福島県二本松市で女子トイレに侵入して建造物侵入罪

福島県二本松市で女子トイレに侵入して建造物侵入罪

女子トイレ等に侵入してわいせつ行為や盗撮等を試みることによって生じうる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

福島県二本松市の大学生Aさん(21歳)は、バイト先のコンビニ店の女子トイレ盗撮目的でカメラを設置しました。
ある日、Aさんがカメラの回収のために、勤務時間外の日に客を装ってコンビニ店に入り女子トイレ侵入しようとしたところ、偶然コンビニ店に入ってきた男女二人に見つかり、警察に通報されてしまいました。
駆けつけた福島県警二本松警察署の警察官によって、Aさんは建造物侵入罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんの両親は、Aさんが今後の刑事手続でどのような責任を負うことになるのか不安となり、刑事事件を専門とする弁護士に相談することにしました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年9月29日、福岡市でコンビニ店の女子トイレ侵入したとして、福岡県警東警察署の巡査部長が建造物侵入罪の疑で逮捕された事案をモデルにしています。

警察の発表によると、被疑者は同日午前9時40分頃、福岡市中央区のコンビニ店の女子トイレに正当な理由がないのに侵入した疑いがあり、被疑者は事実を認めている模様です。

同店では7月頃から、女子トイレの便器を丸めたトイレットペーパーやその芯で詰まらせられることが相次ぎ、そのたびに被疑者に特徴が似た人物が来店していた模様で、警戒していた店側はこの日、被疑者が来店したため警察に通報し、女子トイレに入ったことを確認して身柄確保に至ったとのことです。

刑事事件の一般論として、男性被疑者が女性トイレ侵入する背後には、女性に対する盗撮行為が目的であることが多いです。

ところが、福島県内で行われた痴漢行為等を処罰する福島県迷惑行為等防止条例違反によれば、「何人も、公共の場所又は公共の乗物における他人に対し、みだりに、著しい羞恥心又は不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。」(第6条第1項)としつつ、着衣等の上から、又は直接他人の身体に触れること(第1号)、着衣等で覆われている他人の下着又は身体をのぞき見し、又は撮影すること(第2号)、その他卑わいな言動をすること(第3号)等が列挙されています。

この点、福島県迷惑行為等防止条例では、痴漢行為や盗撮行為が行われた場所が「公共の場所又は公共の乗物」内であることを犯罪構成要件としているため、この条例で処罰されるのは、公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室、公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所に限られるとされると解されています。

つまり、一般住居のトイレ・浴室・更衣室や、学校・会社等人の出入りが限定された施設におけるトイレ・シャワー室・更衣室、カラオケボックス等の個室、タクシー内における盗撮行為は迷惑行為防止条例の処罰対象とならないため、上記刑事事件例のように、建造物侵入罪などによる一般刑法によって処罰せざるを得ないとされているのが実情です。

各都道府県に共通する上記迷惑行為防止条例の抜け穴については、以前から問題視されており、東京都は2018年7月から、盗撮行為等の迷惑行為の「場所」の要件を緩和(処罰範囲を拡大)する改正を行っており、今後、他の都道府県が東京都の改正に追随する可能性も高いと思われます。

盗撮に関連する建造物侵入罪迷惑行為防止条例違反刑事事件では、被害者の方や建造物所有者に対する謝罪と被害弁償などの成果によって、不起訴処分を獲得できる見込みが高いため、事件化した場合には早い段階で刑事事件に強い弁護士に事件を依頼することをお勧め致します。

福島県二本松市女子トイレ侵入して建造物侵入罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。

 

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