脅迫罪と弁護士の接見について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【ケース】
Aさんは、アイドルグループのメンバーであるVさん(福島県伊達市在住)の大ファンで、ブログやSNSのチェックからイベントの参加に至るまで応援に熱を注いでいました。
ある日、Aさんが何気なく週刊誌を見たところ、Vさんが交際相手と思しき人物と手をつないで歩く姿を撮影した写真が目に入りました。
それからほどなくして、Vさんのブログ上で「昨年より一般人の方と交際させていただいております」という発表がありました。
これに業を煮やしたAさんは、インターネット上の掲示板やSNSで「Vの家に行ってめった刺しにする」などと書き込みました。
このことを把握したVさんが被害届を出したことで、Aさんは脅迫罪の疑いで伊達警察署に脅迫罪の疑いで逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの母親は、弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです。)
【脅迫罪について】
刑法(一部抜粋)
第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
脅迫罪は、その名のとおり人を「脅迫」した場合に成立する可能性のある罪です。
脅迫罪における「脅迫」とは、相手方を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知を指すと考えられています。
上記事例では、AさんがVさんに対して「Vの家にめった刺しにする」という脅迫を加えています。
「めった刺し」という言葉は、通常刃物などで対象を複数回刺す意味で用いられるかと思います。
このような言葉自体が他人に恐怖心を抱かせるものですし、それが交際を発表したアイドルに向けられたとなると尚更です。
そうすると、AさんはVさんの生命または身体に害を加える旨を告知して脅迫したと言え、脅迫罪が成立すると考えられます。
脅迫という行為には、事案次第で脅迫罪より重い罪が成立する危険性があります。
たとえば、脅迫を用いて金銭を得れば強盗罪や恐喝罪に、相手方に義務のない行為を強いれば強要罪になる可能性が出てきます。
このように、脅迫により生じた結果いかんで明らかに刑罰が重くなるおそれがあることは留意すべきです。
【弁護士による迅速な接見の重要性】
刑事事件の被疑者に対して行われる身体拘束には、短期の身体拘束である逮捕と、長期の身体拘束である勾留の2段階があります。
逮捕後の流れを大まかに説明すると、逮捕から2~3日の間に勾留をすべきか検討され、勾留されると先述の期間に加えて10~20日の範囲で拘束が継続されます。
弁護士による接見には、一般の方が行う接見(面会)にはない様々なメリットがあります。
そのうちの一つとして、逮捕されてから勾留に至るまでの2~3日間でも接見を行えるという点が挙げられます。
日本全国の大半の警察署においては、勾留決定が下されるまで一般の方が面会を行うことが許されません。
つまり、一般の方が面会をする頃には、既に長期の身体拘束が決定して取調べなどの捜査が本格化しているのが通常と言えます。
これでは、逮捕された方がいつ釈放されるか分からないまま徐々に衰弱していき、取調べなどで対応を誤ってしまうという事態が生じかねません。
そうした事態を回避するために、弁護士による早期の接見が重要となるのです。
上記の接見を含めて、刑事事件は時間との闘いを強いられる場面が少なくありません。
裏を返せば、どの段階であっても弁護士の早期の介入がプラスになりうるということです。
ですので、事件がいずれの段階にあるか気にするよりも、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、刑事事件のプロとしてお申込み後可能な限り早く接見に向かいます。
ご家族などが脅迫罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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