痴漢・不同意わいせつ

⑴ 痴漢

痴漢については、行為によって、各都道府県の迷惑防止条例違反か、不同意わいせつ罪(旧:強制わいせつ罪)のいずれかが成立することになります。

迷惑防止条例違反となる場合、一般的には公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例などと規定されている条例違反として処罰されることになります。

たとえば、電車内といった公共の場所で、被害者の服の上から触った場合が痴漢とされています。

福島県内での痴漢行為については、福島県迷惑行為等防止条例6条1項1号に該当するとして、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。

⑵ 不同意わいせつ罪(旧:強制わいせつ罪)(刑法第176条)

≪不同意わいせつ罪についてはこちらのページで詳しく紹介しています。≫

不同意わいせつ罪は、刑法第176条で16歳以上の男女に対し、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者」は「6月以上10年以下の拘禁刑に処す」るとされています。

たとえば、被害者の服の中に手を入れていた場合や、服の上からであっても性的な部分を長時間触り続けたなどの場合には、不同意わいせつ罪となる可能性が高いと思料されます。

不同意わいせつ罪が成立するのは、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは(同意しない意思表示を)全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて」わいせつな行為をした場合とされています。
痴漢の場合、被害者は突然のことで同意しない意思表示をすることができない、あるいは意思表示をしようと思っても周囲の目が気になって口に出せないということも考えられますので、たとえ被害者が拒否するような言動や行動を示さなかったとしても、不同意わいせつ罪は成立する可能性はあるということになります。

なお、男性器を肛門や口腔、女性器に「一部でも」挿入行為をすれば、不同意性交罪(これまでの強制性交等罪、旧強姦罪)になります。

⑶ 痴漢・不同意わいせつ罪は非親告罪です

痴漢の場合も不同意わいせつ罪の場合も、被害者からの刑事告訴(加害者に対する刑事処罰を求める意思表示)がなくても起訴することができる犯罪(非親告罪)です。
そのため、被害者が被害届や告訴状を捜査機関に提出していなかったとしても、捜査の結果、起訴されて刑事裁判になる可能性もあります。

それだけに早期に(起訴される前に)被害者と示談することには大きな意味があります。刑事訴追の実務では、被害者の意向に最大限配慮するという取り扱いが一般的であり、示談がきちんとできていて被害者の処罰感情が緩和されている場合、検察官に起訴されるリスクは相当低くなります。
したがって、非親告罪となった現在でも、依然として、被害者の意向を踏まえた示談は重要であると考えられます。

なお、従来、不同意わいせつについては、性的意図(単なる嫌がらせ目的ではなく、被害者に対して性的に嫌がらせをする目的)が必要との判例があり、性的意図のない実行については、不同意わいせつ罪は成立しないとされていました。

しかし、これについては、判例変更があり、性的意図がない場合であっても不同意わいせつ罪が成立する場合があるとされています。
その判例からは、行為の客観的わいせつ性が強い場合、犯人側の性的意図を問わずに不同意わいせつ罪が成立することとなり、性的意図がないとして無罪を争うには、性的意図がないことに加え、行為自体のわいせつ性が低いことを裁判所に認めてもらう必要があります。

⑷ 更生環境調整

性犯罪は、性欲に基づく犯罪と考えられがちですが、実際には、必ずしも性欲だけに基づいて行われるものでもなく、様々な欲求又はストレスから性犯罪に走ってしまう場合も少なくありません。この場合、本人の意思だけでは立ち直ることが非常に難しいと言えます。

このような場合には、専門的な医療機関への受診と治療などを行い、根本的な改善を図る必要があります。

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