Archive for the ‘刑事事件’ Category
公務執行妨害罪で逮捕
Aさんは、泥酔して福島県須賀川市の住宅街で騒いでいたところ、近隣住民の通報で駆け付けた警察官数名に取り囲まれました。
警察官は、「ここじゃ近所迷惑なので署でお話ししましょう」と言い、Aさんを須賀川警察署まで連行しようとしました。
それに対し、Aさんは「やめろ。俺はなんも悪いことはしとらん」と暴れ、警察官1名を殴ったり蹴ったりしました。
これにより、Aさんは公務執行妨害罪の疑いで逮捕され、Aさんの妻に逮捕の事実が告げられることとなりました。
Aさんの妻は、弁護士に逮捕後の流れを聞いてみました。
(フィクションです)
【公務執行妨害罪について】
公務執行妨害罪は、公務員が公務を執行するに当たり、その公務員に対して暴行や脅迫を加えた場合に成立する可能性のある罪です。
「公務員」の意味は、刑法に「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」と定義されています。
警察官は「公務員」の典型例と言って差し支えなく、実務上も警察官に対する公務執行妨害罪が少なからず見られるところです。
公務執行妨害罪には、条文に書かれていない要件として、公務の適法性があると考えられています。
刑法が保護の対象としているのは国の作用の円滑な遂行であり、その作用が違法なものであれば公務執行妨害罪による保護を及ぼすべきではないためです。
違法な公務の典型例としては、たとえば逮捕状もなければ現行犯でもない状況において、被疑者をその場に留め置くなどして実質的に逮捕と同様の身体拘束を行うケースが挙げられます。
ただ、こうした公務の適法性に関する主張は非常に通りにくく、そう簡単に公務執行妨害罪が無罪となるものではない点に注意が必要です。
それでもそうした主張を検討するのであれば、弁護士の存在は殆ど必須といっても過言ではないでしょう。
公務執行妨害罪の法定刑は、①3年以下の懲役、②3年以下の禁錮、③50万円以下の罰金のいずれかです。
懲役と禁錮の違いは、前者が労役を伴うのに対して、後者は労役を伴わず単に拘置されるだけであるという点です。
初犯であれば罰金刑で終わることも多いでしょう。
ただし、もし暴行により公務員が傷害を負っていた場合は、傷害罪が別途成立する余地もあります。
【逮捕後の流れ】
以下では、公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたことを前提に、逮捕後どのような手続が行われるのかを見ていきます。
まず、逮捕された被疑者は、警察署にて弁解の録取が行われることになります。
その後、警察署では、被疑者の身柄と事件を検察庁に送致すべきか、逮捕から48時間以内に決めることになります。
引き続き身体を拘束する必要性が明らかにない場合、検察庁への身柄送致をされることなく警察署で釈放されます。
他方、引き続き身体を拘束すべきと考えられる場合、検察官に勾留請求をしてもらうべく事件が検察庁に送致されます。
被疑者の身柄を受け取った検察官は、再び被疑者の弁解を録取しつつ、長期の身体拘束である勾留をすべきか24時間以内に判断します。
勾留の必要性がないと検察官が判断すれば、被疑者はその時点で直ちに釈放されます。
他方、勾留の必要性があると判断すれば、勾留を請求してその是非を裁判官に委ねます。
勾留が請求されると、被疑者は裁判所に行き、裁判官による勾留質問を経て勾留の当否が決定されます。
裁判官が勾留を妥当だと考えれば、被疑者の勾留が決定し、検察官が勾留を請求した日から10日間(延長により最長20日間)身体が拘束されることになります。
その後は、①勾留の期限で起訴され、被告人となって勾留が最低2か月伸びる、②略式罰金となり、罰金を払って事件が終了する、③不起訴または処分保留で釈放される、のいずれかとなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門とする弁護士が、刑事事件の流れを意識して的確な弁護活動を行います。
ご家族などが公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を取り扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
当事務所では、365日24時間体制で無料法律相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。依頼者様のご意向や疑問に真摯に耳を傾け、最良の解決を目指します。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
暴行事件で逮捕
Aさんは、交際相手の女性と福島県郡山市内を歩いていたところ、前から歩いてきたVさんら数名に絡まれました。
Vさんは「俺らと遊ぼうよ」と言ってAさんの交際相手の手を掴んだことから、AさんはVさんの顔面を殴り、倒れたところで腹部を蹴りました。
その後、AさんはVさんの手を引いて逃げるようにその場を去りましたが、後日郡山北警察署に逮捕されました。
この暴行事件を知ったAさんの両親は、弁護士に示談を依頼することにしました。
(フィクションです)
【暴行事件において成立する可能性のある罪】
上記事例のAさんは、Vさんの顔面を殴ったうえで、腹部に蹴りを入れています。
この場合に成立する可能性のある罪として、どのようなものが考えられるでしょうか。
①暴行罪
第一に、Vさんに「暴行」を加えたとして、暴行罪が成立する可能性があります。
暴行罪における「暴行」とは、不法な有形力・物理力の行使を指すと考えられており、Aさんの行為がこれに当たることは疑う余地がないでしょう。
罰則は、①3年以下の懲役、②20万円以下の罰金、③拘留(1日以上30日未満の拘置)、④科料(1000円以上1万円未満の金銭の納付)のいずれかです。
②傷害罪
Aさんの暴行によりVさんが「傷害」を負った場合、暴行罪ではなく傷害罪が成立する可能性が出てきます。
傷害罪における「傷害」とは、人の生理的機能の侵害を言い、たとえば出血や骨折など身体の様々な不調が含まれます。
罰則は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
③傷害致死罪
傷害の結果、相手方が死亡した場合、傷害罪より重い傷害致死罪が成立する余地が出てきます。
殺意をもって行為に及んだわけではない場合に成立するものであり、殺意があったのであれば殺人罪が問題になります。
罰則は、3年以上の有期懲役(上限20年)です。
④殺人罪
殺意をもって暴行に及び、相手方を死亡させた場合、最も重い殺人罪となりえます。
殺意があったかどうかは、行為時の心情のみならず、暴行の内容や相手方との関係なども考慮して判断されます。
罰則は、死刑または無期もしくは5年以上の懲役(上限20年)です。
【暴行事件はまず示談の検討を】
暴行事件において成立しうる上記の罪は、いずれも一個人を被害者とする犯罪の典型例と言えるものです。
これらの罪を犯した場合、最も有力な弁護活動は被害者との示談となります。
前提として、刑事事件の処罰は国が行うものであり、慰謝料をはじめとする民事上の損害賠償とは全く別個のものです。
そのため、理屈のうえでは、当事者間で示談が成立したからといって直ちに刑事事件としての処罰を免れるわけではありません。
ですが、暴行事件において成立しうる罪は、いずれも人の身体という保護対象を侵害したことの責任を負わせるものです。
そのため、暴行により生じた損害が補填されるなどして、被害者が加害者を許した場合には、もはや国が積極的に処罰を加える必要はないと考えられます。
以上から、結果的に当事者間での示談が刑事事件にも大きな影響を与えるのです。
被害者との示談が成立した場合、不起訴や執行猶予といった寛大な処分となる可能性が飛躍的に高まります。
このように刑事事件において肝となる以上、決して示談交渉の手を抜くべきではありません。
最善の結果になる可能性を少しでも高めるなら、やはり弁護士に示談を依頼してきちんとまとめるのが得策でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を数多く扱ってきた弁護士が、一筋縄ではいかない示談交渉に知識と経験を総動員して挑みます。
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詐欺罪で逮捕
Aさんは、中学時代の先輩であるBさんから誘われたことがきっかけで、詐欺事件に加担するようになりました。
その詐欺の手口は、高齢者に「キャッシュカードが犯罪に使われた可能性があるので回収している」などと嘘をつき、キャッシュカードを騙し取ってお金を引き出すというものでした。
Aさんは、指示を受けた高齢者宅へ赴き、そこでキャッシュカードを受け取る受け子という役割を担っていました。
ある日、Aさんが福島県郡山市のVさん宅に行ったところ、キャッシュカードを受け取って家を出たところで郡山警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
その後、Aさんは勾留の際に接見等禁止決定が出たことから、弁護士が両親との面会を実現すべく申立てをすることにしました。
(フィクションです)
【詐欺罪は成立するか】
詐欺罪は、人を欺いて財物を得た場合に成立する可能性のある罪です。
①欺く行為、②相手方の勘違いなど、③財産の交付・移転という流れがそれぞれ因果関係を持つ必要があります。
ですので、たとえば被害者が①の段階で嘘を見破り、②に至らなかったものの哀れみなどの情から③を行った場合には、因果関係が断たれることから詐欺罪が完了したとは言えません。
この場合には、③については責任を問うべきでないと考えられることから、詐欺未遂罪が成立するにとどまります。
以上を念頭に、上記事例のAさんに詐欺罪が成立する可能性があるか確認します。
Aさんは、既に何者かにより騙されたVさんからキャッシュカードを受け取っています。
AさんはVさんを欺いたわけではありませんが、こうした共犯事件においては、共犯者各人の行為を全員が全て行ったものとして責任を問われます。
そのため、AさんもVさんを欺いてキャッシュカードを受け取ったとみなされると考えられます。
ただ、AさんがVさん宅を出た直後に警察が待ち構えていたことからすれば、Vさんはだまされたふりをしていたに過ぎない可能性が高いです。
仮にそうだった場合は、先述のとおり因果関係が欠けることから、詐欺罪は既遂に至っていないことになるでしょう。
以上から、Aさんには詐欺未遂罪が成立すると考えられます。
【面会を禁止されたら】
逮捕されると、警察署などの留置施設に収容されて外部(弁護士を除く)との接触が制限されます。
通常は逮捕後2~3日が経てば面会できるようになりますが、事案によってはその期間を経過してもなお面会できない状態が続くことがあります。
その事案とは、接見等禁止決定というものが行われたケースです。
接見等禁止決定(以下、「接見禁止」)とは、弁護士以外の者との間における面会や物の受け渡しを禁止することです。
共犯事件や否認事件といった、証拠隠滅のおそれが特に認められる事件に対して行われることが多いです。
接見禁止となった場合、事件に全く関係のないご家族さえも面会などが禁止されてしまいます。
接見禁止の事件において面会などを実現するには、その決定をした裁判官の決定を動かす必要があります。
具体的には、家族による面会のみなど限られた範囲で接見禁止を解いてもらう一部解除の申立てや、裁判官の判断の妥当性を上級の裁判所に問う準抗告をすることになります。
こうした申立てを行う際には、事件に関わる証拠が何かを念頭に置きながら、面会などを希望する者が証拠隠滅に及ぶおそれがないことを説得的に主張することが重要です。
ですので、もし面会できないと言われたらぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、接見禁止を争って面会などの実現に向けて奔走します。
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淫行で逮捕
福島県二本松市に住むAさんは、SNSを通して中学生や高校生と接触し、直接会って遊ぶということを複数回繰り返していました。
遊びの内容はカラオケやドライブなどでしたが、一部の中高生とは車の中やラブホテルで性交をしていました。
ある日、その中高生のひとりが他の男性と一緒にいた際に補導され、二本松警察署が捜査を開始しました。
その結果、Aさんは福島県青少年健全育成条例違反(淫行)の疑いで逮捕されました。
Aさんの両親は、事件を依頼した弁護士から略式罰金について聞きました。
(フィクションです)
【淫行の罪について】
淫行とは、青少年(18歳未満の者)と行うみだらな行為やわいせつな行為を指します。
典型的なものだと、未成年(19歳以上の者を除く)との性交が挙げられます。
日本では、各都道府県が定める条例により規制されており、福島県においても福島県青少年健全育成条例が淫行の禁止を定めています。
淫行に関して特に注意すべき点は2つあります。
1点目は、相手方となる青少年が性交などに同意していても淫行に当たるということです。
淫行を規制する青少年健全育成条例の目的は、簡単に言えば健全な育成が妨げられないよう年青少年を保護することです。
この目的は社会秩序の維持という側面もあり、青少年が淫行に同意したからといって許されるものではないのです。
2点目は、性交などの際に対価があった場合、児童買春として罰せられる可能性が出てくるという点です。
児童買春は、お金などを対償として児童(18歳未満の者)とわいせつな行為に及ぶものであり、児童にとっては誘惑が強いものです。
そのため、淫行より重く見られており、取調べにおいても青少年を物で釣らなかったか厳しく追及されることが少なくありません。
福島県で淫行をした場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
この罰則は、条例により科すことができる刑罰の範囲内では最も重いものです。
また、仮に無理やり行為に及べば強制わいせつ罪や強制性交等罪に、先述のとおりお金などの対価があれば児童買春の罪にもなりうることから、状況次第では更に重い刑が科されることもありえます。
【略式罰金とは何か】
淫行事件では、初犯でなおかつ件数が少なければ略式罰金で終わることがあります。
略式罰金とは、略式という例外的な手続で簡易・迅速に科す罰金刑のことです。
本来、ある罪を犯したとして刑罰を科すためには、裁判を行って有罪であることを厳格に認定しなければなりません。
ですが、全ての事件で裁判を行うとなると、犯罪を疑いがある被告人、犯罪を立証する検察官、判決を下す裁判官のいずれにとっても負担となります。
そこで、当事者間で主張に争いのない単純な事件を可能な限り簡単に処理すべく、略式罰金という制度が創設されました。
略式罰金による場合、検察官が被疑者に略式手続で問題ないか確認したあと、略式起訴をすることになります。
略式起訴があった事件については、裁判官がわざわざ裁判を開かず書面で審理をすることになるため、被告人から見れば心身の負担が少なくて済みます。
この点が略式罰金の大きなメリットと言えるでしょう。
ただ、略式起訴された事件の事実関係は、基本的に捜査機関がまとめた記録に沿って認定されることになります。
ですので、もし事実関係に争いがあって無罪などを目指すなら、敢えて略式罰金ではなく通常の裁判を希望してもよいでしょう。
もし略式罰金にしてもらうべきか判断に悩んだら、ぜひ弁護士に相談してみてください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、略式罰金に応じるべきかどうかについて的確なアドバイスを致します。
ご家族などが淫行の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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強制わいせつ罪で逮捕
Aさんは、福島県伊達市内の路上において、中学2年生のVさんに対してわいせつな行為をしようと思いました。
そこで、AさんはVさんの口を押さえて「騒いだら殺す」と画面に表示させたスマートフォンを見せ、スカートの中に手を入れて下半身を触りました。
数分程度行為に及んだところで、Aさんは呆然としているVさんを置いてすぐにその場を逃走しました。
後日、Vさんが両親と伊達警察署に被害届を出し、Aさんは強制わいせつ罪の疑いで逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、弁護士に示談を依頼することにしました。
(フィクションです)
【強制わいせつ罪について】
強制わいせつ罪は、暴行または脅迫を用いて「わいせつな行為」に及んだ場合に成立する可能性のある罪です。
暴行・脅迫を手段とすること、行為の内容がより悪質であることから、多くの痴漢に適用される迷惑防止条例違反の罪とは一線を画すと言えます。
強制わいせつ罪における「わいせつな行為」とは、裁判例において以下のように定義されています。
「いたずらに性欲を刺激・興奮させ、なおかつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、もって善良な性的道義観念に反する行為」
具体的な行為が「わいせつな行為」として強制わいせつ罪に当たるかどうかは、この定義を手掛かりに判断していくことになります。
実務上、「わいせつな行為」として認められやすいのは、膣に指を挿入する、胸を揉む、無理やりキスをする、などが挙げられます。
単に尻や胸に触れた程度でさほど悪質でなければ、先ほど述べた迷惑防止条例違反の罪が成立するにとどまる可能性が高いでしょう。
また、「わいせつな行為」の手段となる暴行・脅迫は、相手方の反抗を著しく困難にする程度のものである必要があるというのが通説的な見解です。
こうした文言からすると相当強度のものが必要のようにも思われますが、裁判例における認定は比較的緩やかな場合もあるため一概には言えません。
【示談の重要性】
強制わいせつ罪の法定刑は6か月以上10年以下の懲役であり、罰金刑がない点、上限が10年である点から決して軽くないものと言えます。
更に、仮にその機会に死亡または傷害の結果が生じた場合、強制わいせつ致死傷罪として無期懲役または3年以上の有期懲役(上限20年)が科される余地も出てきます。
強制わいせつ罪が上記のとおり重いことから、もし犯してしまえば裁判や実刑となるリスクは常に想定しなければなりません。
そのうえで、少しでも刑を減軽するのであれば、やはり被害者との示談が重要になります。
事件の性質上、示談交渉は難航することが予想されるので、弁護士をつけて対応することをおすすめします。
もしきちんと示談が締結できれば、場合によっては不起訴、もし裁判になっても高い確率で執行猶予となることが期待できます。
示談に関して注意すべきポイントとして、被害者がどのような心情を持っているかという点が挙げられます。
たとえ表面上は示談ができても、被害者が依然として強い処罰感情を抱いていれば示談の効果が薄れる可能性があります。
そのため、示談をするに当たっては、双方納得のうえで実のある合意を目指す必要があるのです。
そうした点は、事件の張本人やその家族ではなかなか目指しづらいというのが実情です。
示談の効力を少しでも多く裁判に反映させるために、示談交渉はぜひ弁護士に依頼しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロを自負する弁護士が、最善の結果を目指して真摯に示談交渉に取り組みます。
ご家族などが強制わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

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福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
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窃盗罪で逮捕②
福島県福島市のアパートに住むAさんは、隣室のベランダから女性用の下着を盗んだのをきっかけに、女性の家に侵入して下着を盗みたいと思うようになりました。
そこで、窓に鍵が掛かっていない家を探し、窓を開けて侵入したうえでタンスから女性用の下着を盗みました。
そうした犯行を2件行ったところ、被害に遭った女性のひとりが警察に通報したことで、Aさんは住居侵入罪および窃盗罪の疑いで福島北警察署に逮捕されました。
接見に来た弁護士は、起訴される可能性があると伝えたうえで、被害者と迅速に示談を行うことにしました。
(フィクションです)
【示談の概要】
前回の記事では、上記事例のAさんに窃盗罪が成立する可能性が高いことを確認しました。
今回の記事は、窃盗事件における主要な弁護活動とも言うべき示談について解説します。
まず、示談とは、簡単に言うと事件の当事者同士による合意を指します。
刑事事件における示談の内容は、基本的には謝罪と被害弁償の約束が中心になります。
そのうえで、事案の内容に応じて、たとえば事件の口外禁止や当事者間における接触禁止などが盛り込まれることもあります。
当事者双方の納得があって成立するものなので、当事者双方が納得している限りその内容は多岐にわたります。
刑事事件においては、被害者との示談の成否や内容が処分・量刑に大きな影響を及ぼします。
事件の内容にもよりますが、被害者が被害の補填を受けたり処罰を望まなかったりすれば、国が事を重く見て処罰する必要はないと考えられるからです。
ですので、被害者との示談が実現すれば、起訴前であれば不起訴につながりやすく、仮に起訴されても刑を減軽する理由となるのが普通です。
また、もし交渉が決裂するなどして示談が成立せずとも、真摯に交渉を試みたことが考慮されることもあります。
このことから、示談交渉は非常に重要な弁護活動と言えます。
【弁護士に示談交渉を依頼するメリット】
以上で見たように、刑事事件において示談は非常に重要であり、特に逮捕されているのであれば早急に交渉に取り組むべきです。
ただ、弁護士を介入させずに本人が示談を試みた場合、交渉が難航して以下のような不利益を被る可能性があります。
第一に、当然のことではありますが、本人が逮捕されていれば示談交渉のために行動を起こすことはできません。
ですので、弁護士を介入させずに示談を行うのであれば、必然的に本人の家族などが交渉を行うことになります。
ですが、家族は事件のことをあまり詳しく知らないことも多く、面会で聞こうにも立会いの警察官に遮られることが予想されます。
そうなると、事件のことを詳しくしらないまま示談交渉を行うということになり、交渉が難航するだけでなく示談締結後に事件のことが蒸し返されるおそれもあります。
交渉の難航という点は、特に時間の制約が厳しい逮捕から起訴までの間に大きな悪影響を及ぼし、場合によっては不起訴を取り逃すことになりかねません。
第二に、そもそも被害者と接触することができず、交渉に着手することができないことも十分ありえます。
脅迫などによる証拠隠滅のおそれがあることから、基本的に捜査機関は被疑者・被告人やその家族に被害者のことを教えてくれないことが多くあります。
加えて、上記事例のような窃盗事件を起こした場合、被害者としては弁償など二の次で、とにかく関わらないでほしいという意思が固いことも珍しくありません。
第三に、仮に被害者との交渉に着手できたとしても、恐喝まがいの要求をされるなどして過度に高い示談金を払ってしまうことも考えられます。
事件の本人やその家族としては、自分たちに落ち度があるからと萎縮してしまうかもしれません。
ですが、だからといって要求を鵜呑みにすれば、通常の相場より過度に高い示談金を支払ったり、精神的に大きな負担となったりするという事態に陥ります。
以上のような難点は、弁護士に示談交渉を任せることで解消することが期待できます。
弁護士に任せれば確実に示談交渉が楽になるはずなので、少しでも不安であればぜひ一度弁護士に相談してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、示談の締結に向けて迅速かつ丁寧に弁護活動を行います。
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福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
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窃盗罪で逮捕①
福島県福島市のアパートに住むAさんは、隣室のベランダから女性用の下着を盗んだのをきっかけに、女性の家に侵入して下着を盗みたいと思うようになりました。
そこで、窓に鍵が掛かっていない家を探し、窓を開けて侵入したうえでタンスから女性用の下着を盗みました。
そうした犯行を2件行ったところ、被害に遭った女性のひとりが警察に通報したことで、Aさんは住居侵入罪および窃盗罪の疑いで福島北警察署に逮捕されました。
接見に来た弁護士は、起訴される可能性があると伝えたうえで、被害者と迅速に示談を行うことにしました。
(フィクションです)
【窃盗罪について】
窃盗罪は、ご存知のとおり他人の物を盗んだ場合に成立する可能性のある罪です。
万引きや空き巣というかたちで非常によく見られる犯罪の一つであり、刑法犯(日本において発生する、刑法に規定されている犯罪)の約7割を占めているというデータがあります。
窃盗罪が成立する要件は、正確に言えば①他人の財物を②窃取し、③その際に不法領得の意思があったこと、と説明できます。
今回は、上記②③に着目しながら、上記事例において窃盗罪が成立する可能性が高いことを確認します。
【要件②について】
「窃取」とは、占有者の意思に反して、財物に対する占有を自己または第三者に移転させることを指します。
簡単に言えば、他人の支配下にあるものを自己の支配下に移す、ということです。
上記①とも関連しますが、他人が持っている自分の物を勝手に取り戻した際にも窃盗罪が成立する可能性があるのです。
また、どの時点で「窃取」が完了した、すなわち財物の支配が移ったと言えるかについては、財物の性質や周囲の状況などから客観的に判断される事柄です。
上記事例のように空き巣で下着を窃取した場合は、その場で下着を懐に入れた時点で「窃取」は完了すると考えられます。
なぜなら、下着程度のサイズの物を誰にも気づかれずに懐に入れれば、その時点で下着の支配が持ち主から自身に至ったと言えるからです。
このように「窃取」が完了したかどうかという点は、窃盗未遂罪として刑を減軽する余地があるかどうかに関わるため重要です。
【要件③について】
不法領得の意思とは、(a)権利者を排除し、なおかつ(b)財物をその経済的用法に従い利用・処分する意思と定義されています。
一見するだけでは意味が理解しがたいものかと思いますが、こうした定義がなされているのには理由があります。
まず、(a)については、物を一時的に借りる行為を窃盗罪とは区別し、借用につき少なくとも刑事責任は問わないということを明確にするためです。
他人の物を一時的に借りる場合、通常その物を自身の支配下に置く意思はないと考えられることから、こうした区別がなされています。
ただし、本当に一時的に借りただけと言えるかどうかは、実際にどう使用されたかという観点から判断されます。
ですので、自分の中では少し借りたという程度でも、客観的に見れば窃盗罪に当たるということは十分ありえます。
次に、(b)については、窃盗罪と器物損壊罪との区別をつけるためです。
器物損壊罪は、他人の物を壊したり隠したりすることで、物の利用を妨げた場合に成立する可能性のある罪です。
これに対し、窃盗罪は、物の利用を妨げるのみならず自らその物を利用するという罪です。
この観点から、刑事事件においては、一般的に器物損壊罪より窃盗罪が重いと考えられているのです。
(b)に含まれる「経済的用法」というキーワードは、こうした区別のために存在するというわけです。
ただ、この「経済的用法」という言葉は裁判例などで本来の意味より広く捉えられる傾向にあります。
上記事例のAさんも、性的興奮を覚えるという理由から下着を盗んだと考えられ、たとえば下着を売るなどして経済的利益を得ようとは考えていないはずです。
ですが、下着に性的興奮という価値を見出していた以上、やはりAさんには不法領得の意思が認められるでしょう。
以上から、Aさんには窃盗罪が成立すると考えられます。
次回は、上記事例のようなケースにおける示談について説明します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、豊富な知識と経験を武器に弁護活動を行います。
ご家族などが窃盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を取り扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
当事務所では、365日24時間体制で無料法律相談・初回接見サービスのご予約をお電話にて受け付けております。依頼者様のご意向や疑問に真摯に耳を傾け、最良の解決を目指します。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
事後強盗罪で逮捕
Aさんは、福島県福島市のスーパーマーケットに行き、商品数点(被害総額約2000円)を自身のトートバッグに入れました。
そして、会計をせずに店を出ようとしたところ、警備員のVさんに「鞄の中見せてもらえますか」と声を掛けられました。
AさんはVさんに身体を掴まれたことから、手足をばたつかせるなどして一度Vさんを振りほどいてすぐに逃走を図りました。
ですが、少し走ったところで買い物客数人に足止めをされ、やがて駆けつけた警察官により事後強盗罪の疑いで逮捕されました。
福島警察署でAさんと接見した弁護士は、示談を行って不起訴を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【事後強盗罪について】
事後強盗罪とは、その名のとおり事後的に強盗罪のような状況が生じた場合に成立する可能性のある罪です。
通常の強盗罪は、暴行または脅迫により相手方の反抗を抑圧し、その機会に乗じて財産を奪取するものです。
これに対し、事後強盗罪は、窃盗犯が一定の目的で相手方に暴行または脅迫を加えることで成立します。
一定の目的とは、①逮捕を免れること、②盗んだ物が取り返されるのを防ぐこと、③犯罪の痕跡を隠滅すること、のいずれかです。
窃盗とは無関係に他人を傷つけようとした場合には、これらのいずれにも当たらないため事後強盗罪には当たりません。
ただし、そうした目的は外部から読み取れないため、事後強盗罪の疑いで捜査が進むことはありえます。
刑法238条を見てみると、事後強盗罪は「強盗として論ずる」とされています。
その意味は、法定刑や他の罪との関係が事後強盗罪と同様になるということだと考えられています。
つまり、事後強盗罪の法定刑は強盗罪と同様5年以上の懲役であり、死傷が伴えば強盗致死傷罪が成立する余地が出てきます。
あらかじめ強盗に及ぶつもりはなくとも、窃盗の発覚に動揺してつい暴行や脅迫に及んでしまうことは十分考えられるところです。
そうしたケースでも強盗と同列に語られてしまう危険がある以上、事後強盗罪は注意すべき罪だと言えるでしょう。
【不起訴の概要】
先ほど説明したように、事後強盗罪という罪自体は決して軽いものではなく、裁判になって懲役刑が科される可能性も否定できません。
とはいえ、刑事事件も罪名のみで事件の軽重と妥当な処分を決めているわけではありません。
具体的にどの程度の重さなのかという点は、事後強盗罪で言えば被害額の多寡や暴行・脅迫の危険性などにより大きく変わってくるかと思います。
ですので、示談をはじめとする弁護活動が奏功すれば、事案によっては不起訴になることもありうるでしょう。
ある刑事事件について裁判を行うかどうかの決定権は、基本的に犯罪の訴追を担う検察官にあります。
検察官は、裁判における有罪立証の見込みや、有罪判決となることで被疑者が被る不利益などを考慮し、起訴か不起訴かの判断を下すことになります。
不起訴となった事件は直ちに終了し、よほど事情が変わらない限り有罪として処罰を受けることはなくなります。
検察官は有罪立証の見込みが高い場合にも不起訴処分を下せますが、それに際しては事件の内容や事件後の事情を考慮するのが通常です。
事後強盗罪で言うと、犯行が単純で比較的軽微なこと、被疑者が真摯に反省していること、示談などにより被害者の処罰感情が薄れたこと、などが不起訴の可能性を高める要素になるかと思います。
不起訴の可能性を少しでも高めるなら、弁護士に事件を依頼して最善を尽くしてもらうのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、不起訴にしてほしいというご要望に可能な限りお答えします。
ご家族などが事後強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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放火罪で逮捕
福島県福島市で不審火の発生が重なり、福島警察署が放火事件と見て捜査を開始しました。
現場の付近では不審者の目撃情報が数件あり、捜査の結果その人物はAさんであることが明らかとなりました。
ある日、ゴミ置き場に積まれていた雑誌類に火をつけられ、周辺にあった自転車などに被害が及んだ放火事件が発生しました。
この事件を受け、茂原警察署はAさんを建造物等以外放火罪の疑いで逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、起訴前の身柄解放が難しいことを考慮し、保釈を見据えて弁護活動を開始することにしました。
(フィクションです。)
【放火罪について】
刑法には、放火の対象物と生じた結果に応じて数種類の放火罪が定められています。
大きく分けると、①現住・現在建造物等放火罪、②非現住建造物等放火罪、③建造物等以外放火罪の3つがあります。
「建造物等」とは、建造物、汽車、電車、艦船、鉱坑を言い、人が住居として使用していれば現住、現に人が存在していれば現在となります。
②は、現住でも現在でもない建造物等に対する放火罪です。
上記事例でAさんが疑われているのは、建造物等以外が対象となる建造物等以外放火罪です。
建造物等以外放火罪は、2つの建造物等放火罪と異なり、放火により公共の危険が生じたことが要件となっています。
公共の危険とは、不特定または多数人の身体・生命・財産に対する危険だと考えられています。
こうした危険が生じていなければ、たとえ対象となる「建造物等以外」が全焼したとしても、放火罪ではなく器物損壊罪が成立するにとどまると考えられます。
それぞれの放火罪を比較すると、①が死刑または無期もしくは5年以上の懲役、②が2年以上(建造物等が自己所有なら6月以上7年以下)の懲役、③が1年以上10年以下の懲役です。
どの放火罪が成立するかにより、最終的な刑の重さも大きく異なってくるでしょう。
ちなみに、器物損壊罪の法定刑は、①3年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③科料(1000円以上1万円未満の金銭の徴収)のいずれかです。
【保釈による身柄解放】
法定刑の重さからも分かるように、放火罪は凶悪犯の一つとして数えられる重大な罪です。
放火罪のような重大な罪を疑われた場合、逮捕・勾留の可能性は非常に高くなるのが一般的です。
犯した罪が重大であればあるほど、逮捕・勾留の要件である逃亡や証拠隠滅のおそれが高いと評価されるためです。
上記のようなケースでは、起訴後に限って許される保釈が身柄解放の有力な手段と言えます。
保釈とは、裁判所に指定された額の金銭を預けることで、判決が下されるまで一時的に身体拘束を解く手続です。
預けた金銭はいわば担保の役割を果たし、逃亡や証拠隠滅などに及んで没収されない限り、保釈が終わったのちに返還されます。
こうした威嚇が存在することもあって、保釈は重大な事件においても比較的認められやすいという特徴があります。
保釈が認められるためには、被告人または被告人と一定の関係にある者が保釈請求をしなければなりません。
この保釈請求を通して、裁判所は被告人の保釈を認めても差し支えないか審査することになります。
ですので、保釈請求を行うのであれば、法律の専門家である弁護士に行ってもらうのが得策です。
弁護士であれば、保釈の妨げとなりうる事情がないことを的確に主張したり、保釈に向けてそうした事情を解消したりすることが期待できます。
保釈の可能性を少しでも高めるなら、ぜひ弁護士への依頼をご一考ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、ご依頼に応じて一日でも早い保釈を目指します。
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横領事件で前科回避
Aさんは、福島県福島市にあるX株式会社の営業部に所属しています。
ある日、顧客のBさんのもとへ行ったAさんは、以前購入した資材の代金として300万円が入った封筒を預かりました。
Bさんからはそれを社長に渡すよう言われましたが、Aさんはパチンコや借金の返済などで300万円全額を費消してしまいました。
後日、社内でこのことが発覚し、Aさんは処分が決まるまで自宅謹慎を命じられました。
Aさんは、社長が横領事件として福島警察署に相談することも検討していると聞き、弁護士に刑事事件化を阻止できないか相談しました。
(フィクションです。)
【横領事件=横領罪?】
会社などの他人に属する金銭を自己のために費消する行為は、一般的に横領と呼ばれることが多いのではないでしょうか。
刑法には横領罪という罪が規定されていますが、一般的に横領事件と言われるものが全て横領罪に当たるわけではない点に注意が必要です。
キーワードは後述する「占有」です。
横領罪は、自己が「占有」する他人の物を横領した場合に成立するとされています。
「占有」というのは物に対する事実上または法律上の支配を指し、その有無は物の状態や占有をさせる者とする者との関係などの様々な事情を考慮して判断されます。
この点が難しいところで、事実上他人の物が手元にあるからといって、そこから直ちに他人の物を占有しているとは言えない場合があるのです。
たとえば、スーパーマーケットなどでレジを打つ店員には、レジスターの中にある金銭に対する占有が認められないと考えられます。
なぜなら、店員はレジスターの中の金銭をある程度自由に管理・処分できる立場にあるとは言えず、必ずしも物を支配しているとは言えないためです。
もし占有が認められなければ、他人が占有する物を窃取したとして、横領罪ではなく窃盗罪に当たる余地が出てきます。
成立する罪が異なれば、当然ながら予想される刑の重さも異なってきます。
横領罪の法定刑は、単純横領罪で5年以下、業務上横領罪で10年以下の懲役です。
一方、窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
単純横領罪の法定刑の上限が窃盗罪より低いのは、他人の物を自己の物にする誘引性があるからだとされています。
【事件化を阻止するには】
いずれの罪が成立するにせよ、横領事件を起こしてしまった以上、物の所有者を被害者とする罪を犯してしまったことには変わりありません。
その場合、被害者と示談を行うなどして刑事事件となるのを阻止し、刑罰を回避することが有効となります。
窃盗罪や横領罪は個人の利益を害する罪なので、捜査機関が刑事事件として取り扱うかどうかも基本的には被害者の意思にかかっています。
被害者の意思にかかわらず刑事事件として捜査が進められることは、よほど重大な事件でない限りありえないと考えて差し支えありません。
ですので、事件化を阻止するうえでは、被害届を出したりしないよう被害者と交渉することが重要と言えます。
事件化を阻止するうえで最良の手段は、やはり先ほど挙げた示談だと考えられます。
示談は当事者間において事件が解決したことを合意するものなので、示談の締結はお互いにとって事件が円満に終了したことの証となりえます。
それだけに被害者と上手く示談をまとめるのは決して簡単なことではありません。
少しでも不安であれば、示談のような代理を専門とする弁護士に事件を依頼するべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで数多くの示談を締結してきた弁護士が、事件化阻止のためにできる限りのことを行います。
横領事件を起こしたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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福島県の刑事事件・少年事件について、身柄拘束の阻止・早期の釈放や保釈、無実無罪の証明(冤罪の究明)、不起訴による刑罰回避、処罰の適正化など刑事事件・少年事件を中心に扱う経験豊かな弁護士が、自信をもって刑事弁護サービスをご提供いたします。
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