【事例解説】借りたレンタカーを返さず乗り回し横領罪で逮捕、一般的なイメージと異なる横領の定義

横領罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県郡山市に住んでいる無職のAさんは、レンタカー会社からレンタカーを借りていました。
レンタカーの返却期限が迫っていましたが、Aさんはレンタカー会社に連絡せず、その後もレンタカーを乗り回し続けました。
レンタカーを貸していたレンタカー会社は、返却期限を1週間過ぎても返却に現れないAさんのことを不審に思いました。
そしてAさんに電話をしても出なかったため、警察に相談することにしました。
その後、郡山北警察署の警察官がAさんのもとを訪れ、横領罪の容疑でAさんを逮捕しました。
(この参考事件はフィクションです。)

横領罪

横領事件と聞くと、まず会社から現金を横領する事件だと思う人が大半だと思われます。
たしかに刑法はそのような横領の罪(業務上横領罪)も定めていますが、横領の対象は現金だけではありません。
刑法第252条第1項には「自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。」と横領罪単純横領罪)が定められています。
例えば窃盗罪は、他人が占有(管理・支配)している物をその占有者の意思に反して持ち出すと成立します。
しかし横領罪は、自分が占有しているが他人の物、つまり預けられたものを持ち出した時に成立します。
そのことから横領罪では、あくまで他人に物であり、委託信任関係に基づいて自己に占有された物を対象にしています。
一時的に他人から借りている、管理を任されている物であれば現金以外でもよく、不動産なども横領罪における「他人の物」に含まれます。
Aさんの場合、まずレンタカー会社と契約し、一時的にレンタカーを借りている状態です。
にも関わらずその期間を過ぎても返さないのであればそれは横領行為であり、Aさんには横領罪が成立します。

弁護活動

横領罪は「5年以下の懲役」のみが定められています。
そのため罰金を支払って済ませることができず、起訴されてしまえば正式な裁判が開かれてしまいます。
裁判を避けるためには弁護士による弁護活動が必要です。
示談交渉は特に重要であり、被害者への謝罪と弁償を行い示談が締結できれば、不起訴処分の可能性もあります。
示談交渉は個人で行うことも可能です。
しかし、横領した本人が直接示談交渉をした場合、かえって拗れてしまうこともあります。
また、会社などの法人が被害者である場合、弁護士を通さなければ示談交渉には応じないと断られてしまうことも多々あります。
横領事件の際はまず弁護士に依頼し、弁護士を間に入れて示談交渉を進めることが、示談をスムーズに締結させる鍵と言えます。

まずは弁護士にご相談ください

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所のフリーダイヤルでは、初回無料の法律相談の他、逮捕・勾留されている方のもとへ弁護士が直接赴く初回接見サービスをご予約いただけます。
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