Archive for the ‘刑事事件’ Category

福島県いわき市でタクシー料金のトラブルで強盗罪

2020-07-07

福島県いわき市でタクシー料金のトラブルで強盗罪

飲み会の帰りなど、酔った客がタクシー料金の支払いの段階でトラブルを起こし、時に強盗罪等の重大な刑事事件に発展するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

福島県いわき市在住の会社員Aさんは、仕事後に居酒屋でお酒を楽しんだ後、終電を逃してしまったため、タクシーで自宅まで帰りました。
しかし、酔って絡むように話しかけたタクシー運転手Vさんが冷淡な態度をとっていたこと、その夜は週末で道路が混雑していたこと、道路状況から判断して、Vさんが指定された場所ではなく若干離れた場所で停車させたこと等がAさんを苛立たせ、酒に酔っていたAさんは強い態度で「金は払わない」と言いました。
Vさんがタクシー料金を払うようAさんに食い下がったところ、AさんはVさんの顔面を鞄で殴りつけ、タクシー料金を踏み倒して、徒歩で家に帰宅しました。
Vさんは強盗事件として110番通報し、翌日、福島県警いわき中央警察署はAさんを強盗致傷罪の疑いで逮捕しました。
(フィクションです。)

上記刑事事件は、令和元年5月23日、北海道警苫小牧において、タクシー運転手に暴行し乗車料金を払わなかったとして、自称廃品回収業の男性が強盗罪の疑いで緊急逮捕された事案をモデルにしています。
暴行を受けたタクシー運転手は病院に搬送されたが約1時間半後に死亡したため、警察は強盗致死罪への罪状の切り替えを視野に捜査を進めています。

警察の発表によると、被疑者は5月22日午後11時15分頃、タクシー運転手である被害者男性の顔面を殴るなどの暴行を加え、乗車料金約1000円を踏み倒した疑いがあり、被害者が「客に殴られた。金を払ってくれない」と110番して、警察官が現場へ急行したところ、被害者がタクシー付近で血を流して倒れていたといいます。

被疑者は事件当時酒に酔っており、調べに対し「到着した場所が違うので金を払いたくなかった」などと供述している模様です。

強盗とは、暴行または脅迫を用いて、他人の財物を奪う(強取)する行為を言い、強盗罪は5年以上の有期懲役という非常に重い法定刑で処罰されます(刑法第236条第1項)。

さらに、強盗によって人を負傷させた場合には、無期または6年以上の懲役、死亡させたときは死刑または無期懲役と罪が加重されます(刑法第240条)。

刑罰の執行猶予制度には、前科や前に言い渡された刑に関する要件の他に、今回起こしてしまった事件の法定刑が、3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金である場合に、被疑者・被告人の情状を考慮して刑の全部の執行を猶予することができるとされています(刑法第25条第1項)。

つまり、強盗罪の疑いで検察官によって起訴され、裁判所が強盗罪の成立を認定した場合には、事実上、確実に実刑判決が下ることになると言えます。

ただし、強盗の被害者に対して示談が成立する可能性がまったく無いかと言えばそういう訳でもなく、確かに強盗罪という重大事件であることから被害者の処罰感情が非常に大きい傾向は否定できないものの、被害者に対する示談が成立し、犯罪の情状において酌量できる事情として減刑(酌量減軽、刑法第66条)が適用された刑事裁判例も見受けられます。

強盗罪のような財産犯罪で最も重大な刑事事件であっても、刑事事件に長けた弁護士に依頼することで、少しでも最善の結果を獲得できる可能性を高めることは可能です。

福島県いわき市で、タクシー料金の踏み倒しで強盗事件刑事事件または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

ひき逃げで殺人罪

2020-06-30

ひき逃げで殺人罪

わざとひき逃げをして被害者を死亡させたという事件がありました。

「刑務所に入りたくて、わざとはねた」2人ひき逃げの男を殺人容疑で立件へ
(Yahoo!ニュース・読売新聞)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~普通のひき逃げ事件かと思われたが…~

この事件は元々、福島県三春町の国道で、地域の清掃活動中の男女2人をトラックではねて死亡させた男が、無免許過失運転致死罪などの疑いで逮捕されたというものです。

まずはこの無免許過失運転致死罪という犯罪の条文を見てみましょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。

自動車の運転を誤って人にケガをさせたり、死亡させた場合には、5条の過失運転致死傷罪が成立し、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となってしまうおそれがあります。

その時さらに無免許運転だった場合には6条4項により罰が重くなり、10年以下の懲役となる可能性があります。

このように事故を起こしたこと自体による罰則の他にも、その後、被害者を助けずに逃げてしまった場合には別途、道路交通法に定められた救護義務違反(10年以下の懲役または100万円以下の罰金)などに問われる可能性があります。

~今回は殺人罪が問題に~

ここまでで解説した犯罪は、間違って事故を起こしてしまった場合に成立しうる犯罪です。
しかし今回の男は取調べに対し、「刑務所に入りたくてわざとはねた」といった供述をしているようです。
間違ってではなく、わざと自動車ではねたとなれば、シンプルに殺人罪が成立する可能性があります。

刑法199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

最高で死刑もありうるわけですので、誤って事故を起こした場合とは雲泥の差となります。

~逮捕後の手続きの流れ~

逮捕後の手続の流れについて詳しくはこちらをご覧ください。
刑事手続の流れと弁護活動

逮捕後23日間の身柄拘束がされ、その後に刑事裁判がスタートします。
裁判中も保釈請求が通らない限り、身柄拘束は続きます。
裁判で実刑判決となれば刑務所に行くことになります。

一般的に弁護士は、まずは早期釈放を目指し、その後出来るだけ軽い処分・判決を目指して活動致します。
殺人罪などを含め、重い犯罪ではなかなか難しいところではありますが、必要以上に重い処分・判決となってご本人やご家族の負担とならないよう、サポートしてまいります。

~ぜひ弁護士にご相談を~

殺人罪が問題となる場合はもちろんですが、もっと軽い事件・事故の場合を含めて、あなたやご家族が逮捕されたり取調べを受けたという場合には、どんな犯罪が成立し、どれくらいの刑罰を受けるのかなど、不安な点が多いと思います。

事件の内容をお聴き取りし、今後の見通しをご説明致しますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

福島県喜多方市で乗り物からのひったくりで逮捕

2020-06-23

福島県喜多方市で乗り物からのひったくりで逮捕

乗り物を利用したひったくり刑事事件について、窃盗罪や時に重大犯罪が成立するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<事例1>
福島県喜多方市の車道と歩道が分離していない路上において、福島県在住の無職Aさんは、自動車を運転しながら一人で歩いていた主婦Vさんを狙って接近し、車上から手を伸ばしてVさんのバッグをひったくり、そのまま自動車を運転して逃走しました。
被害にあったVさんが110番通報し、捜査を開始した福島県警喜多方警察署は、付近の防犯カメラや目撃者等から犯行に使用された自動車およびAさんを特定し、Aさんを窃盗罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは被疑事実を認めています。

<事例2>
福島県喜多方市の車道と歩道が分離していない路上において、福島県在住の無職Aさんは、主婦V1さんに歩み寄ってVさんの持っていたバッグをひったくり、エンジンをかけたまま近くに駐車させていた自動車に乗って逃走しようとしたところ、V1さんの悲鳴を聞いて助けに入った会社員のV2さんがAさんの自動車にしがみついてきました。
Aさんは驚いて自動車を発信させ、Vさんを振り落とすために何度かハンドルを左右に切ったところ、100メートルほど走行したところでV2さんは振り落とされ、体中に擦過傷の負傷を負いました。
V1さんが110番通報し、捜査を開始した福島県警喜多方警察署は早急にAさんの身元を特定し、Aさんを窃盗罪および殺人未遂罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは窃盗の事実は認めているものの、「人を殺すつもりはまったくなかった」と一部事実を否認しています。
(※上記いずれの事例もフィクションです。)

上記刑事事件例は、令和元年6月13日、自動車に乗った状態でひったくりを繰り返したとして、大阪府警が建設作業員男性を窃盗罪の疑いなどで逮捕した事案をモデルにしています。
警察によると、被疑者は、万が一パトカーや白バイに発見された場合でも逃げ切る目的で、有名なスポーツカーに乗って自転車の後ろに近付き、運転席から手を伸ばして前かごのかばんなどを奪う手口でひったくりを繰り返しており、逮捕事実以外にも、21件のひったくり被害(総額約140万円相当)の証拠が裏付けられています。
警察が現場付近の防犯カメラ映像から犯行に使用されたスポーツカーのナンバーを特定し、被疑者の身元の特定に至ったとのことです。

通常、「他人の財物を窃取」する行為は窃盗罪で処罰されるのが通常ですが、「ひったくり」という窃盗手段は、窃盗の実行行為後、迅速に犯行現場から逃走する必要があるため、自転車やバイク、あるいは上記刑事事件例のように自動車上から被害者の財物を窃取する例が多数あります。

歩いてひったくりを行う場合とは異なり、自動車からひったくりを行う場合、走行している自動車がひったくり対象の被害者に接近するという性質上、極めて危険な有形力が行使される可能性が大きく、時に、「暴行を用いて他人の財物を強取」したとみなされ、窃盗罪ではなく強盗罪が成立する場合もあります。

また、ひったくり窃盗行為後、被害者や目撃者が走って被疑者を追いかけてきた場合で、被疑者の逃走に使用するバイクや自動車にしがみつく場合がしばしばあり、このような者を振り落とす目的で、あるいは振り落としても構わないと認識しながら自動車等を走らせる行為は、人の生命を危険にさらす認識がありながら行為に至ったとして殺人未遂罪が成立する例も見受けられます。

このように、自動車等をりようしたひったくり事案では、被疑者の行為や発生した事実によって、窃盗罪以外にも様々な罪が成立する可能性があるため、刑事事件に強い弁護士のサポートを受けることを強くお勧めします。

福島県喜多方市で自動車を利用したひったくり刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

福島県会津若松市で庭に不審者、住居侵入罪で逮捕

2020-06-16

福島県会津若松市で庭に不審者、住居侵入罪で逮捕

福島県会津若松市在住の年金受給者Vさん(68歳)が今でお茶を飲んでいると、庭から不審な物音が聞こえたため様子を見に行ってみると、見知らぬ不審な男Aが庭先を歩いていました。
Vさんはこっそりと電話口に戻り、福島県警会津若松警察署に「不審な男が庭に侵入している」と通報しました。
警察官が駆け付けた時には、Aは庭から立ち去っていましたが、Vさんの目撃情報を元に付近を捜索したところ、特徴が合致する人物Aがいたため事情聴取を求めたところ、Aが住居侵入の事実を認めたため、警察はAを警察署に同行させ、詳しい事情を聞くことにしました。
(フィクションです)

上記刑事事件例は、令和元年7月31日、水戸市職員が正当な理由なく民家の庭に侵入したとして、茨城県警桜川警察署によって住居侵入罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
警察によれば、民家に住む女性が、「庭に知らない男がいる」と警察に通報したところ、被疑者は車で立ち去ったものの、警察は家主の男性が覚えていたナンバーをもとに捜査を開始し、約200メートル離れた飲食店の駐車場で、車内にいる被疑者を発見し、警察へ連行した模様です。
被疑者は被疑事実を認めており、警察は犯行の目的や経緯について調べを進めています。

正当な理由がないのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に侵入し、または要求をうけたにも関わらずこれらの場所から退去しなかった場合、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます(刑法第130条)。
この条文は、侵入であるのか不退去であるのか、また、被害対象の物件によって、住居侵入罪、建造物侵入罪、住居不退去罪等と異なる名称で呼ばれます。

前述の実際に発生した刑事事件では、被疑者は侵入対象となった家屋の家人とはまったく無関係の人間であり、まさに「正当な理由がない」のに人の住居侵入した模範例と言えるでしょう。

逆に、住居侵入罪等の成立を否定したい被疑者からすると、「~という理由で敷地内に入った」等の主張により、住居侵入罪の構成要件を否認していくことが考えられます。

住居侵入罪の成立を認めた判例によれば、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入る行為は「侵入」にあたり、建造物侵入罪が成立するとしています。

この判例からすれば、「管理権者であれば自分の敷地内への立ち入りを認めてくれると思った」や「過去に敷地内に立ち入りを許されたので今回も許されると思った」等の主張は、管理権者の意思の合理的推定に適合しない場合には、適切な否認の主張とはなり得ない可能性が高いと思われます。

また、一部の家人の許可を得て住居に立ち入った場合でも、他の者(特に家長のような管理責任者)の承諾が合理的に推定できない場合には、住居侵入罪が成立することもあります。
判例では、妻の不倫相手が住居に立ち入った事例で、夫の住居への立ち入りに対する承諾が推測しえない以上、このような住居への立ち入りは住居侵入罪が成立するとしています。

住居侵入罪は、確かに住居者の住居上の平穏を害する法律上の利益を侵害していますが、他方で、暴力犯罪財産犯罪のように、身体や財産等の目に見える利益を侵害したわけでは無いため、この刑事責任を追及するためには、被害者による刑事告訴がなければ検察官が公訴提起(起訴)することができない犯罪(親告罪)とされています。

また、刑事弁護の実務経験上、被疑者による真摯な謝罪と被害弁償、そして今後二度と犯行場所近辺に近づかない等の誓約をすることで、示談が成立する可能性が高い傾向にあります。
このような住居侵入罪刑事事件では、刑事事件の示談交渉に長けた刑事事件弁護士弁護を依頼し、早期に問題解決に取り組んでもらい、不起訴処分の獲得を目指していくことを強くお勧め致します。

福島県会津若松市不審者として住居侵入罪等で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。

福島県福島市で路上で裸になり公然わいせつ罪

2020-06-02

福島県福島市で路上で裸になり公然わいせつ罪

路上でや半となったり、他人に公然わいせつ物を見せつける等により、公然わいせつ罪などの性犯罪刑事事件化した場合の、その刑事手続きと刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<事件例1>
福島県在住の大学生Aさんは、大学で運動部に入部しており、練習場に泊まり込んで合宿を行っていました。
ある日、仲間内で宴会となり、大いに酒を飲んで酔っ払ったAさんが、仲間を笑わせるために全になって練習場近くの公園を走り回っていたところ、大騒ぎに不審に思った近隣住民が警察に通報したため、Aさんは駆けつけた福島県警福島警察署の警察官によって、公然わいせつ罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたと連絡を受けたAさんの両親は、Aさんが今度どのような刑事処分を受けることになり、それほど学業に差し障るのか不安となり、刑事事件に詳しい弁護士に事件を依頼しようと考えています。

<事件例2>
福島県福島市在住の無職Aさんは、歪んだ性意識を満足させるために、にコートを羽織った状態で自動車を運転し、若い女性が一人で歩いているのを見かけては、女性の前に車を止めて、車から降りてコートを脱いで陰部を露出させ、すぐに自動車に乗って走り去るという行為を繰り返していました。
ところが、ある被害者女性が、Aさんの自動車ナンバーをカメラで撮影していたため、女性の情報提供に警察が捜査を開始し、Aさんの身元を特定したうえで、福島県警福島警察署は、Aさんを公然わいせつ罪の疑いで逮捕しました。

(上記いずれもフィクションです。)

令和2年2月6日、埼玉県秩父市内の市道で、下校途中の女子中学生に対して、運転中の軽乗用車の運転席で下半身を露出した疑いがあるとして、埼玉県秩父警察署が、本庄市児玉町の会社員男性(21歳)を公然わいせつ罪の疑いで逮捕しており、上記刑事事件例2のモデルとしています。

警察によると、被疑者男性は車で女子中学生の脇をゆっくりと運転しつつ、ズボンは膝ぐらいまで下げた状態で窓を開けて、女子中学生に己の陰部を見せた疑いがあります。
自動車のナンバーから被疑者の身元が特定され、公然わいせつ罪の事実を認めたため逮捕に至り、警察の調べに対し「自分の性的欲求を満たすためにやった」などと事実を認めている模様です。

【公然わいせつ罪とは】

刑法第174条は、公然わいせつな行為をした者は、6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料に処するとしています。

公然わいせつ罪における「公然」とは、不特定または多数の人が認識できる、またはその可能性がある状態を言い、実際に犯行当時に通行人が全くいない場合や、会員制クラブのストリップショーのように外部の者が出入りできない状態であっても「公然」性に欠けることはないと判例は解しています。

また、公然わいせつ罪における「わいせつ」とは、性欲を刺激、興奮または満足させる行為であり、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為を言うとされています。

この点、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる公然わいせつ罪の相談においては、「わいせつ目的で陰部を露出した訳ではない」「屋外で尿意を我慢できず排尿しただけ」などと故意を否定し、弁護士へ見解を求める方もいらっしゃいます。

確かに、ただ単に男性が公的な場所で排尿していた場合、「性欲を刺激、興奮または満足させる行為」とは言えず、軽犯罪法違反の可能性は別にして、公然わいせつ罪の構成要件には当たらない可能性もあります。

ただし、弊所に寄せられる公然わいせつ罪の相談では、捜査機関に対しては排尿していただけと供述したものの、実際には公共の場所での性器等の露出行為や自慰行為を行っていたという事案もあり、安易なわいせつ行為の否認が、後々の刑事手続で被疑者に不利になる可能性もありますので、自分の行った事実、自分の記憶にある事実をきちんと弁護士に伝え、自分が意図せず嫌疑をかけられている事実ときちんと区別し、刑事事件の経験豊富な弁護士に相談することが大切です。

福島県福島市で路上でになり公然わいせつ罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

福島県二本松市で女子トイレに侵入して建造物侵入罪

2020-05-19

福島県二本松市で女子トイレに侵入して建造物侵入罪

女子トイレ等に侵入してわいせつ行為や盗撮等を試みることによって生じうる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件例】

福島県二本松市の大学生Aさん(21歳)は、バイト先のコンビニ店の女子トイレ盗撮目的でカメラを設置しました。
ある日、Aさんがカメラの回収のために、勤務時間外の日に客を装ってコンビニ店に入り女子トイレ侵入しようとしたところ、偶然コンビニ店に入ってきた男女二人に見つかり、警察に通報されてしまいました。
駆けつけた福島県警二本松警察署の警察官によって、Aさんは建造物侵入罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんの両親は、Aさんが今後の刑事手続でどのような責任を負うことになるのか不安となり、刑事事件を専門とする弁護士に相談することにしました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年9月29日、福岡市でコンビニ店の女子トイレ侵入したとして、福岡県警東警察署の巡査部長が建造物侵入罪の疑で逮捕された事案をモデルにしています。

警察の発表によると、被疑者は同日午前9時40分頃、福岡市中央区のコンビニ店の女子トイレに正当な理由がないのに侵入した疑いがあり、被疑者は事実を認めている模様です。

同店では7月頃から、女子トイレの便器を丸めたトイレットペーパーやその芯で詰まらせられることが相次ぎ、そのたびに被疑者に特徴が似た人物が来店していた模様で、警戒していた店側はこの日、被疑者が来店したため警察に通報し、女子トイレに入ったことを確認して身柄確保に至ったとのことです。

刑事事件の一般論として、男性被疑者が女性トイレ侵入する背後には、女性に対する盗撮行為が目的であることが多いです。

ところが、福島県内で行われた痴漢行為等を処罰する福島県迷惑行為等防止条例違反によれば、「何人も、公共の場所又は公共の乗物における他人に対し、みだりに、著しい羞恥心又は不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。」(第6条第1項)としつつ、着衣等の上から、又は直接他人の身体に触れること(第1号)、着衣等で覆われている他人の下着又は身体をのぞき見し、又は撮影すること(第2号)、その他卑わいな言動をすること(第3号)等が列挙されています。

この点、福島県迷惑行為等防止条例では、痴漢行為や盗撮行為が行われた場所が「公共の場所又は公共の乗物」内であることを犯罪構成要件としているため、この条例で処罰されるのは、公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室、公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所に限られるとされると解されています。

つまり、一般住居のトイレ・浴室・更衣室や、学校・会社等人の出入りが限定された施設におけるトイレ・シャワー室・更衣室、カラオケボックス等の個室、タクシー内における盗撮行為は迷惑行為防止条例の処罰対象とならないため、上記刑事事件例のように、建造物侵入罪などによる一般刑法によって処罰せざるを得ないとされているのが実情です。

各都道府県に共通する上記迷惑行為防止条例の抜け穴については、以前から問題視されており、東京都は2018年7月から、盗撮行為等の迷惑行為の「場所」の要件を緩和(処罰範囲を拡大)する改正を行っており、今後、他の都道府県が東京都の改正に追随する可能性も高いと思われます。

盗撮に関連する建造物侵入罪迷惑行為防止条例違反刑事事件では、被害者の方や建造物所有者に対する謝罪と被害弁償などの成果によって、不起訴処分を獲得できる見込みが高いため、事件化した場合には早い段階で刑事事件に強い弁護士に事件を依頼することをお勧め致します。

福島県二本松市女子トイレ侵入して建造物侵入罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談または初回接見サービスをご利用ください。

強制わいせつで示談

2020-05-03

強制わいせつで示談

強制わいせつと示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

福島県東白川郡に住む会社員のAさんは同僚の女性社員と残業で二人きりになった際に、女性に抱き着いてしまいました。Aさんは上司を通じて、女性はが棚倉警察署に被害届を出すつもりであることを聞きました。しかし、事件が刑事事件化してしまっては困ると考えたAさんはVさんと示談を成立させることで、事件を解決しようと示談交渉に強い弁護士に示談交渉を依頼することにしました。Aさんから依頼を受けた弁護士はすぐに女性と示談交渉を行い、示談を締結することに成功し、事件を刑事事件化せずに事件を解決することができました。
(この事例はフィクションです。)

~示談締結によるメリット~

強制わいせつ事件など被害者がいる刑事事件では、早期の示談成立が早期の事件解決につながります。
強制わいせつ罪は「6月以上10年以下の懲役」と罰金刑の規定もない比較的重い罪となっていますが、示談を締結することができれば、今回の事例のように事件化を防ぐことができるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所で示談交渉に慣れた弁護士が所属しています。
被害者との示談成立をご希望の方は、ぜひ弊所に一度ご相談ください。

示談締結によるメリットは以下のとおりです。
一つ目に、刑事事件化を防止できたり、不起訴処分につながることです。
被害者が警察に届け出る前に示談を成立させることができれば、事件が刑事事件化することを防止することができます。
また、仮に、本件のように被害届を提出された後でも、検察官による刑事処分前に示談を成立させることができれば不起訴処分を獲得できる可能性は高くなります。
二つ目に、減刑や執行猶予につながることです。
示談締結は、起訴された後の刑事裁判の段階でも被告人に有利な事情として働きます。
示談が成立している場合、懲役刑の刑期が短くなったり、執行猶予がついたりします。
三つ目に、釈放・保釈につながることです。
示談が成立している場合、多くの場合、当事者間では事件を終わらせたいという合意が成立していることを意味します。
そのため、その時点で身柄拘束の要件である被疑者・被告人が逃亡や証拠隠滅を図るおそれはないと判断されやすいのです。
四つ目に、民事裁判の防止なども実現できることです。
将来、被害者の損害賠償請求権の行使を禁止する条項を示談条項に加えることもできます、

今回みてきたように、示談にはさまざまなメリットがあります。
しかし、被害を受けた方と示談を締結することは簡単ではありませんので、示談交渉については専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。
また、示談交渉は知識、経験が重要になってきますので、示談交渉の経験も豊富な刑事事件専門の弁護士に依頼することが後悔のない事件解決への最善策であるといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強制わいせつ罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

監護者わいせつ罪と接見禁止解除

2020-05-01

監護者わいせつ罪と接見禁止解除

監護者わいせつ罪と接見禁止解除について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

福島県石川郡に住むAさん(41歳)はBさん(40歳)とクラブで知り合い交際を始めました。そのうち、Aさんは、Bさんから、3年前に夫と離婚したこと、娘Vさん(15歳)が一人いることなどを打ち明けられました。しかし、AさんはBさんに対する好意を捨てきれず、Bさんに対し経済的援助を行ってBさんの家計を支え、ついにはBさん宅に同居するようになりました。そうしたところ、Aさんは、Bさんが自宅を留守にしている間、Vさんに対しわいせつな行為を繰り返すようになりました。そして、Aさんは、石川警察署に監護者わいせつ罪で逮捕されました。その後、Aさんは勾留され、接見禁止決定を受けました。Aさんは、現在のところ、弁護人以外の者と接見できないことから、弁護人に接見禁止の解除を依頼しました。
(フィクションです)

~監護者わいせつ罪~

監護者わいせつ罪、性交等罪については刑法179条に規定があります。

179条
1項 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。

1項の「第176条の例による」との「第176条」とは「強制わいせつ罪」を指し、「例による」とは法定刑を強制わいせつ罪と同様「6月以上10年以下の懲役」とするという意味です。

「その者を現に監護する者(=監護者)」は、法律上の監護権(民法820条)に基づかなくても、事実上現に18歳未満の者を監督し保護する者であれば「監護者」に当たります。反対に、法律上の監護権を有していても、実際に監護している実態がなければ現に監護する者に当たりません。現に監護している実態があるかどうかは、同居の有無や居住状況、指導や身の回りの世話などの生活状況、生活費の負担などの経済的状況、未成年者に対する諸手続の状況などを考慮して判断されます。

「影響力があることに乗じて」の「影響力」とは、監護者が被監護者の生活全般にわたり、衣食住などの経済的な観点や生活上の指導・監督などの精神的な観点から、現に被監督者を監督し、保護することによる生じる影響力とされています。「あることに乗じて」とは、当該影響力が一般的に存在し、当該行為時においてもその影響力を及ぼしている状態でわいせつ行為・性交等をすることをいいます。
わいせつ行為・性交等をする場面で、特定の影響力が生じるための具体的な行為を行う必要はありません。影響力を及ぼしている状態でわいせつ行為・性交等を行ったことで「影響力があることに乗じて」に当たります。

「わいせつな行為」とは、判例によれば、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいうとされています。

~被疑者段階における接見禁止~ 

被疑者段階(逮捕から勾留まで)における接見禁止とは、原則として検察官の請求を受けた裁判官が、被疑者が逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると認めた場合に、勾留されている被疑者と弁護人又は弁護人となろうとする者以外の者との接見を禁じることをいいます。裁判官が「公訴の提起があるときまで」と接見禁止の期間を決めて禁じることが通常のようです。接見禁止決定が出てしまうと、弁護人以外の方との接見が禁じられてしまいます。

~接見禁止を解除したい場合は弁護人に依頼~

接見禁止を解除したい場合は、弁護人に接見禁止の解除の申し立てをしてもらいましょう。
この申し立ては、あくまで裁判官の職権発動を促す契機となるものにすぎませんが、申し立てをしないでいると起訴されるまで接見禁止は継続してしまいます。仮に、全部の解除が難しくても、たとえば「〇〇さんとの接見のみ許す」というふうに、一部の解除だけ認められる場合もあります。まずは、弁護人に相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、監護者わいせつ罪・性交等罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。お困りの方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

職務質問と公務執行妨害罪

2020-04-29

職務質問と公務執行妨害罪

職務質問と公務執行妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

福島県白河市の路上を歩いていたAさんは、白川警察署の警察官から職務質問を受けました。Aさんはその際、警察官から所持品検査を求められました。Aさんは、上衣の右ポケット内に大麻を隠匿していたことから、前方に立っていた警察官に体当たりしてその場から逃げ出しました。しかし、Aさんは追いかけてきた警察官数名に捕獲され、公務執行妨害罪の現行犯で逮捕されました。その後、Aさんは、大麻取締法違反(所持罪)でも逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~職務質問~

警察官職務質問執行法(以下、警職法)2条1項では

警察官は、異常な挙動その他の周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる

と規定されています。この規定に基づいて行う質問を職務質問といいます。

職務質問は任意で行われることが原則です。したがって、職務質問を拒否することはできます。しかし、警察官は拒否されたからといって「あっそうですか」などとあっさり拒否を認めてくれるわけではありません。なぜなら、警察官は、拒否するからには、何か疑わしい事情・理由があるからだろうと疑ってかかるからです。こう疑われたからには、警察官の質問から容易に逃げ出すことはできません。しかも、判例は、

職務質問の必要性、緊急性なども考慮した上、具体的状況の下で相当と認められる限度内での有形力の行使

を認めています。判例で許容された有形力の行使として
・職務質問中突然逃げ出した者を130メートル追跡し、背後から腕に手をかけて停止させた行為
・酒気帯び運転の疑いのある者が運転する車両のエンジンキーを回転してスイッチを切った行為
などがあります。これからすると、
・警察官が一定時間、職務質問対象者の前に立ちふさがる行為
・現場から離れる対象者について行くなどの行為
などは判例の許容する有形力の行使の範囲内であり適法と考えられます。これらの行為が許容されるならば、警察官の職務質問から容易に抜け出すことは簡単ではないでしょう。つまり、職務質問は、建前としては「拒否できる」とはいっても、実際上は「拒否できない」のが実情です。

しかし、違法な職務質問についてはきちんと異議を唱えていくべきです。例えば、あまり考えられませんが、
・手錠をかけて警察署に連行する行為
・数人で引っ張って警察署に連行する行為
・対象者の住居、敷地内に無断で立ち入る行為
はもはや職務質問の許容限度を超え、裁判官の令状を必要とするほどの行為ですから職務質問の行為としては違法と考えられます。

~職務質問と公務執行妨害罪~

職務質問の際、警察官に暴行などを加えて公務執行妨害罪で逮捕されるケースをよく見かけます。公務執行妨害罪は、公務員(警察官など)が職務の執行中、公務員に対して暴行又は脅迫を加えた場合に成立する犯罪です。法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。

刑法95条1項 
 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

ただし、公務員の職務は適法であることが条件とされています。違法な公務については保護する必要がないからです。職務質問の場面でも、仮に、警察官に違法行為が認められる場合には、たとえ警察官に暴行・脅迫を加えていたとしても公務執行妨害罪は成立しません。

職務質問時の警察官の対応に不満がある、納得いかないという方は、一度、弊所の弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、職務質問の対応など刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

児童買春と逮捕後の流れ

2020-04-27

児童買春と逮捕後の流れ

児童買春と逮捕後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務静岡支部が解説します。

福島県白河市に住むAさん(28歳)は、SNSで知り合った女子高生のVさんにホテルで3万円を渡した上で性交しました。その後、Vさんが補導されたことをきっかけに、Aさんは白川警察署に児童買春の罪で逮捕されてしまいました。Aさんのご両親は、Aさんの身柄を釈放してもらうべく刑事事件に強い弁護士に刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです)

~児童買春の罪~

児童買春の罪は、正式名称、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。

法律4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

ここで児童買春とは、児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。
まず、「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいうとされています。ですから、「対償」はお金に限らず、物品や食事、宿泊場所の提供、債務(借金)の免除などを含むものと解されます。そして、児童買春の罪は、児童の性的搾取を抑止、防止するために設けられた規定ですから、「対償」というためには上の点に加えて、
・性交等をすることに対する反対給付といえること
・供与されたものが社会通念上経済的利益といえること
の2点が認められなければならないとされています。簡単に言えば、性交等に対する対価といえること、と言ってもいいかもしれません。なお、「対償」を供与する約束をして性交等をしただけ(その後、実際に供与したかどうかは問わない)でも、児童買春に問われる可能性がありますから注意が必要です。
次に、「性交等」とは、性交のほか
・性交に類似した性交類似行為(手淫、口淫など)
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること
も含まれます。

~児童買春と逮捕後の流れ~

児童買春で逮捕されてから勾留までの流れは以下のとおりです。

逮捕

警察の留置場に収容

警察官の弁解録取→釈放?

送致(送検)

検察庁での弁解録取→釈放?

検察官の勾留請求

裁判官の勾留質問→釈放?

裁判官の勾留決定

勾留

という流れとなります。

「勾留」とは被疑者または被告人の身体の自由を拘束する裁判及び執行のことをいいます。勾留期間は検察官の請求のあった日から数えて10日間です。例えば、令和2年4月1日に勾留請求があった場合の勾留満了日(勾留が終わる日)は同月10日です。ただし、勾留期間を延長することにつき「やむを得ない事由」があると認められる場合は、最大10日間期間を延長されることがあります。たとえば、上記の事例で6日間の勾留延長決定が出た場合の勾留満了日は4月17日となります。このように、一度勾留されてしまうと、長期間身柄を拘束される可能性があります。もっとも、警察官の弁解録取の後、検察庁での弁解録取の後、あるいは裁判官の勾留質問の後に釈放されることがあります。留置場での生活は肉体的にも精神的にも負担ですからできる限り早期の釈放が望まれます。

逮捕から勾留までの期間に釈放のための弁護活動をできるのは私選弁護人しかいません(国選弁護人は勾留後しか選任されませんし、当番弁護士は接見のみしか行ってくれません)。
また、上記のように警察官・検察官は弁解録取の後で、裁判官は勾留質問の後で、記録(書類)上現れた事実や逮捕された方から聴いた話を基に身柄拘束の理由・必要性を判断しています。しかし、書類には身柄拘束の理由・必要性を判断するための必要な事実が全て記載されているとは限りませんし、逮捕された方も逮捕直後ということもあって気が動転しており、なかなか伝えたいことを伝えきれないというのが実情です。

そこで、警察官、検察官、裁判官が記録などから知りえない事実(事情)を弁護士が主張して妥当な結果に導く必要が出てくるのです。弁護士は逮捕された方からはもちろん、その家族や関係者などからも話をお聴きした上で、「罪証隠滅のおそれ」、「逃亡のおそれ」がないことを主張するための事情を聴取し、それを意見書に反映させ、他の書類と併せて警察官、検察官、裁判官に提出します。
なお、弁護士が意見書などを提出する弁護活動は法的に認められた活動ではありませんが、意見書などを提出することによって捜査機関や裁判官に「弁護士が監視していますよ」ということを知らしめることにもなり、身柄拘束に対し一定の抑止となっていることは間違いありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、児童買春はじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

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