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【事例解説】他人の家の表札に黒いペンキを塗って器物損壊罪、在宅事件での注意点について

2025-06-07

器物損壊罪と在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県石川郡に住んでいる大学生のAさんは、大学で仲の悪いVさんに嫌がらせをしようと思いました。
AさんはVさんの自宅に訪れ、スプレーを取り出すと表札に塗料をかけ、そのまま逃走しました。
自宅に帰ってきたVさんは、表札に塗料で汚れていることに気付きました。
そしてVさんは警察に被害届を提出し、その後の捜査によってAさんが犯行に及んだことがわかりました。
後日、Aさんは器物損壊罪の疑いで、石川警察署に呼び出されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

器物損壊罪

器物損壊罪について刑法第261条は、「前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と定めています。
前3条」とは同じく刑法にある公用文書等毀棄罪私用文書等毀棄罪建造物等損壊罪(及び建造物等損壊致死傷罪)を定めた第258条第259条第260条を指しています。
器物損壊罪における損壊・傷害とは、物の効用を害する一切の行為とされています。
他人の物」の中には他人が所有している不動産である土地も含まれています。
ペットなども「他人の物」に含まれており、動物が対象になった事件では損壊ではなく傷害と言われます。
効用を害すれば器物損壊罪になりますが、その効用を回復することが容易である程度の損壊ならば、器物損壊罪にはなりません。
つまり器物損壊罪が成立するには、回復に相当の時間とコストがかかる損壊・傷害が必要になります。
参考事件では人の所有している家の表札に、塗料がかけられています。
これは破壊されていないため、器物損壊罪ではないと思う方もいるかもしれません。
しかし先述の通り、破壊されていなくとも、効用が害されているのであれば損壊に該当します。
そしてペンキを落とすのは容易ではないため、Aさんには器物損壊罪が成立します。

在宅事件

Aさんは警察署に後日呼ばれることになりましたが、まだ逮捕はされていません。
刑事事件は必ず逮捕されるわけではなく、「裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び第201条の2第1項において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。ただし、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。」と定められた刑事訴訟法第199条第2項の規定により、身体拘束の必要性がなければ逮捕に至りません。
このような身体拘束をせずに捜査が進む事件を、在宅事件と言います。
刑事事件では、勾留されてから国が弁護士を選任する国選弁護人の制度があります。
勾留とは逮捕期間の延長に近いもので、在宅事件は当然ながら勾留が付きません。
そのため国選弁護人は利用できませんが、個人で依頼する私選弁護人を立てることはできます。
弁護士がいれば不起訴処分の獲得を目指して弁護活動を行うことができ、前科の回避が望めます。
弁護士に依頼すれば事件をよりスムーズに終わらせることができるため、在宅事件であっても弁護士に相談することがお勧めです。

器物損壊罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所では、初回であれば無料でご利用いただける法律相談逮捕、勾留された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスを実施しています。
ご予約は24時間・365日対応しております。
在宅事件で捜査されている方、ご家族が器物損壊罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】高校生が起こした少年事件、少年院とは別の施設送致である児童自立支援施設送致とは

2025-03-22

器物損壊罪の児童自立支援施設送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県耶麻郡に住んでいる高校生のAさんは、同じ高校のクラスメイトであるVさんがノートパソコンを借りようと思いました。
しかしAさんは、Vさんにノートパソコンを貸してもらえませんでした。
怒ったAさんは、後日Vさんのパソコンの画面を破損させました。
そのことを知ったVさんの両親は、Aさんのことを警察に相談しました。
その後Aさんは、猪苗代警察署器物損壊罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

器物損壊罪

他人の物を損壊し、又は傷害した者」に適用されるのが器物損壊罪刑法第261条)です。
この場合の「損壊」とは物の効用を害する一切の行為を指すため、器物損壊罪は物を破損させる行為以外にも適用されます。
例えば車などに尿をかけた事件でも、車を精神的に使えない状態にしたことで器物損壊罪が成立しました。
物を隠す行為も「損壊」に含まれ、これは持ち主が使いたくても使えない状態にしたため、物の効用を害したことになります。
また、「傷害」は傷害罪で定めるものとは違い、他人の所有するペットを傷付けることを意味します。
つまり、人が飼っているペットに怪我をさせれば器物損壊罪となります。
Aさんの場合、Vさんが持っているノートパソコンの画面を破損させているため、典型的な器物損壊罪です。

児童自立支援施設送致

少年(20歳未満の者)が刑事事件を起こした場合、事件は少年事件と言う扱いになります。
少年事件は処分が通常の事件と違うものになっていて、保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致の他、処分を行わない審判不開始や不処分があります。
少年院は名前を聞いたことがある人も多いと思いますが、児童自立支援施設にはあまり馴染みがないかも知れません。
児童自立支援施設送致とは、少年を児童福祉法が定めた児童自立支援施設に送る処分です。
児童福祉法第44条は「児童自立支援施設は、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。」と定めています。
少年院に送致するほど非行が進んでいない場合や、保護者が養育を放棄していたり少年を虐待していたりするなど、家庭環境に問題がある場合等に児童自立支援施設送致になることが多いです。
施設に送致する処分を避けるには、環境を変えなくても少年の更生が望めること、保護者による監督が可能であることを主張していく必要があります。
そのため少年事件で施設送致の回避を目指す際は、弁護士に弁護活動、付添人活動を依頼することが重要です。

少年事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所は、初回であれば無料の法律相談の他、逮捕された方のもとへ直接弁護士が伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」にて24時間ご予約を受け付けております。
ご家族が器物損壊罪で事件を起こしてしまった、少年事件児童自立支援施設送致を回避したい、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】他人の物を持ち去って隠し、器物損壊罪が適用。「損壊」の定義と窃盗罪の要件

2024-06-15

器物損壊罪と窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県田村郡に住んでいる大学生のAさんは、同じ大学に通うVさんと喧嘩をしていました。
怒りの収まらないAさんは、Vさんを困らせようとVさんの自転車を駐輪場から持ち去って隠しました。
そしてVさんは駐輪場から自転車がなくなったことで泥棒にあったと思い、警察に通報しました。
その後、田村警察署の捜査によってAさんが自転車を持ち去ったことが分かり、Aさんは器物損壊罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗罪の要件

参考事件に適用されているのが、窃盗罪ではなく器物損壊罪であることに疑問を持つ人もいるかもしれません。
しかし、器物損壊罪は物を物理的に壊す以外でも成立し、窃盗罪も適用されるための要件があります。
この2つはどちらも刑法に定められている犯罪です。
まず窃盗罪の条文を解説していき、次に器物損壊罪の条文を解説します。
刑法第235条窃盗罪の条文であり、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃取」とは財物をその持ち主の意思に反して、自己または第三者にその占有(物に対する実質的な支配または管理)を移すことを言います。
AさんはVさんの所有している自転車をVさんの意思に反して持ち出しています。
それでもAさんに窃盗罪が適用されないのは、Aさんに「不法領得の意思」が欠けているからです。
不法領得の意思」とは物の所有者(権利者)を排除して、その物を不法に自己の所有物にしようとする意思であり、条文に記載はありませんが窃盗罪の成立には不可欠なものです。
Aさんの場合、自転車を隠したのは嫌がらせの目的であり、自転車を使ったり売ったりするなど自分の物として扱う意思がないため、窃盗罪は成立しませんでした。

器物損壊罪の損壊

他人の物を損壊し、又は傷害した者」に適用されるのが刑法第261条器物損壊罪であり、その法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」となっています。

器物損壊罪の「損壊」とは、「その物の効用を害する一切の行為」を意味しています。
物理的な破壊はもちろんですが、物を汚す、物を隠すといった行為も「損壊」に含まれます。
Aさんは自転車を無断で隠しましたが、隠す行為はその物を持ち主が使用できなくすることであり、効用が害されたと判断されます。
そのため、Vさんが持つ自転車を「損壊」したAさんには器物損壊罪が成立しました。
このように、法的な運用が一般的なイメージと異なっているケースは他にも多々あります。
刑事事件が起きた時に状況を正しく把握するには、専門的な知識が必要になります。
器物損壊事件などの刑事事件を起こしてしまった際は、速やかに弁護士に相談し、状況を把握することが重要です。

まずは弁護士にご相談ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスのご予約を受け付けております。
24時間、年中無休でお電話をお待ちしておりますので、器物損壊事件を起こしてしまった方や、ご家族が窃盗罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。

窃盗事件を起こして逮捕、窃盗を行うために他の犯罪に該当したらその刑罰はどうなるのか

2024-04-13

窃盗罪の他、器物損壊罪と建造物侵入罪、そして牽連犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県石川郡に住んでいる会社員のAさんは、無人販売店を訪れていました。
Aさんは店内に取り付けてある料金箱の留め具を壊し、壁から外してそのまま料金箱を持って無人販売店を去りました。
その後事件は警察に通報され、石川警察署の捜査でAさんが事件を起こしたとわかり、身元も判明しました。
そしてAさんは窃盗罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんには建造物侵入罪器物損壊罪の容疑もかけられています。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗罪

料金箱を盗んだAさんは窃盗罪だけでなく、刑法に定められたその他の罪も適用されました。
まず、窃盗罪刑法235条に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃取とは持ち主の意思に反して、財物を自己または第三者に物の占有(物に対する実質的な支配)を移すことを意味しています。
参考事件の場合、仮に盗んだ料金箱に現金が入っていなかったとして窃盗罪になります。
これは料金箱自体が商品代金を入れる目的で設置されているため、店主や店員が占有している物と判断できるからです。
そのためAさんには窃盗罪が適用されました。
そしてAさんには、さらに器物損壊罪建造物侵入罪の容疑もあります。

器物損壊罪と建造物侵入罪

物を損壊させると適用されるのが、器物損壊罪です。
Aさんは料金箱を持ち去る際に、留め具を壊して外しています。
そのため、物を壊したAさんに器物損壊罪が適用されました。
そして次に建造物侵入罪です。
建造物侵入罪は、正当な理由もなく建造物に侵入すると適用されます。
開かれている店舗に入るのであれば「侵入」とは言えないのではないかと考える方もいると思われますが、Aさんの場合、店に入る際に買い物をする意思はありませんでした。
買い物をするつもりで入ってきたのであればそれは「正当な理由」であるといえますが、盗みを目的として店舗に入るのであれば、それは「侵入」していると判断されます。
以上のことからAさんには窃盗罪の他、器物損壊罪建造物侵入罪が成立しました。

牽連犯

Aさんは盗みを目的として無人販売店に侵入し、料金箱の留め具を壊して料金箱を盗んでいます。
このように2つ以上の犯罪行為の間に、一方が他方の手段であるか、他方が一方の結果であるという関係が存在する場合、これを牽連犯と言います(刑法第54条)。
牽連犯は、それぞれの刑罰の中から、最も重い刑を適用します。
参考事件の場合、窃盗罪の他はそれぞれ、器物損壊罪は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」、建造物侵入罪は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」が刑罰となっています。
そのため、Aさんに適用されるのは「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」である窃盗罪の刑罰です。
刑事事件では牽連犯のように、あまり一般的ではない用語が使われることも珍しくありません。
刑事事件を起こしてしまった際は、自身の刑罰がどうなるのか予測を立てるためにも、弁護士のアドバイスをもらうため法律相談を受けてみましょう。

刑事事件の際はご相談ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件(および少年事件)を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所では初回の法律相談を、無料で実施しております。
逮捕(または勾留)されている方には、弁護士が直接留置施設に伺う初回直接接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約も年中無休、24時間体制で対応しておりますので、ご家族が窃盗事件を起こして逮捕されてしまった方、窃盗罪器物損壊罪建造物侵入罪などの容疑がかかっている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご相談ください。

「鍵穴に接着剤を入れた」福島市太田町の器物損壊事件

2022-04-14

福島市太田町の器物損壊事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説致します。

福島市太田町の器物損壊事件

専門学校生Aさん(20代・女性)は、日頃のストレスを発散させるために、福島市太田町にあるアパートの玄関の鍵穴に、瞬間接着剤を流し込みました。
鍵穴は、接着剤により鍵が入らない状態となりました。
また、鍵穴から垂れた接着剤がドアノブにかかり、ドアノブも回らない状態となりました。
その後、アパートの住人から被害届が出され、防犯カメラの映像などから、Aさんは器物損壊罪の疑いで福島県福島警察署にて取り調べを受けることになりました。
Aさんは被害者と示談したいと考え、刑事事件を扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです。)

 

器物損壊罪

刑法第261条では「他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と器物損壊罪を定めています。
器物損壊罪でいうところの損壊とは、物の本来の効用を失わせることと定義されています。
上記した福島市太田町の事件例では、鍵穴やドアノブが使えなくなっているため、Aさんの行為は器物損壊罪であたるでしょう。

ドア本体の交換が必要な場合

もし、ドア本体を損壊した場合、建造物損壊罪にあたると考えられます。
建造物損壊罪は、刑法260条において「他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。」と規定されています。
例えば、玄関ドアのあらゆる隙間に接着剤をかけ、ドアが開かない状態になっていた場合、その行為は建造物損壊罪にあたるでしょう。

 

賃貸物件の場合、被害者は誰になるのか

上記した福島市太田町の事件例では、アパートの住人が警察への被害届を提出しました。
しかし、これはあくまでの被害を届け出ただけであり、住人が被害者というわけではありません。
被害のあったアパートが賃貸物件の場合、その物件の所有者はオーナーさんであるため、被害者はオーナーさんまたはオーナーさんが経営する会社となることが多いようです。

器物損壊事件を起こしてしまったら

器物損壊罪親告罪であるため、告訴されなければ起訴されることはありません。
しかし、被害者が告訴している場合は、被害者との間で示談を締結させ、告訴を取り下げて頂く必要があります。
被害者との示談が必要な場合は、これまで多くの示談を締結させた経験のある弁護士にお任せください。

もし、あなた自身が器物損壊事件を起こし、警察への自首を考えている場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部無料法律相談をご利用下さい。

弊所の無料法律相談では、弊所の弁護士が、事件を起こしてしまったご本人様から、事件について直接お話を伺い、事件の見通しについてご説明させていただきます。

正式に弁護人としてのご依頼を頂いた場合は、被害者との示談交渉などをし、ご本人様に科される刑罰を少しでも軽くするための刑事弁護活動を致します。

無料法律相談のご予約は、フリーダイアル 0120-631-881 にて、24時間・年中無休で受付中です。

警察からの捜査を受けている方はすぐにお電話下さい。

 

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