少年鑑別所

家庭裁判所は、審判を行うため必要があるときは、観護措置として、家庭裁判所調査官の観護に付する(1号)ことの他、少年鑑別所に送致することができます(17条1項2号)。

鑑別所では,少年を少年法に基づいてどのような保護処分を下すかについて判断をするための前提として,「要保護性」を判断するために「鑑別」を行います。

鑑別は,少年との面接,各種の心理テスト,少年の行動観察を通じて,少年の資質条及び環境上の問題点を明らかにし,その処遇に資する適切な指針を示すことを目的とするものです。

家庭裁判所に送致される前,被疑者のときに逮捕・勾留されていた場合、多くは家庭裁判所送致の際に少年鑑別所に送致されます。

 

鑑別所収容の期間

少年鑑別所に収容する期間は2週間、特に継続の必要があるときは1回だけ更新することができます(17条3項・4項本文)。最長で4週間の間少年鑑別所に収容されることになります。

ただし,法律上の建前とは異なって,実際の運用上は,4週間の収容が通常になっています。

なお、14歳以上で罪を犯した少年に係る死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件でその非行事実(犯行の動機、態様及び結果その他の当該犯罪に密接に関連する重要な事実を含みます)の認定に関し証人尋問、鑑定若しくは検証を行うことを決定した者又はこれを行った者について、少年を収容しなければ審判に著しい支障が生じるおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある場合には、その更新は、更に二回を限度として行うことができるとされています(17条4項但書)。

 

少年院との違い

少年院は裁判官の保護処分として下されます。つまり,審判の結果として行われるものです。一方、少年鑑別所への送致は、その保護処分の決定をするために必要があるとして、決定が下されます。

したがって,少年院送致を決定するために前提として行われるものが観護措置としての少年鑑別所での拘束というわけです。

つまり、鑑別所はあくまでも少年の性格などをきちんと調べて少年が事件を起こした原因を調べる場所であり、少年を処罰するために拘束する場所ではないのです。

これに対し、少年院は審判の結果少年をきちんと矯正する必要があると裁判所が判断した場合に送られる場所であり、少年を強制するために様々な規律を加える施設です。

施設についても、少年院は少年をその特性に応じた適切な矯正教育その他の在院者の健全な育成に資する処遇を行うことにより、在院者の改善更生及び円滑な社会復帰を図ることを目的とする所です(少年院法1条)。したがって,学校と刑務所を足したような施設であるといえます。

これに対し,少年鑑別所は少年の資質について調査するために一時的に少年の身柄を拘束する場所なので,一般的には畳4畳程度の個室です。

 

鑑別所送致を避けるためには

少年が少年鑑別所へ送致された場合、当然その間は少年は家に戻れず、学校や職場にも行くことができず、かえって生活環境を修復できなくなる可能性があります。少年に対する調査は、少年が自宅に戻っても行うことができるものが多くあります。弁護士は、少年鑑別所への送致が却って少年の矯正を妨げること、少年が在宅していても調査が可能であること、その他逃亡や証拠隠滅のおそれなどもないことを裁判官に訴え、鑑別所送致を回避します。

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