少年が大麻で逮捕~少年院送致を回避には

少年が大麻で逮捕~少年院送致を回避には

非行歴がある少年が大麻で逮捕された件で、少年院送致を回避するためにはどうすればよいかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所静岡支部が解説します。

福島県郡山市に住む高校生のAさん(17歳)は、知人から勧められて大麻を吸引していたところ、郡山警察署の警察官から職務質問、所持品検査を受けてしまいました。Aさんは、ズボンの右ポケットの内に大麻入りのチャック付きポリ袋を入れていたため、警察官に大麻取締法違反(所持の罪)で逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの両親はAさんが過去に傷害事件を起こし保護観察の保護処分を受けた非行歴を有していたことから、今度は少年院送致になるのではないかと心配になり、まずは弁護士にAさんとの接見を依頼して今後のことを相談することにしました。

(事実を基に作成したフィクションです。)

~大麻は薬物への入り口~

平成30年版犯罪白書によると、少年の覚せい剤取締法違反における検挙人員は平成10年から減少傾向にあります。他方で、大麻取締法違反については平成25年まで減少傾向にあったものの、以下のとおり、その後、急激に増加しています。あくまでも検挙された人員ですから、すでに大麻に手を出している少年を含めるとさらに数は増えるものと思われます。

平成25年  58人
平成26年  77人
平成27年 144人
平成28年 206人
平成29年 292人

大麻は薬物への入り口ともいわれており、その危険性について知らない、軽視している、あるいは誤った情報を得ているがゆえに気軽に大麻に手を出してしまっていることも原因の一つとなっているようです。

~薬物・少年事件と刑事手続~

警察の事情聴取では、シンナーの入手経緯、摂取状況、常習性等につき詳しく聴取されることとなります。その後、事件は検察庁、家庭裁判所へと送られることになります。調査の結果、大麻等の薬物に対する依存性・親和性が認められず、更生に向けた環境が整っていると認められる場合などは「審判不開始」決定が出されることがあります。他方、大麻等の薬物に対する依存性・親和性が顕著で、少年の更生が必要と判断された場合は、少年審判が開かれた上で「少年院送致」「保護観察」などの保護処分が出されることになります。なお、犯罪を犯した少年に対しては保護処分を下されるのが通常で、上で述べた刑罰を課されるのは極めて例外となります。

~少年院送致を回避するには~ 

少年院は、家庭裁判所から保護処分として送致された者などを収容する施設で、少年に対して矯正教育その他の必要な処遇を行う施設です。
少年院送致は少年審判で下される保護処分の一種ですが、少年の意思に関わりなく少年を施設に収容され、自由の利かない規律正しい生活を強いられる点で他の保護処分よりは厳しいといえます。

どんな場合に少年院送致になるかは一概にはいえませんが、特に、非行事実、非行歴などから犯罪傾向が進んでいる少年、更生・矯正に向けた環境が整っていない少年などは少年院送致となる傾向があります。他方、少年鑑別所の生活を通じて改善更生が見られたり、非行の原因となった家庭環境や生活状況、交友関係などの問題が解決しつつあると認められたりした場合には、少年が(少年院に収容されなくとも)社会の中で周囲の支えを得て立ち直ってゆくことに期待し、少年院に収容することまではせず、保護観察となることも少なくありません。

したがって、少年院送致を回避するには、少年審判が始まるまでに、少年の非行の原因を探り、更生に向けた環境を整備し、なぜ少年院ではなく社会内での矯正が妥当なのか、適当なのかを調査官や裁判官にしっかりアピールする必要があります。
そのためには、付添人である弁護士の力が必要といえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスの予約受付を承っております。

 

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