【事例解説】出し子をした高校生が窃盗罪で逮捕、少年事件の観護措置とはどのようなものか

出し子と観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県いわき市に住んでいる高校生のAさんは、特殊詐欺に加担し、受け子から被害者のキャッシュカードを受け取りました。
そしてコンビニのATMに行くと、200万円ほどの現金を引き出しました。
しかし、その時の受け子が逮捕されたことで出し子がいるとわかり、防犯カメラの映像からAさんの関与が発覚しました。
しばらくしてAさんの身元は特定され、Aさんの自宅に警察官がやってきました。
Aさんは特殊詐欺に関与したと認め、窃盗罪の容疑でいわき南警察署に逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

出し子

特殊詐欺とは、電話などの対面しない方法で被害者と連絡をとり、職場の同僚や警察などの信頼ができる人物を装って、被害者から現金などを騙し取る手口の詐欺です。
特殊詐欺は基本的に複数の犯人がおり、現金などを被害者と直接接触して受け取る受け子、被害者に電話をかける架け子など、それぞれ別の役割を担います。
出し子は騙し取ったキャッシュカードを使って、ATMから現金を引き出す役割です。
Aさんは出し子として詐欺事件に加担していましたが、詐欺罪ではなく窃盗罪で逮捕されています。
これは出し子が現金を騙し取る方法に理由があります。
まず、詐欺罪が成立するには財物(現金など)を得る際に、人を欺く過程が必要です。
架け子受け子は、財物を騙し取る過程で自身を信頼できる人物と騙っていますが、出し子は途中で被害者と対面することがなく、直接人を欺くことはありません。
そのため、Aさんは特殊詐欺に加担していても詐欺罪は成立しませんでした。
しかし、詐欺罪にはならずとも他人の財物を勝手に奪っているため、窃盗罪は成立します。
窃盗罪刑法235条に定められており、その内容は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」となっています。
そのため出し子をしていたAさんの刑罰は「10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です。

観護措置

参考事件のAさんは高校生であり20歳に満たない者であるため、刑事事件では少年という扱いになります。
少年が刑事事件を起こすと少年法が適用され、通常の刑事事件ではなく少年事件という扱いになります。
刑事事件で警察に逮捕された場合、捜査機関に拘束された状態で取調べを受けることになります。
この逮捕に関しては通常の刑事事件と少年事件で差異はありません。
しかし、通常の事件では身体拘束の延長として勾留という手続きがとられますが、少年事件の場合は観護措置という手続きがとられます。
観護措置とは、少年鑑別所という場所に少年を収容することで、少年が非行に及んだ理由などを調べるための行動観察や面談などが行われます。
収容期間はおよそ2週間ですが、期間は更新して延長することが可能であるため、基本的には4週間の収容期間ということになります。
この観護措置は、裁判所が逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断すると付けられるものです。
観護措置を避けるには弁護士に依頼し、裁判所に観護措置が不要であることを主張することが必要です。
また、観護措置以外にも多くの手続きが、通常の刑事事件と違っています。
そのため少年事件を起こしてしまった際は、少年事件に詳しい弁護士に相談し、弁護活動を依頼するが重要になります。

観護措置に詳しい法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
当事務所はフリーダイヤル「0120-631-881」にて、初回無料でご利用いただける法律相談逮捕されてしまった方のもとに弁護士が直接面会に伺う初回接見サービスをご予約いただけいます。
フリーダイヤルは24時間365日対応可能です。
特殊詐欺出し子をしてしまった、少年事件観護措置を回避したい、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご連絡ください。

 

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