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自宅に放火で現住建造物等放火罪、裁判員裁判の対象に

2023-09-02

現住建造物等放火罪と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県東白川郡に住んでいる大学生のAさんは、実家で同居している家族と喧嘩になってしまいました。
怒ったAさんはライターを持ち出すと、火を付けカーテンに引火させました。
すぐに消火器で火は消し止められましたが、Aさんの家族が放火したことを警察に通報しました。
その後、Aさんは棚倉警察署から駆け付けた警察官に、現住建造物等放火罪で逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

現住建造物等放火罪

現住建造物等放火罪刑法第108条に、「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と定められています。
Aさんが放火したのは、放火時点でAさんの他に家族もいるため現に人がいる建造物であるため現住建造物等放火罪となります(仮に放火時点で家族が実家にいなくとも、自分と家族が住んでいる家屋であるため、現に人が住居に使用している建造物として条文の適用範囲になります)。
また、現住建造物等放火罪の法定刑には「死刑又は無期の懲役」が含まれているため、裁判員裁判対象事件となります。

裁判員裁判

裁判員裁判とは、国民の中から無作為に選ばれた一般の方が、裁判員として裁判に参加する制度のことです。
裁判員裁判は一般の方が参加するため、裁判が開かれる前に事件の争点を明確にする手続きがとられます。
これを公判前整理手続といい、裁判官と検察官、そして弁護士もここに参加します。
また、弁護士は不公平な裁判をするおそれのある裁判員が選出されるのを防ぐため、裁判員の選任手続にも立ち合います。
通常の裁判ではこのような手続きは行われないため、裁判員裁判の際は、裁判員裁判の知識と経験も備えた弁護士に依頼することが大切です。

放火事件と裁判員裁判に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
通常の刑事事件はもちろんのこと、裁判員裁判についても知識と経験が豊富な弁護士が在籍しています。
当事務所では初回無料の法律相談や、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービス等をご利用いただけ、どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」にて受け付けております。
現住建造物等放火罪の容疑でご家族が逮捕されてしまった方、または裁判員裁判対象事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ、お気軽にご連絡ください。

盗撮事件を起こし逮捕 新設された撮影罪が適用

2023-08-26

盗撮事件を起こして逮捕された事件を参考に、新設された「性的姿態等撮影罪」、いわゆる「盗撮罪」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県石川郡に住んでいる会社員のAさんは、勤めていた職場の更衣室に録画モードにしたスマホを盗撮目的で置いていました。
しかしAさんが置いていたスマホに職員が気付いたため、そのまま見つけた職員が警察に被害届を提出しました。
その後、石川警察署の捜査でスマホがAさんの物であることが分かり、撮影罪の容疑でAさんは逮捕されることになりました。
(この参考事件はフィクションです。)

性的姿態等撮影罪

撮影罪は正式名称を「性的姿態等撮影罪」と言い、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の第2条に定められています。
第2条第1項によれば「正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為」は撮影罪であり、次に掲げる姿態等には人の性的な部位およびそれらを隠すために身に付けている衣服(下着)わいせつな行為や性交をしている人の姿態が挙げられています。
また、撮影罪は未遂でも成立するため、仮にAさんの撮影した動画に誰も映っていない場合でも、盗撮を目的としているため撮影罪は成立します。
撮影罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」となっています。

条例違反から撮影罪へ

上記の法律が施行されたのは令和5年7月13日からであり、それまでは盗撮による処罰を決めていたのは、各自治体が定める迷惑防止条例でした。
そのため、盗撮行為の処分は都道府県ごとに違いがあり、犯行現場が特定できない場合だと処分できないという状況もありました。
しかし、撮影罪が新設されたことで全国一律で盗撮行為を処罰可能になり、罰則も厳しいものになりました。
例えば福島県でこれまで適用されていた福島県迷惑行為等防止条例では、参考事件のように更衣室に盗撮用のカメラを設置すると「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」であったため、撮影罪でより重い処分が下されるようになったことが分かります。

盗撮事件に詳しい弁護士事務所

撮影罪はまだ新設されたばかりの法律であり、今までの盗撮事件とは細部が違ったものになります。
そのため撮影罪の容疑がかかっている場合は、盗撮事件に詳しい弁護士に相談することが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回であれば無料の法律相談逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービス等を実施しております。
どちらのご予約もフリーダイヤル「0120-631-881」でご利用いただけます。
盗撮事件の当事者となった方、または家族に盗撮容疑でかかっている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のへ、お気軽にご連絡ください。

拾った財布を警察に届けずネコババ 遺失物等横領罪か窃盗罪か

2023-08-19

拾った財布を警察に届けずネコババした事件を参考に、遺失物等横領罪と窃盗罪の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県白河市に住んでいる会社員のAさんは、家への帰り道で財布が落ちていることに気付きました。
財布の中身を確認すると10万円近い現金が入っていたため、Aさんは拾った財布を警察に届け出ずにネコババしました。
財布の持ち主は白河警察署に遺失届を提出していたらしく、Aさんは警察に呼び出され取調べを受けることになりました。
逮捕はされませんでしたが、Aさんは遺失物横領罪になるのか窃盗罪になるかと分からず不安で、弁護士事務所に相談することにしました。
(この参考事件はフィクションです。)

窃盗罪

窃盗罪は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と刑法235条に定められています。
この条文の窃取とは、他人が占有(物に対する事実上の支配・管理)する財物を、占有者の意思に反して、自己または第三者に占有を移すことを意味します。
しかし、参考事件の財布はAさんが発見した時点では落とし物であるため、既に持ち主の占有が離れた物と見なすことができます。
その場合、Aさんは窃盗罪ではなく遺失物等横領罪が成立する可能性が高いでしょう。

遺失物等横領罪

遺失物等横領罪刑法254条に「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と定められています。
遺失物とは、占有者の意思によらずに占有が離れ誰の占有にも属さない物、つまり「落とし物」のことです。
漂流物はその中でも水中、水面に存在する物を言います。
その他占有を離れた他人の物は、店員が間違って多く渡したお釣り、風で飛ばされた洗濯物等が該当します。
そのため参考事件の落とし物である財布は遺失物であるため、Aさんには遺失物等横領罪が適用される可能性が高いでしょう。

刑事事件に詳しい弁護士事務所

遺失物等横領罪窃盗罪は状況次第では区別が難しい時もあり、参考事件のような事件を起こしてしまった場合に事態を把握するには、専門の弁護士に相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
遺失物等横領罪窃盗罪で取調べを受けた方、または家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」へ、お気軽にご連絡ください。

家出した高校生を家に泊め、未成年者誘拐罪

2023-08-12

未成年者誘拐罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県福島市に住んでいる会社員のAさんは、SNS上で繋がりのあった高校生のVさんが「家を出ていきたい」とコメントしていたことに気付きました。
Aさんは「じゃあ俺の家に来るといい」とVさんに伝え、その後Aさんの自宅に来たVさんを泊めました。
VさんがいなくなったことでVさんの家族は福島北警察署に被害届を出しました。
そして警察の捜査で同市内にいたAさんとVさんが見つかり、Aさんは未成年者誘拐罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

未成年者誘拐罪

未成年者を誘拐した場合、刑法第224条に定められた未成年者誘拐罪が適用されます。
この犯罪における「誘拐」とは、未成年者に対して偽計や誘惑を用い、現在置かれている生活環境から離脱させ、自己もしくは第三者の事実的支配下に置くことです。
ここで言う未成年者とは、18歳未満の者を指します。
参考事件ではVさんの発言を受けて家に泊めているため、一見誘拐しているようには見えないかもしれません。
しかし、AさんがVさんの家出を止めずに「じゃあ俺の家に来るといい」という発言をしたことによって、Vさんが間違った判断をしたと考えることができるので、未成年者誘拐罪が適用される可能性は高いです。
また、Vさんの親の同意がないことも、未成年者誘拐罪成立の要因となります。
刑法第224条の保護法益には親権者の保護監督権も含まれているため、仮に未成年者本人の同意があっても、親の同意がなければ本罪は成立します。

未成年者誘拐罪の弁護

未成年者誘拐罪は被害者が存在する事件であるため、被害者側との示談交渉が重要な弁護活動になります。
示談を締結させることができれば、減刑や不起訴処分が見込めます。
さらに未成年者誘拐罪親告罪刑法第229条)であるため、示談の中で告訴を取り下げてもらうことができれば、必ず不起訴処分となります。
しかし、未成年者が被害者であるため被害者側は処罰感情が強くなりやすく、示談交渉が難航することも十分あり得ます。
そのため未成年者誘拐事件の際には、刑事事件の強い弁護士に相談し、弁護活動を依頼することをお勧めいたします。

未成年者誘拐事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談逮捕された方のもとに直接弁護士が赴く初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」で予約可能ですので、未成年者誘拐事件の当事者となった方、またはご家族が未成年者誘拐罪で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に、是非、ご相談ください。

公務執行妨害と傷害罪が同時に成立、量刑はどうなるか

2023-08-05

公務執行妨害罪と傷害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県田村郡に住んでいる大学生のAさんは、大学からの帰り道で友人と喧嘩になり、大声で口論をしていました。
通行人が警察に通報したため、すぐに田村警察署の警察官が駆け付けました。
警察官が喧嘩を仲裁しようとするとAさんは警察官を突き飛ばし、塀にぶつかった警察官は腕から出血する怪我を負いました。
そしてAさんはその場で公務執行妨害罪傷害罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

公務執行妨害罪

公務執行妨害罪刑法第95条に「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
刑法第7条第1項には、「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」と公務員の定義が定められており、当然警察官は公務員となります。
本罪の暴行は、公務員の身体に直接加えられている必要はなく、物に対して加えられた暴行も公務員に向けられたと認められればよく、例えば警察官が押収しようとした物品を壊す行為も公務執行妨害罪における暴行となります。
参考事件の場合、警察官を突き飛ばしているのでAさんは公務執行妨害となります。

傷害罪

参考事件で突き飛ばされた警察官は怪我を負っているため、Aさんには傷害罪も適用されています。
刑法第204条には「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と傷害罪が定められています。
この条文では、人の生理的機能に障害を与える、健康状態を不良に変えること、外見に重大な変化を生じさせることなどが「傷害」に当たると考えられています。
怪我を負わせること以外にも、病気にかからせる、気絶させるなども傷害にあたるとされています。

観念的競合

1つの行為が複数の犯罪に抵触する場合、それは「観念的競合」と言われます。
参考事件のように、警察官に暴力を振るって怪我をさせ、公務執行妨害罪傷害罪が同時に成立するケースは、観念的競合の代表例と言えます。
観念的競合は犯した罪の内、最も重い法定刑によって処断されます。(刑法第54条第1項)。
そのためAさんに適用されるのは、より重いと判断される「傷害罪」の法定刑です。

刑事事件に詳しい弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談の他、逮捕された方のもとに弁護士が赴く初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」で受け付けております。
公務執行妨害事件および傷害事件を起こしてしまった方、またはご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に、お気軽にご連絡ください。

飲酒による危険運転致死事件により逮捕

2023-07-29

飲酒による危険運転致死事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県東白川郡に住んでいる会社員のAさんは、酒を飲んで酔っ払った状態で自動車を運転していました。
そして信号のない交差点で別の自動車が走ってきていたことに気付かず、Aさんはその自動車に衝突しました。
そして事故が起きた現場に居合わせた通行人が警察に連絡し、棚倉警察署から駆け付けた警察官にAさんは逮捕されました。
その後、追突された自動車の運転手は病院で死亡が確認されたため、Aさんには危険運転致死罪が適用となります。
(この参考事件はフィクションです。)

危険運転致死罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転死傷行為処罰法」)の第2条には、「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。」と定められています。
そして「次に掲げる行為」は全部で8種類ありますが、第1項は「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」とされています。

そして同法第3条には「アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。」と定められています。

どちらの条文も「人を死亡させた者」に適用されるのが危険運転致死罪ですが、第2条は自動車を運転する時点で「正常な運転が困難な状態」だと適用され、第3条は「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」で運転し、「正常な運転が困難な状態」へと変化した時に適用されるといった違いがあります(「人を負傷させた者」に適用される場合は、どちらも罪名が危険運転致傷罪になります)。

危険運転致死罪の弁護対応

飲酒によって起きた危険運転致死事件は、適用される条文が細かな条件で違ってくるため、専門知識がなければ、自動車運転死傷行為処罰法の第2条第3条のどちらの条文が適用されて処分を受けるかの判別は困難でしょう。
いずれにしても非常に重い処分が定められているため、事件の全貌を把握し的確な対応を取って減刑や執行猶予を獲得するためにも、交通事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼することが重要になります。
また、第2条が適用される場合、起訴されると裁判員裁判が開かれます。
裁判員裁判が開かれる事件の条件には、「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役・禁錮にあたる罪で、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る事件」があります。
そのため「人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する」と定められた第2条危険運転致死罪裁判員裁判の対象事件です。
裁判員裁判は裁判員としてランダムで選ばれた一般の方が、裁判に参加する制度です。
この裁判は一般の方が裁判に参加する都合上、通常の裁判とは違った手続きがとられます。
そのため裁判員裁判の知識が大切になるため、これらの経験のある弁護士に依頼することも重要です。

交通事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では逮捕・勾留された方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスや、初回であれば無料の法律相談をご利用いただけます。
どちらも24時間体制でご予約を受け付けておりますので、交通事件を起こしてしまった方、またはご家族が交通事件で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」に、是非、ご連絡ください。

物を破壊せずとも適用される、器物損壊罪

2023-07-22

器物損壊罪と損壊の定義について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県二本松市に住んでいた会社員のAさんは、仕事の帰りに居酒屋に寄ってお酒を飲んでいました。
酒を大量に飲んで酔っ払ったAさんは、居酒屋から帰る際に尿意を催し、居酒屋にある駐車場に停まっていた自動車に放尿しました。
Aさんが去った後、自動車の持ち主が車に黄色い液体がかかっていることに気付き、交番に相談しました。
その後二本松警察署の捜査によって、駐車場の監視カメラの映像からAさんの犯行であることがわかりました。
事件から数日後、Aさんは器物損壊罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

器物損壊罪

器物損壊罪は「他人の物を損壊し、又は傷害した者」に適用される犯罪で、刑法261条に定められています。
Aさんのした行為は物を破壊したわけではないので、一見すると物を損壊させているようには見えないかもしれません。
しかし、器物損壊罪における損壊行為とは、物の効用を害する一切の行為を指しています。
物を物理的に破壊する行為はもちろんですが、隠す汚すなどの行為も効用を害したことになります。
物を隠した場合、持ち主がその隠された物を使うことができなくなるため、物の効用を害したことになります。
ただし、被疑者が隠した物を自分の物にしてしまうのであれば、不法領得の意思が認められ窃盗罪(刑法第235条)になります。
汚損させる行為も物の造形が損なわれれば、元の状態で使えなくなるので、効用を害したことになります。
容易に元の状態に戻せるのであれば損壊に当たらないとされますが、心理的に使えない状態にすることも効用を害したと言えます。
放尿された自動車はたとえ自動車が洗浄されたとしても、被害者が自動車を気にせず使えると言い難いため、Aさんの放尿し自動車を汚す行為は、器物損壊罪と言えます。
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」です。

器物損壊事件の弁護活動

器物損壊罪は親告罪であるため、被害者による告訴がなければ起訴になりません。
そのため器物損壊事件で重要なのは被害者との示談交渉です。
早期に弁護活動を開始し、被害者が告訴をしない、または告訴を取り下げてもらう形で示談が締結できれば不起訴処分を獲得することができます。
また、告訴取り下げなどが示談の内容に入らずとも、示談が締結していれば刑罰を軽減する主張も通りやすくなります。
参考事件のAさんは酔っ払って犯行に及んでいますが、その場合は今後酒を断つ、飲む量を減らすなどで反省と更生の態度を示すことも重要です。
器物損壊事件の際は速やかに刑事事件に詳しい弁護士に相談し、弁護活動を依頼することが不起訴、または減刑のための第一歩です。

器物損壊事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では初回であれば無料の法律相談逮捕または勾留されている方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
器物損壊事件を起こしてしまった方、またはご家族が器物損壊罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル「0120-631-881」に、お気軽にご連絡ください。

強盗事件を起こして逮捕、強盗罪と強盗致傷罪の違いについて

2023-07-15

強盗罪および強盗致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県双葉郡に住んでいる大学生のAさんは、遊ぶためのお金が欲しいと思い強盗を計画し、夕方頃に家を出ました。
Aさんは帰宅中のサラリーマンを見つけると、周りに人がいないことを確認し、後ろから後頭部を殴りました。
そしてサラリーマンが倒れると腹を複数蹴るなどし、バックを奪いとってAさんは逃走しました。
襲われたサラリーマンは被害にあったことを双葉警察署に相談し、その後の捜査でAさんの身元が判明しました。
1週間後、Aさんは強盗罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

強盗罪

参考事件でAさんの逮捕容疑となったのは、刑法第236条第1項に「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。」と定められた強盗罪です。
手段とされる暴行と脅迫は、相手方の反抗を不能もしくは困難にする程度が求められます。
暴行・脅迫が反抗できない程度のものであるかは具体的な状況から各事情を総合的に見て判断されますが、夜に人通りのない場所で複数回蹴りを加える行為は、危険で強度が高い暴行と判断されやすいです。
脅迫は害を加える旨を告知する必要がありますが、これは害悪の発生が行為者によって実現可能な範疇にあることが求められます。

強盗致傷罪

参考事件の被害者がもし強盗の手段である暴行・脅迫によって負傷すれば、強盗致傷罪が成立します。
強盗致傷罪は傷害の故意はなかったが、被害者が怪我を負った場合に成立する罪で、傷害の故意があった場合は強盗傷人罪が成立します(どちらも適用されるのは刑法第240条ですが、強盗傷人罪の方が罪が重くなる傾向にあります)。
強盗致傷罪の法定刑は「無期又は6年以上の懲役」であり、強盗罪よりもさらに重いだけでなく、裁判員裁判の対象となる重大な犯罪です。

強盗事件の弁護活動

強盗罪および強盗致傷罪は非常に重い罰が規定されていますが、弁護活動によって減刑を目指すことが可能です。
強盗事件は被害者が存在する事件であるため、被害者と示談を締結することが減刑のためのポイントです。
ですが、警察・検察が被害者の連絡先を被疑者に教えることはまずありません。
しかし弁護士が間に入り、被疑者に連絡先を教えないことを条件にすることで、示談交渉が可能になることは多くあります。
強盗事件の当事者となってしまった場合、なるべく早期に強盗事件の知識と経験が豊富な弁護士に弁護活動を依頼することが重要です。

強盗事件の際は弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱っている弁護士事務所です。
当事務所では「0120-631-881」のフリーダイヤルにて、初回であれば無料でご利用いただける法律相談逮捕または勾留されている方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスのご予約を受け付けております。
強盗事件を起こしてしまった方、またはご家族が強盗罪の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に、お気軽にご連絡ください。

高校生に対するカツアゲし 恐喝罪で逮捕

2023-07-08

恐喝罪となるカツアゲ行為について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県南相馬市に住んでいる大学生のAさんは、アルバイトをクビになってお金に困っていました。そんな中Aさんは、誰からお金を恐喝することを企て、その相手を探して市内を徘徊していたところ、公園に一人でいる高校生と目が合いました。Aさんは、この高校生に近寄り「何見てるんや。喧嘩売ってんのか?」と凄み、怯える高校生に対して「許して欲しかったら金を出せぇ。」と言いながら、高校生のおなかを殴ったのです。
すると高校生がカバンから財布を取り出したので、Aさんんはその財布を奪って「今日はこれで勘弁してやるわ。」と言って、その場を離れました。
この事件を起こして数週間後、Aさんは恐喝罪で警察に逮捕されてしまいました。(この参考事件はフィクションです。)

恐喝罪

カツアゲと呼ばれる行為は、人を脅して金銭などを巻き上げることを意味します。
参考事件のAさんの行為は、典型的なカツアゲ行為で、この行為は刑法第249条第1項に定められた「恐喝罪」となります。
刑法第249条第1項は「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と、恐喝罪を定義しています
恐喝罪における「恐喝」の手段は、主に暴行や脅迫が用いられますが、これらの程度は反抗を抑圧するには至らない程度だとされています。そして、これらの恐喝行為によって畏怖した相手から、金銭などの交付を受け、それを受け取ると恐喝罪が成立します。
この暴行・脅迫が、相手方の反抗を抑圧するほどの激しいものだった場合は、恐喝罪ではなく強盗罪(刑法第236条)が成立する可能性が高くなります。
参考事件のAさんの行為態様であれば、恐喝罪となる可能性が高いでしょう。

また、恐喝によって財物の交付ではなく「財産上の利益」を得た場合は、刑法第249条第2項の恐喝罪となります。
刑法第249条第2項の恐喝罪は、例えばお金を借りている債務者が債権者を恐喝し、支払いを免れた場合に成立します。
どちらの恐喝罪も、法定刑は同じ「10年以下の懲役」となっています。

恐喝罪の弁護対応

恐喝罪の法定刑には罰金刑が定められておらず、懲役も10年以下であるため、起訴された場合は無罪か、執行猶予を得なければ刑務所に服役しなければなりません。
そのためには、恐喝行為を認めている場合の弁護活動では、被害者との示談交渉が非常に重要となり、被害者との示談成立によって、起訴前であれば不起訴を、そして起訴後であれば執行猶予を目指すことになるでしょう。

恐喝事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回無料の法律相談や、逮捕・勾留された方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスをご利用いただけます。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」で、24時間ご予約を受け付けておりますので、恐喝事件を起こしてしまった方、またはご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に、是非、ご連絡ください。

受け子が逮捕、特殊詐欺における役割

2023-07-01

特殊詐欺で犯人が担う役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

福島県郡山市に住んでいる大学生のAさんは、SNSから応募して闇バイトの受け子をしていました。
Aさんは指示役の架け子から、職場の同僚を装って被害者宅へ現金を受け取りに行くように指示を受けました。
指示通り被害者宅に行き、被害者から現金を受け取ろうとしましたが、被害者は騙されたふりをしていて、事前に警察官を呼んでいました。
そのままAさんは被害者宅で被害者に取り押さえられ、郡山警察署の警察官に引き渡され、詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)

特殊詐欺

参考事件のAさんは、特殊詐欺の受け子をしていました。
特殊詐欺とは、被害者と直接対面しない方法(電話など)を使い、親族などを装って被害者を信用させ、銀行口座へ振り込ませるなどの方法で現金を不特定多数から騙し取る犯罪のことです。
基本的に特殊詐欺は、複数の犯人がそれぞれの役割を担って計画を実行します(全ての役割を1人が担うこともあります)。
ここでは参考事件を基本にそれぞれの役割を解説していきます。

まず、会社の上司や銀行員などを装い被害者に電話をかけて、自宅に会社の同僚や警察官などが向かうと言って騙す「架け子」という役割があります。
直接動くことはないので逮捕リスクが低く、参考事例のように指示役が担っているパターンもあります。

次に、信頼できる人物を騙って現金やキャッシュカードを受け取る役割が、Aさんの担った「受け子」です。
直接被害者に会う役割であることから、参考事件のように待ち伏せによって逮捕されるリスクがあるため、SNSなどで募集された一般の方が担うことがほとんどです。

参考事件には登場しませんが、キャッシュカードを騙し取る事件の場合に、口座から現金を引き出す「出し子」という役割も存在します。
出し子は受け子と同じく募集された者が担うことが多く、受け子と兼任することもあります。
現金を引き出す際に、監視カメラに顔が映る可能性が高いことから、こちらも逮捕リスクが高い役割になります。

詐欺罪の弁護対応

特殊詐欺は組織だって行われる犯罪であることから、悪質と判断されやすい犯罪です。
闇バイトの受け子は、犯罪者グループに都合よく利用されただけであっても、実行犯として犯罪の重要な役割を担ったと判断されます。
詐欺罪は「10年以下の懲役」が刑罰であるため、前科のない初犯であっても、実刑が下され刑務所に服役する可能性が高くなります。
実刑を避けるためには執行猶予の獲得が必要であり、そのためには被害者との示談交渉などの弁護活動を、詐欺事件について詳しい弁護士に依頼することが重要です。

詐欺事件に詳しい弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所ではフリーダイヤル「0120-631-881」で、初回無料の法律相談や、逮捕・勾留された方のもとに直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を24時間体制で受け付けております。
特殊詐欺に加担してしまった方、または受け子をしたことでご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に、お気軽にご連絡ください。

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