1月, 2025年
【事例解説】自転車による飲酒運転に適用される道路交通法違反、以前の条文と現在の条文を比較
自転車の酒気帯び運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県いわき市に住んでいる会社員のAさんは、友人の家に訪れていました。
そこで友人から酒を勧められ、Aさんは酒を飲みました。
Aさんは自転車で友人の家に来ており、酔っていないと判断し自転車に乗って帰りました。
その帰り道、巡回していた警察官に声をかけられて、Aさんは呼気検査を受けることになりました。
呼気検査の結果、Aさんからは基準値を上回るアルコール度数が検出されました。
Aさんは酒気帯び運転の道路交通法違反の疑いで、いわき中央警察署に連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)
自転車の飲酒運転
酒を飲んで運転する道路交通法違反には、酒酔い運転と酒気帯び運転があり、メディアなどではこれらをまとめて飲酒運転と呼んでいます。
まず道路交通法第65条では、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定めています。
そして「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」でこの条文に違反すると酒酔い運転になり、こちらは以前から自転車での運転にも適用されていました。
そして仮に正常な運転はできても、基準値以上のアルコールを飲んでいる場合は酒気帯び運転が成立します。
道路交通法は令和6年の11月に改正されましたが、改正前の道路交通法117条の2の2第3号は、「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」と定められていました。
このため以前は自転車による酒気帯び運転は、処罰の対象になりませんでした。
しかし改正された条文は「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(自転車以外の軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」に変更され、酒気帯び運転の対象に自転車が含まれるようになりました。
そのため呼気検査で基準値以上のアルコールが検出されたが、自転車の運転は正常にできていたAさんには、酒気帯び運転の道路交通法違反が成立します。
刑罰
以前は自転車を運転する際にお酒を飲んでいたとしても、酒酔い運転でなければ警察から注意を受けるだけで済んでいました。
しかし酒気帯び運転が自転車でも道路交通法違反となるように変更されたことで、場合によっては逮捕されるリスクも上がりました。
酒気帯び運転の罰則は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であり、酒酔い運転はさらに厳しい「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっています。
このように、現在は自転車でも交通犯罪になりやすく、逮捕される可能性もあります。
交通犯罪となってしまった際は、自身の状況を正確に把握するためにも、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

飲酒運転に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件と少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」では、初回無料の法律相談、逮捕された方のもとへ弁護士が直接伺う初回接見サービスをご予約いただけます。
フリーダイヤルは24時間、365日対応可能です。
酒気帯び運転で刑事事件化してしまった、または道路交通法違反の疑いでご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のへ、是非、ご連絡ください。
【事例解説】大麻の使用を取り締まれるように法律が改正、新たな大麻取締法と麻薬取締法
大麻取締法と麻薬取締法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県南会津郡に住んでいる会社員のAさんは、大麻をインターネットで購入していました。
Aさんは外に出ていた際に、ポケットに入れていた大麻を吸いました。
その後家に帰る際、パトロールしていた警察官がAさんを見て、歩き方がおかしいと思いました。
警察官はAさんに職務質問をし、所持品検査をしたところAさんのバッグから大麻を発見しました。
Aさんは大麻を自分のものと認めたため、麻薬取締法違反の疑いで南会津警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
大麻取締法違反から麻薬取締法違反へ
Aさんは麻薬取締法違反の疑いで逮捕されています。
大麻を所持していたのに大麻取締法が適用さていませんが、これは2024年12月12日に大麻取締法が改正されたためです。
大麻取締法は、改正によって「大麻草の栽培の規制に関する法律」という名称(略称は変わりません)になりました。
大麻の所持に関する条文は削除され、この法律は大麻の栽培を取り締まるものに変わっています。
大麻栽培の大麻取締法違反も重くなり、以前は「7年以下の懲役」でしたが、改正後は「1年以上10年以下の懲役」になります。
また、大麻を営利目的で栽培した場合に適用される条文も、「10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。」から「1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。」に改正されました。
そして同時に麻薬取締法も改正され、以後はこの法律が規制する「麻薬」の中に大麻が含まれることになりました。
これにより大麻所持に適用されるのは大麻取締法ではなく、麻薬取締法(正式名称:麻薬及び向精神薬取締法)になります。
大麻の所持(および譲受、譲渡)は、以前まで大麻取締法違反で「5年以下の懲役」になっていました。
しかし、改正後は大麻の所持(および譲受、譲渡)は、麻薬取締法違反で「7年以下の懲役」とより重い刑罰になっています。
そして、以前は大麻の使用は規制されていませんでしたが、改正されたことで大麻の使用も規制され、その刑罰は「7年以下の懲役」になります。
大麻使用の麻薬取締法違反
大麻取締法と麻薬取締法の改正によって、大麻の規制はより一層厳しくなりました。
特に、大麻の使用が麻薬取締法違反になったことで、大麻に関する薬物事件は増えていくと予想されます。
また、以前までは執行猶予が獲得できた内容でも、今後は実刑になる可能性もあります。
そのため大麻の所持や使用で捜査、逮捕されてしまった時は、自身の置かれた状況を正確に把握するためにも、法律事務所に相談し、弁護士からアドバイスを受けましょう。

薬物犯罪に詳しい弁護士
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ご予約はどちらも24時間、365日対応可能です。
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【事例解説】中学生を自宅に誘って面会要求罪の疑いで連行、否認事件で考えられるリスク
面会要求罪と否認事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県河沼郡に住んでいる大学院生のAさんは、SNSを通じて中学生のVさんと知り合いました。
共通の趣味があって話が弾んだAさんは、Vさんに限定のグッズを持っていることを伝えました。
Vさんが興味を示したため、Aさんは「じゃあこっちに遊びにおいでよ」とVさんを誘い、Vさんは了承しました。
VさんはAさんのもとへ行く準備をしていると、そこを親に見つかり事情を聞かれました。
詳細を聞いて不審に思ったVさんの親は、警察に事件を相談しました。
そしてAさんの自宅に警察官が現れ、Aさんに事情を聞きました。
「下心があった訳ではない」と説明しましたが、Aさんは面会要求罪の容疑で会津坂下警察署に連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

面会要求罪
刑法の第22章には、「16歳未満の者に対する面会要求等」の罪が記載されており、これを略したものが、面会要求罪です。
刑法第182条第1項がその条文で、「わいせつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
「次の各号」は3つあり、第1号は「威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。」、第2号は「拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。」、第3号は「金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。」となっています。
参考事件の場合、Aさんは要求を拒まれても再度誘ったわけではなく、金銭などの利益を提供しようともしていません。
そのため第2号と第3号には該当しませんが、限定グッズに興味があることから甘言を用いて面会を要求していると捉えることができるため、第1号の適用が考えられます。
否認事件
参考事件でAさんは、「下心があった訳ではない」とわいせつの目的で面会を要求したことを否認しています。
これが本当のことであれば主張を覆す必要は当然ありません。
しかし容疑を否認すると、捜査機関は嘘を吐いている可能性を考慮して逮捕を考えたり、逮捕後に勾留を付けたりすることが考えられます。
逮捕されると72時間は身体拘束される可能性があり、勾留が付くと追加で10日間、場合によっては20日間身体拘束が継続されます。
つまり逮捕されると最大23日間も身体拘束が続く可能性があります。
しかし、弁護士がいれば身元引受人を立てたり、逮捕する必要性がないことを捜査機関に主張して逮捕を避けたり、身体拘束の長期化を防ぐことができます。
否認事件は身体拘束の可能性が高くなるため、弁護士の存在は非常に重要です。
刑事事件で否認をしていく場合は、弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めします。
面会要求罪に詳しい弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件と少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
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面会要求罪で刑事事件化してしまった、または面会要求罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。
【事例解説】SNSのアカウントに書き込みを行い名誉棄損罪、少年が事件を起こした際の処分
名誉棄損罪と少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県喜多方市に住んでいる高校生のAさんは、同じ高校に通っているVさんに対して好意がありました。
ある日、Vさんと同じ高校のクラスメイトが一緒にいるところに遭遇し、2人がキスをしているところを目撃しました。
ショックを受けたAさんは自身のSNSアカウントに、「Vは誰とでも寝るような奴だ、この前クラスメイトとキスしているのを見た」と書き込みました。
しばらくして、Aさんの自宅に警察官が訪ねてきて、「これを書いたのは君だよね」と聞かれました。
Aさんは書き込んだのは自分だと認め、喜多方警察署に名誉毀損罪の疑いで逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

名誉毀損罪
参考事件では刑法第230条第1項の「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定められた名誉棄損罪が適用されました。
「公然」とは不特定または多数の人が認識できる状態を言います。
特にインターネットは不特定多数が利用するものであるため、公然性が高いと言えます。
仮に「事実を摘示」する対象が少人数かつ特定の相手だけだったとしても、その相手を通じて適示した事実が広がっていく可能性があるならば、公然性が高いことになります。
この適示された事実は、少し調べればわかるような内容であってもよく、重要なのはその人の社会的評価が「毀損」される(害される、または害される可能性がある)ことです。
この適示した事実は、ある程度の具体性がある内容でなければいけません。
また、「その事実の有無にかかわらず」とあるため、その内容が真実であるかどうかは問われません。
これは真実でなかったとしても、噂が広まった時点でその人の社会的評価が毀損されるからです。
また、この場合の「人」には法人も含まれ、会社など団体の名誉を毀損しても名誉毀損罪は適用されます。
参考事件でAさんは、Vさんの社会的な評価を下げる可能性のある「クラスメイトとキスをした」という事実と、「誰とでも寝る」という虚偽の事実を、公然性の高いSNSで摘示したため、名誉毀損罪になります。
少年事件
名誉棄損罪の刑罰は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」ですが、Aさんは20歳未満の者、つまり少年であるため、処分は違ったものになります。
少年が事件を起こすと少年法が適用され、事件は少年事件という扱いになります。
この場合、捜査機関による捜査が済むと、少年事件は全て家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)。
そして家庭裁判所で調査が行われ、その後処分を決定するための少年審判が開かれます。
この処分は少年事件独自のもので、保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致などが処分としてあげられます。
また、処分を行わない不処分や、そもそも少年審判を開かない審判不開始もあります。
このように少年事件では通常の事件とは異なった流れで、成人が事件を起こした場合とは違う処分が下されます。
少年事件が発生した際は、少年事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。
名誉毀損罪に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、そして少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談、逮捕中の方のもとまで弁護士が直接赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
ご予約は土、日、祝日も含め24時間体制でご予約いただけます。
少年事件の当事者になってしまった方、または名誉毀損罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、ご連絡ください。
