Archive for the ‘暴力犯罪’ Category

脅迫事件で示談

2019-06-18

脅迫事件で示談

Aさんは、福島県郡山市内で車を運転していたところ、後ろから猛スピードでVさんが追い越しをしました。
そこで、信号待ちの際にVさんの車に駆け寄り、「危ないだろ。今何キロ出してたんだ」と怒鳴りました。
Vさんは反省するどころか舌打ちをしたため、Aさんは懐に隠していたサバイバルナイフを突きつけ「痛い目見たいんか」と言いました。
この現場を郡山北警察署の警察官が目撃したため、Aさんは暴力的行為等処罰法違反の疑いで逮捕されました。
事件を依頼された弁護士は、すぐに被害者との示談交渉に着手しました。
(上記事例はフィクションです)

【暴力行為等処罰法について】

暴力行為等処罰法(正式名称:暴力行為等処罰に関する法律)は、暴行や脅迫などの暴力行為のうち、一部の悪質なものを特に重く処罰する法律です。
暴力行為にはいくつか種類があるのですが、今回は脅迫について説明します。
まず、暴力行為等処罰法が規定する脅迫は、以下のような態様のものです。

①「団体若(もしく)ハ多数ノ威力ヲ示シ」たこと
②「団体若ハ多数ヲ仮装シテ威力ヲ示シ」たこと
③「兇器ヲ示シ」たこと
④「数人共同シ」たこと

①および②については、たとえば暴力団の存在を仄めかしての脅迫が想定されていると考えられます。
上記事例では、AさんがVさんにサバイバルナイフを示したうえで「痛い目見たいんか」と発言しています。
まず、Aさんの発言は、客観的に見て他人を畏怖させるに足りるとして「脅迫」に当たると考えられます。
加えて、サバイバルナイフは「兇器」と考えて差し支えないでしょう。
そうすると、Aさんの暴力行為等処罰法1条に違反し、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
刑法が定める脅迫罪の法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金であるため、やはり暴力行為等処罰法違反の脅迫の方が重いです。

【脅迫事件における示談交渉】

たとえば傷害罪器物損壊罪を犯した場合、被害者の治療費や壊れた物の修理費といったお金が損害となります。
ですが、示談交渉が必要なのは、そういった物理的損害が生じたケースに限られません。
そもそも示談とは、謝罪や被害弁償などについて被害者と合意を交わし、事件が解決したことを確認するものです。
その内容には、事件により被った物理的損害だけでなく、いわゆる慰謝料のような精神的損害に対する賠償も含まれます。
そのため、脅迫事件においてもやはり示談は必要なものなのです。

脅迫事件は自由な意思決定という個人の利益を害するものなので、被害を受けた個人との示談が大きな効果を持ちます。
もしきちんと示談が締結できれば、検察官が不起訴処分を下したり、裁判官が執行猶予付き判決を下したりする可能性が高くなります。
そうした結果を目指すうえでは、なんと言っても被害者との適切な示談交渉が欠かせません。
ただ、当事者のみで交渉するとなると、被害者と加害者という都合上どうしても困難が付きまといます。
ですので、上手く示談交渉を進めるならやはり弁護士に事件を依頼するのが得策です。
弁護士に依頼した場合、①交渉決裂のリスクが低くなる、②交渉に伴う精神的負担が大きく軽減する、というメリットがあります。
もし脅迫事件などを起こして示談が必要になったら、一度お近くの弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が豊富な知識と経験を武器に示談交渉を行います。
ご家族などが暴力行為等処罰法違反逮捕されたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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暴行罪で示談

2019-06-10

暴行罪で示談

Aさんは、福島県福島市内を走行する電車に乗っていたところ、同じ車両に乗っていたVさんとトラブルになりました。
AさんとVさんは途中で降車し、駅のホームで言い争いになりました。
Vさんは「もういい。時間の無駄だ」と言ってその場を去ろうとしたので、AさんはVさんの顔に向かってつばを吐きかけました。
この件をVさんが警察に相談したことで、Aさんは暴行罪の疑いで福島北警察署の捜査を受けることになりました。
困ったAさんは、弁護士示談を依頼することにしました。
(フィクションです)

【暴行罪について】

他人に「暴行」を加えたものの「傷害」に至らなかった場合、暴行罪が成立する可能性があります。
「傷害」とは人の生理的機能の侵害を指すと考えられており、出血や骨折などの怪我のほか、腹痛、失神、PTSDなども含まれます。
一般的に、暴行という言葉は殴る蹴るといった行為を想像される方が多いかと思います。
ですが、暴行罪における「暴行」とは、不法な有形力・物理力の行使一切を指すとされています。
上記事例では、AさんがVさんの顔に向かってつばを吐きかけています。
このような行為も、不法な有形力・物理力の行使として「暴行」に当たると考えられます。
そうすると、Aさんには暴行罪が成立する可能性が高いです。

暴行罪の法定刑は、①2年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③拘留、④科料のいずれかです。
拘留は1日以上30日未満の拘置、科料は1000円以上1万円未満の金銭の徴収です。
疑われている罪名が暴行罪にとどまっているとすれば、科される刑はいずれも軽いものとなる可能性が高いと言えます。
ただ、上記事例ではおよそ考えられませんが、事案によっては傷害罪殺人未遂罪となって重い刑が科されることもありえない話ではありません。
逆に、もともと傷害罪を疑われていた事案で、暴行と傷害との因果関係があったかどうか疑わしいとして暴行罪に切り替えられることもありえます。
たとえば、被害者が暴行とは無関係の怪我について「暴行のせいだ」と言うというケースが考えられます。

【刑事事件における示談の意味】

刑事事件においては、被害者と示談を行うことが重要だと言われることが多々あります。
示談とは、被害者に対して謝罪や被害弁償などを約束し、事件の当事者間で事件が解決したことを確認する合意のことです。
通常は示談書というかたちで書面化しておき、後で事件が蒸し返されて民事訴訟に至った場合などに備えておきます。
この示談刑事事件においても重要だと言われるのはなぜでしょうか。

刑事事件において、ある事件を起訴するかどうか決めるのは検察官です。
検察官は、ある事件について有罪立証の見込みが高い場合にも、犯人の境遇、犯罪の軽重、犯罪後の情況などを考慮して起訴を見送ることができます(起訴裁量主義)。
このときに考慮される事情の一つが示談の締結です。
示談においては、事件により受けた被害が慰謝料の支払いなどにより補填されたことを確認されます。
そのため、示談が締結されれば、わざわざ国家が積極的に処罰を行う必要もないという考えに結びつきやすくなるのです。

暴行事件においても、侵害されたのは個人の身体ですから、やはりその個人との示談が重要となります。
もし示談が実現すれば、事件が不起訴で終わる可能性を高めることが期待できます。
ただ、警察が介入しているケースというのは、往々にして被害者が加害者を許すことができないと考えている場合です。
ですので、もし示談を行うのであれば、弁護士に事件を依頼してきちんと示談交渉を行ってもらうことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、自身の知識と経験を総動員して示談の実現を目指します。
暴行罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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強制わいせつ罪で保護観察

2019-06-08

強制わいせつ罪で保護観察

高校2年生のAさんは、学校から帰る際に福島県伊達郡にある公園の前を通っていました。
公園からさほど遠くないところには小学校があり、公園は小規模ながらもその小学校の児童の遊び場となっていました。
ある日、Aさんがその公園の前を通りかかったところ、小学校低学年から中学年の女子児童Vさんが1人で遊んでいる姿が目に入りました。
そこで、Aさんは児童に「お医者さんごっこしよう」と声を掛け、児童の服を脱がせて胸や性器を触りました。
その現場を偶然通りかかった警察官が目撃し、Aさんは強制わいせつ罪の疑いで福島警察署川俣分庁舎に逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、弁護士から「処分の見込みとしては保護観察の可能性もある」と説明を受けました。
(フィクションです。)

【強制わいせつ罪について】

強制わいせつ罪は、その名のとおり相手方に対して「わいせつな行為」を行った場合に成立する可能性のある罪です。
裁判例によれば、「わいせつ」とは、「いたずらに性欲を刺激または興奮させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること」を指します。
「わいせつ」と言えるかどうか判断するには、具体的な行為をこの概念に当てはまるか検討する必要があります。
よくある例としては、胸を揉む、膣に指を入れる、無理やりキスをする、といったものが挙げられるかと思います。

強制わいせつ罪が成立するには、わいせつな行為の手段となる暴行または脅迫がなければならないのが原則です。
ただし、相手方が13歳未満の者であれば、例外的にわいせつな行為のみを以て強制わいせつ罪は成立します。
13歳未満の者は、性的意思決定を適切に行う能力が類型的に欠けていると考えられているからです。
上記事例では、AさんがVさんに対し、胸や性器を触るというわいせつな行為に及んでいます。
Aさんは「お医者さんごっこしよう」と声を掛けたに過ぎず、暴行や脅迫を加えたわけではありません。
ですが、Vさんは13歳未満の者に当たることから、先ほど説明したようにわいせつな行為のみを以て強制わいせつ罪が成立すると考えられます。
ちなみに、仮にAさんが性交に及んでいれば、強制わいせつ罪ではなく強制性交等罪となる余地が出てきます。
こちらについても、13歳未満の者が対象であれば暴行・脅迫は要しません。

【少年事件における保護観察】

罪を犯した者が少年(20歳未満の者)である場合、その事件は刑事事件ではなく少年事件となります。
通常の刑事事件では最終的に刑罰が科されるのに対し、少年事件では刑罰ではなく保護処分というものが行われます。
これは、少年の心身共に未成熟であることを考慮し、刑罰による制裁ではなく適切な指導・教育により非行を防止すべきであるという考えに基づきます。

少年に対して行うべき保護処分は、家庭裁判所での調査とそれに続く審判に基づき決定されます。
最終的な処分としては、そもそも審判を行わない審判不開始、審判の結果保護処分を要しないと判断した場合の不処分、何らかの措置を必要と判断した場合の保護処分があります。
保護処分が必要だと判断された場合、①保護観察、②児童養護施設・児童自立支援施設送致、③少年院送致のいずれかが行われます。

保護観察の決定を受けた少年は、保護司や保護観察官と適宜コミュニケーションをとりながら従前と同じように生活することになります。
ですので、保護観察が適しているのは、基本的に保護司や保護観察官の助けさえ借りれば更生が期待できる少年だと言えます。
もし保護観察を目指すのであれば、少年事件に詳しい弁護士に一度相談してみることをおすすめします。
保護観察を目指すうえで押さえるべきポイントを知っておくのは大切ですし、事件を依頼して活動を行ってもらえば保護観察の可能性はいっそう高まるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に強い弁護士が、保護観察を含めて少年ひとりひとりにとって最良の処分を検討します。
お子さんが強制わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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