傷害致死罪で情状弁護

傷害致死事件で情状弁護

傷害致死罪情状弁護について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【ケース】

福島県福島市に住むAさんは、以前から近所に住むVさんと折り合いが悪く、たびたびお互いに悪態をつくなどしていました。
ある日、AさんはVさんから「お前なんていつでも殺せるからな」と言われ、「それができるならやってみろよ。いくじなし」と挑発しました。
すると、Vさんが突如Aさんの首を絞めてきたため、焦ったAさんはVさんを蹴り飛ばしました。
そして、Vさんに馬乗りになったうえ、胸倉を掴んで道路に頭を叩きつけました。
その現場に福島警察署の警察官が居合わせ、Aさんを傷害罪の疑いで現行犯逮捕しました。
その後、搬送先の病院でVさんの死亡が確認されたことから、Aさんの嫌疑は傷害致死罪へと切り替えられました。
Aさんから依頼を受けた弁護士は、情状弁護を行うべくすぐに準備に取り掛かりました。
(フィクションです。)

【傷害致死罪について】

刑法(一部抜粋)
第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

傷害致死罪は、他人に傷害を負わせ、その結果として他人が死亡した場合に成立する可能性のある罪です。
わざと行った行為により他人を死亡させる点では、殺人罪と共通する点があると言えます。
殺人罪との最大の違いは、端的に言って行為のときに殺意があったかどうかです。
もう少しかみ砕くと、殺人罪は「殺そうと思って殺した」というケースで成立するのに対し、傷害致死罪は「殺すつもりはなかったが結果的に死亡した」というケースで成立します。
ただし、取調べや裁判でこのような供述をしたからといって、そこから直ちに殺人罪傷害致死罪かが決まるわけではありません。
人の内心は目に見えないものなので、被疑者・被告人の供述だけでなく客観的な事情も踏まえて判断が下されます。
たとえば、包丁で被害者の胸部を複数回刺したという場合、殺意があったと評価され、傷害致死罪ではなく殺人罪が成立すると考えられます。

【情状弁護という手段】

情状弁護」という言葉を聞きなれない方は多くいらっしゃるかもしれません。
ですが、情状弁護は、法廷においてはごくありふれたものだと言うことができます。
その内容とは、罪を犯したこと自体は認めているケース(つまり自白事件)において、被告人に有利な事情を主張することで少しでも刑を軽くする、というものです。
日本の刑事事件は大半が自白事件なので、自然と法廷における弁護活動も情状弁護となることが多いと言えます。

それでは、上記事例で情状弁護を行ううえで、どのような事情が重要となるでしょうか。
第一に、AさんがVさんに対して暴行を働くに至った経緯が挙げられるかと思います。
今回のケースでは、Vさんによる暴行がAさんの挑発に起因すること、AさんがVさんに馬乗りになってまで暴行を加えています。
そうすると、正当防衛であり犯罪が成立しないと主張するのはおそらく難しいです。
ですが、それでも過剰防衛の範疇ではあったと主張して、刑の減軽を求めることが考えられます。
また、上記事例では明記されていませんが、犯行以外の事情も情状弁護を行ううえでやはり重要となります。
たとえば、Aさんに前科がないこと、事件後に真摯な反省が見られること、Vさんの家族に謝罪や賠償を行ったこと、などが考えられます。

以上のような主張は、単に法廷で陳述するだけではなく、陳述を認めてもらうに値する証拠もなければ十分な効果を発揮できません。
効果的な情状弁護を行うのであれば、やはり弁護士への依頼が不可欠と言っても過言ではないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、一つ一つの事案を丹念に検討して情状弁護の主張を組み立てます。
傷害致死罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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