飲酒運転で略式罰金

福島県福島市に住むAさんは、学生時代の友人と飲み会をすることになり、車で市内の居酒屋へ行きました。
その日は翌日が休日だったため、車で寝てから翌朝帰宅しようと考えていました。
飲み会が終わった頃には午前2時を過ぎており、Aさんは予定どおり車内で5時間程度の睡眠をとりました。
そして、朝になって帰宅しようと運転した際、左折する際に誤って物損事故を起こしてしまいました。
Aさんの通報で現場に駆けつけた警察官は、Aさんから酒の匂いがすることに気づいて呼気検査を行いました。
そうしたところ、数値が0.2を示したことから、Aさんは飲酒運転の疑いで福島警察署の捜査を受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は、最終的な処分が略式罰金となる可能性が高いと説明しました。
(フィクションです。)

【飲酒運転について】

一般的に、飲酒運転はその名のとおり酒を飲んで運転する行為を指すかと思います。
飲酒運転は道路交通法が定める罪の一つですが、この罪には2種類があることはご存知でしょうか。
その2種類とは、①酒気帯び運転と②酒酔い運転と言われるものです。
以下では、それぞれについて概要を説明します。

①酒気帯び運転
酒気帯び運転は、飲酒した運転手の様子に関係なく、身体に一定程度以上のアルコールを保有した状態で運転した場合に成立します。
具体的なアルコールの基準値は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラムまたは呼気1リットルにつき0.15ミリグラムです。
実務においては呼気検査の方が多い傾向にあるので、基準値のうち重要なのは0.15ミリグラムの方と言えます。
罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

②酒酔い運転
酒酔い運転は、「アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態」で運転した場合に成立します。
酒気帯び運転のように基準値が定められているわけではありませんが、検知の結果も考慮要素の一つに当たると考えられます。
それに加えて、飲酒運転の疑いがある運転手に対し、警察官が挙動を観察するなどして判断するものと思われます。
たとえば、質問に正しく答えられているか、歩行の際に千鳥足になっていないか、といった点が見られることになるでしょう。
罰則は5年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。

【略式罰金について】

飲酒運転の罰則は、数ある道路交通法違反の中でも重い部類に属します。
そのため、複数回行えば裁判に至る可能性が飛躍的に高まります。
一方、初犯の場合については、いわゆる略式罰金というかたちで裁判を行うことなく終了することも多いのが実情です。
以下では、略式罰金の意味や、略式罰金を受け入れることによるメリットとデメリットについて説明します。
なお、多くの交通違反に課される反則金の制度(いわゆる青切符)は、以下の略式罰金と異なるため注意が必要です。

略式罰金とは、略式手続という特殊な裁判手続により下される罰金刑のことです。
通常の裁判との最大の違いは、裁判所の法廷ではなく書面上で審理が行われる点です。
略式罰金制度の主眼は、軽微かつ簡素な事件を迅速に処理し、被告人や関係機関の負担の軽減を図るというものです。
そのため、わざわざ法廷で裁判を行ったりせず、公衆の目に触れない書面の上だけで有罪・無罪の判断と刑罰の決定を速やかに行うことになるのです。

上記のような特徴を持つ略式罰金は、被告人にとって裁判に伴う肉体的・精神的負担が軽いというメリットがあると言えます。
ただ、迅速な処理の意識は、ともすれ慎重な判断を欠くことにつながりかねません。
そこで、略式罰金とする場合は被疑者の同意が必要となること、一定期間内であれば正式裁判を要求できること、の2点が定められています。
特に、きちんと争うことで無罪になる可能性が高いのであれば、敢えて略式罰金を受け入れないというのも一つの手でしょう。
自身の事案について疑問を抱かれたら、ぜひ弁護士にその旨ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、豊富な知識と経験に基づき略式罰金に関するご相談をお受けします。
飲酒運転を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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