暴行事件で逮捕

Aさんは、交際相手の女性と福島県郡山市内を歩いていたところ、前から歩いてきたVさんら数名に絡まれました。
Vさんは「俺らと遊ぼうよ」と言ってAさんの交際相手の手を掴んだことから、AさんはVさんの顔面を殴り、倒れたところで腹部を蹴りました。
その後、AさんはVさんの手を引いて逃げるようにその場を去りましたが、後日郡山北警察署に逮捕されました。
この暴行事件を知ったAさんの両親は、弁護士に示談を依頼することにしました。
(フィクションです)

【暴行事件において成立する可能性のある罪】

上記事例のAさんは、Vさんの顔面を殴ったうえで、腹部に蹴りを入れています。
この場合に成立する可能性のある罪として、どのようなものが考えられるでしょうか。

①暴行罪
第一に、Vさんに「暴行」を加えたとして、暴行罪が成立する可能性があります。
暴行罪における「暴行」とは、不法な有形力・物理力の行使を指すと考えられており、Aさんの行為がこれに当たることは疑う余地がないでしょう。
罰則は、①3年以下の懲役、②20万円以下の罰金、③拘留(1日以上30日未満の拘置)、④科料(1000円以上1万円未満の金銭の納付)のいずれかです。

②傷害罪
Aさんの暴行によりVさんが「傷害」を負った場合、暴行罪ではなく傷害罪が成立する可能性が出てきます。
傷害罪における「傷害」とは、人の生理的機能の侵害を言い、たとえば出血や骨折など身体の様々な不調が含まれます。
罰則は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

③傷害致死罪
傷害の結果、相手方が死亡した場合、傷害罪より重い傷害致死罪が成立する余地が出てきます。
殺意をもって行為に及んだわけではない場合に成立するものであり、殺意があったのであれば殺人罪が問題になります。
罰則は、3年以上の有期懲役(上限20年)です。

④殺人罪
殺意をもって暴行に及び、相手方を死亡させた場合、最も重い殺人罪となりえます。
殺意があったかどうかは、行為時の心情のみならず、暴行の内容や相手方との関係なども考慮して判断されます。
罰則は、死刑または無期もしくは5年以上の懲役(上限20年)です。

【暴行事件はまず示談の検討を】

暴行事件において成立しうる上記の罪は、いずれも一個人を被害者とする犯罪の典型例と言えるものです。
これらの罪を犯した場合、最も有力な弁護活動は被害者との示談となります。

前提として、刑事事件の処罰は国が行うものであり、慰謝料をはじめとする民事上の損害賠償とは全く別個のものです。
そのため、理屈のうえでは、当事者間で示談が成立したからといって直ちに刑事事件としての処罰を免れるわけではありません。
ですが、暴行事件において成立しうる罪は、いずれも人の身体という保護対象を侵害したことの責任を負わせるものです。
そのため、暴行により生じた損害が補填されるなどして、被害者が加害者を許した場合には、もはや国が積極的に処罰を加える必要はないと考えられます。
以上から、結果的に当事者間での示談が刑事事件にも大きな影響を与えるのです。

被害者との示談が成立した場合、不起訴や執行猶予といった寛大な処分となる可能性が飛躍的に高まります。
このように刑事事件において肝となる以上、決して示談交渉の手を抜くべきではありません。
最善の結果になる可能性を少しでも高めるなら、やはり弁護士に示談を依頼してきちんとまとめるのが得策でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を数多く扱ってきた弁護士が、一筋縄ではいかない示談交渉に知識と経験を総動員して挑みます。
ご家族などが傷害罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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