Archive for the ‘刑事事件’ Category
親告罪って何ですか?非親告罪と何が違うの?
器物損壊事件を参考に、親告罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
南相馬市に住むAさんは、契約駐車場に駐車されている車に傷付けた容疑で、福島県南相馬警察署に呼び出されて取調べを受けました。
Aさんは、取調べの中で警察官から「告訴」や「親告罪」といった言葉を聞かされましたが意味が分かりません。
(フィクションです。)
親告罪とは
親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪です。
Aさんの起こした器物損壊事件をはじめ、名誉毀損罪、侮辱罪、秘密漏示罪、過失傷害罪、私用文書等毀棄罪、略取誘拐罪や親族間の窃盗罪等がこれに当たります。
平成29年の刑法改正までは、強制わいせつ罪や強姦罪(現在の強制性交等罪)等も親告罪とされていましたが、現在は非親告罪となっています。
親告罪には、告訴不可分の原則があります。
これは、共犯の1人または数人に対してした告訴または告訴の取消しは、他の共犯に対してもその効力を生じることです。これを告訴の主観的不可分と言います。
また犯罪事実の一部に対してした告訴または告訴の取消しは、その全部について効力を生じる。これを告訴の客観的不可分と言います。
器物損壊事件の弁護活動
器物損壊事件は親告罪です。
告訴は一度取り消すと、同じ事実で再び告訴することができないという決まりがあります。
ただし告訴を取り消せるのは、起訴されるまでです。
そのため、告訴されている器物損壊事件の弁護活動については起訴されるまでに被害者と示談して告訴の取下げを目指すことになります。
そうすることによって、同日事実で刑事罰を受ける可能性が完全に消滅してしまうのです。
南相馬市の器物損壊事件に強い弁護士
南相馬市の器物損壊事件でお困りの方、刑事事件で告訴されてしまった方、親告罪に強い弁護士をお探しの方は、刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
通行トラブルからの傷害事件で逮捕 早期釈放を目指す活動
通行トラブルからの傷害事件で逮捕された方の、早期釈放を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
通行トラブルからの傷害事件
土建業を営むAさんは、休日の昼間、喜多方市内をマイカーで走行中、後方からあおり運転をされました。
しつこいあおり行為に腹がったAさんは、車を停車させて車を降り、後方の車のドライバーを車から引きずりおろして、顔面等を殴打する暴行を加えました。
そして目撃者の通報で駆け付けた、福島県喜多方警察署の警察官に現行犯逮捕されたのです。
被害者の男性は、顔面打撲等で全治2週間の傷害を負っているようです。
Aさんの家族は、Aさんの早期釈放を望んでいます。
(フィクションです。)
傷害罪で逮捕された方の釈放
逮捕されると、釈放されない限りは身体拘束を受けることになります。
身体拘束によって、精神的な苦痛を味わうのは当然のこと、欠勤・欠席が続いて事件を起こしたことが職場や学校に知れてしまうことによって退職や退学になったり、知人に事件が知れてしまったりと、逮捕された方や、その家族は、社会的な不利益を被る可能性が高くなります。
そういった事態を避けるために、弁護士は早期釈放に向けた弁護活動を行います。
起訴されるまでの釈放
送致後24時間以内に釈放をめざす
警察は、逮捕した容疑者・犯人を勾留する必要があると考えるときは、逮捕から48時間以内に容疑者を検察庁の検察官に送致する手続をしなければなりません。
警察から容疑者・犯人の送致を受けた検察官は、24時間以内に、勾留の必要性を判断し、必要であれば裁判所の裁判官に容疑者・犯人を勾留するよう勾留請求します。
この段階までに弁護士が付いていれば、検察官に対して、容疑者にとって有利な証拠と事情を説明することで勾留請求しないように働きかけることができます。
この働きかけにより検察官が勾留請求を行わなければ、逮捕されていた容疑者は釈放されることになります。
裁判官が勾留を決定する前に釈放をめざす
検察官から勾留請求を受けた裁判所の裁判官は、勾留質問といわれる容疑者との面談を行って、容疑者を勾留するかどうかを最終的に判断します。
この段階までに弁護士が付いていれば、裁判官に対して容疑者を勾留しないよう働きかけをすることができます。
この働きかけにより裁判官が検察官の勾留請求を却下すれば、逮捕されていた容疑者は釈放されることになります。
裁判官のなした勾留決定を覆して釈放をめざす
裁判官が勾留を決めると、容疑者は10日~20日間は留置場や拘置所等の留置施設に勾留されることになります。
この段階で弁護士が付いていれば、裁判官の勾留決定に対して不服を申し立てる準抗告という手続きを行うことができます。
弁護士によって準抗告がなされた場合、勾留を決定した裁判官とは異なる3人の裁判官からなる合議体で勾留決定の是非が審査され、勾留が不当との判断がなされれば、勾留決定が覆って勾留されていた容疑者は釈放されることになります。
ただ、裁判官によって一旦なされた勾留決定は簡単には覆らないので、釈放を望むのであれば、より速い段階で弁護士を付けて釈放のための弁護活動を始めるのが望ましいと言えます。
勾留取消・勾留執行停止による釈放をめざす
裁判官による勾留決定がなされてしまった後も、勾留の理由または必要がなくなったとして勾留取消請求をしたり、治療入院や重大な災害などのために勾留を一時的に解く勾留執行停止の申立をすることによって釈放を目指します。
早期釈放を目指す弁護士
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕されたしまった方の一日でも早い釈放を目指して弁護活動を行っております。
ご家族、ご友人が傷害事件を起こして警察に逮捕されてしまった方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
フリーダイヤル0120-631-881では、逮捕された方の早期釈放を求める方からのお電話を24時間お待ちしておりますので、お気軽にお電話ください。
福島県内の特殊詐欺事件 ATM機から現金を引き出した窃盗罪で逮捕
高齢者から騙し取ったキャッシュカードを使って、ATM機から現金を引き出したとして窃盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
福島県白河市内において、郵便局員になりすまして高齢者宅を訪れ、キャッシュカード2枚をだまし取った上で、そのキャッシュカードを使って白河市内や郡山市内のコンビニエンスストアに設置されたATMから現金計140万円を窃取した容疑で、二人の容疑者が逮捕されました。
逮捕された2人は同じような手口で郡山市内に住む高齢者からも、現金100万円を窃取した容疑で逮捕されており、今回は再逮捕されたようです。
今回逮捕された二人は
①高齢者からキャッシュカードを騙し取る。
②騙し取ったキャッシュカードを使用してATM機から現金を引き出す。
という二つの犯罪を犯しています。
特殊詐欺事件の典型ともいえる手口ですが、本日のコラムでは、改めて2つの犯罪行為について解説します。
高齢者からキャッシュカードを騙し取る行為について
まず高齢者からキャッシュカードを騙し取る行為について解説します。
「騙し取る」という表現から詐欺罪を思い浮かべる方も多いかと思いますが、最近は、キャッシュカードをすり替えるという手口(窃盗罪)が頻発しており、必ずしも詐欺罪が成立するとは限りません。
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」であるのに対して窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」で、窃盗罪には罰金刑が規定されているのが特徴です。
ATM機から現金を引き出す行為について
続いて、騙し取ったキャッシュカードを使用して、ATM機から現金を引き出す行為について解説します。
この行為は、銀行に対する窃盗罪が成立します。
2つの罪に問われる
今回逮捕された二人は、上記①②の二つの罪に問われることになります。
その場合、併合罪として審理されることになるので、起訴されて有罪が確定した場合「15年以下の懲役」が科せられる可能性があります。
特殊詐欺事件の弁護活動
特殊詐欺事件で起訴されると、被害金額にもよりますが、被害者への弁償がなければ実刑判決となってしまう可能性が十分に考えられます。
特殊詐欺事件で逮捕されてしまった方の早期釈放や、刑事罰の減軽を求めるのであれば被害者との示談が必至となります。
そういった弁護活動を希望される方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお任せください。
偽装事故で保険金詐欺 関与した6人を詐欺容疑で逮捕
交通事故を偽装し保険会社から保険金を騙し取ったとして、関与した6人が詐欺容疑で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
昨年3月、ショッピングセンターにおいて、車3台が絡む交通事故を偽装し、保険会社から保険金53万円を騙し取った保険詐欺事件で、関与した6人が詐欺罪の疑いで逮捕されました。
記事によりますと、逮捕されたのは偽装事故の当事者だけでなく、事故で負った治療名目で通院した整骨院で治療費を水増しして保険金を騙し取ろうとしたとして、柔道整復師に男も詐欺未遂容疑で逮捕されてます。
今回の事件は、保険会社が不審に思い警察に相談したことで発覚したようです。
保険金詐欺
今回の事件のように、交通事故を装って保険会社から保険金を騙し取ると詐欺罪となります。
詐欺罪は刑法第246条に規定されている犯罪で、法定刑は「10年以下の懲役」となっています。
起訴されて有罪となった場合は、この法定刑内の刑事罰が科せられることになりますが、判決が言い渡されるまでに、騙し取った保険金を保険会社に返還する等していた場合は、執行猶予が付いて、刑務所への服役を免れれる可能性があります。
詐欺罪で逮捕されると…(接見禁止)
今回のように、複数人が関与している詐欺事件で警察に逮捕されると、勾留の決定と同時に接見禁止となる可能性が非常に高いです。
接見禁止となった場合、基本的には弁護士以外との面会や、物品の授受が禁止されます。
接見禁止は、面会や手紙を通じて共犯者と口裏を合わせることを阻止するための措置です。
ただ弁護士が裁判官に働きかけることで、家族だけなど、一部の接見禁止を解除できる場合があるので、逮捕されている方の接見禁止を希望される方は、弁護士に相談することをお勧めします。
詐欺事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件などの刑事事件の弁護活動を専門にしている法律事務所です。
ご家族が詐欺罪で警察に逮捕された方は、早期に弁護士を選任することによって、釈放が早まったり、不起訴を獲得できたり、また起訴されて有罪となってしまった場合でも、執行猶予を獲得できたり等と、多くのメリットがございますので、まずは専門の弁護士にご相談ください。
福島市の住居侵入事件 福島警察署に逮捕されたら…
住居侵入の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【福島市の住居侵入事件】
Aさんは、仕事終わりに酒を飲み、酔っぱらってしまいました。
Aさんは、福島市内の自宅に帰ったつもりが、Aさんがドアを開けて入った家は近所のVさんの家でした。
A
Vさんが通報し、Aさんは住居侵入罪の容疑で福島警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです。)
【住居侵入罪】
正当な理由がないのに、他人の住居に侵入した者には、住居侵入罪(刑法130条前段)が成立し、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金が科せられます。
刑法 第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
ここでいう侵入とは、管理権者の意思に反した立ち入りをいいます(最決昭和31年8月22日)。
Aさんは、住居権者たるVさんの意思に反し、Vさん宅に侵入しているのですから、客観的にみればAさんの行為は住居侵入罪に当たります。
しかし、故意がなければ犯罪は成立しません。
Aさんは、わざとVさんの家に侵入したのではなく、自宅と間違えて入ってしまったのですから、故意がありません。
したがって、Aさんには住居侵入罪は成立しないとも考えられます。
本件のような否認事件では、有利な証拠を保全し、不利な供述を取られないことが重要です。
早い段階で弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士が付いた場合、本件では、例えば、Aさんに故意がないことを主張するため、Aさん宅とVさん宅の外観がどれだけ似ているかとか、Aさん宅とVさん宅の距離がどのくらいかといった事情を積み重ね、酒に酔ったAさんが自宅とVさん宅を間違えても無理ないといえることを主張していきます。
弁護士に依頼をし、被疑者・被告人にとって有利となる事情を的確に主張していくことが、不当に重い刑罰を避けることに繋がります。
宮城県内で住居侵入罪に問われてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談下さい。
弊所では、逮捕されているご本人様のもとに弁護士が向かう初回接見サービスを実施しております。
弊所の初回接見サービスでは、留置所にいるご本人様と弁護士が面会し、事件の見通しを依頼者様へご報告致します。
初回接見サービスのお申込みは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル0120-631-881までお電話下さい。
判決に納得ができない方必見 控訴審に強い弁護士
判決に納得ができない方必見!! 控訴審について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事例
フリーターのAさんは、お金を貸している友人に返済を迫ったところ、恐喝未遂罪で福島県石川警察署に逮捕されました。
容疑を否認していたAさんでしたが、知人がAさんとの電話でのやり取りを録音していたらしく、この音声データが決め手となってAさんは、恐喝未遂罪で起訴されて、先日、福島地方裁判所で実刑判決が下されました。
実刑判決に納得できないAさんは、有罪であっても執行猶予が相当であることを求め、別の弁護士に控訴を任せるつもりです。
(フィクションです。)
控訴とは
日本の裁判制度は三審制を採用しています。
例えば、最初に公判が開かれたのが地裁の場合、地裁(第一審)、高裁(第二審・控訴審)、最高裁(第三審・上告審)の順になります。
そして第一審の判決に対して不服を申し立てることを控訴といいます。
刑事事件の控訴の申し立てには、一定の控訴理由が必要です。
刑事事件における控訴審の審理は、原則として新たな裁判資料の提出が認められません。
控訴を受けた裁判所は、第一審裁判所の判決に対する当事者の不服の限度で、事実と法律の適用を再度審査します。
控訴審における刑事弁護活動
控訴審に向けた刑事弁護活動は、主に
1 第一審の裁判記録を詳細に検討し、説得力のある控訴趣意書をつくること
2 事実確認を徹底して行い、新たな証拠(新たな証人、新たな鑑定結果)を取り調べてもらうこと
3 控訴審でも身柄の拘束が続く場合、釈放や保釈に向けて働きかけること
の3つになります。
このような活動を通じて、第一審判決を覆し有利な判決を得たり、破棄判決を勝ち取ることを目指します。
控訴審に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所として、控訴審からの刑事弁護の引き受けを行います。
また、国選・私選を問わず、既に他の弁護士に委任している事件に関しても、無料の法律相談を実施しています。
福島県内の刑事事件でお困りの方、傷害罪で起訴された方、第一審の判決に納得ができない方、控訴審で執行猶予を求められる方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
白河警察署に自首 殺人事件に強い弁護士が付き添い
白河警察署への自首で、殺人事件に強い弁護士が付き添う件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
白河市に住む会社員のAさんは、高齢の母親と二人暮らしをしており、数年前から認知症を患っている母親の介護をしています。
そんな生活を送る中でストレスを感じていたAさんは、母親の介護疲れから思わず母親の顔に濡れた布を押し付けて、母親を窒息させて殺してしまいました。
犯行後、我に返ったAさんは、自宅を管轄する白河警察署に自首することを検討しています。
(フィクションです。)
殺人事件
殺人罪は非常に重たい罪です。
殺人罪で起訴されて有罪が確定すれば、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役が科せられます。
殺人罪は故意犯ですので、成立には殺人の故意(殺意)が必要です。
殺人の故意(殺意)がない場合は、殺人罪は成立せず、過失致死罪や、傷害致死罪等にとどまります。
殺人の故意(殺意)は、確定的である必要はなく、未必の故意、条件付きの故意、あるいは包括的な故意であってもよいとされています。
自首
自首とは、犯人が捜査機関に対し、自発的に自己の犯罪事実を申告し、その処分を求める事です。
捜査機関が犯罪事実を認知していても、被疑者を割り出していない段階で出頭すれば自首となりますが、すでに被疑者が割り出されている状況では、自首として扱われない事があります。
ちなみに、交通事故を起こして警察に届け出る場合の申告は自首には当たりません。
自首は、基本的に犯人自らが警察等の捜査機関に出頭し、申告する事で成立しますが、直ちに捜査機関の支配下に入る状態で、電話や第三者を介する方法で申告しても、自首と認められる事があります。
刑事訴訟法上、自首は捜査の端緒に過ぎませんが、刑法上は、刑の任意的な軽減事由となります。
白河警察署への自首を検討している方は
白河市で殺人事件に強い弁護士をお探しの方、福島県で自首に付き添う弁護士をお探しの方は、刑事事件に強い弁護士が所属する、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
福島県の汚職事件 県職員が収賄容疑で逮捕
県職員が収賄容疑で逮捕された、福島県の汚職事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
福島県会津農林事務所発注の公共工事の入札を巡って、設計金額を業者に教えた見返りに、飲食接待など約26万円相当の賄賂を受けたとして、収賄の疑いで福島県職員の男が、そして、贈賄の疑いで建設会社の社長等を逮捕されました。
この事件は、県職員の男が、会津農林事務所が発注する複数の工事の入札で秘密事項に当たる設計金額を、会社社長や役員に漏らし、その謝礼として飲食費や宿泊代、ゴルフ場のプレー代金など約26万円相当の賄賂を受け取ったという、いわゆる汚職事件で、今後も福島県警捜査第二課を中心に捜査が進められる予定です。
収賄罪
いわゆる汚職事件と呼ばれる今回の事件は、賄賂をもらう側の公務員と、賄賂を渡す側の人間に対して、それぞれ別の犯罪が成立し、この2つの犯罪は必要的共犯となり、対向犯の関係になります。
まず公務員側に適用される収賄罪について解説します。
刑法第197条
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、7年以下の懲役に処する。
(2項省略)
収賄罪は、公務員の公正な職務執行を保持すると共に、職務の公正に対する社会の信頼を確保するための法律です。
簡単に言うと、公務員が買収されることを防ぐためにある法律で、公務員が単に賄賂を受け取るだけであれば、単純な収賄罪が成立しますが、請託を受けた場合は、収賄罪より重い受託収賄罪となり厳しい処罰が予想されます。
請託とは、、公務員に対してその職務に関する行為を依頼することです。
ただ今回の事件、賄賂を受け取った県職員は、入札の設計金額を業者に教えるという不正行為をはたらいています。
こういった不正行為の見返りとして賄賂を受け取った場合は、刑法第197条の3に規定されている加重収賄罪が成立します。
加重収賄罪や事後収賄罪の法定刑は1年以上の有期懲役と非常に厳しくなっています。
贈賄罪
公務員に賄賂を渡す側に成立する犯罪が、刑法第198条の贈賄罪です。
贈賄罪は、公務員に賄賂を渡したり、渡す申込み(約束)をした場合に成立する犯罪で、その法定刑は「3年以下の懲役又は250万円以下の罰金」です。
刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、福島県内の刑事事件にお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談や、初回接見サービスのご予約については
フリーダイヤル 0120-631-881
までお気軽にお電話ください。
いわき市の民家火災 現住建造物等放火罪で家人を逮捕
いわき市で発生した民家火災で、この民家に住む家人が現住建造物等放火罪で逮捕された事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件(フィクションです。)
Aさんは、いわき市の一軒家に両親と3人で暮らしています。
Aさんは、数年前から精神疾患を患っており、その影響で現在は仕事をしていません。
そんな生活に嫌気がさしたAさんは、1週間ほど前に自室のカーテンにライターで火を着けて自宅を放火しました。
逃げる際に煙を吸ってしまったAさんは、その後病院に搬送されて入院していましたが、一緒に住んでいる両親に怪我はなかったようです。
そして退院すると同時に、Aさんは、現住建造物等放火罪で福島県いわき中央警察署に逮捕されました。
現住建造物等放火罪
人がいたり、人の住居に放火すれば現住建造物等放火罪となります。
現住建造物等放火罪の条文は以下のとおりです。
刑法第108条
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の有期懲役に処する。
現住建造物等放火罪は、抽象的危険犯ですので、客体を損傷すれば足り、公共の危険を現実に発生させる必要はありません。
放火とは、火を点けて目的物を焼損することです。
放火の着手は、何も点火する行為だけに限られず、実際に火を点けていなくても、ガソリンなど引火しやすい物質を放出したり、散布した時点で認められる場合があります。
また積極的な点火行為に限られず、放置すれば焼損するのが分かっていながら消火活動をせずに客体を焼損させたような、不作為による放火もあり得ます。
また現に人が住居に使用するとは、犯人以外の人間が、その建物を起臥寝食に日常使用していることを意味し、その様な建物であれば、放火当時人が現在しなくても現住建造物等放火罪が成立します。
現住建造物等放火罪は非常に厳しい
現住建造物等放火罪の法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」です。
この法定刑は、何と殺人罪と同じで、非常に厳しいものです。
起訴された場合は、裁判員裁判によって審理され、何らかの減軽事由がなければ執行猶予を得ることはできません。
まずは弁護士に相談を
いわき市の刑事事件にお困りの方、またご家族、ご友人が福島県内の警察署に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の 無料法律相談 や、初回接見サービス をご利用ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談や初回接見サービスのご予約をフリーダイヤル0120-631-881にて、24時間、年中無休で承っておりますので、お気軽にご相談ください。
10代男児に対するわいせつ行為 元講師を再逮捕
10代男児に対してわいせつ行為したとして、元講師が再逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事件内容(1月10日付のYahoo!Japanニュースを引用)
2022年8月に、10代の男児に対して下半身を触るなどのわいせつな行為をしたとして、元中学校講師が強制わいせつ罪で再逮捕されました。
逮捕された元講師は「男の子に興味があった」と供述しており、スマートフォンで撮影した疑いももたれています。
なおこの事件では、被害者が42人も及ぶとみられており、警察が余罪を捜査しています。
強制わいせつ罪
人に対してわいせつな行為をすると強制わいせつ罪となる可能性があります。
強制わいせつ罪は、被害者が13歳以上の場合と、13歳未満の場合によって違反となる要件が異なっています。
まずは、強制わいせつ罪の条文をみていきましょう。
刑法第176条
13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も同様とする。
13歳以上の場合と、13歳未満の場合で何か違うのか
被害者が、13歳以上の場合と、13歳未満の場合で何が違うのかといえば、簡単に言うと、13歳以上の被害者に対しては、わいせつな行為に及ぶ際に、暴行や脅迫を用いらなければならないが、被害者が13歳未満の場合は、そういった手段は必要とされておらず、単にわいせつな行為に及んだ時点で犯罪が成立してしまうという点です。
今回の事件、被害者は「10代」としか報道されていないので、13歳以上か、未満かははっきりしませんが、中学生に対する事件であることを考えると、13歳未満の場合も十分に考えれるでしょう。
どういった処分になるの?
それでは、今回の事件、逮捕された元講師は、最終的にどうような刑事処分を受けるのでしょうか?
当然、被害者や被害者の親御さんと示談が成立するかどうかにも左右されると思いますが、教え子に対しての事件だとすると、講師である自分の立場を利用しての犯行となります。
更に余罪も多数あるようなので、そのうち何件立件されるかにもよりますが、立件されないにしても常習性のうかがえる非常に悪質な犯行だと判断されるでしょうから、有罪だと認定された場合は長期実刑もあり得るでしょう。
何れにしても起訴されて有罪だと認定された場合、執行猶予を得ることは非常に難しいと思われます。
福島県内の性犯罪に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、福島県内で性犯罪を起こしてしまった方の弁護活動に対応できる法律事務所です。
既にご家族等が警察に逮捕されてしまった方や、在宅捜査を受けている方だけでなく「まだ警察沙汰になっていないけども、訴えられるか不安だ…」といった方からのご相談にも対応していますので、まずはフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。