上告

上告とは、高等裁判所がした第一審判決または第二審判決に対して不服がある場合に、最高裁判所に不服を申立てることです。

控訴の際に控訴理由が必要であるように、上告するときには上告理由が必要とされます。

上告理由は、憲法違反、憲法解釈の誤り、判例違反の3つのみです。

ただし、高等裁判所で不当な判決を受けた被告人を救済するため、例外的に最高裁が自らの判断で原判決を破棄することができる場合があります。

具体的には、法令違反、量刑不当、重大な事実誤認、再審事由の存在、判決後の刑罰廃止などがあり、「原判決を破棄しなければ著しく正義に反する」と認められる場合、最高裁判所は職権で原判決を破棄判決することができます。

上告の手続きは、控訴審における手続きとほぼ同様です。

上告の提起期間は原判決の宣告から14日間(宣告の日を含まない)であり、この期間内に、原判決をした高等裁判所に上告申立書を提出します。

その後、上告を申立てた人は指定された期間内に上告趣意書という主張書面を最高裁に提出しなければなりません。

また、裁判所は上告趣意書に含まれた事実は必ず調査しなければなりません。

上告審は法律審であり、一審や二審のような証拠調べは行われず、記録の調査を中心とした書面審理となります。

公判期日は原則として開かれず、重大事件や原判決破棄の可能性があるといった例外的な場合にのみ公判期日が開かれることがあります。

なお、公判期日が開かれる場合であっても、被告人に出頭の権利は有りません。

上告審の結果は、上告棄却判決と原判決破棄判決の2種類があります。

上告棄却判決は、最高裁判所が高等裁判所の判断を支持し、高裁判決を維持する判決のことです。

原判決破棄判決は、最高裁判所が高等裁判所の判断に誤りがあったとして、高裁判決を破棄する判決です。原判決破棄判決はさらに、最高裁判所が自ら当該事件に関する判断を下す破棄自判判決と、高等裁判所でもう一度審理し直すことを命じる破棄差戻し判決に分かれます。

もっとも、上告審で原判決破棄判決がでることは極めて稀で、せいぜい全上告事件の数%程度にとどまっています。
 
上告審は、上述したとおり書面審理であり、公判期日が開かれることは稀です。

したがって、弁護士の活動としては、裁判所に問題意識を持ってもらえるような優れた上告趣意書の作成し公判期日を開いてもらうことが目標となります。上告趣意書の作成にあたっては、不服がある高等裁判所の判決を丁寧に精査し、かつ上告理由または原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認められる事由にあたるということを論じる必要があり、弁護士の腕の見せ所といえるでしょう。

また、弁護士は、上告審に至るまでの非常に長期にわたる身体拘束を受けている方のためにも、事案に応じた適切な身柄解放活動を行います。

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