名誉棄損罪と少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福島県喜多方市に住んでいる高校生のAさんは、同じ高校に通っているVさんに対して好意がありました。
ある日、Vさんと同じ高校のクラスメイトが一緒にいるところに遭遇し、2人がキスをしているところを目撃しました。
ショックを受けたAさんは自身のSNSアカウントに、「Vは誰とでも寝るような奴だ、この前クラスメイトとキスしているのを見た」と書き込みました。
しばらくして、Aさんの自宅に警察官が訪ねてきて、「これを書いたのは君だよね」と聞かれました。
Aさんは書き込んだのは自分だと認め、喜多方警察署に名誉毀損罪の疑いで逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)
名誉毀損罪
参考事件では刑法第230条第1項の「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定められた名誉棄損罪が適用されました。
「公然」とは不特定または多数の人が認識できる状態を言います。
特にインターネットは不特定多数が利用するものであるため、公然性が高いと言えます。
仮に「事実を摘示」する対象が少人数かつ特定の相手だけだったとしても、その相手を通じて適示した事実が広がっていく可能性があるならば、公然性が高いことになります。
この適示された事実は、少し調べればわかるような内容であってもよく、重要なのはその人の社会的評価が「毀損」される(害される、または害される可能性がある)ことです。
この適示した事実は、ある程度の具体性がある内容でなければいけません。
また、「その事実の有無にかかわらず」とあるため、その内容が真実であるかどうかは問われません。
これは真実でなかったとしても、噂が広まった時点でその人の社会的評価が毀損されるからです。
また、この場合の「人」には法人も含まれ、会社など団体の名誉を毀損しても名誉毀損罪は適用されます。
参考事件でAさんは、Vさんの社会的な評価を下げる可能性のある「クラスメイトとキスをした」という事実と、「誰とでも寝る」という虚偽の事実を、公然性の高いSNSで摘示したため、名誉毀損罪になります。
少年事件
名誉棄損罪の刑罰は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」ですが、Aさんは20歳未満の者、つまり少年であるため、処分は違ったものになります。
少年が事件を起こすと少年法が適用され、事件は少年事件という扱いになります。
この場合、捜査機関による捜査が済むと、少年事件は全て家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)。
そして家庭裁判所で調査が行われ、その後処分を決定するための少年審判が開かれます。
この処分は少年事件独自のもので、保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致などが処分としてあげられます。
また、処分を行わない不処分や、そもそも少年審判を開かない審判不開始もあります。
このように少年事件では通常の事件とは異なった流れで、成人が事件を起こした場合とは違う処分が下されます。
少年事件が発生した際は、少年事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。
名誉毀損罪に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、そして少年事件に特化している法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談、逮捕中の方のもとまで弁護士が直接赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
ご予約は土、日、祝日も含め24時間体制でご予約いただけます。
少年事件の当事者になってしまった方、または名誉毀損罪の疑いでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、ご連絡ください。