Archive for the ‘財産犯罪’ Category
住居侵入罪、強制わいせつ致傷罪、強盗罪で逮捕
住居侵入罪、強制わいせつ致傷罪、強盗罪で逮捕
【事例】
福島県伊達市在住の男性Aは、過去のトラブルから恨みを抱いたB女に対し、わいせつ行為をしようとその帰宅を狙いB女宅に押し入り、顔面への殴打、ガムテープの顔面への貼付、両手首を縛り上げる等の暴行を行い、反抗ができない状態にした上でわいせつ行為をしました。
この際、B女はケガもしてしまいました。
その後、AはBをそのままにして立ち去る際に財布が落ちていたのを発見しこれを持ち去りました。
一週間後、B女が被害届を提出し、Aは警察官によって住居侵入罪、強制わいせつ致傷罪、強盗罪で逮捕されました。
(このストーリーはフィクションです)
~住居侵入罪~
今回のストーリーでは、
①住居侵入罪(刑法130条前段)
②強制わいせつ致傷罪(刑法181条1項、176条)
③強盗罪(236条1項)
が成立する可能性がありますので、順番に解説していきます。
まずは、住居侵入罪から。
刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
Aの行為は、赤く色付けした部分に該当します。
つまり、Aはわいせつ行為をする目的だったので「正当な理由がない」状態で、B女宅という「人の住居」に、B女の意思に反して立ち入っているので「侵入」しているといえます。
したがって住居侵入罪が成立するでしょう。
~強制わいせつ致傷罪~
続いて、強制わいせつ致傷罪について見ていきましょう。
刑法176条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
刑法181条1項
第百七十六条、第百七十八条第一項若しくは第百七十九条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
AはB女に対し、顔面への殴打等の「暴行…を用いてわいせつな行為をした」ので、強制わいせつ罪が成立します。
その際、B女がケガをしてしまったので、強制わいせつ致傷罪が成立することになります。
刑罰も無期懲役または3年以上の有期懲役(上限は20年)です。
被害者死亡の場合を含めた規定ではありますが、ケガをさせた場合は、させない場合よりもぐっと重く処罰される可能性があるわけです。
~強盗罪~
最後に、強盗罪について見ていきましょう。
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
今回のAは、財布を奪う目的で暴行をしたわけではありません。
しかし、わいせつ目的で行った暴行により、すでにB女が反抗できない状態になっています。
この状態を利用する形で財布を持ち去っているので、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」であることに違いはなく、強盗罪が成立すると判断される可能性は十分考えられます。
~逮捕後の手続きの流れ~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
勾留期間が終われば刑事裁判が始まり、保釈が認められない限り身体拘束が続くことになります。
~弁護士にご相談ください~
また、出来るだけ判決を軽くするためには、被害者の方に謝罪・賠償して示談を結ぶことが重要です。
しかし、性犯罪の被害者の方々にとって、加害者本人はもちろん、その家族と示談の話をするのは心理的負担が大きく、応じてくれない可能性が高いです。
しかし弁護士を挟むことにより、示談に応じてくれる可能性を上げることができますし、適切な内容・金額での示談締結の可能性も上げることができます。
さらに、ご本人は厳しい取調べにどう対応したらよいかわからないと思います。
弁護士は逮捕中の被疑者と面会(接見)する権利を有しており、取調べや裁判に向けたアドバイスできますし、家族の方からの伝言を伝えることなどもできます。
ぜひ一度ご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事事件と少年事件の専門家である弁護士が多く在籍しているため、迅速かつ適切な対応が可能となっています。
逮捕されている事件では初回接見のご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では、事務所での無料法律相談のご利用をお待ちしております。
詐欺罪と黙秘権
詐欺罪と黙秘権について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【ケース】
福島県郡山市に住むAさんは、知人のVさんに対して「値上がり確実の未公開株がある」という嘘の話を持ち掛けました。
Aさんの言葉巧みな誘いにより、VさんはAさんに対し、株の代金として50万円を交付しました。
このような手法により、Aさんは1000万円近くの利益を得ました。
しかし、被害者複数名が警察に相談したことで、Aさんは詐欺罪の疑いで郡山警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、黙秘権について説明しました。
(フィクションです。)
【詐欺罪について】
刑法(一部抜粋)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪は、他人から財産を騙し取った場合に成立する可能性のある罪です。
具体的な行為の内容は、①欺罔行為(欺くこと)によって、②①による相手方を誤信させ、③財産を交付させる、というものです。
それに加えて、④自身の行為が詐欺罪に当たる行為であることを認識している必要があります。
上記事例では、AさんがVさんに対して値上がり確実な未公開株があるかのように偽り、その存在を信じたVさんから50万円を受け取っています。
この行為は、上記①②③の全てを満たし、なおかつ④の認識もあると考えられます。
そうすると、Aさんには詐欺罪が成立する可能性があります。
ちなみに、仮にVさんが嘘だと見破りつつ何らかの理由で金銭を交付した場合、詐欺罪は成立しないと考えられます。
なぜなら、①欺罔行為と③財産の交付はあるものの、②Vさんの誤信を欠いているからです。
ただし、欺罔行為の存在により詐欺未遂罪が成立する可能性はあります。
【黙秘権を行使すべきか】
逮捕されているか否かを問わず、被疑者・被告人には黙秘権の行使が認められています。
黙秘権とは、その名のとおり供述を拒否することができる権利です。
そのため、取調べや裁判などにおいても、聞かれたことに対して答えないという選択をすることができます。
ただ、黙秘権が権利として存在しているからといって、それを無闇に行使するのはおすすめできません。
まず、黙秘権のメリットとして、自己の供述が捜査に活用されるのを防ぐことができるという点が挙げられます。
この点は、取調べにおける誤導や虚偽の自白などを防げることから、実際には罪を犯していないという否認事件でも意味を持つと言えます。
ですが、黙秘権を行使すると、捜査機関や裁判所からの印象はほぼ確実に悪くなることが見込まれます。
捜査機関としては、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕に積極的になったり、取調べにおける圧力を強めたりすると考えられます。
一方、裁判所としては、有罪になった場合に反省が見られないとして量刑を重くすることが考えられます。
以上で見たように、黙秘権には諸刃の剣と言うべき側面があります。
ですので、黙秘権の行使が妥当かどうかについては、個々の事案に応じた慎重な判断が必要となるでしょう。
加えて、黙秘権の行使は二者択一であり、捜査の途中で黙秘権を行使する(あるいはその逆)ことは得策とは言えない場合があります。
ですので、黙秘権の行使を少しでもお考えなら、可能な限り早めに弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、個々の事件に合わせて黙秘権を行使すべきか的確にお答えします。
詐欺罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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事後強盗罪と示談
事後強盗罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【ケース】
Aさんは、福島県いわき市内のスーパーマーケットにて、嗜好品や菓子などの商品を万引きして店を出ようとしました。
すると、Aさんの万引きを見ていた警備員に声を掛けられたことから、捕まりたくない一心で警備員に暴行を加えました。
騒ぎを聞きつけた客の協力により、のちにAさんは事後強盗罪の疑いで北海道中央警察署に逮捕されました。
Aさんの夫に事件を依頼された弁護士は、示談を行ってAさんの釈放と不起訴を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【事後強盗罪について】
第二百三十八条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
事後強盗罪は、窃盗罪を犯した者だけに成立すると考えられている、強盗罪の一種です。
通常の強盗罪は、暴行または脅迫を手段として、相手方から金銭などの財産を奪取した場合に成立しうるものです。
一方、事後強盗罪は、最初から暴行や脅迫に及ぶつもりがあったわけではないものの、窃盗に及んだ後で暴行などを行った場合に成立しうるものです。
刑法238条を読んでみると、事後強盗罪は「強盗として論ずる」と規定されていることが分かります。
これは、罪名を事後強盗罪としたうえで、その法定刑や他の罪(たとえば強盗致傷罪)との関係などを強盗罪と同様のものとすることを意味します。
事後強盗罪がそう扱われる理由は、一定の目的のもと行う窃盗後の暴行や脅迫に、強盗罪の手段である暴行や脅迫と同様の危険性・違法性が認められるからとされています。
上記事例では、Aさんが万引きを行ったうえ、警備員に対して捕まりたくない一心で暴行を加えています。
そうすると、Aさんは「窃盗」として「逮捕を免れ」るために「暴行」を加えていることから、事後強盗罪として5年以上20年以下の懲役が科されるおそれがあります。
ちなみに、暴行などの程度が弱ければ、相手方の反抗を抑圧するに至らないとして事後強盗罪の成立が否定される余地があります。
逆に、暴行の程度が強く相手方が死傷した場合は、強盗致死傷罪として極めて重い刑が科される可能性が出てきます。
【示談がもたらす効果】
強盗罪は重大な犯罪の一つとして認知されており、それと同様に扱われる事後強盗罪についても同じことが言えます。
とはいえ、事後強盗罪も特定の個人の利益を害する罪である以上、被害者である個人に関する事情が処分を決めるうえで重要となりえます。
まず、示談が成立することによって、逮捕中の被疑者の釈放を実現できる可能性が高まります。
示談の締結は、謝罪や被害弁償などの合意により、当事者間において事件が解決したことを確認する意味を持ちます。
そのため、示談が締結できると、逮捕の理由である逃亡や証拠隠滅のおそれが低下すると考えられます。
また、示談を通して被害者の処罰感情を薄められる結果、不起訴となる可能性も高まります。
先ほど少し触れましたが、事後強盗罪のような特定の個人に対する罪は、被害者が処罰を望んでいるかどうかが刑事処分に大きく関わってきます。
ですので、示談による処罰感情の軽減は、被害者が処罰を望んでいないとして不起訴につながる要素となるのです。
事後強盗罪は重大な罪ではありますが、以上のとおり示談によって円満に事件を解決できる場合があります。
そうした効果を最大限に発揮するために、示談交渉はぜひ弁護士にお任せください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで数多くの示談を行ってきた弁護士が、重大事件においても真摯に示談交渉に取り組みます。
ご家族などが事後強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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口座売買と逮捕の可能性
大学生のAさんは、友人との飲み会で使うお金が足りなくなったため、インターネットで高収入のアルバイトを探していました。
そうしたところ、「簡単で高収入!」と書かれたアルバイトを見つけ、早速記載されていた連絡先に電話しました。
電話に出た男性Bさんは、「預金口座を作成して通帳とキャッシュカードを送ってほしい」と言ってきたため、Aさんは指示どおりに行いました。
それから数日後、須賀川警察署からAさんのもとに「口座売買をしていないか。犯罪なので署まで来てほしい」と電話がありました。
Aさんは逮捕されるのではないかと思い、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
【口座売買も犯罪に】
口座売買とは、その名のとおり銀行などの口座を売買する行為を指します。
具体的には、口座を利用するのに必要な通帳やキャッシュカードを渡すという方法がとられています。
こうした口座売買については、「犯罪収益の移転防止に関する法律」(犯罪収益移転防止法)に禁止の旨と違反した場合の罰則が定められています。
犯罪収益移転防止法は、他人になりすまして預貯金契約に関するサービスを受ける目的で、預金通帳やキャッシュカードといった口座の利用に物を譲り受けるのを禁止しています。
それと併せて、上記目的を持つ相手方に対して、そうした目的があることを知りながら預金通帳等を譲り渡すことも禁止しています。
上記事例では、AさんがBさんに対してキャッシュカードと預金通帳を渡しています。
そうすると、Aさんの行為は口座売買に当たり、①1年以下の懲役、②100万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。
更に、こうした行為を繰り返すと、罰則が①3年以下の懲役、②500万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかになる可能性が出てきます。
また、Aさんが銀行で口座を開設する行為について、銀行に対する詐欺罪が成立する可能性もあります。
金融機関としては、当然ながら口座売買が禁止されていることを把握しており、申込者に対してそうした目的でないことを確認していると考えられます。
そして、銀行が口座開設に当たって交付するキャッシュカードなども、口座を利用できる点で価値のある財物だと言えます。
以上から、Aさんは銀行を欺いて財物の交付を受けたとして詐欺罪が成立し、10年以下の懲役が科される予知も出てくるのです。
【逮捕とは何か】
刑事事件を起こすと、誰しも逮捕が一度は頭をよぎるのではないかと思います。
そんな不安を解消するために、以下では逮捕というものについて詳しく見ていきます。
まず、逮捕とは、被疑者の身柄を拘束して捜査を円滑に進めるために行われる手続です。
身体拘束という点で刑罰のような印象を受けるかもしれませんが、飽くまでも目的は逃亡と証拠隠滅の防止です。
ですので、捜査機関が逮捕するかどうかも、基本的には逃亡や証拠隠滅を図る可能性が高いかどうかを重要な指標にして決めていると考えられます。
結局のところ、逮捕するかどうかは捜査機関次第なので、こちらかは不明瞭なことも多いです。
一般的には、重大な事件(たとえば刑が重い、犯行が巧妙)であればあるほど、逮捕や証拠隠滅のおそれも大きいとして逮捕の可能性が高くなります。
口座売買の売主側であれば、さして重大でないことから逮捕の可能性は低いことが多いでしょう。
先述のとおり逮捕は身体拘束を行うものですが、期限は最長72時間と短く、更に拘束を続ける場合は勾留という別個の手続による必要があります。
そのため、仮に逮捕されたとしても、勾留を阻止して拘束を短期にとどめるための弁護活動が可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、個々の事件に合わせて逮捕の可能性や逮捕後の弁護活動を説明します。
口座売買を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詐欺罪で保釈
Aさんは、知人のBさんの紹介でとある高報酬のアルバイトをすることになりました。
その内容は、キャッシュカードを渡され、ATMで指定された金額を下ろすというものでした。
報酬は1回あたり5万円であり、怪しく思ったAさんは「これって詐欺かなんかじゃないのか。だったら俺はやめる」とBさんに伝えました。
しかし、Bさんは「こっちはお前の個人情報掴んでるからな。ばっくれたらどうなるか想像つくだろ」と言って、Aさんにバイトを続けさせました。
その後、他人のキャッシュカードを用いて福島県伊達市内のATMでお金を下ろしたとして、Aさんは伊達警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、詐欺罪で起訴される可能性が高いこと、起訴されたらすぐに保釈請求をすることを伝えました。
(フィクションです)
【詐欺罪について】
他人を騙して財産を交付させた場合、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪の構成要件は、①欺罔行為(欺くこと)、②①による相手方の誤信、③②に基づく財産の交付、④財産の移転(取得)となっています。
これらを全て満たしてはじめて詐欺罪が成立するということになります。
それでは、なぜ上記事例のAさんは詐欺罪で起訴される可能性が高いのでしょうか。
他人のキャッシュカードでお金を下ろすというのは、最近日本各地で発生している特殊詐欺の典型的な手口の一環です。
かつては交通事故を起こしたなどと言ってお金を振り込ませる振り込め詐欺が主流でしたが、最近は手口が多様化しています。
特殊詐欺の事案においては、複数名が詐欺罪を構成する行為を分担して行うのが通常です。
たとえば、甲が被害者を騙し、乙が被害者からキャッシュカードを受け取り、丙がそのキャッシュカードで被害者の口座からお金を下ろすといったかたちです。
こうした共犯形態での犯罪については、たとえ各人の行為が一部であっても、全員が全部の行為を行ったとして責任を負うことになっているのです。
上記事例において、Aさんは言われたとおりキャッシュカードでお金を下ろしたに過ぎません。
ですが、こうした役割以外に、被害者を騙す役とキャッシュカードを受け取る役が存在していたと考えられます。
そうすると、Aさんは他の者と共に詐欺罪に当たる行為をしたことになり、詐欺罪が成立して10年以下の懲役が科されるおそれがあるということになります。
ちなみに、逮捕段階においては、ATMからお金を盗んだ行為のみを捉えて、いったん窃盗罪として捜査される可能性があります。
【保釈による身柄解放】
共犯形態の特殊詐欺事件に複数回関与したとなると、起訴される可能性は非常に高く、なおかつ起訴前の身柄解放はおよそ期待できないといっても過言ではありません。
そこで、一日でも早く身柄解放を実現する手段として、起訴後に限って許される保釈請求が考えられます。
保釈とは、指定された額の保釈保証金を裁判所に預け、一時的に被告人を釈放してもらう手続のことです。
逃亡や証拠隠滅などを図れば、保釈保証金の一部または全部が返ってこない可能性があります。
ですが、この保釈保証金の存在により、そうそう逃亡などを図らないと評価されて保釈による身柄解放が認められやすいという仕組みになっているのです。
保釈を実現するためには、裁判所に対して保釈請求をし、保釈を認めても問題ないことをきちんと示す必要があります。
そうしたアピールは、やはり法律の専門家である弁護士の得意分野だと言えます。
特に重大事件では、保釈が身柄解放を実現する唯一の希望となることも多々あるので、ぜひ弁護士に保釈請求を依頼してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、勾留されている方の一日でも早い釈放を目指して迅速に保釈請求を行います。
ご家族などが詐欺罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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横領事件で示談
Aさんは、福島県いわき市にあるスーパーマーケットにて、2年近くアルバイトをしていました。
Aさんの業務の内容は、レジ打ちや商品の補充など多岐にわたっていました。
そんなAさんは、アルバイトを始めて数か月が経った頃から、バックヤードで管理されている酒や嗜好品を横領するようになりました。
そうした行為を続けていたところ、在庫の減りが早いのを店長が不審に思い、監視カメラの映像を確認したことで発覚に至りました。
これによりAさんは解雇され、横領事件としていわき東警察署に届け出たこと、被害品相当の額はきっちり返済してもらうことを店長から伝えられました。
焦ったAさんは、弁護士に示談を依頼することにしました。
(フィクションです)
【横領事件は横領罪?】
会社などからお金や商品を着服したというケースは、横領事件としてたびたび見聞することかと思います。
上記事例においても、Aさんの行為が横領事件として警察署に届け出られています。
実は、こうしたケースにおいて必ず横領罪が成立するとは限りません。
以下では、横領罪の内容に触れながらその理由を説明します。
まず、横領罪には、①単純(委託物)横領罪、②業務上横領罪、③占有離脱物横領罪、の3種類があります。
このうち、多くの横領事件において問題となるのは①②です。
①②の横領罪は、いずれも自己が「占有」する他人の物を「横領」した場合に成立する可能性のある罪です。
「占有」「横領」という2つの言葉は、いずれも他人の委託を受けて物を預かっていることが前提となっています。
ポイントとなるのはここで、多くの事例において、具体的にどのような関係にあれば「占有」「横領」と言えるかが問題となります。
手がかりとなるのは、当事者間の信頼関係がどの程度か、物を預かった人にどのような権限が与えられているか、という点です。
上記事例では、品出しなどを行うアルバイトのAさんが、店のバックヤードから商品を横領しています。
Aさんの業務内容は単なる品出しであり、商品棚の在庫が減った際に商品を補充する程度の行為しか認められていないと考えられます。
そうすると、Aさんの商品に対する支配は「占有」に値せず、横領罪ではなく窃盗罪が成立する可能性があります。
横領罪の法定刑は10年以下の懲役、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金なので、どちらが成立するかは重要です。
【示談を行う場合の注意点】
横領事件に対する被害者の対応は様々です。
被害額相当を支払いさえすれば事件化しないというケースもあれば、刑事事件にしてきちんと償わせるというケースもあります。
横領事件で示談を行うに当たっては、注意すべき点がいくつかあります。
まず、示談を行うに当たり、被害者の主張する金額が自己の認識とおおむね一致しているかどうか確認することが挙げられます。
もし金額が自己の認識と大きく異なる場合、被害者に言われるがまま示談を行うべきかどうかは一考の余地があります。
また、刑事事件に至ったケースについては、具体的に示談の内容をどうするかも重要になります。
たとえば、単に被害額相当の金銭を支払っただけのケースと、それに迷惑料などを加えたうえで宥恕(被害者から許しをもらうこと)の合意までしたケースとでは、当然ながら捜査機関や裁判所の評価は違ってきます。
前科があったり金額が大きかったりして事件が重大になればなるほど、こうした示談の内容はより大きな意味を持つことになるでしょう。
もし示談の効力を最大限に発揮するのであれば、やはり弁護士に依頼するのが得策です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、一つ一つの事件に合わせて最良と言うに値する示談の締結を目指します。
横領事件を起こしてしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詐欺罪で逮捕
Aさんは、中学時代の先輩であるBさんから誘われたことがきっかけで、詐欺事件に加担するようになりました。
その詐欺の手口は、高齢者に「キャッシュカードが犯罪に使われた可能性があるので回収している」などと嘘をつき、キャッシュカードを騙し取ってお金を引き出すというものでした。
Aさんは、指示を受けた高齢者宅へ赴き、そこでキャッシュカードを受け取る受け子という役割を担っていました。
ある日、Aさんが福島県郡山市のVさん宅に行ったところ、キャッシュカードを受け取って家を出たところで郡山警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
その後、Aさんは勾留の際に接見等禁止決定が出たことから、弁護士が両親との面会を実現すべく申立てをすることにしました。
(フィクションです)
【詐欺罪は成立するか】
詐欺罪は、人を欺いて財物を得た場合に成立する可能性のある罪です。
①欺く行為、②相手方の勘違いなど、③財産の交付・移転という流れがそれぞれ因果関係を持つ必要があります。
ですので、たとえば被害者が①の段階で嘘を見破り、②に至らなかったものの哀れみなどの情から③を行った場合には、因果関係が断たれることから詐欺罪が完了したとは言えません。
この場合には、③については責任を問うべきでないと考えられることから、詐欺未遂罪が成立するにとどまります。
以上を念頭に、上記事例のAさんに詐欺罪が成立する可能性があるか確認します。
Aさんは、既に何者かにより騙されたVさんからキャッシュカードを受け取っています。
AさんはVさんを欺いたわけではありませんが、こうした共犯事件においては、共犯者各人の行為を全員が全て行ったものとして責任を問われます。
そのため、AさんもVさんを欺いてキャッシュカードを受け取ったとみなされると考えられます。
ただ、AさんがVさん宅を出た直後に警察が待ち構えていたことからすれば、Vさんはだまされたふりをしていたに過ぎない可能性が高いです。
仮にそうだった場合は、先述のとおり因果関係が欠けることから、詐欺罪は既遂に至っていないことになるでしょう。
以上から、Aさんには詐欺未遂罪が成立すると考えられます。
【面会を禁止されたら】
逮捕されると、警察署などの留置施設に収容されて外部(弁護士を除く)との接触が制限されます。
通常は逮捕後2~3日が経てば面会できるようになりますが、事案によってはその期間を経過してもなお面会できない状態が続くことがあります。
その事案とは、接見等禁止決定というものが行われたケースです。
接見等禁止決定(以下、「接見禁止」)とは、弁護士以外の者との間における面会や物の受け渡しを禁止することです。
共犯事件や否認事件といった、証拠隠滅のおそれが特に認められる事件に対して行われることが多いです。
接見禁止となった場合、事件に全く関係のないご家族さえも面会などが禁止されてしまいます。
接見禁止の事件において面会などを実現するには、その決定をした裁判官の決定を動かす必要があります。
具体的には、家族による面会のみなど限られた範囲で接見禁止を解いてもらう一部解除の申立てや、裁判官の判断の妥当性を上級の裁判所に問う準抗告をすることになります。
こうした申立てを行う際には、事件に関わる証拠が何かを念頭に置きながら、面会などを希望する者が証拠隠滅に及ぶおそれがないことを説得的に主張することが重要です。
ですので、もし面会できないと言われたらぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、接見禁止を争って面会などの実現に向けて奔走します。
ご家族などが詐欺罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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窃盗罪で逮捕②
福島県福島市のアパートに住むAさんは、隣室のベランダから女性用の下着を盗んだのをきっかけに、女性の家に侵入して下着を盗みたいと思うようになりました。
そこで、窓に鍵が掛かっていない家を探し、窓を開けて侵入したうえでタンスから女性用の下着を盗みました。
そうした犯行を2件行ったところ、被害に遭った女性のひとりが警察に通報したことで、Aさんは住居侵入罪および窃盗罪の疑いで福島北警察署に逮捕されました。
接見に来た弁護士は、起訴される可能性があると伝えたうえで、被害者と迅速に示談を行うことにしました。
(フィクションです)
【示談の概要】
前回の記事では、上記事例のAさんに窃盗罪が成立する可能性が高いことを確認しました。
今回の記事は、窃盗事件における主要な弁護活動とも言うべき示談について解説します。
まず、示談とは、簡単に言うと事件の当事者同士による合意を指します。
刑事事件における示談の内容は、基本的には謝罪と被害弁償の約束が中心になります。
そのうえで、事案の内容に応じて、たとえば事件の口外禁止や当事者間における接触禁止などが盛り込まれることもあります。
当事者双方の納得があって成立するものなので、当事者双方が納得している限りその内容は多岐にわたります。
刑事事件においては、被害者との示談の成否や内容が処分・量刑に大きな影響を及ぼします。
事件の内容にもよりますが、被害者が被害の補填を受けたり処罰を望まなかったりすれば、国が事を重く見て処罰する必要はないと考えられるからです。
ですので、被害者との示談が実現すれば、起訴前であれば不起訴につながりやすく、仮に起訴されても刑を減軽する理由となるのが普通です。
また、もし交渉が決裂するなどして示談が成立せずとも、真摯に交渉を試みたことが考慮されることもあります。
このことから、示談交渉は非常に重要な弁護活動と言えます。
【弁護士に示談交渉を依頼するメリット】
以上で見たように、刑事事件において示談は非常に重要であり、特に逮捕されているのであれば早急に交渉に取り組むべきです。
ただ、弁護士を介入させずに本人が示談を試みた場合、交渉が難航して以下のような不利益を被る可能性があります。
第一に、当然のことではありますが、本人が逮捕されていれば示談交渉のために行動を起こすことはできません。
ですので、弁護士を介入させずに示談を行うのであれば、必然的に本人の家族などが交渉を行うことになります。
ですが、家族は事件のことをあまり詳しく知らないことも多く、面会で聞こうにも立会いの警察官に遮られることが予想されます。
そうなると、事件のことを詳しくしらないまま示談交渉を行うということになり、交渉が難航するだけでなく示談締結後に事件のことが蒸し返されるおそれもあります。
交渉の難航という点は、特に時間の制約が厳しい逮捕から起訴までの間に大きな悪影響を及ぼし、場合によっては不起訴を取り逃すことになりかねません。
第二に、そもそも被害者と接触することができず、交渉に着手することができないことも十分ありえます。
脅迫などによる証拠隠滅のおそれがあることから、基本的に捜査機関は被疑者・被告人やその家族に被害者のことを教えてくれないことが多くあります。
加えて、上記事例のような窃盗事件を起こした場合、被害者としては弁償など二の次で、とにかく関わらないでほしいという意思が固いことも珍しくありません。
第三に、仮に被害者との交渉に着手できたとしても、恐喝まがいの要求をされるなどして過度に高い示談金を払ってしまうことも考えられます。
事件の本人やその家族としては、自分たちに落ち度があるからと萎縮してしまうかもしれません。
ですが、だからといって要求を鵜呑みにすれば、通常の相場より過度に高い示談金を支払ったり、精神的に大きな負担となったりするという事態に陥ります。
以上のような難点は、弁護士に示談交渉を任せることで解消することが期待できます。
弁護士に任せれば確実に示談交渉が楽になるはずなので、少しでも不安であればぜひ一度弁護士に相談してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、示談の締結に向けて迅速かつ丁寧に弁護活動を行います。
ご家族などが窃盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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窃盗罪で逮捕①
福島県福島市のアパートに住むAさんは、隣室のベランダから女性用の下着を盗んだのをきっかけに、女性の家に侵入して下着を盗みたいと思うようになりました。
そこで、窓に鍵が掛かっていない家を探し、窓を開けて侵入したうえでタンスから女性用の下着を盗みました。
そうした犯行を2件行ったところ、被害に遭った女性のひとりが警察に通報したことで、Aさんは住居侵入罪および窃盗罪の疑いで福島北警察署に逮捕されました。
接見に来た弁護士は、起訴される可能性があると伝えたうえで、被害者と迅速に示談を行うことにしました。
(フィクションです)
【窃盗罪について】
窃盗罪は、ご存知のとおり他人の物を盗んだ場合に成立する可能性のある罪です。
万引きや空き巣というかたちで非常によく見られる犯罪の一つであり、刑法犯(日本において発生する、刑法に規定されている犯罪)の約7割を占めているというデータがあります。
窃盗罪が成立する要件は、正確に言えば①他人の財物を②窃取し、③その際に不法領得の意思があったこと、と説明できます。
今回は、上記②③に着目しながら、上記事例において窃盗罪が成立する可能性が高いことを確認します。
【要件②について】
「窃取」とは、占有者の意思に反して、財物に対する占有を自己または第三者に移転させることを指します。
簡単に言えば、他人の支配下にあるものを自己の支配下に移す、ということです。
上記①とも関連しますが、他人が持っている自分の物を勝手に取り戻した際にも窃盗罪が成立する可能性があるのです。
また、どの時点で「窃取」が完了した、すなわち財物の支配が移ったと言えるかについては、財物の性質や周囲の状況などから客観的に判断される事柄です。
上記事例のように空き巣で下着を窃取した場合は、その場で下着を懐に入れた時点で「窃取」は完了すると考えられます。
なぜなら、下着程度のサイズの物を誰にも気づかれずに懐に入れれば、その時点で下着の支配が持ち主から自身に至ったと言えるからです。
このように「窃取」が完了したかどうかという点は、窃盗未遂罪として刑を減軽する余地があるかどうかに関わるため重要です。
【要件③について】
不法領得の意思とは、(a)権利者を排除し、なおかつ(b)財物をその経済的用法に従い利用・処分する意思と定義されています。
一見するだけでは意味が理解しがたいものかと思いますが、こうした定義がなされているのには理由があります。
まず、(a)については、物を一時的に借りる行為を窃盗罪とは区別し、借用につき少なくとも刑事責任は問わないということを明確にするためです。
他人の物を一時的に借りる場合、通常その物を自身の支配下に置く意思はないと考えられることから、こうした区別がなされています。
ただし、本当に一時的に借りただけと言えるかどうかは、実際にどう使用されたかという観点から判断されます。
ですので、自分の中では少し借りたという程度でも、客観的に見れば窃盗罪に当たるということは十分ありえます。
次に、(b)については、窃盗罪と器物損壊罪との区別をつけるためです。
器物損壊罪は、他人の物を壊したり隠したりすることで、物の利用を妨げた場合に成立する可能性のある罪です。
これに対し、窃盗罪は、物の利用を妨げるのみならず自らその物を利用するという罪です。
この観点から、刑事事件においては、一般的に器物損壊罪より窃盗罪が重いと考えられているのです。
(b)に含まれる「経済的用法」というキーワードは、こうした区別のために存在するというわけです。
ただ、この「経済的用法」という言葉は裁判例などで本来の意味より広く捉えられる傾向にあります。
上記事例のAさんも、性的興奮を覚えるという理由から下着を盗んだと考えられ、たとえば下着を売るなどして経済的利益を得ようとは考えていないはずです。
ですが、下着に性的興奮という価値を見出していた以上、やはりAさんには不法領得の意思が認められるでしょう。
以上から、Aさんには窃盗罪が成立すると考えられます。
次回は、上記事例のようなケースにおける示談について説明します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、豊富な知識と経験を武器に弁護活動を行います。
ご家族などが窃盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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事後強盗罪で逮捕
Aさんは、福島県福島市のスーパーマーケットに行き、商品数点(被害総額約2000円)を自身のトートバッグに入れました。
そして、会計をせずに店を出ようとしたところ、警備員のVさんに「鞄の中見せてもらえますか」と声を掛けられました。
AさんはVさんに身体を掴まれたことから、手足をばたつかせるなどして一度Vさんを振りほどいてすぐに逃走を図りました。
ですが、少し走ったところで買い物客数人に足止めをされ、やがて駆けつけた警察官により事後強盗罪の疑いで逮捕されました。
福島警察署でAさんと接見した弁護士は、示談を行って不起訴を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【事後強盗罪について】
事後強盗罪とは、その名のとおり事後的に強盗罪のような状況が生じた場合に成立する可能性のある罪です。
通常の強盗罪は、暴行または脅迫により相手方の反抗を抑圧し、その機会に乗じて財産を奪取するものです。
これに対し、事後強盗罪は、窃盗犯が一定の目的で相手方に暴行または脅迫を加えることで成立します。
一定の目的とは、①逮捕を免れること、②盗んだ物が取り返されるのを防ぐこと、③犯罪の痕跡を隠滅すること、のいずれかです。
窃盗とは無関係に他人を傷つけようとした場合には、これらのいずれにも当たらないため事後強盗罪には当たりません。
ただし、そうした目的は外部から読み取れないため、事後強盗罪の疑いで捜査が進むことはありえます。
刑法238条を見てみると、事後強盗罪は「強盗として論ずる」とされています。
その意味は、法定刑や他の罪との関係が事後強盗罪と同様になるということだと考えられています。
つまり、事後強盗罪の法定刑は強盗罪と同様5年以上の懲役であり、死傷が伴えば強盗致死傷罪が成立する余地が出てきます。
あらかじめ強盗に及ぶつもりはなくとも、窃盗の発覚に動揺してつい暴行や脅迫に及んでしまうことは十分考えられるところです。
そうしたケースでも強盗と同列に語られてしまう危険がある以上、事後強盗罪は注意すべき罪だと言えるでしょう。
【不起訴の概要】
先ほど説明したように、事後強盗罪という罪自体は決して軽いものではなく、裁判になって懲役刑が科される可能性も否定できません。
とはいえ、刑事事件も罪名のみで事件の軽重と妥当な処分を決めているわけではありません。
具体的にどの程度の重さなのかという点は、事後強盗罪で言えば被害額の多寡や暴行・脅迫の危険性などにより大きく変わってくるかと思います。
ですので、示談をはじめとする弁護活動が奏功すれば、事案によっては不起訴になることもありうるでしょう。
ある刑事事件について裁判を行うかどうかの決定権は、基本的に犯罪の訴追を担う検察官にあります。
検察官は、裁判における有罪立証の見込みや、有罪判決となることで被疑者が被る不利益などを考慮し、起訴か不起訴かの判断を下すことになります。
不起訴となった事件は直ちに終了し、よほど事情が変わらない限り有罪として処罰を受けることはなくなります。
検察官は有罪立証の見込みが高い場合にも不起訴処分を下せますが、それに際しては事件の内容や事件後の事情を考慮するのが通常です。
事後強盗罪で言うと、犯行が単純で比較的軽微なこと、被疑者が真摯に反省していること、示談などにより被害者の処罰感情が薄れたこと、などが不起訴の可能性を高める要素になるかと思います。
不起訴の可能性を少しでも高めるなら、弁護士に事件を依頼して最善を尽くしてもらうのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、不起訴にしてほしいというご要望に可能な限りお答えします。
ご家族などが事後強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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