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自転車でも成立、ひき逃げの道路交通法違反

2023-10-14

ひき逃げと言われる道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県河沼郡に住んでいる会社員のAさんは、自宅に帰るために自転車で走行していました。
Aさんが走行していると角から出てきたVさんにぶつかりましたが、急いでいたAさんはVさんが立ち上がるのを確認するとそのそのまま現場を離れました。
翌日、Aさんの家に会津坂下警察署の警察官が訪ねてきました。
前日にAさんがぶつかった人がひき逃げされたと警察に被害届を出したと、Aさんは警察官から説明を受けました。
そしてAさんは道路交通法違反の容疑で逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

ひき逃げ

道路交通法第72条には、交通事故を起こしてしまった場合に取らなければならない措置が定められています。
同条第1項によれば、事故に係る自動車などの運転手及び同乗者は負傷者を救護するだけでなく、道路の安全を図り警察官に事故が起きたことを報告しなければなりません。
これらの措置を取らずに現場から離れる行為はひき逃げとよばれますが、これは報道などで使われる用語で法律的には道路交通法違反と呼称されます。
道路交通法において車両の運転手には上記の義務がありますが、自転車は軽車両に該当する乗り物になります。
そのため参考事件のAさんは自転車で事故を起こし、道路の危険を防止する措置を取らず、被害者の救護も警察への報告も行っていないため道路交通法違反となることは間違いありません。
被害者を救護しなかった場合の法定刑は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が法定刑となっています(道路交通法第117条第1項)。
しかし、救護義務に違反しただけでなく被害者の怪我が当該運転手の運転が原因である場合、「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と罰則がより重くなります(道路交通法第117条第2項)。
また、警察官に事故を報告しなかった場合は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」が科せられます(道路交通法第119条第1項第17号)。

交通事件の弁護活動

簡単にひき逃げと言っても、上記のように状況によって適用される条文は違うため、専門的な知識がなければどういう罪に問われているのか、具体的な内容は分かりづらいこともあります。
また、ひき逃げは被害者がいる事件であるため、示談交渉が弁護活動として挙げられます。
早期に示談交渉を締結することができれば不起訴処分を獲得することも可能であり、弁護士がいれば示談交渉がより速やかに締結するためのサポートを受けることができます。
そのため詳しく先の見通しをたて、円滑に示談を進めるためにも、交通事件などに詳しい弁護士に相談することがお勧めです。

交通事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
当事務所では初回であれば無料の法律相談や、逮捕された方のもとに弁護士が直接赴く初回接見サービスをご利用いただくことができます。
ひき逃げ事件を起こしてしまった、またはご家族が道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご連絡ください。
フリーダイヤル「0120-631-881」にて、ご予約をお待ちしております。

無銭飲食で逮捕、適用される詐欺罪の条文

2023-10-07

無銭飲食と詐欺罪の条文について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県郡山市に訪れた無職のAさんは、飲食店に入るとビールやそのおつまみ等を合計で1万円以上を注文して食べました。
財布を持っていないAさんは店員に「お金をATMまで下ろしに行ってきます」と嘘をついて飲食店を出ると、そのまま逃走しました。
いつまで待ってもAさんが帰って来ないことを不安に思い、店員が警察に通報してAさんが無銭飲食したことが分かりました。
そしてAさんは郡山警察署の捜査によって身元が判明し、詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

無銭飲食による詐欺

Aさんの逮捕容疑となったのは刑法第246条第1項に「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と定められている詐欺罪です。
人を欺いて」とありますが、これに該当する行為には一定の流れが必要になります。
まず被疑者(犯人)による欺罔行為(欺く行為)が最初にあり、その欺く行為によって被害者に錯誤(勘違い・思い違い)が引き起こされます。
そしてその誤った情報に基づいた財産の処分行為が行われ、被疑者が財物や財産上の利益を得ます。
この流れが因果的に繋がっている時、詐欺罪が適用されます。
参考事件の場合、まずAさんが料理等を注文していますが、この注文で店側はAさんに代金を支払う意思と能力があると錯誤が引き起こされているので、この時点でAさんは欺罔行為をしたことになります。
そして錯誤状態の店側がAさんに財物である料理等を交付しているためAさんは詐欺罪となります。

もしAさんが財布を持ってきたと思っており、会計時に財布がないことに気付いて参考事件のように嘘ついて逃げた場合、Aさんは財物を交付させる際には欺罔行為を行っていなので、刑法第246条第1項は適用されません。
この場合、Aさんが「お金を下ろしてくる」と店員を欺き、代金の支払いを免れるという財産上の利益を得たことになるので、適用されるのは刑法第246条第2項の「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と定められた詐欺罪になります。
第1項の「財物を交付」させた場合が1項詐欺第2項の「財産上不法の利益を得」た場合が2項詐欺と呼称されます。
2項詐欺には「同項と同様とする」とあるため、どちらの無銭飲食をした場合でも法定刑は「10年以下の懲役」となります。

店舗との示談交渉

無銭飲食をしてしまった場合の弁護対応の1つは、飲み食いした料理の代金を支払って被害弁償を行う示談交渉が挙げられます。
しかし、個人で示談交渉を行うこともできますが、被害者が会社などの個人でない場合は弁護士がいなければ示談交渉には応じないと言われてしまうケースもあります。
また、詐欺罪には懲役刑のみが定められているため、起訴され有罪となれば刑務所へ服役することになる可能性もあります。
しかし早期に弁護対応を開始できれば、不起訴での事件終了も視野に入ります。
そのためなるべく速やかに弁護士に相談し、弁護活動を依頼することが重要です。

詐欺事件に強い弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスなどを実施しています。
無銭飲食をしてしまった、またはご家族が詐欺罪で逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご相談ください。

少年が窃盗事件を起こした場合の流れ

2023-09-30

窃盗罪と少年事件の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県相馬市に住んでいる中学生のAさんは、仕事帰りの駅前でベンチに座って眠っている人を発見しました。
周りに人気がなく起きる気配もなかったため、魔が差したAさんは置いてあるカバンの中から財布を抜き取りそのまま帰りました。
しかし、駅前の監視カメラにAさんの顔が写っていたため、Aさんの犯行であることが分かりました。
そしてAさんは相馬警察署窃盗罪の容疑で逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗罪

窃盗罪は財産犯の中でも際立って多く、その代表例と言えます。
刑法第235条が窃盗罪の条文であり、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
窃取とは他人の占有する財物を、その人の意思に反して占有を移すことです。
占有とは物に対する事実上の管理・支配を意味し、占有を移す先は第三者でも成立します。

少年法

参考事件で逮捕されたのは未成年者であるため、この事件は少年事件として扱われます。
成人が上記のような窃盗事件を起こせば刑法が適用され「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が法定刑となりますが、今回のように少年(20歳に満たない者)が事件を起こした場合、適用される法律は少年法です。
成年が起こした事件では制裁や処罰がありますが、少年の場合は少年が更生するための教育と保護を目的とした処分が科せられます。
少年事件の処分内容としては、社会の中で生活しながら指導を受ける保護観察、施設内で教育や社会復帰支援を受ける少年院送致、処分の必要がないと判断された場合の不処分などがあります。

付添人としての弁護士

少年が逮捕されて捜査が終わると、原則として全ての少年事件が家庭裁判所に送致されます(これを全件送致主義と言います)。
その後少年審判が必要になった場合、弁護士が付添人として少年を弁護します。
しかし、少年事件は成人が事件を起こした場合とは違う手続きがとられます。
また、参考事件のように被害者がいる場合は示談交渉が弁護活動の1つですが、被害者が知人でない場合、連絡を取り合うには弁護士の存在が不可欠です。
そのため参考事件のような窃盗事件で付添人として弁護士を付ける場合、少年事件と刑事事件に詳しい弁護士に相談し、弁護活動を依頼することが重要です。

少年事件に強い弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談逮捕された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスなどをご利用いただけます。
フリーダイヤル「0120-631-881」で、24時間ご予約を受け付けておりますので少年事件を起こしてしまった方、または未成年者のご家族が窃盗罪で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。

脅迫罪の疑いで事情聴取、弁護士によるサポートの必要性

2023-09-23

脅迫罪と弁護士の重要性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県いわき市に住んでいる大学生のAさんは、交際していたVさんから突然別れたいと切り出されました。
以降連絡しても返事がない状態になり、腹を立てたAさんは「連絡に返事をしないなら殺しにいくからな」とメールを送信しました。
しばらくすると警察官がAさんの自宅を訪ねて来て、「被害届が出された」とAさんに伝えました。
そしてAさんは脅迫罪の容疑でいわき中央警察署から事情聴取を受けることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

脅迫罪

脅迫罪刑法第222条第1項に「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」と定められています。
脅迫罪における脅迫とは、一般通常人であれば畏怖する、恐怖心を起こす程度の害悪を告知することです。
そのため、脅迫された被害者が実際に恐怖している必要はありません。
害悪の告知は何らかの形で実現可能な範囲である必要もあり、「災いが起こる」など実現させる可能性が低いものは害悪の告知とはなりません。
また、この条文には「害を加える旨を告知」する方法の記載がありません。
そのため口頭による害悪の告知だけでなく、書面挙動によるものでも上記の内容を満たせば脅迫罪に該当します。
参考事件のAさんは、「殺す」という生命に対する害悪の告知をメールで行っていることから、脅迫罪が成立します。

弁護士の重要性

参考事件のような脅迫事件では事情聴取(取調べ)に適切な対応がとれるかどうかが重要です。
事情聴取は事件の概要によって時間は変化し、複数回行われることもあります。
しかし刑事事件に詳しくない方にとっては、事情聴取に対してどのように対応すればよいものか悩んでしまうでしょうから、後から後悔しないためにも、事情聴取を受ける前に弁護士に相談することをお勧めします。
また、被害者に対して示談交渉を行う場合も、弁護士が間に入ることで示談交渉をスムーズに進めることができ、示談締結の可能性が高まります。
そのため脅迫事件を起こしてしまった場合、刑事事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することをお勧めします。

刑事事件専門の弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所は初回無料の法律相談のご予約を、24時間体制で受け付けております。
また、逮捕・勾留中の事件の場合は、逮捕・勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらのご予約も「0120-631-881」のフリーダイヤルでお持ちしておりますので、脅迫事件を起こしてしまった方、またはご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。

刑法改正によって新設された不同意わいせつ罪で逮捕

2023-09-16

不同意わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県南会津郡に住んでいる会社員のAさんは、行き付けの居酒屋で同僚と飲み会をしていました。
飲み会が終わって帰っている途中、Aさんは近くを歩いていた女性が好みのタイプだと思い、後ろから抱きつくとキスをしました。
女性が悲鳴を上げて助けを求めたため、近くをパトロールしていた南会津警察署の警察官が事件に気付き、駆け付けました。
そしてAさんの不同意わいせつ罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

不同意わいせつ罪

参考事件にある不同意わいせつ罪は、刑法第176条に定められています。
以前は強制わいせつ罪刑法第176条に定められていましたが、令和5年7月13日の刑法改正によって罪名と条文が今のものに変更されました。
刑法第176条の第1項「次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。」と定められており、次に掲げる行為は第1号から第8号まであります。
Aさんの後ろから抱きつく行為は第1号の「暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。」に該当する可能性があります。
Aさんのしたキスをする行為はわいせつな行為と言え、抱きつかれたことにより被害者の女性は同意しない意思を形成、表明する間もなくわいせつな行為をされているので、Aさんには不同意わいせつ罪が適用されます。

示談交渉の重要性

参考事件の不同意わいせつ罪のように被害者が存在する事件の場合、示談締結の有無が処分に大きく影響します。
そのため減刑を求めるには被害者と示談交渉を行う必要がありますが、性犯罪の被害者は加害者に対して恐怖から会うことを拒否するのがほとんどです。
また、被害者の親族もほとんど加害者に対して強い怒りを覚え、連絡を取れたとしてもかえって話が拗れてしまうケースも多々見受けられます。
そのため不同意わいせつ罪のような性犯罪では、間に入って示談交渉を行う弁護士の存在が不可欠です。
そのため被害者と示談交渉を行う際は、示談交渉の経験が豊富な刑事事件に詳しい弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めいたします。

刑事事件専門の弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所は24時間体制で、初回無料の法律相談逮捕されてしまった方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
どちらも「0120-631-881」のフリーダイヤルでご予約いただけますので、不同意わいせつ事件を起こしてしまった方や、ご家族が不同意わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、是非、ご相談ください。

未成年でも刑事罰になる、少年事件の逆送について

2023-09-09

少年が事件を起こした場合と逆送について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県河沼郡に住んでいる18歳の高校生Aさんは、夜に居酒屋から出てきたVさんの後を付けました。
AさんはVさんが人気のない道に入ったことを確認すると、Vさんの腹を殴ったり蹴ったりして倒し、バックから財布を奪って逃走しました。
後日、Vさんは警察に被害届を出しました。
そして会津坂下警察署の捜査によってAさんの身元は特定され、強盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(この参考事件はフィクションです。)

少年事件

参考事件で逮捕されたAさんは18歳の少年であるため、少年法が適用され、事件は少年事件として扱われます。
少年事件は成人が起こした刑事事件と違い、事件が原則として家庭裁判所に送致されます。
そして事件の処分も、審判不開始、不処分、保護処分など、成人とは違った処分が下されます。
これは少年事件の処分が、制裁や処罰ではなく少年の教育と保護が目的になっているからです。
しかし、家庭裁判所が少年に処罰を与えるべきと判断した場合などには、逆送とよばれる特別な手続きがとられます。

逆送

逆送とは家庭裁判所が事件を検察官のもとに送致する手続きのことで、逆送されると事件は成人と同じ流れで進められます。
逆送は家庭裁判所の裁量で決まる以外にも、一部の重大事件は原則として逆送されることに決まっています。
また、18歳と19歳の少年は「特定少年」と呼ばれ、特定少年の場合は17歳以下の少年よりも原則逆送対象事件の範囲が広くなっています。
そして18歳であるAさんの逮捕容疑となった強盗罪は、少年法第62条2項2号の規定により、原則逆送対象事件となります。

逆送回避のための弁護活動

参考事件のような原則逆送対象事件などで逆送を回避するためには、少年には更生の可能性があることや更生のために必要な家庭環境が整っているなどの理由から、少年には保護処分が適切であると家庭裁判所や検察官に主張する必要があります。
そのためにも、刑事事件だけでなく、少年事件にも詳しい弁護士に相談し、今後の動きについてのアドバイスをもらうことをお勧めします。

少年事件に詳しい弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
初回無料の法律相談や、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービス等を当事務所では実施しております。
少年事件の当事者となってしまった、またはご家族が少年事件で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご相談ください。

自宅に放火で現住建造物等放火罪、裁判員裁判の対象に

2023-09-02

現住建造物等放火罪と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県東白川郡に住んでいる大学生のAさんは、実家で同居している家族と喧嘩になってしまいました。
怒ったAさんはライターを持ち出すと、火を付けカーテンに引火させました。
すぐに消火器で火は消し止められましたが、Aさんの家族が放火したことを警察に通報しました。
その後、Aさんは棚倉警察署から駆け付けた警察官に、現住建造物等放火罪で逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

現住建造物等放火罪

現住建造物等放火罪刑法第108条に、「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と定められています。
Aさんが放火したのは、放火時点でAさんの他に家族もいるため現に人がいる建造物であるため現住建造物等放火罪となります(仮に放火時点で家族が実家にいなくとも、自分と家族が住んでいる家屋であるため、現に人が住居に使用している建造物として条文の適用範囲になります)。
また、現住建造物等放火罪の法定刑には「死刑又は無期の懲役」が含まれているため、裁判員裁判対象事件となります。

裁判員裁判

裁判員裁判とは、国民の中から無作為に選ばれた一般の方が、裁判員として裁判に参加する制度のことです。
裁判員裁判は一般の方が参加するため、裁判が開かれる前に事件の争点を明確にする手続きがとられます。
これを公判前整理手続といい、裁判官と検察官、そして弁護士もここに参加します。
また、弁護士は不公平な裁判をするおそれのある裁判員が選出されるのを防ぐため、裁判員の選任手続にも立ち合います。
通常の裁判ではこのような手続きは行われないため、裁判員裁判の際は、裁判員裁判の知識と経験も備えた弁護士に依頼することが大切です。

放火事件と裁判員裁判に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
通常の刑事事件はもちろんのこと、裁判員裁判についても知識と経験が豊富な弁護士が在籍しています。
当事務所では初回無料の法律相談や、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービス等をご利用いただけ、どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けております。
現住建造物等放火罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方、または裁判員裁判対象事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。

盗撮事件を起こし逮捕 新設された撮影罪が適用

2023-08-26

盗撮事件を起こして逮捕された事件を参考に、新設された「性的姿態等撮影罪」、いわゆる「盗撮罪」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県石川郡に住んでいる会社員のAさんは、勤めていた職場の更衣室に録画モードにしたスマホを盗撮目的で置いていました。
しかしAさんが置いていたスマホに職員が気付いたため、そのまま見つけた職員が警察に被害届を提出しました。
その後、石川警察署の捜査でスマホがAさんの物であることが分かり、撮影罪の容疑でAさんは逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

性的姿態等撮影罪

撮影罪は正式名称を「性的姿態等撮影罪」と言い、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の第2条に定められています。
第2条第1項によれば「正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為」は撮影罪であり、次に掲げる姿態等には人の性的な部位およびそれらを隠すために身に付けている衣服(下着)わいせつな行為や性交をしている人の姿態が挙げられています。
また、撮影罪は未遂でも成立するため、仮にAさんの撮影した動画に誰も映っていない場合でも、盗撮を目的としているため撮影罪は成立します。
撮影罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」となっています。

条例違反から撮影罪へ

上記の法律が施行されたのは令和5年7月13日からであり、それまでは盗撮による処罰を決めていたのは、各自治体が定める迷惑防止条例でした。
そのため、盗撮行為の処分は都道府県ごとに違いがあり、犯行現場が特定できない場合だと処分できないという状況もありました。
しかし、撮影罪が新設されたことで全国一律で盗撮行為を処罰可能になり、罰則も厳しいものになりました。
例えば福島県でこれまで適用されていた福島県迷惑行為等防止条例では、参考事件のように更衣室に盗撮用のカメラを設置すると「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」であったため、撮影罪でより重い処分が下されるようになったことが分かります。

盗撮事件に詳しい弁護士事務所

撮影罪はまだ新設されたばかりの法律であり、今までの盗撮事件とは細部が違ったものになります。
そのため撮影罪の容疑がかかっている場合は、盗撮事件に詳しい弁護士に相談することが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回であれば無料の法律相談逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービス等を実施しております。
どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」でご利用いただけます。
盗撮事件の当事者となった方、または家族に盗撮容疑でかかっている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のへ、お気軽にご連絡ください。

拾った財布を警察に届けずネコババ 遺失物等横領罪か窃盗罪か

2023-08-19

拾った財布を警察に届けずネコババした事件を参考に、遺失物等横領罪と窃盗罪の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県白河市に住んでいる会社員のAさんは、家への帰り道で財布が落ちていることに気付きました。
財布の中身を確認すると10万円近い現金が入っていたため、Aさんは拾った財布を警察に届け出ずにネコババしました。
財布の持ち主は白河警察署に遺失届を提出していたらしく、Aさんは警察に呼び出され取調べを受けることになりました。
逮捕はされませんでしたが、Aさんは遺失物横領罪になるのか窃盗罪になるかと分からず不安で、弁護士事務所に相談することにしました。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗罪

窃盗罪は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と刑法235条に定められています。
この条文の窃取とは、他人が占有(物に対する事実上の支配・管理)する財物を、占有者の意思に反して、自己または第三者に占有を移すことを意味します。
しかし、参考事件の財布はAさんが発見した時点では落とし物であるため、既に持ち主の占有が離れた物と見なすことができます。
その場合、Aさんは窃盗罪ではなく遺失物等横領罪が成立する可能性が高いでしょう。

遺失物等横領罪

遺失物等横領罪刑法254条に「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と定められています。
遺失物とは、占有者の意思によらずに占有が離れ誰の占有にも属さない物、つまり「落とし物」のことです。
漂流物はその中でも水中、水面に存在する物を言います。
その他占有を離れた他人の物は、店員が間違って多く渡したお釣り、風で飛ばされた洗濯物等が該当します。
そのため参考事件の落とし物である財布は遺失物であるため、Aさんには遺失物等横領罪が適用される可能性が高いでしょう。

刑事事件に詳しい弁護士事務所

遺失物等横領罪窃盗罪は状況次第では区別が難しい時もあり、参考事件のような事件を起こしてしまった場合に事態を把握するには、専門の弁護士に相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
遺失物等横領罪窃盗罪で取調べを受けた方、または家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

家出した高校生を家に泊め、未成年者誘拐罪

2023-08-12

未成年者誘拐罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県福島市に住んでいる会社員のAさんは、SNS上で繋がりのあった高校生のVさんが「家を出ていきたい」とコメントしていたことに気付きました。
Aさんは「じゃあ俺の家に来るといい」とVさんに伝え、その後Aさんの自宅に来たVさんを泊めました。
VさんがいなくなったことでVさんの家族は福島北警察署に被害届を出しました。
そして警察の捜査で同市内にいたAさんとVさんが見つかり、Aさんは未成年者誘拐罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

未成年者誘拐罪

未成年者を誘拐した場合、刑法第224条に定められた未成年者誘拐罪が適用されます。
この犯罪における「誘拐」とは、未成年者に対して偽計や誘惑を用い、現在置かれている生活環境から離脱させ、自己もしくは第三者の事実的支配下に置くことです。
ここで言う未成年者とは、18歳未満の者を指します。
参考事件ではVさんの発言を受けて家に泊めているため、一見誘拐しているようには見えないかもしれません。
しかし、AさんがVさんの家出を止めずに「じゃあ俺の家に来るといい」という発言をしたことによって、Vさんが間違った判断をしたと考えることができるので、未成年者誘拐罪が適用される可能性は高いです。
また、Vさんの親の同意がないことも、未成年者誘拐罪成立の要因となります。
刑法第224条の保護法益には親権者の保護監督権も含まれているため、仮に未成年者本人の同意があっても、親の同意がなければ本罪は成立します。

未成年者誘拐罪の弁護

未成年者誘拐罪は被害者が存在する事件であるため、被害者側との示談交渉が重要な弁護活動になります。
示談を締結させることができれば、減刑や不起訴処分が見込めます。
さらに未成年者誘拐罪親告罪刑法第229条)であるため、示談の中で告訴を取り下げてもらうことができれば、必ず不起訴処分となります。
しかし、未成年者が被害者であるため被害者側は処罰感情が強くなりやすく、示談交渉が難航することも十分あり得ます。
そのため未成年者誘拐事件の際には、刑事事件の強い弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めいたします。

未成年者誘拐事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」で予約可能ですので、未成年者誘拐事件の当事者となった方、またはご家族が未成年者誘拐罪で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に、是非、ご相談ください。

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