Archive for the ‘刑事事件’ Category
口座売買で逮捕されるか
口座売買で逮捕されるか
大学生のAさんは、友人との飲み会で使うお金が足りなくなったため、インターネットで高収入のアルバイトを探していました。
そうしたところ、「簡単で高収入!」と書かれたアルバイトを見つけ、早速記載されていた連絡先に電話しました。
電話に出た男性Bさんは、「預金口座を作成して通帳とキャッシュカードを送ってほしい」と言ってきたため、Aさんは指示どおりに行いました。
それから数日後、須賀川警察署からAさんのもとに「口座売買をしていないか。犯罪なので署まで来てほしい」と電話がありました。
Aさんは逮捕されるのではないかと思い、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
【口座売買も犯罪に】
口座売買とは、その名のとおり銀行などの口座を売買する行為を指します。
具体的には、口座を利用するのに必要な通帳やキャッシュカードを渡すという方法がとられています。
こうした口座売買については、「犯罪収益の移転防止に関する法律」(犯罪収益移転防止法)に禁止の旨と違反した場合の罰則が定められています。
犯罪収益移転防止法は、他人になりすまして預貯金契約に関するサービスを受ける目的で、預金通帳やキャッシュカードといった口座の利用に物を譲り受けるのを禁止しています。
それと併せて、上記目的を持つ相手方に対して、そうした目的があることを知りながら預金通帳等を譲り渡すことも禁止しています。
上記事例では、AさんがBさんに対してキャッシュカードと預金通帳を渡しています。
そうすると、Aさんの行為は口座売買に当たり、①1年以下の懲役、②100万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。
更に、こうした行為を繰り返すと、罰則が①3年以下の懲役、②500万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかになる可能性が出てきます。
また、Aさんが銀行で口座を開設する行為について、銀行に対する詐欺罪が成立する可能性もあります。
金融機関としては、当然ながら口座売買が禁止されていることを把握しており、申込者に対してそうした目的でないことを確認していると考えられます。
そして、銀行が口座開設に当たって交付するキャッシュカードなども、口座を利用できる点で価値のある財物だと言えます。
以上から、Aさんは銀行を欺いて財物の交付を受けたとして詐欺罪が成立し、10年以下の懲役が科される余地が出てくるのです。
【逮捕とは何か】
刑事事件を起こすと、誰しも逮捕という言葉が一度は頭をよぎるのではないかと思います。
そんな不安を少しでも解消するために、以下では逮捕がどういうものなのか見ていきます。
まず、逮捕とは、被疑者の身柄を拘束して捜査を円滑に進めるために行われる手続です。
身体拘束という点で刑罰のような印象を受けるかもしれませんが、飽くまでも目的は逃亡と証拠隠滅の防止です。
ですので、捜査機関が逮捕するかどうかも、基本的には逃亡や証拠隠滅を図る可能性が高いかどうかを重要な指標にして決めていると考えられます。
結局のところ逮捕するかどうかは捜査機関次第なので、こちらからは不明瞭なことも多いです。
一般的には、重大な事件(たとえば刑が重い、犯行が巧妙)であればあるほど、逃亡や証拠隠滅のおそれも大きいとして逮捕の可能性が高くなります。
口座売買の売主側であれば、さして重大でないとして逮捕の可能性は低いことが多いでしょう。
先述のとおり逮捕は身体拘束を行うものですが、その期限は最長でも72時間と比較的短く、更に拘束を続ける場合は勾留という別個の手続による必要があります。
そのため、仮に逮捕されたとしても、勾留を阻止して拘束を短期にとどめるための弁護活動が可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、個々の事件に合わせて逮捕の可能性や逮捕後の弁護活動を説明します。
口座売買を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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脅迫事件で示談
脅迫事件で示談
Aさんは、福島県郡山市内で車を運転していたところ、後ろから猛スピードでVさんが追い越しをしました。
そこで、信号待ちの際にVさんの車に駆け寄り、「危ないだろ。今何キロ出してたんだ」と怒鳴りました。
Vさんは反省するどころか舌打ちをしたため、Aさんは懐に隠していたサバイバルナイフを突きつけ「痛い目見たいんか」と言いました。
この現場を郡山北警察署の警察官が目撃したため、Aさんは暴力的行為等処罰法違反の疑いで逮捕されました。
事件を依頼された弁護士は、すぐに被害者との示談交渉に着手しました。
(上記事例はフィクションです)
【暴力行為等処罰法について】
暴力行為等処罰法(正式名称:暴力行為等処罰に関する法律)は、暴行や脅迫などの暴力行為のうち、一部の悪質なものを特に重く処罰する法律です。
暴力行為にはいくつか種類があるのですが、今回は脅迫について説明します。
まず、暴力行為等処罰法が規定する脅迫は、以下のような態様のものです。
①「団体若(もしく)ハ多数ノ威力ヲ示シ」たこと
②「団体若ハ多数ヲ仮装シテ威力ヲ示シ」たこと
③「兇器ヲ示シ」たこと
④「数人共同シ」たこと
①および②については、たとえば暴力団の存在を仄めかしての脅迫が想定されていると考えられます。
上記事例では、AさんがVさんにサバイバルナイフを示したうえで「痛い目見たいんか」と発言しています。
まず、Aさんの発言は、客観的に見て他人を畏怖させるに足りるとして「脅迫」に当たると考えられます。
加えて、サバイバルナイフは「兇器」と考えて差し支えないでしょう。
そうすると、Aさんの暴力行為等処罰法1条に違反し、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
刑法が定める脅迫罪の法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金であるため、やはり暴力行為等処罰法違反の脅迫の方が重いです。
【脅迫事件における示談交渉】
たとえば傷害罪や器物損壊罪を犯した場合、被害者の治療費や壊れた物の修理費といったお金が損害となります。
ですが、示談交渉が必要なのは、そういった物理的損害が生じたケースに限られません。
そもそも示談とは、謝罪や被害弁償などについて被害者と合意を交わし、事件が解決したことを確認するものです。
その内容には、事件により被った物理的損害だけでなく、いわゆる慰謝料のような精神的損害に対する賠償も含まれます。
そのため、脅迫事件においてもやはり示談は必要なものなのです。
脅迫事件は自由な意思決定という個人の利益を害するものなので、被害を受けた個人との示談が大きな効果を持ちます。
もしきちんと示談が締結できれば、検察官が不起訴処分を下したり、裁判官が執行猶予付き判決を下したりする可能性が高くなります。
そうした結果を目指すうえでは、なんと言っても被害者との適切な示談交渉が欠かせません。
ただ、当事者のみで交渉するとなると、被害者と加害者という都合上どうしても困難が付きまといます。
ですので、上手く示談交渉を進めるならやはり弁護士に事件を依頼するのが得策です。
弁護士に依頼した場合、①交渉決裂のリスクが低くなる、②交渉に伴う精神的負担が大きく軽減する、というメリットがあります。
もし脅迫事件などを起こして示談が必要になったら、一度お近くの弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が豊富な知識と経験を武器に示談交渉を行います。
ご家族などが暴力行為等処罰法違反で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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爆破予告で逮捕
爆破予告で逮捕
福島県郡山市のX高校に通うAさん(16歳)は、高校の成績があまり良くなく、両親から「これ以上成績を落としたら塾に行かせる」と言われていました。
期末試験の前日、Aさんは勉強が間に合わないことを悟り、爆破予告をして試験の延期を狙うことにしました。
そして、X高校のポストに「明日この学校を爆破する。休校にしなければ多くの生徒が危険にさらされるだろう」と書いた手紙を投函しました。
その翌日、X高校は休校となり、学校側の判断で郡山警察署が介入する事態となりました。
その後、Aさんは威力業務妨害罪の疑いで逮捕されたため、両親の依頼で弁護士が接見を行いました。
(フィクションです。)
【爆破予告は何罪に当たるか】
ニュースを見ていると、学校や駅などの場所に爆弾を仕掛けるなどと予告して逮捕されたという事件が時々見られるかと思います。
こうした爆破予告は、たとえ実際にその気がなかったとしても業務妨害罪に当たるおそれがあります。
業務妨害罪は、①虚偽の風説の流布、②偽計、③威力のいずれかを用いて、他人の業務を妨害した場合に成立する可能性のある罪です。
①は真実に反する噂や情報を流すこと、②は嘘をついたり勘違いや不知を利用したりすることを指し、これらによる業務妨害は偽計業務妨害罪と呼ばれます。
それに対し、③による業務妨害は威力業務妨害罪と呼ばれます。
ここで言う「威力」とは、暴行や脅迫よりも広い概念であり、相手方の意思を制圧するに足りる勢力を示すことと考えられています。
また、条文では「業務を妨害した」とされていますが、その危険さえあれば実際に妨げられたかどうかは問わないと考えられています。
つまり、円滑な業務が妨げられるような偽計または威力があれば、業務の停滞や売上の減少といった結果が生じなくとも業務妨害罪に当たる可能性があります。
上記事例のような爆破予告は、爆弾を仕掛ける旨の偽計あるいは人の身体や財産の安全を脅かす威力と言うことができます。
そして、その内容からして人の業務を妨害する危険が認められるため、偽計業務妨害罪または威力業務妨害罪に当たると考えられます。
ちなみに、実務上は威力業務妨害罪として捜査をされることが多いようです。
【少年事件における逮捕・勾留】
上記事例のAさんは20歳未満の者であるため、通常の刑事事件ではなく少年事件として手続が進められることが予想されます。
その場合、成人と異なり刑罰は科されませんが、捜査のための身柄拘束である逮捕・勾留は通常どおり行われる可能性があります。
少年事件に関しては、少年法により勾留が「やむを得ない場合」にしか許されないと定められています。
逮捕の期限が2~3日であるのに対し、勾留の期限は10日以上と長期にわたります。
このことから、勾留は心身が未成熟な少年にとって悪影響が強く、安易な勾留は控えなければならないとされているのです。
ただ、残念ながら実務上その規定が遵守されているかどうかは微妙なところです。
ですので、少年が逮捕された場合には、安易に勾留を行わないよう捜査機関や裁判所にきちんと注意喚起を行う必要があります。
具体的には、勾留が行われる前に検察官や裁判官と面談を行ったり、勾留決定が下った後で裁判官の判断の当否を争ったりすることが考えられます。
こうした手続を難なく行えるのが弁護士の強みなので、勾留の危機を感じたらぜひ弁護士に依頼してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件専門の弁護士が、お子さんの勾留阻止を目指して真摯に弁護活動を行います。
お子さんが爆破予告をして逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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風営法違反(無許可営業)で初回接見
風営法違反(無許可営業)で初回接見
Aさんは、福島県二本松市にあるマンションの一室において、ファッションヘルスを営んでいました。
Aさんの店の周辺には他に風俗店が存在せず、それなりの利益が出ると踏んでその場所で営業を行うことにしたという経緯がありました。
ただ、営業に際していわゆる風営法上の営業許可は取得しておらず、無許可営業を行っている状態でした。
ある日、二本松警察署は、白子町で違法風俗店が存在するという情報を掴んで捜査を開始しました。
そして、Aさんの無許可営業の事実を突き止め、Aさんを風営法違反(無許可営業)の疑いで逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの母親は、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)
【風営法における無許可営業について】
日本国民は、公共の福祉に反しない限り、職業選択および営業の自由を有するとされています。
こうした自由を制約する代表的な規制の一つとして、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(通称:風営法)による規制が挙げられます。
この法律は、社会に悪影響を与えるおそれのある一部の営業活動を「風俗営業」とし、その営業に際して種々の規定を設けています。
ちなみに、一般的に「風俗」と言うと性風俗を指すかと思いますが、「風俗営業」はそれだけにとどまりません。
たとえば、パチンコ店やスナックなども「風俗営業」とされています。
風営法は、風俗営業を行うに当たり、各都道府県の公安委員会から営業許可を受けなければならないと定めています。
この営業許可を受けずに行う営業は無許可営業とされ、①2年以下の懲役、②200万円以下の罰金、③①②の両方が科されるおそれがあります。
上記事例において、Aさんが営業しているのはファッションヘルスです。
ファッションヘルスは、「風俗営業」に含まれる「性風俗関連特殊営業」に当たります。
そのため、風営法上の許可を受けなければ、Aさんのように無許可営業に当たる可能性があります。
ある日突然摘発されるということもたびたび起こっているので、無許可営業になっていないか十分注意する必要があると言えます。
【初回接見のメリット】
刑事事件の捜査は秘密裏に行われるのが通常であり、ある日突然逮捕されてしまうことも珍しくありません。
逮捕されてしまうと、外部との接触を著しく制限され、ひたすら事件の取調べが行われるという事態に陥ってしまいます。
そうした状況下においては、弁護士による初回接見が大きな支えとなることが期待できます。
弁護士は被疑者・被告人の利益を守る存在であり、接見(面会)に際しても特権と呼ぶに値するものが認められています。
まず、初回接見に限らず、弁護士は逮捕後の被疑者・被告人といつでも接見を行うことができます。
この接見は捜査に支障が及ぶ場合でなければ基本的に妨げられず、特に初回接見はいっそうその点が重視されています。
ですので、弁護士であれば、被疑者・被告人と迅速に初回接見を行って様々なアドバイスをすることができます。
次に、弁護士の接見においては、弁護士以外の者との接見を異なり警察の立会を要しません。
そのため、事件の詳細や捜査機関に知られたくないことを含め、あらゆる話を心置きなくすることができます。
これにより、初回接見を通すことで、これまで周囲が知ることができなかった情報も知らせることができます。
以上のように、初回接見は刑事事件において非常に重要な役割を果たします。
もし逮捕の知らせを受けたら、すぐに弁護士に初回接見を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の刑事事件を扱ってきた弁護士が、最短でお申込み直後、遅くともお申込み後24時間以内に初回接見を行います。
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詐欺罪で保釈
詐欺罪で保釈
Aさんは、知人のBさんの紹介でとある高報酬のアルバイトをすることになりました。
その内容は、Bさんからキャッシュカードを受け取り、それを用いてATMで指定された金額を下ろすというものでした。
報酬は1回あたり5万円であり、怪しく思ったAさんは「これって詐欺かなんかじゃないのか。だったら俺はやめる」とBさんに伝えました。
しかし、Bさんは「こっちはお前の個人情報掴んでるからな。ばっくれたらどうなるか想像つくだろ」と言って、Aさんにバイトを続けさせました。
その後、他人のキャッシュカードを用いて福島県伊達市内のATMでお金を下ろしたとして、Aさんは伊達警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、詐欺罪で起訴される可能性が高いこと、起訴されたらすぐに保釈請求をすることを伝えました。
(フィクションです)
【詐欺罪について】
他人を騙して財産を交付させた場合、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪の構成要件は、①欺罔行為(欺くこと)、②①による相手方の誤信、③誤信した状態での財産の交付、④財産の移転(取得)となっています。
これらを全て満たしてはじめて詐欺罪が成立するということになります。
それでは、なぜ上記事例のAさんは詐欺罪で起訴される可能性が高いのでしょうか。
他人のキャッシュカードでお金を下ろすというのは、最近日本各地で発生している特殊詐欺の典型的な手口の一環です。
かつては交通事故を起こしたなどと言ってお金を振り込ませる振り込め詐欺が主流でしたが、最近は手口が多様化しています。
特殊詐欺の事案においては、複数名が詐欺罪を構成する行為を分担して行うのが通常です。
たとえば、甲が被害者を騙し、乙が被害者からキャッシュカードを受け取り、丙がそのキャッシュカードで被害者の口座からお金を下ろすといったかたちです。
こうした共犯形態での犯罪については、たとえ各人の行為が一部であっても、全員が全部の行為を行ったものとして責任を負うことになっているのです。
上記事例において、Aさんは指示どおりにキャッシュカードでお金を下ろしたに過ぎません。
ですが、他に被害者を騙す役とキャッシュカードを受け取る役が存在していたとすると、Aさんはそれらの者と共謀して詐欺を行ったことになります。
そうすると、Aさんも詐欺罪に当たる行為をしたことになり、詐欺罪の共犯が成立して10年以下の懲役が科されるおそれがあるというわけです。
ちなみに、捜査の初期段階においては、Aさんの行為単体を捉えて窃盗罪として捜査される可能性があります。
【保釈による身柄解放】
共犯形態の特殊詐欺事件に複数回関与したとなると、起訴される可能性は非常に高く、なおかつ起訴前の身柄解放はおよそ期待できないといっても過言ではありません。
そこで、一日でも早く身柄解放を実現する手段として、起訴後に限って許される保釈請求が考えられます。
保釈とは、指定された額の保釈保証金を裁判所に預け、一時的に被告人を釈放してもらう手続のことです。
このときに納付する保釈保証金は、被告人が逃亡や証拠隠滅などを図れば一部または全部が返ってこなくなる可能性があります。
それだけ聞くと不利益ばかりのようですが、この保釈保証金の存在により、そうそう逃亡などを図らないと評価されて保釈による身柄解放が認められやすいという仕組みになっているのです。
保釈を実現するためには、裁判所に対して保釈請求をし、保釈を認めても問題ないことをきちんと示す必要があります。
そうしたアピールは、やはり法律の専門家である弁護士の得意分野だと言えます。
特に重大事件では、保釈が身柄解放を実現する唯一の希望となることも多々あるので、ぜひ弁護士に保釈請求を依頼してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、勾留されている方の一日でも早い釈放を目指して迅速に保釈請求を行います。
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暴行罪で示談
暴行罪で示談
Aさんは、福島県福島市内を走行する電車に乗っていたところ、同じ車両に乗っていたVさんとトラブルになりました。
AさんとVさんは途中で降車し、駅のホームで言い争いになりました。
Vさんは「もういい。時間の無駄だ」と言ってその場を去ろうとしたので、AさんはVさんの顔に向かってつばを吐きかけました。
この件をVさんが警察に相談したことで、Aさんは暴行罪の疑いで福島北警察署の捜査を受けることになりました。
困ったAさんは、弁護士に示談を依頼することにしました。
(フィクションです)
【暴行罪について】
他人に「暴行」を加えたものの「傷害」に至らなかった場合、暴行罪が成立する可能性があります。
「傷害」とは人の生理的機能の侵害を指すと考えられており、出血や骨折などの怪我のほか、腹痛、失神、PTSDなども含まれます。
一般的に、暴行という言葉は殴る蹴るといった行為を想像される方が多いかと思います。
ですが、暴行罪における「暴行」とは、不法な有形力・物理力の行使一切を指すとされています。
上記事例では、AさんがVさんの顔に向かってつばを吐きかけています。
このような行為も、不法な有形力・物理力の行使として「暴行」に当たると考えられます。
そうすると、Aさんには暴行罪が成立する可能性が高いです。
暴行罪の法定刑は、①2年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③拘留、④科料のいずれかです。
拘留は1日以上30日未満の拘置、科料は1000円以上1万円未満の金銭の徴収です。
疑われている罪名が暴行罪にとどまっているとすれば、科される刑はいずれも軽いものとなる可能性が高いと言えます。
ただ、上記事例ではおよそ考えられませんが、事案によっては傷害罪や殺人未遂罪となって重い刑が科されることもありえない話ではありません。
逆に、もともと傷害罪を疑われていた事案で、暴行と傷害との因果関係があったかどうか疑わしいとして暴行罪に切り替えられることもありえます。
たとえば、被害者が暴行とは無関係の怪我について「暴行のせいだ」と言うというケースが考えられます。
【刑事事件における示談の意味】
刑事事件においては、被害者と示談を行うことが重要だと言われることが多々あります。
示談とは、被害者に対して謝罪や被害弁償などを約束し、事件の当事者間で事件が解決したことを確認する合意のことです。
通常は示談書というかたちで書面化しておき、後で事件が蒸し返されて民事訴訟に至った場合などに備えておきます。
この示談が刑事事件においても重要だと言われるのはなぜでしょうか。
刑事事件において、ある事件を起訴するかどうか決めるのは検察官です。
検察官は、ある事件について有罪立証の見込みが高い場合にも、犯人の境遇、犯罪の軽重、犯罪後の情況などを考慮して起訴を見送ることができます(起訴裁量主義)。
このときに考慮される事情の一つが示談の締結です。
示談においては、事件により受けた被害が慰謝料の支払いなどにより補填されたことを確認されます。
そのため、示談が締結されれば、わざわざ国家が積極的に処罰を行う必要もないという考えに結びつきやすくなるのです。
暴行事件においても、侵害されたのは個人の身体ですから、やはりその個人との示談が重要となります。
もし示談が実現すれば、事件が不起訴で終わる可能性を高めることが期待できます。
ただ、警察が介入しているケースというのは、往々にして被害者が加害者を許すことができないと考えている場合です。
ですので、もし示談を行うのであれば、弁護士に事件を依頼してきちんと示談交渉を行ってもらうことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、自身の知識と経験を総動員して示談の実現を目指します。
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強制わいせつ罪で保護観察
強制わいせつ罪で保護観察
高校2年生のAさんは、学校から帰る際に福島県伊達郡にある公園の前を通っていました。
公園からさほど遠くないところには小学校があり、公園は小規模ながらもその小学校の児童の遊び場となっていました。
ある日、Aさんがその公園の前を通りかかったところ、小学校低学年から中学年の女子児童Vさんが1人で遊んでいる姿が目に入りました。
そこで、Aさんは児童に「お医者さんごっこしよう」と声を掛け、児童の服を脱がせて胸や性器を触りました。
その現場を偶然通りかかった警察官が目撃し、Aさんは強制わいせつ罪の疑いで福島警察署川俣分庁舎に逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、弁護士から「処分の見込みとしては保護観察の可能性もある」と説明を受けました。
(フィクションです。)
【強制わいせつ罪について】
強制わいせつ罪は、その名のとおり相手方に対して「わいせつな行為」を行った場合に成立する可能性のある罪です。
裁判例によれば、「わいせつ」とは、「いたずらに性欲を刺激または興奮させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること」を指します。
「わいせつ」と言えるかどうか判断するには、具体的な行為をこの概念に当てはまるか検討する必要があります。
よくある例としては、胸を揉む、膣に指を入れる、無理やりキスをする、といったものが挙げられるかと思います。
強制わいせつ罪が成立するには、わいせつな行為の手段となる暴行または脅迫がなければならないのが原則です。
ただし、相手方が13歳未満の者であれば、例外的にわいせつな行為のみを以て強制わいせつ罪は成立します。
13歳未満の者は、性的意思決定を適切に行う能力が類型的に欠けていると考えられているからです。
上記事例では、AさんがVさんに対し、胸や性器を触るというわいせつな行為に及んでいます。
Aさんは「お医者さんごっこしよう」と声を掛けたに過ぎず、暴行や脅迫を加えたわけではありません。
ですが、Vさんは13歳未満の者に当たることから、先ほど説明したようにわいせつな行為のみを以て強制わいせつ罪が成立すると考えられます。
ちなみに、仮にAさんが性交に及んでいれば、強制わいせつ罪ではなく強制性交等罪となる余地が出てきます。
こちらについても、13歳未満の者が対象であれば暴行・脅迫は要しません。
【少年事件における保護観察】
罪を犯した者が少年(20歳未満の者)である場合、その事件は刑事事件ではなく少年事件となります。
通常の刑事事件では最終的に刑罰が科されるのに対し、少年事件では刑罰ではなく保護処分というものが行われます。
これは、少年の心身共に未成熟であることを考慮し、刑罰による制裁ではなく適切な指導・教育により非行を防止すべきであるという考えに基づきます。
少年に対して行うべき保護処分は、家庭裁判所での調査とそれに続く審判に基づき決定されます。
最終的な処分としては、そもそも審判を行わない審判不開始、審判の結果保護処分を要しないと判断した場合の不処分、何らかの措置を必要と判断した場合の保護処分があります。
保護処分が必要だと判断された場合、①保護観察、②児童養護施設・児童自立支援施設送致、③少年院送致のいずれかが行われます。
保護観察の決定を受けた少年は、保護司や保護観察官と適宜コミュニケーションをとりながら従前と同じように生活することになります。
ですので、保護観察が適しているのは、基本的に保護司や保護観察官の助けさえ借りれば更生が期待できる少年だと言えます。
もし保護観察を目指すのであれば、少年事件に詳しい弁護士に一度相談してみることをおすすめします。
保護観察を目指すうえで押さえるべきポイントを知っておくのは大切ですし、事件を依頼して活動を行ってもらえば保護観察の可能性はいっそう高まるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に強い弁護士が、保護観察を含めて少年ひとりひとりにとって最良の処分を検討します。
お子さんが強制わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
身代わり出頭で犯人隠避罪
身代わり出頭で犯人隠避罪
Aさんは、福島県内の高速道路を走行していた際、自車がオービスに反応したことに気づきました。
1週間後、Aさんはスピード違反の疑いで富岡警察署から呼び出しを受けたことから、知人のBさんに身代わり出頭をお願いしました。
Bさんは了承して出頭しましたが、身代わり出頭が発覚して犯人隠避罪の疑いで逮捕されました。
逮捕の知らせを受けてパニックになったAさんは、ひとまず弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
【身代わり出頭と犯人隠避罪】
ご存知の方も多いかと思いますが、警察署から呼び出しを受けた場合に他者を出頭させることは身代わり出頭と呼ばれます。
身代わり出頭の主な動機は、頼む側としては違反の事実を隠蔽するため、引き受ける側としては人助けをするためというのが多いのではないでしょうか。
ですが、こうした動機から軽率に身代わり出頭を頼んだり引き受けたりすると、犯人隠避罪という重大な罪に関与することになるのです。
【身代わり出頭をした者の罪】
まず、身代わり出頭を引き受けた者については、先述のとおり犯人隠避罪が成立する可能性があります。
犯人隠避罪は、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者または拘禁中に逃走した者(以下、「犯人等」)を隠避させた場合に成立します。
ここで言う「隠避」とは、「蔵匿」(場所を提供してかくまうこと)以外の方法で警察などによる逮捕・発見を免れさせる行為を指します。
上記事例では、Bさんがスピード違反で呼び出しを受けたAさんとして警察署に出頭しています。
これにより、警察官はBさんをAさんと誤認し、Bさんを違反者として手続を進めるおそれがあったと言えます。
そうすると、Bさんによる身代わり出頭は「隠避」に当たると考えられます。
そして、スピード違反の法定刑は、道路交通法により6か月以下の懲役または10万円以下の罰金とされています。
以上から、Bさんには犯人隠避罪が成立し、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
【身代わり出頭を依頼した者の罪】
身代わり出頭を引き受けた者が犯人隠避罪を犯した場合、身代わり出頭を頼んだ者も犯人隠避罪の責任を問われる可能性が高いです。
刑事事件では、特定の犯罪を実行した者だけでなく、他人にその犯罪を実行する決意を生じさせた者も責任を負わせることになっています。
そうした犯罪の実行を決意させる行為は「教唆」と呼ばれ、刑法において「正犯の刑に科する」と定められています。
上記事例では、AさんがBさんに身代わり出頭を依頼し、それを了承したBさんが実際に身代わり出頭を行っています。
そうすると、Aさんは犯人隠避を「教唆」したとして犯人隠避教唆罪が成立し、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
ちなみに、事案の内容次第では、身代わり出頭をしたBさんより身代わり出頭を頼んだAさんの方が重い刑を科される可能性があります。
教唆犯であれば実行犯より刑が軽いとは限らない点に注意が必要です。
以上で見たように、身代わり出頭に関与すると、犯人隠避罪が成立して大変な事態に陥りかねません。
もし身代わり出頭に関与してしまったら、すぐに弁護士に相談して今後の見通しや取調べ対応などをお聞きください。
刑事事件に詳しい弁護士であれば、相談を受けた時点で最良の対応をお伝えすることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、身代わり出頭で犯人隠避罪を疑われた方のご相談も真摯にお聞きします。
犯人隠避罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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器物損壊罪が不起訴
器物損壊罪が不起訴
Aさんは、福島県福島市に住む知人のVさんがなかなか借金を返済してくれないことに腹を立て、Vさん宅の窓に向かって硬式野球のボールを投げました。
ボールは窓に直撃してガラスの破片が飛び散りましたが、日中でVさんが留守にしていたため怪我人はいませんでした。
その後、Vさん宅に仕掛けられていた防犯カメラの映像が決め手となり、Aさんは器物損壊罪の疑いで福島警察署にて取調べを受けることになりました。
もともと野球中の事故を装おうと考えていたAさんは、焦って弁護士に不起訴にできないか相談しました。
(フィクションです。)
【器物損壊罪について】
刑法
第二百六十一条
…他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(一部省略)
器物損壊罪は、他人の物(建造物、艦船、特定の内容の文書を除く)を「損壊」した場合に成立する可能性のある罪です。
器物損壊罪における「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為を指すとされています。
上記事例では、AさんがVさん宅に向かって野球用の硬球を投げ、窓ガラスを割っています。
このような行為は正に「損壊」と言えるため、Aさんは器物損壊罪として①3年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③科料(1,000円以上1万円未満の金銭の納付)のいずれかが科されるおそれがあります。
ちなみに、窓ガラスのような建造物に付随する物が損壊されたケースでは、その物を建造物の一部と見て、器物損壊罪ではなく建造物損壊罪(刑法260条)が成立する余地があります。
裁判例には、工具を使うことで損壊することなく取り外しができた玄関ドアについて、外部との遮断、防犯、防風、防音などの機能上の重要性を重視して建造物損壊罪の成立を認めたものがあります。
【不起訴を目指すには】
刑事事件は、その全てが裁判になって最終的に刑罰が科されるというわけではありません。
中には、不起訴となって刑罰を科されることなく終了する事件が少なからずあります。
そのため、たとえ刑事事件を起こしてしまっても、一度冷静になって不起訴の可能性がないか弁護士に聞いてみることを心掛けるとよいでしょう。
不起訴の理由は多岐に渡りますが、その中でよく見られるものとして起訴猶予が挙げられます。
起訴猶予とは、検察官にとって起訴すれば有罪にできる見込みがあるものの、様々な事情を考慮して起訴を敢えて見送る処分です。
考慮される事情としては、①性格や来歴といった犯人に関する事情、②動機や軽重といった犯罪に関する事情、③犯罪後の情況が挙げられます
検察官により不起訴処分が下された場合、その事件は不起訴として終了したものとみなされ、よほどのことがない限り起訴されて裁判が行われることはなくなります。
起訴されなければ裁判で事件が公になることはありませんし、懲役や罰金などの刑罰も科されませんので、被疑者にとっては非常に有益と言えるでしょう。
器物損壊事件において起訴猶予による不起訴を目指すなら、やはり被害者との示談が重要になります。
示談により被害弁償や謝罪などの事実をアピールできれば、検察官としても積極的に処罰する必要はないとして不起訴にする可能性が高まるからです。
ただ、事件の張本人が直接示談交渉に及ぶことは、交渉の決裂や被害者からの不当な要求のリスクがあることから決しておすすめできません。
適正な内容の示談をできるだけ早く交わすなら、ぜひ法律の専門家である弁護士に示談交渉を依頼してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が不起訴の実現に向けて充実した弁護活動を行います。
器物損壊罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。