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【事例解説】道の曲がり角で通行人に車で接触するも、介抱も通報もせずに道路交通法違反

2025-07-26

ひき逃げの道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県福島市に住んでいる会社員のAさんは、仕事を終えて車を運転していました。
帰り道の途中で曲がり角を曲がった際に、通行人のVさんが出てきて、Aさんの乗る車とVさんは接触してしまいました。
Vさんが悪いと思ったAさんは、Vさんに「気を付けろ」と言ってそのまま走り去りました。
その後Vさんはすぐに交番に行き、「ひき逃げに遭った」とAさんの車のナンバーを警察に教えました。
しばらくして、Aさんの車が特定され、身元も判明しました。
そしてAさんは、福島北警察署道路交通法違反の疑いで逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

救護義務違反・報告義務違反

ひき逃げとはメディアなどで使われる表現ですが、これは正式な罪名ではありません。
道路交通法を守らなかった場合、罪名は道路交通法違反になります。
Aさんが違反したのは道路交通法第72条の条文であり、その内容は「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第75条の23第1項及び第3項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。」となっています。
交通事故を起こした場合、車の運転者は警察に対して事故が発生したことを報告する義務と、当該事故の負傷者を救護する義務を負います。
この条文に違反した場合の道路交通法違反は、救護義務違反、そして報告義務違反と言われています。
Aさんは交通事故を起こしましたが、被害者の救護も警察への報告も怠っているため、いわゆるひき逃げ道路交通法違反が適用されます。
この道路交通法違反の刑罰は、救護義務違反が「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、報告義務違反が「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」になります。

身柄拘束

道路交通法違反で逮捕されてしまうと、最長72時間身柄拘束され、警察署・検察庁で取調べを受けることになります。
取調べの後、検察官が身柄拘束を継続する必要性があると判断した場合、検察官は裁判所に勾留請求します。
勾留とは逮捕期間延長のような手続きで、裁判所が勾留を認めると原則10日間、場合によっては追加でさらに10日間身柄拘束されることになります。
つまり逮捕されると、最長で23日間も身柄拘束を受けることになります。
身柄拘束が長期化してしまうと、事件のことが職場・学校に知られてしまい、学校を退学になったり仕事をクビになってしまったりする可能性があります。
そんな事態を回避するためにも、速やかに弁護士と相談することが重要です。
弁護士であれば、検察官・裁判所に対して意見書を提出する、逮捕・勾留が必要ないとはたらきかけることができます。
そのため早期の釈放を目指すのであれば、弁護士に身柄解放の弁護活動を依頼しましょう。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っています。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料の法律相談逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
どちらの予約も24時間対応可能なため、ひき逃げしてしまった、道路交通法違反の疑いでご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】万引きしたところを店員に見つかり、包丁で脅し現場から逃走した事後強盗事件

2025-07-19

事後強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県伊達市に住んでいる大学生のAさんは、近所にあるコンビニを訪れていました。
Aさんはおにぎりやジュースなどをバッグに入れると、会計をせずにそのままコンビニの外に出ました。
しかし、Aさんが万引きしているところを店員が見ており、Aさんを追いかけました。
追いかけてきた店員に気付くと、Aさんは包丁を出して「見逃せば何もしない」と言って、走って逃げました。
その後すぐに店員がAさんのことを警察に通報しました。
しばらくして、Aさんの身元は伊達警察署の捜査によって特定され、事後強盗罪の容疑でAさんは逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

事後強盗

参考事件のAさんは万引きをしています。
通常、万引きに適用される犯罪は、刑法に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」と定められた窃盗罪です。
しかし、今回Aさんに適用されたのは事後強盗罪でした。
Aさんに窃盗罪が適用されなかったのは、万引き後にとった行動に原因があります。
事後強盗罪刑法第238条に、「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。」と定められています。
つまり窃取した財物の奪還阻止の目的や、逮捕免脱・罪証隠滅を目的に暴行・脅迫を行うと、万引きであっても事後強盗罪が適用されます。
この場合の暴行・脅迫は、被害者などの相手方が反抗を抑圧されるに足りる程度の強度である必要があります(抑圧されない程度であれば恐喝罪が適用されます)。
参考事件の場合、Aさんは包丁を出して脅しています。
凶器を出した上での脅迫は、反抗を抑圧するに足りる強度があると判断されます。
そのため、本来であれば窃盗罪となる万引きでも、その後凶器を出して脅迫し、逃走したAさんには事後強盗罪が適用されることになりました。
事後強盗罪の条文には「強盗として論ずる。」とあるため、事後強盗罪の刑罰は、強盗罪と同じ「5年以上の有期拘禁刑」です。

身体拘束

Aさんのように逮捕されると身体拘束され、警察から最長48時間取調べを受けます。
そして警察が釈放しなければ、事件は検察に送致され、検察でも取調べをします。
検察は取調べをしながら24時間以内に裁判所に勾留請求をするか決定します。
裁判所が勾留請求を受け、勾留が決定されると、10日間身体拘束が継続されます。
この勾留はさらに10日間延長することができるため、逮捕されると最大23日もの間身体拘束されることになります。
この間は連絡を制限され、常時監視された状態で取調べを受けることになります。
当然職場・学校も無断で休むことになるため、退職・退学のリスクが発生します。
そのような事態を回避するためには、弁護士に弁護活動を依頼することがお勧めです。
弁護士がいれば、証拠隠滅・逃亡の危険がないことを示す証拠を集め身体拘束は不要であると主張することができます。
また、弁護士が面会に伺うことで、伝言を預り家族などを通して職場・学校に報告を行うことができます。
身体拘束されてしまった際は、速やかに弁護士に弁護活動を依頼し、身柄解放活動を行うことが重要です。

まずは弁護士に相談を

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【事例解説】指定薬物であるHHCをネットで購入、警察から職務質問を受けて薬機法違反が発覚

2025-07-12

薬機法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県二本松市に住んでいる会社員のAさんは、インターネット上でHHCと言う指定薬物を購入しました。
Aさんはカートリッジ型電子タバコのようなものにHHCを入れ、普段から持ち運んでいました。
ある日、AさんがHHCを吸っているところを警察官が通り過ぎました。
Aさんが足早に立ち去ろうとしたため、警察官はその様子を不審に思い、Aさんを呼び止めて職務質問をすることにしました。
そして警察官から電子タバコのようなもののことを聞かれ、最初は誤魔化しましたが、HHCであることを認めました。
そのままAさんは薬機法違反の容疑で、二本松警察署に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

ヘキサヒドロカンナビノール

Aさんが購入したHHCとは、ヘキサヒドロカンナビノールの略称で、大麻由来の成分を加工して生成されたいわゆる危険ドラッグです。
この危険ドラッグを取り締まっているのが、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、通称薬機法です(医薬品医療機器等法と言われることもあります)。
この法律は「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するもの」を指定薬物としており、危険ドラッグはこの指定薬物に含まれています。
そして薬機法第76条の4には「指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。」と定められています。
指定薬物は所持しただけでもこの条文に違反したことになるため、HHCを購入し所持したAさんは薬機法違反医薬品医療機器等法違反)になります。
指定薬物所持による薬機法違反は、「3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」刑罰になります(薬機法違反第84条第1項第28号)。

事情聴取

逮捕されたAさんは、警察署で事情聴取を受けることになります。
事情聴取で受け答えした内容は、供述調書としてまとめられることになります。
この供述調書は後の捜査にも与える影響が大きく、裁判の際は証拠として使われる重大なものです。
そのため、事情聴取では慎重に発言する必要がありますが、ほとんどの人は初めての事情聴取で、いきなり適切な対応をとることができません。
そのため事情聴取でどのように発言すべきかを弁護士と相談し、対策を練っておくことがお勧めです。
薬機法違反で逮捕されてしまった際は、弁護士からアドバイスを受けましょう。

まずは弁護士に相談を

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どちらの予約も24時間対応可能なため、指定薬物所持で事件を起こしてしまった、薬機法違反の容疑でご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】物を投げつける暴力事件、投げた物が相手に当たらなくとも暴行罪が成立する理由

2025-07-05

暴行罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県郡山市に住んでいる会社員のAさんは、会社の同僚Vさんと一緒にファミレスで企画の会議をしていました。
そこでAさんとVさんは意見の食い違いから口論になりました。
口論からヒートアップしたAさんは、Vさんにメニュー表や椅子を投げるなどしました。
幸い投げた物はVさんに当たりませんでしたが、店員が止めに入って他の客が警察に通報しました。
その後、郡山警察署から警察官が駆け付け、Aさんは暴行罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

暴行罪

刑法第208条暴行罪は定められており、その内容は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」となっています。
傷害するに至らなかった」場合に暴行罪が適用されるため、暴行によって傷害の結果が出たのであれば、同じく刑法に定められた傷害罪が成立します。
この条文での「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使を意味します。
殴ったり蹴ったりは典型的な暴行ですが、他にも大音量で音を鳴らしたり、塩を相手に振りかけたりと言った行為も暴行罪になります。
相手に物を投げたりする行為も暴行ですが、この場合、投げた物が相手に当たっている必要はありません。
暴行は相手の身体に直接加えられていなくとも、相手に向けられていればよいとされています。
例えば包丁を相手の首に突き付けた場合、包丁で刺さなかったとしても、包丁を突き付けた時点で暴行罪は適用されます。
Aさんの場合、Vさんに対してメニュー表や椅子を投げつけました。
この行為によってVさんは怪我をしておらず、投げた物も当たっていませんが、Vさんに向けて物を投げているため暴行罪が成立します。

示談交渉

被害者がいる事件では、示談交渉が弁護活動としてあげられます。
参考事件のような暴行事件の場合、示談の締結ができれば不起訴処分も考えられます。
示談交渉は個人で行うこともできますが、個人で示談交渉をしたためかえって拗れてしまったり、場合によっては示談交渉を断られてしまったりする可能性もあります。
しかし、弁護士がいれば被害者と直接会わずに専門家を通して示談交渉を進めることができます。
また、示談交渉を断られていた場合でも、弁護士がいるならと考え直してもらい、示談交渉を行えるようになるケースもあります。
そのため速やかな示談の締結を目指す場合は、弁護士に相談し、弁護活動を依頼することが重要です。

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どちらの予約も24時間対応可能なため、暴力事件を起こしてしまった、暴行罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご相談ください。

【事例解説】下半身を露出させた状態で自転車に乗り、そのまま夜道を走行し公然わいせつ罪で逮捕

2025-06-28

公然わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県郡山市に住んでいる大学生のAさんは、日頃の生活でストレスを感じていました。
Aさんはストレスを発散する目的で、ズボンや下着を履かずに夜出かけました。
そして自転車に乗ると、そのまましばらく下半身裸で自転車を走らせました。
しかし、Aさんが下半身裸で自転車に乗っていたことに気付いた通行人がいて、Aさんのことを警察に通報しました。
その後警察が捜査を進めた結果、Aさんの身元は特定されました。
そしてAさんは、公然わいせつ罪の疑いで郡山北警察署に連行されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

公然わいせつ罪

刑法第175条には「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と、公然わいせつ罪が定められています。
刑法でいう「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激、興奮または満足させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反している行為とされています。
そのため通報した人がわいせつだと判断したとしても、一般的にそう思われない行為であれば、「わいせつな行為」と認められません。
また、条文にある「公然と」とは、不特定又は多数人が認識することができる状態にあることを言います。
あくまで認識することができればいいため、実際に不特定又は多数人が認識している必要はなく、その危険性さえあれば公然わいせつ罪が成立します。
例えば、多くの人が利用する公園などでわいせつな行為をすれば、その場に誰もいなくとも公然わいせつ罪となります。
Aさんは下半身を露出させた状態で、自転車に乗って走っています。
下半身の露出は「わいせつな行為」であり、夜道を自転車で走ると不特定多数がAさんを認識する可能性があります。
そして実際に見つかり通報されたAさんには、公然わいせつ罪が適用されました。

事情聴取

Aさんは警察署に連行されたため、警察署で事情聴取を受けることになります。
事情聴取後に逮捕されてしまうこともありますが、逮捕まではされずにその場で釈放されることもあります。
また、事情聴取は1回で終わることもありますが、事件内容によっては複数回呼び出されることもあります。
事情聴取の内容は資料としてまとめられ、これは供述調書と言われます。
この供述調書はその後の捜査にも使われる重要なものであるため、事情聴取での発言は慎重に行う必要があります。
しかし、ほとんどの人は事情聴取を初めて受けることになるため、適切な受け答えができません。
そのため事情聴取を受ける場合は、事前に弁護士からアドバイスを受け、対策を練っておくほうが良いでしょう。
また、事情聴取後に逮捕されたとしても、事前に弁護士に依頼をしておけば、逮捕後の対応もスムーズに行えます。
そのため事情聴取を受ける際は、事前に弁護士を立てることがお勧めです。

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【事例解説】キャンプで使う果物ナイフをキャンプがない日に持ち歩き、警察から職務質問

2025-06-21

銃刀法違反と軽犯罪法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県須賀川市に住んでいる会社員のAさんは、趣味がキャンプで、キャンプ道具をいつもカバンに入れていました。
ある日、Aさんは警察官から呼び止められ、職務質問を受けることになりました。
手荷物チェックもすることになり、警察官はAさんのキャンプ道具から刃渡り5センチ以下の果物ナイフを見つけました。
Aさんは警察官に持っていた理由を聞かれ、「趣味がキャンプなので入れていた」と説明しました。
Aさんは警察官に「キャンプの帰りか、それともこれから行くのか」と聞かれ、「今日はキャンプの予定はない」と答えました。
警察官に「それだと違法だよ」と言われ、後日須賀川警察署に呼び出されることになりました。
不安を覚えたAさんは警察署に行く前に、弁護士に相談することにしました。
(この参考事件はフィクションです。)

銃刀法違反

Aさんは警察官に違法と言われました、どのような罪が成立するのでしょうか
刃物を持ち歩くと適用される法律として、多くの人が思い浮かべるのは銃刀法(正式名称:鉄砲刀剣類所持等取締法)だと思われます。
銃刀法第22条には「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。」と定められています。
ここで言う「業務」とは、社会生活上の地位に基づき、反復継続して行う事務または事業を意味します。
仕事も当然業務ですが、ボランティアや習慣なども業務扱いであるため、この場合の「業務」に報酬の有無は問われません。
その他正当な理由」とは、購入した包丁を持ち帰る、キャンプの際に持っていくなどの場合です。
職人が職場で使うために包丁を持って行くなども認められますが、護身用で持ち歩くことは「正当な理由」にはならず、銃刀法違反になります。
Aさんの果物ナイフはキャンプ用ですが、その日にキャンプの用事がないのであれば、果物ナイフを持つ「正当な理由」はありません。
しかし、Aさんの持っていた果物ナイフは「刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物」ではないため、銃刀法違反にはなりません。
しかし刃物の所持で成立する犯罪は、銃刀法違反以外にもあります。

軽犯罪法違反

様々な軽犯罪を取り締まっている法律に軽犯罪法があり、その中には刃物を取り扱った条文があります。
それが「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」に適用される軽犯罪法第1条第1項第2号です。
この条文に違反すると軽犯罪法違反が成立し、「拘留又は科料」の刑罰が科せられます。
Aさんは果物ナイフをカバンに入れていました。
これは刃物を人目に触れにくくして「隠して携帯していた」と判断され、軽犯罪法違反が成立する可能性があります。
このように刃物に関する犯罪は有名な銃刀法違反だけではないため、刃物に関する件で警察に呼ばれてしまった場合は、状況を正確に把握するためにも、まずは弁護士に相談しましょう。

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【事例解説】同僚のミスを上司に報告しない代わりに、現金や食事を要求して恐喝罪が成立

2025-06-14

恐喝罪と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県白河市に住んでいる大学生のAさんは、同じ会社に勤める同僚のVさんから相談を受けました。
Vさんは仕事でミスをしたらしく、AさんはVさんのフォローをし、仕事のミスを取り返しました。
Aさんはその時のことを理由に、「今月厳しいから2万だけくれ、ミスのことは上司に言わないから」とVさんのことを脅しました。
その場は払いましたが、その後も食事を奢らされたりしたため、Vさんは警察に相談することにしました。
その後、Aさんは恐喝罪の容疑で白河警察署に呼び出されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

恐喝罪

刑法では、詐欺罪などと同じ項目に恐喝罪が定められています。
刑法第249条がその条文で、同条第1項には「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」、続く同条第2項に「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定めています。
恐喝」とは、相手方の反抗を抑圧するに至らない強度の脅迫および暴行を加えることを言います。
この場合の暴行は、直接相手方に暴力が加えられていなくとも、その暴行が相手方を畏怖させる性質のものであれば、恐喝罪が成立します。
例えば、カツアゲをする際に近くの椅子などを蹴り飛ばすと、相手を蹴っていないがその行為は相手に向けて行われたと判断され、恐喝罪になります。
また、暴行と脅迫が反抗を抑圧するに足る強度があれば、適用されるのはより罪が重い強盗罪刑法第236条)です。
財物」は金銭などの物を指しますが、「財産上不法の利益」はサービスや債権などで、例えば脅して借金の支払いを免れようとすれば、刑法第249条第2項恐喝罪が適用されます。
Aさんの場合、上司にミスを報告しないことを理由に、財物である現金や食事をVさんに交付させているため、刑法第249条第1項恐喝罪が成立します。

執行猶予

恐喝罪の刑罰は「10年以下の懲役」のみになっているため罰金で済ませることができません。
そのため、有罪になると実刑になってしまいますが、執行猶予を獲得できれば刑務所への服役は避けられます。
執行猶予とは刑の執行を一定期間猶予し、その期間中に再度事件を起こさなければ刑の執行を免除する制度のことです。
しかし、執行猶予獲得には条件があり、刑法第25条では「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」の言い渡しが条件の1つになっています。
そのため、懲役を3年以下に抑えなければいけません。
執行猶予を獲得できるよう減刑を求めるためにも、まずは弁護士に相談しましょう。
恐喝罪で刑事事件化してしまった際は、弁護士に依頼することが重要です。

恐喝罪に詳しい弁護士

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【事例解説】他人の家の表札に黒いペンキを塗って器物損壊罪、在宅事件での注意点について

2025-06-07

器物損壊罪と在宅事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県石川郡に住んでいる大学生のAさんは、大学で仲の悪いVさんに嫌がらせをしようと思いました。
AさんはVさんの自宅に訪れ、スプレーを取り出すと表札に塗料をかけ、そのまま逃走しました。
自宅に帰ってきたVさんは、表札に塗料で汚れていることに気付きました。
そしてVさんは警察に被害届を提出し、その後の捜査によってAさんが犯行に及んだことがわかりました。
後日、Aさんは器物損壊罪の疑いで、石川警察署に呼び出されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

器物損壊罪

器物損壊罪について刑法第261条は、「前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と定めています。
前3条」とは同じく刑法にある公用文書等毀棄罪私用文書等毀棄罪建造物等損壊罪(及び建造物等損壊致死傷罪)を定めた第258条第259条第260条を指しています。
器物損壊罪における損壊・傷害とは、物の効用を害する一切の行為とされています。
他人の物」の中には他人が所有している不動産である土地も含まれています。
ペットなども「他人の物」に含まれており、動物が対象になった事件では損壊ではなく傷害と言われます。
効用を害すれば器物損壊罪になりますが、その効用を回復することが容易である程度の損壊ならば、器物損壊罪にはなりません。
つまり器物損壊罪が成立するには、回復に相当の時間とコストがかかる損壊・傷害が必要になります。
参考事件では人の所有している家の表札に、塗料がかけられています。
これは破壊されていないため、器物損壊罪ではないと思う方もいるかもしれません。
しかし先述の通り、破壊されていなくとも、効用が害されているのであれば損壊に該当します。
そしてペンキを落とすのは容易ではないため、Aさんには器物損壊罪が成立します。

在宅事件

Aさんは警察署に後日呼ばれることになりましたが、まだ逮捕はされていません。
刑事事件は必ず逮捕されるわけではなく、「裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び第201条の2第1項において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。ただし、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。」と定められた刑事訴訟法第199条第2項の規定により、身体拘束の必要性がなければ逮捕に至りません。
このような身体拘束をせずに捜査が進む事件を、在宅事件と言います。
刑事事件では、勾留されてから国が弁護士を選任する国選弁護人の制度があります。
勾留とは逮捕期間の延長に近いもので、在宅事件は当然ながら勾留が付きません。
そのため国選弁護人は利用できませんが、個人で依頼する私選弁護人を立てることはできます。
弁護士がいれば不起訴処分の獲得を目指して弁護活動を行うことができ、前科の回避が望めます。
弁護士に依頼すれば事件をよりスムーズに終わらせることができるため、在宅事件であっても弁護士に相談することがお勧めです。

器物損壊罪に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所では、初回であれば無料でご利用いただける法律相談逮捕、勾留された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスを実施しています。
ご予約は24時間・365日対応しております。
在宅事件で捜査されている方、ご家族が器物損壊罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】ヘロインの所持が発覚して逮捕、適用される条文で変わる麻薬取締法違反の刑罰

2025-05-31

麻薬取締法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県東白川郡に住んでいる会社員のAさんは、買ったヘロインをカバンに入れて持ち歩いていました。
カバンは職場にも持ち込んでおり、ある日Aさんは同僚にカバンからヘロインを取り出すところを見られてしまいました。
同僚は粉末状のものを持っていたAさんを不審に思い、上司に相談しました。
そして上司は、警察にAさんが薬物を持っているかもしれないと通報しました。
その後、警察がAさんの捜査に乗り出し、Aさんの持つ粉末状のものはヘロインであることが分かりました。
そのままAさんは、麻薬取締法違反の容疑で棚倉警察署に逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

ヘロイン

ヘロイン麻薬及び向精神薬取締法(以下、麻薬取締法と呼称)で取り締まられている、ケシを原料とした麻薬です。
麻薬取締法第12条第1項は、「ジアセチルモルヒネ、その塩類又はこれらのいずれかを含有する麻薬(以下「ジアセチルモルヒネ等」という。)は、何人も、輸入し、輸出し、製造し、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、交付し、施用し、所持し、又は廃棄してはならない。ただし、麻薬研究施設の設置者が厚生労働大臣の許可を受けて、譲り渡し、譲り受け、又は廃棄する場合及び麻薬研究者が厚生労働大臣の許可を受けて、研究のため、製造し、製剤し、小分けし、施用し、又は所持する場合は、この限りでない。」と定めており、ヘロインはこの「ジアセチルモルヒネ等」に該当します。
そして麻薬取締法第64条の2第1項には「ジアセチルモルヒネ等を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、交付し、又は所持した者は、10年以下の懲役に処する。」とあります。
そのため、ヘロインを所持したAさんには、麻薬取締法違反が成立します。
また、「ジアセチルモルヒネ等」以外の麻薬は所持した場合、7年以下の懲役(麻薬取締法第66条)となっているため、ヘロインによる麻薬取締法違反は、他の麻薬に適用される麻薬取締法違反よりも重い罪になっています。

身柄拘束

逮捕されてしまうと、取調べを受けながら最長で72日間、身体拘束が続く可能性があります。
そして捜査機関が、より長い期間身体拘束をする必要があると判断すれば裁判所に勾留請求を行います。
勾留が認められると10日間、延長されると20日身体拘束が継続されます。
つまり身体拘束されると、連絡を制限され常時監視された状態で取調べを受ける日々が、最大23日間続くことになります。
そのような事態を回避するためには、早期の釈放を目指す弁護活動を弁護士に依頼することが重要です。
弁護士がいれば、証拠隠滅や逃亡の危険がないことを示す証拠を集め身体拘束は不要であると、弁護士を通して主張することができます。
薬物犯罪は逮捕のリスクが高く、逮捕後の勾留も長引きやすい傾向があるため、薬物犯罪を起こしてしまった際は速やかに弁護士に弁護活動を依頼しましょう。

麻薬取締法違反に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物犯罪を含む刑事事件、少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所では、初回であれば無料でご利用いただける法律相談逮捕、勾留中の方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスを実施しています。
ご予約は24時間体制で、365日対応可能です。
薬物犯罪を起こしてしまった方、ご家族が麻薬取締法違反の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

【事例解説】「進行を制御することが困難な高速度」で運転して交通事故、危険運転致傷罪となる要件

2025-05-24

危険運転致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県田村郡に住んでいる会社員のAさんは、最高速度が60キロの道路で80キロ近いスピードを出して車を運転していました。
そのままAさんはカーブした道路に差し掛かり、曲がろうとしました。
しかし、ハンドルを切ることができず、対向車線から走ってきたVさんの車に接触してしまいました。
そして事故を目撃した通行人が警察に通報しました。
しばらくして警察官が現れ、Vさんが怪我を負ったことも発覚し、Aさんは危険運転致傷罪の疑いで田村警察署に現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

進行を制御することが困難な高速度

自動車運転処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)とは、悪質かつ危険な一定の運転行為を取り締まるための法律です。
参考事件に適用されたのは、自動車運転処罰法第2条に「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。」と定められた危険運転致傷罪(および危険運転致死罪)の条文です。
次に掲げる行為」は第1号から第8号まであり、飲酒運転に関するものや信号無視に関する物などその内容も様々です。
参考事件でAさんに適用されたのは、第2号の「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」です。
ここでは何キロ以上がその速度に該当するのか具体的に規定されていません。
しかし判例では第2号に該当する速度を、「速度が速すぎるため自動車を道路の状況に応じて進行させることが困難な速度をいい、具体的には、そのような速度での走行を続ければ、道路の形状、路面の状況などの道路の状況、車両の構造、性能等の客観的事実に照らし、あるいは、ハンドルやブレーキの操作のわずかなミスによって、自車を進路から逸脱させて事故を発生させることになるような速度をいうと解される。」としています(東京高等裁判所判決平成22年12月10日)。
参考事件の場合、最高速度を超えたスピードを出し、ハンドルを上手く切れずに事故を起こしているため、Aさんは「進行を制御することが困難な高速度」で車を運転したと判断できます。
そしてその結果、事故にあったVさんは怪我を負っているため、Aさんに危険運転致傷罪が成立しました。

示談交渉

危険運転致傷罪の条文には罰金刑の規定がありません。
そのため有罪になってしまうと実刑となり、刑務所に服役する可能性があります。
執行猶予を獲得し実刑を避けるには、示談交渉が重要になります。
しかし、参考事件のように悪質な運転のせいで怪我を負った被害者は、怒りから処罰感情が強くなり、示談交渉が拗れてしまう可能性もあります。
スムーズに示談を締結するためには、弁護士を間に入れ、弁護士限りで連絡をとり、示談交渉を進めることがお勧めです。
速やかに被害者と示談交渉を進めたい方は、弁護士に相談し、示談交渉の依頼することがお勧めです。

危険運転致傷罪に詳しい弁護士

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危険運転致傷罪で事件を起こしてしまった方、ご家族が危険運転致傷罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、是非、ご連絡ください。

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