害者が恐怖を覚えたかどうかは問われていないため、そのような害悪の告知が相手に伝わった時点で脅迫罪は成立します。
仮に、殺害予告を送られたが本気ではないとまったく畏怖しなかった場合でも、メールを被害者が見た時点で脅迫罪が既遂(犯罪が成立した)となります。
また、「害を加える旨を告知」する方法は規定がないので、メール、文書、態度など口頭以外の告知でもよく、第三者を介した告知であっても脅迫罪となります。
逮捕後の勾留
警察に逮捕されると、釈放されない限り事件は48時間以内に検察に送致されます。
そして検察が事件の送致を受けると、24時間以内に釈放か裁判所に勾留請求するかを決定します。
そして勾留請求を受けた裁判官が勾留すべきと判断すれば、10日間の身体拘束を受けることになります。
さらに勾留は延長することが可能であり、さらに最大で10日間勾留を続けられます。
つまり、逮捕されてしまうと最大で23日間は留置施設に入れられてしまいます。
身体拘束を避けるためには、身柄解放の活動を弁護士に依頼する必要があります。
勾留は、証拠隠滅や逃亡などの可能性がある場合に認められるものです。
そのため弁護士はそのような危険はないことを主張し、勾留請求を却下するよう求めます。
仮にこの主張が認められなかったとしても、被害者と示談が締結できれば、状況が変化したと勾留の取り消しを求めることができます。
勾留決定までの時間は長くないため、逮捕されてしまった場合は速やかに弁護士に弁護活動を依頼しましょう。
脅迫罪に詳しい法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件を取り扱っている法律事務所です。
当事務所では初回であれば無料の法律相談、逮捕または勾留された方のもとに直接弁護士が赴く初回直接接見サービスをご利用いただけます。
ご予約はフリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けており、24時間、365日対応可能です。
脅迫事件の当事者となってしまった方、ご家族が脅迫罪の容疑で逮捕されてしまった方、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へのご連絡をお待ちしております。
窃盗事件を起こして逮捕、窃盗を行うために他の犯罪に該当したらその刑罰はどうなるのか
窃盗罪の他、器物損壊罪と建造物侵入罪、そして牽連犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県石川郡に住んでいる会社員のAさんは、無人販売店を訪れていました。
Aさんは店内に取り付けてある料金箱の留め具を壊し、壁から外してそのまま料金箱を持って無人販売店を去りました。
その後事件は警察に通報され、石川警察署の捜査でAさんが事件を起こしたとわかり、身元も判明しました。
そしてAさんは窃盗罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんには建造物侵入罪と器物損壊罪の容疑もかけられています。
(この参考事件はフィクションです。)
窃盗罪
料金箱を盗んだAさんは窃盗罪だけでなく、刑法に定められたその他の罪も適用されました。
まず、窃盗罪は刑法235条に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃取とは持ち主の意思に反して、財物を自己または第三者に物の占有(物に対する実質的な支配)を移すことを意味しています。
参考事件の場合、仮に盗んだ料金箱に現金が入っていなかったとして窃盗罪になります。
これは料金箱自体が商品代金を入れる目的で設置されているため、店主や店員が占有している物と判断できるからです。
そのためAさんには窃盗罪が適用されました。
そしてAさんには、さらに器物損壊罪と建造物侵入罪の容疑もあります。
器物損壊罪と建造物侵入罪
物を損壊させると適用されるのが、器物損壊罪です。
Aさんは料金箱を持ち去る際に、留め具を壊して外しています。
そのため、物を壊したAさんに器物損壊罪が適用されました。
そして次に建造物侵入罪です。
建造物侵入罪は、正当な理由もなく建造物に侵入すると適用されます。
開かれている店舗に入るのであれば「侵入」とは言えないのではないかと考える方もいると思われますが、Aさんの場合、店に入る際に買い物をする意思はありませんでした。
買い物をするつもりで入ってきたのであればそれは「正当な理由」であるといえますが、盗みを目的として店舗に入るのであれば、それは「侵入」していると判断されます。
以上のことからAさんには窃盗罪の他、器物損壊罪、建造物侵入罪が成立しました。
牽連犯
Aさんは盗みを目的として無人販売店に侵入し、料金箱の留め具を壊して料金箱を盗んでいます。
このように2つ以上の犯罪行為の間に、一方が他方の手段であるか、他方が一方の結果であるという関係が存在する場合、これを牽連犯と言います(刑法第54条)。
牽連犯は、それぞれの刑罰の中から、最も重い刑を適用します。
参考事件の場合、窃盗罪の他はそれぞれ、器物損壊罪は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」、建造物侵入罪は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」が刑罰となっています。
そのため、Aさんに適用されるのは「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」である窃盗罪の刑罰です。
刑事事件では牽連犯のように、あまり一般的ではない用語が使われることも珍しくありません。
刑事事件を起こしてしまった際は、自身の刑罰がどうなるのか予測を立てるためにも、弁護士のアドバイスをもらうため法律相談を受けてみましょう。
刑事事件の際はご相談ください
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件(および少年事件)を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所では初回の法律相談を、無料で実施しております。
逮捕(または勾留)されている方には、弁護士が直接留置施設に伺う初回直接接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約も年中無休、24時間体制で対応しておりますので、ご家族が窃盗事件を起こして逮捕されてしまった方、窃盗罪、器物損壊罪、建造物侵入罪などの容疑がかかっている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご相談ください。
キャンプで使用したサバイバルナイフを持ったまま忘れ、銃刀法違反事件
銃刀法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県喜多方市に住んでいる大学生のAさんは、友人と一緒にキャンプに出掛けていました。
キャンプから帰って数日後、警察から職務質問を受けることになったAさんは、所持品検査に応じました。
その際、キャンプの時にバッグに入れ、そのまま忘れていた刃渡り7センチメートルほどのサバイバルナイフが見つかりました。
Aさんは警察にキャンプに行っていたことを説明しましたが、銃刀法違反の疑いで喜多方警察署に逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)
銃刀法違反
銃刀法違反とは「鉄砲刀剣類所持等取締法」に違反したことを意味しており、銃刀法はこの法律の略称です。
銃刀法第22条には、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。」と定められています。
この条文において「業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づいて、継続して行う事務又は事業のことを指します。
「携帯」は手に持ったり身体に帯びたりといった状態の他、バッグに入れている状態や車に積んでいる状態も「携帯」していると判断されます。
また、その他の「正当な理由」とは、購入したナイフを自宅に持ち帰ろうとしている、包丁を研ぐために店に持って行こうとしているなどの状況が当てはまります。
Aさんのようにキャンプで使用するために持ち歩くのであれば、それは「正当な理由」があると判断されます。
しかし、キャンプが終わって数日たっているのであれば、もう「正当な理由」はなくなっているので、銃刀法違反となります。
この場合の法定刑は、銃刀法31条の18第2項第2号により「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」となります。
逮捕後の流れ
逮捕されると警察の取調べを受け、釈放されなければ48時間以内に検察官に事件は送致されます。
そして検察官へ送致されると、検察官は24時間以内に裁判官に勾留請求をするかを決定します。
裁判官が勾留を決定すれば10日間身体拘束され、延長されると最大で20日間勾留が継続されます。
つまり逮捕後は最大で23日間、外部との連絡を制限された状態で取調べを連日受ける状態が続きます。
それを避けるには弁護士に弁護活動を依頼し、会社や家庭への影響を主張したり、証拠隠滅や逃亡の危険がないことなどを書面にして提出したりして早期の釈放を求める必要があります。
銃刀法違反で逮捕された場合、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。
刑事事件に詳しい強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件及び少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回であれば無料の法律相談、逮捕及び勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
銃刀法違反事件の当事者となってしまった、若しくは銃刀法違反の容疑でご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のへ、お気軽にご相談ください。
ライターを使って自転車に火を付け建造物等以外放火罪、弁護士に依頼するメリットとは
建造物等以外放火罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県いわき市に住んでいる会社員のAさんは、会社の同僚であるVさんが持つ自転車を発見しました。
Aさんは人目に付かないか確認した後、持ってきたライターを使って自転車に火を付けました。
その後、自転車の持ち主であるVさんが戻ってきた際に火を消し止め、火を付けられたと警察に通報しました。
いわき中央警察署が捜査を進めた結果Aさんが火を付けたことが分かり、Aさんは建造物等以外放火罪の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
建造物等以外放火罪
刑法の第9章には放火(及び失火)に関する罪が定められています。
建造物等以外放火罪もそこに規定があり、「放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。」と刑法110条第1項に定められており、Aさんにはこの建造物等以外放火罪の条文が適用されています。
条文にある「前2条」とは、刑法第108条と第109条を指しています。
刑法108条は人が住居にしている又は人がいる建造物等に放火した者に成立する現住建造物等放火罪を定めており、刑法109条第1項は人か住居に使用せずかつ人のいない建造物等に放火した者に成立する非現住建造物等放火罪を定めています。
つまり、刑法第110条第1項は住居や建造物以外を放火した場合に適用されます。
「焼損」とは火が媒介物を離れ、放火された物が独立して燃焼を継続している状態を指し、「公共の危険」とは不特定多数の人々の命や体、財産を脅かす危険を指しています。
公共の危険が発生したかどうかは建造物等以外放火罪の成立に大きく影響します。
仮に参考事件と同じ自転車が放火される事件が発生した場合でも、周りにある物に延焼する危険性がない、周りに物がなく延焼しないといった状況であれば、公共の危険が生じたとは言えないため建造物等以外放火罪は成立しないケースもあります。
その場合、他人の物を損壊したとして器物損壊罪が成立する可能性が考えられます。
示談交渉
建造物等以外放火罪は「1年以上10年以下の懲役」が刑罰であるため、略式罰金で済ませることのできない重い犯罪です。
参考事件のように他人が所有する物に放火するケースの場合、その物を所有する被害者に示談交渉をすることで、減刑を求めることができます。
示談交渉は個人で行うこともできますが、専門的な知識がないと減刑に効果的な示談を進めることはできません。
また、被害者と直接連絡を取るとかえって事態がややこしくなってしまう懸念もあります。
そのため弁護士に弁護活動を依頼し、弁護士を間に入れる形で示談を進めることで、よりスムーズな示談交渉を行うことをお勧めいたします。
示談交渉は処分が決定する前に締結する必要があるため、放火事件の際には速やかに弁護士に相談することが重要です。
放火事件に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では初回であれば無料でご利用いただける法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けております。
放火事件を起こしてしまった、ご家族が建造物等以外放火罪の疑いで逮捕されてしまった、このような場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご連絡ください。
元交際相手に何度も連絡し、さらに家で待ち伏せしたことによりストーカー規制法違反で逮捕
ストーカー規制法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県石川郡に住んでいる会社員のAさんは、以前交際していたVさんとよりを戻したいと思っており、度々Aさんに連絡をしていました。
Vさんはそのことを迷惑に思っており、何度言って止めないため警察に相談することにしました。
その後、Aさんはストーカー行為に対する警告を受けました。
しかし、Aさんは次にVさんの自宅付近で待ち伏せをすることにしました。
Aさんが待ち伏せしていることを確認したVさんは、再度警察に連絡しました。
そしてVさんの自宅に相馬警察署の警察官が駆け付け、Aさんはストーカー規制法違反の疑いで現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
ストーカー規制法違反
ストーカー規制法の正式名称は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」です。
この法律を破ってしまうと、参考事件のAさんのようにストーカー規制法違反となります
Aさんの行った、止められても何度も連絡を取る行為は、ストーカー規制法第2条第1項の第5号「電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、文書を送付し、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。」に該当します。
次に自宅付近で待ち伏せする行為ですが、これは第1号「つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。」に該当します。
このことから、Aさんに行為はストーカー規制法違反となる可能性が非常に高いです。
また、Aさんは警察から警告を受けています。
この警告もストーカー規制法に定められた規定であり、ストーカー行為をされたと相談があった場合、警察がストーカー行為を続ける可能性があると判断すれば、警告や禁止命令を出すことができます。
ストーカー規制法第19条の規定により、禁止命令に違反してなおストーカー行為をした者には「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」が科せられます。
参考事件のAさんは警告を受けていますが、禁止命令ではないため、この場合ストーカー規制法第18条の「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が法定刑となります。
ストーカー規制法違反の弁護活動
ストーカー行為をした場合、基本的には警告や禁止命令が出されます(ケース次第で警告や禁止命令なしで即逮捕されることもあります)。
そして禁止命令が出されてもストーカー行為を続けてしまうと、逮捕される可能性が非常に高くなります。
以前までストーカー規制法違反は親告罪でしたが、今現在は非親告罪であるため、被害者が告訴せずとも刑事裁判になる可能性があります。
そのため刑事裁判の回避や不起訴処分を求めるのであれば、弁護士の存在は欠かせません。
ストーカー規制法違反の場合、示談を成立させることが最も大事になりますが、事件の性質上、当事者だけでの示談交渉は困難と言えます。
速やかに示談交渉の締結を目指すのであれば、ストーカー規制法に詳しい弁護士に依頼し、アドバイスを求めることが重要です。
ストーカー規制法違反に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所は初回であれば無料でご利用いただける法律相談をフリーダイヤル「0120-631-881」でご予約いただけます。
また、同じフリーダイヤルで逮捕されている方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約も可能です。
どちらも24時間、土日、祝日も電話対応しておりますので、ストーカー規制法違反事件の当事者となった方、またはご家族がストーカー規制法違反の疑いで逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のへ、お気軽にご相談ください。
脅迫罪の疑いで事情聴取、弁護士によるサポートの必要性
脅迫罪と弁護士の重要性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県いわき市に住んでいる大学生のAさんは、交際していたVさんから突然別れたいと切り出されました。
以降連絡しても返事がない状態になり、腹を立てたAさんは「連絡に返事をしないなら殺しにいくからな」とメールを送信しました。
しばらくすると警察官がAさんの自宅を訪ねて来て、「被害届が出された」とAさんに伝えました。
そしてAさんは脅迫罪の容疑でいわき中央警察署から事情聴取を受けることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)
脅迫罪
脅迫罪は刑法第222条第1項に「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」と定められています。
脅迫罪における脅迫とは、一般通常人であれば畏怖する、恐怖心を起こす程度の害悪を告知することです。
そのため、脅迫された被害者が実際に恐怖している必要はありません。
害悪の告知は何らかの形で実現可能な範囲である必要もあり、「災いが起こる」など実現させる可能性が低いものは害悪の告知とはなりません。
また、この条文には「害を加える旨を告知」する方法の記載がありません。
そのため口頭による害悪の告知だけでなく、書面や挙動によるものでも上記の内容を満たせば脅迫罪に該当します。
参考事件のAさんは、「殺す」という生命に対する害悪の告知をメールで行っていることから、脅迫罪が成立します。
弁護士の重要性
参考事件のような脅迫事件では事情聴取(取調べ)に適切な対応がとれるかどうかが重要です。
事情聴取は事件の概要によって時間は変化し、複数回行われることもあります。
しかし刑事事件に詳しくない方にとっては、事情聴取に対してどのように対応すればよいものか悩んでしまうでしょうから、後から後悔しないためにも、事情聴取を受ける前に弁護士に相談することをお勧めします。
また、被害者に対して示談交渉を行う場合も、弁護士が間に入ることで示談交渉をスムーズに進めることができ、示談締結の可能性が高まります。
そのため脅迫事件を起こしてしまった場合、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めします。
刑事事件専門の弁護士事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談のご予約を、24時間体制で受け付けております。
また、逮捕・勾留中の事件の場合は、逮捕・勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約も「0120-631-881」のフリーダイヤルでお持ちしておりますので、脅迫事件を起こしてしまった方、またはご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。