強盗

1 強盗とは

強盗とは、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取」することをいいます。このほかに「窃盗が財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたとき」も強盗に当たるとされています(事後強盗)。そのため、「金を出せ」と脅して現金を奪うのも、現金を奪った後被害者に見つかったので殴って気絶させた場合も、どちらも強盗罪に当たることになります。

強盗罪で問題となりうる点としては、「財物奪取に向けた」暴行脅迫があったか否かという点です。

たとえば、暴行行為を行った際、被害者が財布を落とし、その財布を被害者に気づかれず拾ったという場合、暴行行為が財物を取得するためになされたものではないので、強盗罪が成立しないことになります。

このように、実際にその時の状況がどうだったのか、その状況を適切に警察や検察に伝えられているかということが非常に重要なポイントとなるのです。

「人を昏睡させてその財物を奪った場合」にも昏睡強盗として強盗に当たります。例えば、薬物を飲ませたり、大量にお酒を飲ませたりして昏睡させた後ポケットの財布を抜き取るといった場合です。

強盗の場合の「暴行又は脅迫」はある程度強いものを言い、判例では「反抗を抑圧するに足りる」程度のものであるとされています。つまり,相手がほとんど反撃できないほどの攻撃を加えた場合ということです。具体的には刃物を突き付けたり、拳銃によく似せたモデルガンを突き付けたりする行為があります。

また,いわゆる「ひったくり」も強盗に当たる場合があります。被害者が荷物を取られまいと抵抗したのに対して暴力をふるった場合や、車やバイクに乗って追い抜きざまに荷物を掴みそのまま走り去るという場合です。車やバイクで引きずられてしまった場合、転倒や車両や電柱の接触で怪我をする危険が大きいことから、強盗に当たるとされています。

強盗の対象としては「現金」や「時計」などの「物」もありますが、「借金を帳消しにさせる」などの「利益」も対象とされています。

強盗するなかで被害者に怪我をさせたり、最悪の場合被害者を死亡させたりしてしまった場合、強盗致死傷罪に問われることがあります。通常の強盗罪は「5年以上の有期懲役」の刑が定められているのに対して、強盗致傷罪の場合は「無期又は6年以上の懲役」となり、強盗致死罪の場合には「死刑又は無期懲役」のみと重い刑が設定されています。これは殺人罪よりも重いものとなっています。

 

2 強盗罪の弁護活動

強盗罪も被害者がいる犯罪ですので、弁護活動として示談を行うことが重要になります。窃盗のように財産に対してのみではなく、被害者の身体にも働きかけを行っている分、示談金は窃盗のみの場合よりも高額になります。

そのため、示談交渉を十分に行うためにも早期から弁護士と相談して示談を進めることが必要です。

また、強盗罪は被害者に対する働きかけの程度の強い犯罪ですので、逮捕・勾留される可能性が高くなっています。そのため取調べへの対応と、身柄解放のための弁護活動が必要となります。強盗罪は上記のとおり重たい刑が定められており、有罪となった場合は情状酌量などにより執行猶予が付かない限り長期間刑務所に入らなければならなりません。そのため、逮捕・勾留されている間に示談などを行い、不起訴処分を得られるかどうかが重要です。また、以下のように、強盗の疑いであっても、適用される法律は変わる場合があります。逮捕・勾留されたらすぐに弁護士と相談して、自分にどんな犯罪が成立するのか法的なアドバイスを受ける事が肝心です。

また、十分な捜査が遂げられた後であれば、強盗罪で逮捕・勾留されていたとしても釈放される可能性はあります。身体解放についても弁護士とよく相談するのがよいでしょう。

強盗罪で取り調べを受ける場合でも、必ずしも強盗罪として起訴されるとは限りません。強盗は「暴行脅迫」という行為と「強取(物を取る)」ことの関連がなければ成立しない犯罪です。ですので、それぞれが独立の犯罪となった場合には、強盗罪の場合よりも刑の範囲が変わることになります。

このように有罪ではあっても適用される刑が変われば懲役刑の範囲も変わってくることになります。人を殴ったり物を取ったりしたかもしれないが、強盗をするつもりではなかったという場合には、このように別々の罪になると主張することができます。その場合には、逮捕・勾留されてしまった後、弁護士と直ちに接見の上、取調べに対してどのように臨むべきか、方針を確認することが重要です。

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