Archive for the ‘刑事事件’ Category
詐欺罪で逮捕
福島県喜多方市の建築会社Xに勤めるAさんは、上司であるBさんから指示を受け、Vさんに頼んでXに300万円の融資をしてもらいました。
融資を依頼した理由は、Bさん曰く「元請けからの工事代金の入金が遅れている。このままだと材料の仕入代が足りない」というものでした。
これを信じてVさんに融資を頼んだAさんでしたが、後になって実は請け負った工事など存在せず、Bさんの詐欺の片棒を担がされていたことに気づきました。
Vさんからの被害届を受け、喜多方警察署はAさんおよびBさんを詐欺罪の疑いで逮捕しました。
その後、Aさんは詐欺罪で有罪判決を言い渡されたことから、弁護士に控訴を依頼しました。
(フィクションです。)
【詐欺罪について】
刑法
第二百四十六条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
詐欺罪は、他人から金銭などの財産を騙し取った場合に成立する代表的な罪です。
詐欺罪が成立する基本的な流れは、①欺く行為、②それによる相手方の誤信、③誤信した状態での財産の交付というものです。
上記事例では、Bさんの指示を受けたAさんが、元請けからの入金が遅れたことで材料費が不足しているという虚偽の事項を伝えています。
そして、VさんはXが融資を必要としていると誤信し、Xに対して300万円の融資をしています。
そうすると、Aさんの行為は客観的に見て詐欺罪に当たると言えます。
ただ、AさんはBさんが話した融資の必要とする理由を信じており、AさんにVさんを欺くつもりがあったわけではありません。
犯罪の成立を認めるには個々の犯罪について故意が必要なので、Aさんは詐欺罪の故意が否定される結果、詐欺罪が成立しないと考えられます。
ちなみに、こうしたケースでは、事情を知らないAさんを意のままに操ったBさんに詐欺罪が成立する余地があります。
【控訴による判決変更の可能性】
上記事例のAさんは、無罪だと考えられるにもかかわらず、裁判において詐欺罪で有罪判決が言い渡されています。
このように、裁判の判決が求めていたものと異なる場合、控訴によってその内容を覆すことができる場合があります。
控訴とは、ある事件で言い渡された1回目の判決(第一審と言います)に不服がある場合に、その内容の当否を上位の裁判所に判断してもらう手続です。
第一審の判決が言い渡された日の翌日を1日として、14日以内であれば申し立てることができます。
控訴は被告人も検察官も行うことができますが、被告人が行う場合、被告人にとって不利益な変更が行われることはありません。
そのため、第一審より悪い結果になったらどうしようなどと考える必要はなく、安心して控訴の申立てを行うことができます。
刑事事件における控訴は、第一審に見直すべき点がないかを事後的に判断することになっています。
そして、見直すべき点を指摘する義務は控訴を申し立てた当事者にあり、なおかつ見直すべき理由は法律に定められた特定のものでなければなりません。
その例としては、裁判の公開などの裁判の大原則に反している、本来裁判ができない事件の裁判をした、事実の誤認がある、などが挙げられます。
もしその理由に妥当性がなければ、新たな判決が言い渡されることなく控訴審は終了してしまいます(棄却)。
以上に挙げた控訴に関する定めは一部であり、他のものも含めると控訴の手続はかなり複雑なものになっています。
ですが、場合によっては無罪や執行猶予になることもあるため、控訴の有用性は決して見逃すべきではありません。
もし第一審の判決の内容を不服に思ったら、一度控訴について弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が、控訴のご依頼についても自信を持ってお受けできます。
ご家族などが詐欺罪で有罪となり、控訴を望まれているなら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を取り扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
当事務所では、365日24時間体制で無料法律相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。依頼者様のご意向や疑問に真摯に耳を傾け、最良の解決を目指します。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
公然わいせつ罪で逮捕
公然わいせつ罪で逮捕
福島県耶麻郡猪苗代町在住のAさんは、以前から露出癖があり、過去に公然わいせつ罪で罰金刑を受けていました。
ある日、Aさんが自宅近くの公園で全裸になったところ、その様子を何者かに目撃されて通報されました。
Aさんは周囲に人がいないか注意していたため、こちらに向かってくるパトカーのサイレンが目に入って動揺しました。
すぐに近くの茂みに隠れたAさんでしたが、警察官に見つかり公然わいせつ罪の疑いで猪苗代警察署に逮捕されました。
Aさんの両親は、接見に行った弁護士に、前科がもたらす影響について聞いてみました。
(フィクションです)
【公然わいせつ罪について】
刑法第174条
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
公然わいせつ罪は、その名のとおり「公然と」わいせつな行為をした場合に成立する可能性のある罪です。
「公然と」とは、不特定または多数人が認識できる状態にあることを指します。
ポイントとなるのは、実際に不特定または多数人が認識していなくとも、認識することが可能だったのであれば「公然と」の要件を満たすことです。
また、「わいせつな行為」とは、たとえば性器の露出や自慰行為などが挙げられます。
上記事例において、Aさんは全裸になった姿を何者かに目撃されています。
通常、公園という場は広く住民の利用が予定されており、Aさんの行為を不特定または多数人が認識できたと考えられます。
そうすると、仮に目撃者が一人だけだったとしても、Aさんの行為は「公然と」行われたものに当たるでしょう。
そして、全裸になるというのは、下半身の露出を伴うことから「わいせつな行為」に当たると考えて差し支えありません。
そうすると、Aさんには公然わいせつ罪が成立する可能性があります。
ちなみに、公然わいせつ罪として行われた行為が強制わいせつ罪にも当たった場合、これらの罪が両方成立する可能性が出てきます。
ただし、両罪の「わいせつな行為」が必ず一致するとは限らない点に注意が必要です。
たとえば、公の場で無理やりキスをした場合、強制わいせつ罪は成立しても公然わいせつ罪は成立しない可能性が高いです。
これは、社会一般の利益を害するという公然わいせつ罪の性質に基づくものです。
【前科が持つ意味】
「前科」という言葉は、刑法や刑事訴訟法などの法律には出てきません。
前科には複数の意味がありますが、以下では過去に何らかの犯罪で有罪となったことを意味する言葉として用います。
前科の存在自体は、日常生活を送るうえで他人が容易に知ることができるものではありません。
ですが、以下のようなかたちで生活に影響を及ぼすことがあります。
①刑事事件に関して
先ほど説明したように、前科は過去に罪を犯したことを示す事実です。
そのため、前科がある状態で再び刑事事件を起こした場合、反省の色が見られないなどとして処分が重くなるのが一般的です。
特に、執行猶予期間中などの直近で同種(たとえば同じ性犯罪)の前科がついていたとなると、処分の重さは明らかに違ってくることが見込まれます。
上記事例のAさんで言うと、過去の公然わいせつ罪では罰金刑でしたが、今回の公然わいせつ罪では懲役刑となる可能性が高まるでしょう。
②刑事事件以外に関して
前科には刑罰(執行猶予付きのものを含む)が伴うのが通常です。
そのため、一部の資格を取得することができなくなる可能性があります。
たとえば、地方公務員法には、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」が職員になったり選考を受けたりできないと規定されています。
以上のとおり、前科は時に大きな足かせとなることがありえます。
前科がつくのを回避したり、前科の影響を少しでも薄めたりするなら、弁護士に依頼してきちんと対応することが重要になるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、前科がもたらす影響について余すことなくお伝えいたします。
ご家族などが公然わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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痴漢で逮捕
痴漢で逮捕
福島県会津若松市在住のAさんは、市内を走行するバスに乗っていたところ、隣に女子中学生と思しきVさんが座りました。
そこで、Aさんは他の乗客から見えづらいのをいいことに、Vさんのお尻を数分間触り続けました。
他の乗客がVさんの様子に気づき、Aさんは途中で降車されて警察に通報されました。
その後、会津若松警察署の警察官が駆けつけ、Aさんは福島県迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、Vさんと示談をして不起訴を目指すことにしました。
(フィクションです)
【痴漢の罰則】
電車やバスなどで横行して社会問題となったことにより、現在では痴漢という言葉が広く知れ渡るようになりました。
痴漢とは、他人の身体を触るなどのいかがわしい行為を指す言葉として用いられます。
こうした痴漢に対しては、①各都道府県の迷惑防止条例違反または②刑法が定める強制わいせつ罪に当たる可能性があります。
①迷惑防止条例違反の罪
福島県では、他の都道府県と同様、迷惑防止条例が定められています。
福島県迷惑防止条例
第6条 何人も、公共の場所又は公共の乗物における他人に対し、みだりに、著しいしゅう恥心又は不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 着衣等の上から、又は直接他人の身体に触れること。
(2)~(3) 略
迷惑防止条例が定める痴漢の罪というと、一般的にこの規定を指すことになると考えられます。
行為態様としては後述の強制わいせつ罪より軽いものであり、罰則は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(常習は1年以下の懲役または100万円以下の罰金)となっています。
②強制わいせつ罪
痴漢の内容が身体を触る程度にとどまらない場合、上記迷惑防止条例違反ではなく強制わいせつ罪に問われる可能性が出てきます。
強制わいせつ罪は、①相手方の抵抗を困難にする暴行または脅迫と②わいせつな行為を以って成立します。
ただし、相手方が13歳未満の者であれば①の要件は不要となります。
わいせつな行為の例としては、膣や肛門に指を入れる、無理やりキスをする、激しく胸を揉む、といったものが比較的多く見られます。
強制わいせつ罪の罰則は6か月以上10年以下の懲役なので、痴漢の中でもかなり罪が重くなることが見込まれます。
【痴漢事件における示談】
痴漢事件においては、被害者と示談を締結して不起訴を目指すことが重要な活動の一つです。
そのためには示談交渉が不可欠ですが、交渉に当たっては注意すべき点があります。
まず、痴漢のような性犯罪の被害者は、示談交渉を円滑に行うのが困難な場合が多々あります。
被害者としては恐怖や怒りを覚えるのが通常であり、関わりたくないから交渉の一切を拒絶すると言われることも珍しくありません。
特に、上記事例のように被害者が未成年であれば、交渉の相手方が保護者となるためいっそう示談交渉をしづらくなります。
また、仮に示談交渉に着手できたとしても、足元を見られて過度に高い示談金を請求されることがあります。
相手方の心情からすれば無理もないかもしれませんが、それでもやはり線引きというものはあります。
以上のような難点は、弁護士が介入することで打破できる可能性が高いと言えます。
示談できれば不起訴になる可能性はぐっと高まるので、痴漢をしてしまったらすぐに弁護士に相談してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、一日でも早い示談の締結に向けて迅速に弁護活動を行います。
ご家族などが痴漢の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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公務執行妨害罪で逮捕
公務執行妨害罪で逮捕
Aさんは、福島県田村郡内を自転車で走行していたところ、田村警察署の警察官に呼び止められました。
自転車の防犯登録を確認したいとのことでしたが、先を急いでいたAさんはその申し出を断りました。
すると、警察官は応援を呼んだうえで「従わないと警察署で話を聞くことになる」などと言ってきました。
Aさんはこの発言を腹立たしく思い、警察官を無理やり押しのけて自転車を漕ごうとしました。
これにより、Aさんは公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたことから、弁護士が接見を行いました。
その際、弁護士はAさんに贖罪寄付について説明しました。
(フィクションです。)
【公務執行妨害罪について】
公務執行妨害罪は、公務員が職務を執行するに際して、その公務員に暴行または脅迫を加えた場合に成立する可能性がある罪です。
暴行・脅迫というと公務員の心身の安全を図っているように思えますが、主な保護の対象は公務の円滑な遂行です。
そのため、暴行罪や脅迫罪が成立するような暴行・脅迫に至らずとも、公務執行妨害罪には当たる可能性があります。
裁判例では、警察官が押収した証拠物を損壊した場合に公務執行妨害罪の成立を認めたものがあります。
ここでの暴行は身体ではなく物に向けられたものですが、公務への悪影響に鑑みて「暴行」に当たると評価されたと考えられます。
ちなみに、条文には明記されていませんが、公務執行妨害罪の成立には公務の適法性が必要だと考えられています。
これは、違法な公務は保護に値しないという価値観に基づくものです。
ですので、違法な公務が行われるに際して暴行または脅迫を加えた場合、公務執行妨害罪の成立は否定される余地があります。
典型例としては、令状を所持していないにもかかわらず、捜査機関が捜索などの強制捜査を行うケースが挙げられます。
【贖罪寄付の意義】
公務執行妨害罪の法定刑は、①3年以下の懲役、②3年以下の禁錮(労役はありません)、③50万円以下の罰金のいずれかです。
この程度であれば示談により不起訴を狙えるように思えますが、実際のところそうとも限らない点に注意が必要です。
先ほど説明したように、刑法が公務執行妨害罪を通して保護しているのは、公務員の安全ではなく公務の円滑な遂行です。
この場合、犯罪の被害者は社会全体と考えられ、特定の個人と示談をしても被害の補填がなされたとは見られないのです。
そこで、被疑者・被告人に有利な事情の一つとして、贖罪寄付というものが考えられます。
贖罪寄付とは、その名のとおり、罪を犯したことに対する反省から行う寄付のことです。
日本司法支援センター(法テラス)や都道府県弁護士会などが受け付けており、犯罪被害者の救済などの公的な目的で使用されます。
贖罪寄付がよく行われる事件は、薬物事犯をはじめとする「被害者なき犯罪」を犯したり、被害者が金銭の受領を固く拒んでいたりするケースです。
贖罪寄付も反省を示す一事情に当たるため、処分の決定に当たり被疑者・被告人に有利な事情として斟酌される可能性が高いです。
被害者と直接行う示談に比べれば効力は薄まりますが、それでも公務執行妨害事件などで一定の効果は見込めるでしょう。
弁護士に事件を依頼すれば贖罪寄付の手続もスムーズですので、お困りであればぜひ弁護士に相談してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロを名乗る弁護士が、贖罪寄付をはじめとして依頼者様に有利な弁護活動を徹底的に行います。
ご家族などが公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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強盗罪で逮捕
強盗罪で逮捕
Aさんは、福島県東白川郡内のスーパーマーケットに行き、商品数点(被害総額約2000円)を自身のトートバッグに入れました。
そして、会計をせずに店を出ようとしたところ、警備員のVさんに「鞄の中見せてもらえますか」と声を掛けられました。
AさんはVさんに身体を掴まれたことから、手足をばたつかせるなどして一度Vさんを振りほどいてすぐに逃走を図りました。
ですが、少し走ったところで買い物客数人に足止めをされ、やがて駆けつけた警察官により事後強盗罪の疑いで逮捕されました。
棚倉警察署でAさんと接見した弁護士は、示談を行って不起訴を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【事後強盗罪について】
事後強盗罪とは、その名のとおり事後的に強盗罪のような状況が生じた場合に成立する可能性のある罪です。
通常の強盗罪は、暴行または脅迫により相手方の反抗を抑圧し、その機会に乗じて財産を奪取するものです。
これに対し、事後強盗罪は、窃盗犯が一定の目的で相手方に暴行または脅迫を加えることで成立します。
一定の目的とは、①逮捕を免れること、②盗んだ物が取り返されるのを防ぐこと、③犯罪の痕跡を隠滅すること、のいずれかです。
窃盗とは無関係に他人を傷つけようとした場合には、これらのいずれにも当たらないため事後強盗罪には当たりません。
ただし、そうした目的は外部から読み取れないため、事後強盗罪の疑いで捜査が進むことはありえます。
刑法238条を見てみると、事後強盗罪は「強盗として論ずる」とされています。
その意味は、法定刑や他の罪との関係が事後強盗罪と同様になるということだと考えられています。
つまり、事後強盗罪の法定刑は強盗罪と同様5年以上の懲役であり、死傷が伴えば強盗致死傷罪が成立する余地が出てきます。
あらかじめ強盗に及ぶつもりはなくとも、窃盗の発覚に動揺してつい暴行や脅迫に及んでしまうことは十分考えられるところです。
そうしたケースでも強盗と同列に語られてしまう危険がある以上、事後強盗罪は注意すべき罪だと言えるでしょう。
【不起訴の概要】
先ほど説明したように、事後強盗罪という罪自体は決して軽いものではなく、裁判になって懲役刑が科される可能性も否定できません。
とはいえ、刑事事件も罪名のみで事件の軽重と妥当な処分を決めているわけではありません。
具体的にどの程度の重さなのかという点は、事後強盗罪で言えば被害額の多寡や暴行・脅迫の危険性などにより大きく変わってくるかと思います。
ですので、示談をはじめとする弁護活動が奏功すれば、事案によっては不起訴になることもありうるでしょう。
ある刑事事件について裁判を行うかどうかの決定権は、基本的に犯罪の訴追を担う検察官にあります。
検察官は、裁判における有罪立証の見込みや、有罪判決となることで被疑者が被る不利益などを考慮し、起訴か不起訴かの判断を下すことになります。
不起訴となった事件は直ちに終了し、よほど事情が変わらない限り有罪として処罰を受けることはなくなります。
検察官は有罪立証の見込みが高い場合にも不起訴処分を下せますが、それに際しては事件の内容や事件後の事情を考慮するのが通常です。
事後強盗罪で言うと、犯行が単純で比較的軽微なこと、被疑者が真摯に反省していること、示談などにより被害者の処罰感情が薄れたこと、などが不起訴の可能性を高める要素になるかと思います。
不起訴の可能性を少しでも高めるなら、弁護士に事件を依頼して最善を尽くしてもらうのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、不起訴にしてほしいというご要望に可能な限りお答えします。
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傷害罪で逮捕
傷害罪で逮捕
大学生のAさん(21歳)は、友人との飲み会を終えて福島県石川郡を歩いていたところ、前から歩いてきたVさんと肩がぶつかってしまいました。
Vさんは「おい」と言ってにらんできたため、Aさんは酒に酔っていたのもあって「なんすか?」と聞き返しました。
やがて二人は口論になり、Aさんは友人の制止も気に留めずVさんの顔面を数発殴打しました。
これによりVさんは全治3週間の怪我を負い、Aさんは傷害罪の疑いで石川警察署に逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、すぐに弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)
【傷害罪について】
暴行などにより人の身体を「傷害」した場合、傷害罪が成立する可能性があります。
ここで言う「傷害」とは、人の生理的機能の侵害を指すと考えられています。
つまり、殴る蹴るといった行為により受けた外傷のみならず、様々な心身の不調が「傷害」に当たると判断される可能性があるということです。
裁判例では、睡眠薬により長時間の意識障害を生じたケースや、性器を接触させて性病に罹患させたケースで傷害罪の成立を認めたものがあります。
ただし、傷害が故意(簡単に言えばわざとやったこと)によるものでなければ、傷害罪ではなく過失傷害罪が問題となります。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
刑法上、懲役刑の下限は1か月、罰金刑の下限は1万円です。
そのため、裁判において傷害罪で有罪となった場合、刑の選択の幅はかなり広くなることが予想されます。
とはいえ、刑の軽重というのは傷害の程度に大きく左右されるので、被害者の怪我などが全治までどの程度掛かるかで一応の予測を立てることができます。
もし刑の見込みを知りたいとお考えなら、一度お近くの弁護士にお尋ねください。
特に刑事事件の経験豊富な弁護士であれば、量刑について妥当な範囲の予測を立てたうえで、的確な弁護活動の方針を示すことができるでしょう。
【初回接見の意味】
刑事事件においては、逮捕中の被疑者・被告人と行う面会のことを接見と言います。
警察署によっては、家族など弁護士以外の者が行う面会を一般接見、弁護士が行う面会を弁護士接見と呼ぶこともあります。
弊所でご案内している初回接見は、弊所の弁護士が行う1回目の面会のことです。
弁護士にとっての「初回」なので、既に別の弁護士が接見を行っていたり、事件を別の弁護士に依頼したりしている場合にもご利用いただけます。
この初回接見には、被疑者・被告人本人、家族など周囲の者、そして弁護士のいずれにとっても重要な意味があります。
まず、被疑者・被告人は、弁護士から事件の流れや捜査への対処法などを聞くことができます。
多くの方にとって刑事事件というのは馴染みのないものでしょうから、初回接見で不安を解消すれば安心感を得ることができます。
次に、周囲の者は、弁護士を通して被疑者・被告人と自由に言葉を交わすことができます。
一般面会では立会人の警察官などが話を遮ることもあるので、あらゆることを話せるというのは初回接見の大きなメリットです。
最後に、弁護士は、初回接見で直接聞いた話に基づき弁護活動の方針を立てることができます。
刑事事件は起こりうることを予測して緻密なスケジュールを立てることが求められるので、その出発点となる初回接見は弁護士にとってもやはり重要です。
以上のように初回接見は非常に有益であるため、逮捕の知らせを受けたら一分一秒でも早く弁護士にご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、最短でお申込みの直後、遅くともお申込みから24時間以内に初回接見を行います。
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脅迫罪で逮捕
脅迫罪で逮捕
Aさんは、かつて福島県白河市在住のBさんと交際していましたが、性格の不一致から交際を解消することになりました。
しかし、AさんはBさんに対して未練があり、たびたびBさんに対して連絡をしていました。
それからしばらくして、AさんはBさんから「Vと結婚することになった」という連絡を受けました。
VさんはAさんの学生時代の友人だったことから、AさんはVさんが交際の事実などを伏せていたことに対して怒りを覚えました。
そこで、AさんはVさんに対して「幸せなままでいられると思うなよ」などと書いた手紙とともに包丁を匿名で送りつけました。
後日、Aさんは脅迫罪の疑いで白河警察署に逮捕されたことから、弁護士が勾留阻止を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【脅迫罪について】
脅迫罪は、他人に対して、生命、身体、名誉、財産に害を与える旨の脅迫を行った場合に成立する可能性のある罪です。
脅迫の内容は、脅迫の相手方となる者の生命等に害を与える旨のほか、脅迫の相手方となる者の親族の生命等に害を与える旨であっても構いません。
そのため、たとえば特定の者に対して「お前の娘を誘拐する」といった脅迫を行った場合、その特定の者に対する脅迫罪が成立すると考えられます。
脅迫罪における「脅迫」とは、人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知と考えられています。
この程度の判断は客観的に行うため、「一般人であれば畏怖するものの被害者はたまたま畏怖しなかった」という場合にも脅迫罪の成立は肯定されます。
上記事例では、AさんがVさんに対して「幸せになれると思うなよ」などと記した手紙とともに包丁を送りつけています。
このような行為は、一般人にとって自身の生命や身体が侵害されるのではないかと畏怖するようなものと評価できます。
そうすると、Aさんには脅迫罪が成立し、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
【勾留阻止による釈放の可能性】
刑事事件では、逮捕・勾留による身柄拘束が行われる事件とそうでない事件の両方があります。
身柄拘束を伴う事件は、①逮捕→②48時間以内に検察庁送致→③身柄受理後24時間以内に勾留請求→④勾留決定というのが主な流れです。
勾留決定が行われた場合、その後10日から20日もの間拘束が続き、更にその期間で起訴されれば拘束が最低2か月は延長します。
そこで、特に比較的軽い事件については、上記④までに弁護活動を行って勾留阻止による釈放を実現することが考えられます。
上記③④の流れをもう少し詳しく説明すると、検察官が長期の身柄拘束を必要とすれば勾留請求をし、裁判所がその妥当性を認めれば勾留決定をすることになります。
このタイミングにおいては、弁護士などが被疑者側の事情を伝えない限り、被疑者に有利な事情が乏しいまま判断が下されてしまいます。
そのため、ここでの弁護士の役割は、被疑者に有利な事情を提供して裁判官の公正中立な判断を促すということになります。
逮捕に引き続いて勾留が必要な理由は、被疑者の身柄の確保と証拠の収集活動に集中すべく、被疑者の逃亡と証拠隠滅を防止するためです。
ただし、勾留は国家が被疑者の身動きを封じる点で重大なものであるため、被疑者の不利益も当然考慮される必要があります。
ですので、勾留阻止を実現するためには、①逃亡および証拠隠滅の可能性が低いこと、②勾留により被疑者が大きな不利益を受けることの2点を主張する必要があります。
①に関する事情としては家族などの監督が、②に関する事情としては仕事や学校などに行けないことが代表的です。
もし勾留阻止の実現を目指すなら、ぜひ一度弁護士に相談してみてください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、勾留阻止による釈放を目指して尽力いたします。
ご家族などが脅迫罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を取り扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
当事務所では、365日24時間体制で無料法律相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。依頼者様のご意向や疑問に真摯に耳を傾け、最良の解決を目指します。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
口座売買で逮捕されるか
口座売買で逮捕されるか
大学生のAさんは、友人との飲み会で使うお金が足りなくなったため、インターネットで高収入のアルバイトを探していました。
そうしたところ、「簡単で高収入!」と書かれたアルバイトを見つけ、早速記載されていた連絡先に電話しました。
電話に出た男性Bさんは、「預金口座を作成して通帳とキャッシュカードを送ってほしい」と言ってきたため、Aさんは指示どおりに行いました。
それから数日後、須賀川警察署からAさんのもとに「口座売買をしていないか。犯罪なので署まで来てほしい」と電話がありました。
Aさんは逮捕されるのではないかと思い、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
【口座売買も犯罪に】
口座売買とは、その名のとおり銀行などの口座を売買する行為を指します。
具体的には、口座を利用するのに必要な通帳やキャッシュカードを渡すという方法がとられています。
こうした口座売買については、「犯罪収益の移転防止に関する法律」(犯罪収益移転防止法)に禁止の旨と違反した場合の罰則が定められています。
犯罪収益移転防止法は、他人になりすまして預貯金契約に関するサービスを受ける目的で、預金通帳やキャッシュカードといった口座の利用に物を譲り受けるのを禁止しています。
それと併せて、上記目的を持つ相手方に対して、そうした目的があることを知りながら預金通帳等を譲り渡すことも禁止しています。
上記事例では、AさんがBさんに対してキャッシュカードと預金通帳を渡しています。
そうすると、Aさんの行為は口座売買に当たり、①1年以下の懲役、②100万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。
更に、こうした行為を繰り返すと、罰則が①3年以下の懲役、②500万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかになる可能性が出てきます。
また、Aさんが銀行で口座を開設する行為について、銀行に対する詐欺罪が成立する可能性もあります。
金融機関としては、当然ながら口座売買が禁止されていることを把握しており、申込者に対してそうした目的でないことを確認していると考えられます。
そして、銀行が口座開設に当たって交付するキャッシュカードなども、口座を利用できる点で価値のある財物だと言えます。
以上から、Aさんは銀行を欺いて財物の交付を受けたとして詐欺罪が成立し、10年以下の懲役が科される余地が出てくるのです。
【逮捕とは何か】
刑事事件を起こすと、誰しも逮捕という言葉が一度は頭をよぎるのではないかと思います。
そんな不安を少しでも解消するために、以下では逮捕がどういうものなのか見ていきます。
まず、逮捕とは、被疑者の身柄を拘束して捜査を円滑に進めるために行われる手続です。
身体拘束という点で刑罰のような印象を受けるかもしれませんが、飽くまでも目的は逃亡と証拠隠滅の防止です。
ですので、捜査機関が逮捕するかどうかも、基本的には逃亡や証拠隠滅を図る可能性が高いかどうかを重要な指標にして決めていると考えられます。
結局のところ逮捕するかどうかは捜査機関次第なので、こちらからは不明瞭なことも多いです。
一般的には、重大な事件(たとえば刑が重い、犯行が巧妙)であればあるほど、逃亡や証拠隠滅のおそれも大きいとして逮捕の可能性が高くなります。
口座売買の売主側であれば、さして重大でないとして逮捕の可能性は低いことが多いでしょう。
先述のとおり逮捕は身体拘束を行うものですが、その期限は最長でも72時間と比較的短く、更に拘束を続ける場合は勾留という別個の手続による必要があります。
そのため、仮に逮捕されたとしても、勾留を阻止して拘束を短期にとどめるための弁護活動が可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、個々の事件に合わせて逮捕の可能性や逮捕後の弁護活動を説明します。
口座売買を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

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脅迫事件で示談
脅迫事件で示談
Aさんは、福島県郡山市内で車を運転していたところ、後ろから猛スピードでVさんが追い越しをしました。
そこで、信号待ちの際にVさんの車に駆け寄り、「危ないだろ。今何キロ出してたんだ」と怒鳴りました。
Vさんは反省するどころか舌打ちをしたため、Aさんは懐に隠していたサバイバルナイフを突きつけ「痛い目見たいんか」と言いました。
この現場を郡山北警察署の警察官が目撃したため、Aさんは暴力的行為等処罰法違反の疑いで逮捕されました。
事件を依頼された弁護士は、すぐに被害者との示談交渉に着手しました。
(上記事例はフィクションです)
【暴力行為等処罰法について】
暴力行為等処罰法(正式名称:暴力行為等処罰に関する法律)は、暴行や脅迫などの暴力行為のうち、一部の悪質なものを特に重く処罰する法律です。
暴力行為にはいくつか種類があるのですが、今回は脅迫について説明します。
まず、暴力行為等処罰法が規定する脅迫は、以下のような態様のものです。
①「団体若(もしく)ハ多数ノ威力ヲ示シ」たこと
②「団体若ハ多数ヲ仮装シテ威力ヲ示シ」たこと
③「兇器ヲ示シ」たこと
④「数人共同シ」たこと
①および②については、たとえば暴力団の存在を仄めかしての脅迫が想定されていると考えられます。
上記事例では、AさんがVさんにサバイバルナイフを示したうえで「痛い目見たいんか」と発言しています。
まず、Aさんの発言は、客観的に見て他人を畏怖させるに足りるとして「脅迫」に当たると考えられます。
加えて、サバイバルナイフは「兇器」と考えて差し支えないでしょう。
そうすると、Aさんの暴力行為等処罰法1条に違反し、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
刑法が定める脅迫罪の法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金であるため、やはり暴力行為等処罰法違反の脅迫の方が重いです。
【脅迫事件における示談交渉】
たとえば傷害罪や器物損壊罪を犯した場合、被害者の治療費や壊れた物の修理費といったお金が損害となります。
ですが、示談交渉が必要なのは、そういった物理的損害が生じたケースに限られません。
そもそも示談とは、謝罪や被害弁償などについて被害者と合意を交わし、事件が解決したことを確認するものです。
その内容には、事件により被った物理的損害だけでなく、いわゆる慰謝料のような精神的損害に対する賠償も含まれます。
そのため、脅迫事件においてもやはり示談は必要なものなのです。
脅迫事件は自由な意思決定という個人の利益を害するものなので、被害を受けた個人との示談が大きな効果を持ちます。
もしきちんと示談が締結できれば、検察官が不起訴処分を下したり、裁判官が執行猶予付き判決を下したりする可能性が高くなります。
そうした結果を目指すうえでは、なんと言っても被害者との適切な示談交渉が欠かせません。
ただ、当事者のみで交渉するとなると、被害者と加害者という都合上どうしても困難が付きまといます。
ですので、上手く示談交渉を進めるならやはり弁護士に事件を依頼するのが得策です。
弁護士に依頼した場合、①交渉決裂のリスクが低くなる、②交渉に伴う精神的負担が大きく軽減する、というメリットがあります。
もし脅迫事件などを起こして示談が必要になったら、一度お近くの弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が豊富な知識と経験を武器に示談交渉を行います。
ご家族などが暴力行為等処罰法違反で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を取り扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
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爆破予告で逮捕
爆破予告で逮捕
福島県郡山市のX高校に通うAさん(16歳)は、高校の成績があまり良くなく、両親から「これ以上成績を落としたら塾に行かせる」と言われていました。
期末試験の前日、Aさんは勉強が間に合わないことを悟り、爆破予告をして試験の延期を狙うことにしました。
そして、X高校のポストに「明日この学校を爆破する。休校にしなければ多くの生徒が危険にさらされるだろう」と書いた手紙を投函しました。
その翌日、X高校は休校となり、学校側の判断で郡山警察署が介入する事態となりました。
その後、Aさんは威力業務妨害罪の疑いで逮捕されたため、両親の依頼で弁護士が接見を行いました。
(フィクションです。)
【爆破予告は何罪に当たるか】
ニュースを見ていると、学校や駅などの場所に爆弾を仕掛けるなどと予告して逮捕されたという事件が時々見られるかと思います。
こうした爆破予告は、たとえ実際にその気がなかったとしても業務妨害罪に当たるおそれがあります。
業務妨害罪は、①虚偽の風説の流布、②偽計、③威力のいずれかを用いて、他人の業務を妨害した場合に成立する可能性のある罪です。
①は真実に反する噂や情報を流すこと、②は嘘をついたり勘違いや不知を利用したりすることを指し、これらによる業務妨害は偽計業務妨害罪と呼ばれます。
それに対し、③による業務妨害は威力業務妨害罪と呼ばれます。
ここで言う「威力」とは、暴行や脅迫よりも広い概念であり、相手方の意思を制圧するに足りる勢力を示すことと考えられています。
また、条文では「業務を妨害した」とされていますが、その危険さえあれば実際に妨げられたかどうかは問わないと考えられています。
つまり、円滑な業務が妨げられるような偽計または威力があれば、業務の停滞や売上の減少といった結果が生じなくとも業務妨害罪に当たる可能性があります。
上記事例のような爆破予告は、爆弾を仕掛ける旨の偽計あるいは人の身体や財産の安全を脅かす威力と言うことができます。
そして、その内容からして人の業務を妨害する危険が認められるため、偽計業務妨害罪または威力業務妨害罪に当たると考えられます。
ちなみに、実務上は威力業務妨害罪として捜査をされることが多いようです。
【少年事件における逮捕・勾留】
上記事例のAさんは20歳未満の者であるため、通常の刑事事件ではなく少年事件として手続が進められることが予想されます。
その場合、成人と異なり刑罰は科されませんが、捜査のための身柄拘束である逮捕・勾留は通常どおり行われる可能性があります。
少年事件に関しては、少年法により勾留が「やむを得ない場合」にしか許されないと定められています。
逮捕の期限が2~3日であるのに対し、勾留の期限は10日以上と長期にわたります。
このことから、勾留は心身が未成熟な少年にとって悪影響が強く、安易な勾留は控えなければならないとされているのです。
ただ、残念ながら実務上その規定が遵守されているかどうかは微妙なところです。
ですので、少年が逮捕された場合には、安易に勾留を行わないよう捜査機関や裁判所にきちんと注意喚起を行う必要があります。
具体的には、勾留が行われる前に検察官や裁判官と面談を行ったり、勾留決定が下った後で裁判官の判断の当否を争ったりすることが考えられます。
こうした手続を難なく行えるのが弁護士の強みなので、勾留の危機を感じたらぜひ弁護士に依頼してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件専門の弁護士が、お子さんの勾留阻止を目指して真摯に弁護活動を行います。
お子さんが爆破予告をして逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

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福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
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