特殊詐欺と少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
大学生のAさんは福島県南相馬市に来ていました。
Aさんはインターネットを利用し、闇バイトに加担していました。
Aさんは指示された内容に従い、被害者である老人の家に行き、キャッシュカードを受け取りました。
帰るために最寄りの駅に移動していたところ、警察官に呼び止められ職務質問を受けることになりました。
受け答えがあやしかったことで、Aさんは南相馬警察署に任意同行された後、詐欺罪の容疑で逮捕されました。
また、Aさんは逮捕時19歳でしたが、しばらくすると誕生日を迎えます。
(この参考事件はフィクションです。)
特殊詐欺
対面しない方法(電話、ハガキなど)を用いて被害者に接触し、信頼の置ける人物だと誤認させ、現金などを騙し取る手口を特殊詐欺と言います。
特殊詐欺は、複数の犯人がそれぞれ違った役割を担って、計画的に実行されることが多いです(1人だけで行うケースもあります)。
それぞれの役割も呼び分けされており、身分を偽って電話をかけ、被害者を騙す役割は「架け子」と呼ばれます。
そしてAさんのように、被害者の自宅に直接向かうなどして被害者に対面し、現金などを実際に受け取る役割は「受け子」と呼ばれます。
受け子は実行役として被害者に顔を覚えられやすく、架け子と違い実際に現場へ赴くため、参考事件のように警察に途中で止められたり、警察が事前に待ち伏せしていたりと逮捕リスクが高いです。
そのため受け子は切り捨てることを前提で、末端の闇バイトが任されることがほとんどです。
未成年者が特殊詐欺事件に加担しているケースは多く、Aさんのようにインターネットで簡単に応募できることが近年は問題視されています。
少年事件と逆送
20歳未満の者が事件を起こすと、少年法が適用され、事件は少年事件と扱われます。
少年事件は原則として、捜査後に検察は事件を家庭裁判所に送致することになっており、これを全件送致主義と言います。
そして家庭裁判所の調査を経て少年審判が開かれ、保護観察や少年院送致など少年事件としての処分が下されます。
しかし、Aさんのように誕生日目前で逮捕されてしまい、少年審判の前に20歳を迎えてしまうと、検察官送致(逆走)といって事件は再び検察官に送致されます。
こうなると成人の事件と同じ扱いになるため、少年事件の処分は下されません。
Aさんの場合は、詐欺罪の刑罰である「10年以下の懲役」が科せられます。
参考事件のように20歳が迫っていることを年齢切迫と呼び、年齢切迫の際はすぐに弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。
20歳前に少年審判が開けるかを判断し、間に合うのであれば少年に捜査協力を促したり、捜査機関に掛け合ったりすることが、弁護士であれば可能です。
また、弁護士がいれば少年審判が間に合わない場合でも、刑事事件として事件が動く場合の準備を事前に進めることができます。
詐欺事件、または年齢切迫の少年事件の際は、速やかに刑事事件および少年事件に強い弁護士に相談しましょう。
少年事件に強い法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む、刑事事件に特化している法律事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談の他、逮捕されてしまった方のもとへ直接弁護士が赴く初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けております。
24時間、365日対応可能ですので、特殊詐欺事件の当事者になってしまった、ご家族が詐欺罪の少年事件で逮捕されてしまった、このような時は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご連絡ください。